2015/07/09 のログ
■雪城 涼子 > 「いいのよ、気にしなくて。男の子からの呼び出しなんて何時ぶりかしらねえ」
などと、パタパタと手を振りながらのんきに返事を返す。
真面目な話であろうけれど、肩の力を抜くことも大事だし……と。
「え……………なに?どういうこと?」
確かに、其の名前は知っている。知っているどころではない。
私があの子を拾った時に聞いた名前だ。
もっとも、長くて覚えにくいし呼びにくい、と娘が新たな名前を開発してしまって以来聞くことも無くなって久しいのだが……
■霜月 零 > これはビンゴかな、と溜息を吐きながら説明する。
「先日、公園でこの名前を名乗る相手と話しまして。
……俺は括流先生とアタリつけたんですけど、どうです?」
取り敢えずしっかりと確認をする。ここがはっきりしないと、話を先に進めることが出来ないのだから。
■雪城 涼子 > 「……そう、ね。
確かにそれは、括流の本当の……いえ、前の名前よ。
ただ、それが本当に括流なのか、は分からないけれど。
あの子は名前を変えてから昔の名前を使うこと、なかったし……」
事態がわからない以上、憶測だけでものを言うのは良くない。
ただ、自分の分かっている事情を伏せておいたのでは話にもならない。
であれば……こういう微妙に曖昧な答え方になってしまうのも致し方ない。
■霜月 零 > 「十中八九ビンゴでしょうね、俺と氷架の関係を知ってたんで。俺に会ったことがあるとも言っていた。
……その上で、何故か『俺の知らない人間の姿』で『俺の知らない昔の名前』を使って接触してきたんですよ」
目をすうっと細める。この時点で違和感てんこ盛りなのだ。
「その上、アリスっつー……まあ、子供。そいつを『盾』にしてきたんですけど……そう言う事、するタイプです?」
確認を続ける。知り合い……否、家族としてはショッキングな内容かもしれないが、そこは大人として受け止めて貰わなければならない。
■雪城 涼子 > 「ああ……そう、なら。そうね……多分、本物のヒュクルールクルケイア……括流なんでしょうね。
んー……」
なら、と。零のもたらした情報を咀嚼し、考える。
姿、に関しては……あまり人間の姿にならないとはいえ、やらないわけでもない。そこはおかしくはないだろう。
問題は他だ。
「なんともいえないわね……あの子が、それを最適解、としたのならそういうこともあるかもしれない。
盾にしたっていう子供は結局最後どうなったの?」
■霜月 零 > 「俺が抜かなかったんで別に。なんか入学したいとかで、生活委員会棟に連れてってましたよ」
考えてみれば相当にチグハグな行為である。盾の様に使っておきながら、後で保護じみた事をしているのだ。
「で……これだけは確たることは言えないんですけど、俺って結構勘が働くんすよ。
……その勘が、括流先生を見て警戒を煽ってきたんです。だから、いざとなれば抜く覚悟で構えたんですけど」
さらっと凄い事を言うが、零は「危険となれば抜く」程度の事は当然の世界に育ってきたのだ。
状況が不明瞭だったこともあり、彼にとっては比較的「普通」の事なのである。
「取り敢えず、要領を得ない感じでした。あまりによくわからんので何がしたいか聞いてみたら『自分でもわからない』と。
ただ……俺と氷架の関係がトリガーじゃないかな、とは思うんですが」
■雪城 涼子 > 「なるほどね……なら、そこはまあ問題ないわ。たぶんね。
ああ、勿論倫理的な問題とかそういうのは解決してないけれど、うん。
そこはそんなにおかしくないと思う。」
目の前の青年が違和感を感じて構えた、というのであれば括流は防衛のために最も合理的な方法を使ったのだろう。
あまり褒められた手段とはいえないかもしれないが……おそらく一番確実だ。
「そう……ね。あの子の様子が決定的に変わったのは、あなたと氷架の話を聞いてから、だから……
それが関係しているのは間違いない、と私も思うわ。
問題は……そっか。自分でも分かってないのね……んー……」
名前を"変えた"のも、其のへんのことがあってのことかもしれない。
ひょっとして、仮説が当たらずとも遠からず、か……?
■霜月 零 > 「俺が受けた印象は、失礼な表現かもしれないけど『子供の癇癪』でした。
なんか気に入らない。気に入らないけどそれをどうしたらいいかわからない。
だから、取り敢えず原因っぽい相手にツラ当てする……そんな感じの流れに、思えました。
俺と氷架を引き裂きたいのか、と聞いたら、回答が『二人のことは祝福しているし、ひょーかの選択を私は尊重するよ。』だったんです。
多分……感情と理性が噛み合ってない。ホントは俺と氷架の関係を気に入らないのに、氷架を尊重しないといけないから消極的に祝福せざるを得ない……んだと思います」
困ったような表情でボヤく。
正直、そう言う事をされても困るだけ、と言うのが本音である。
「その上で、俺が心配なのは氷架です。あの調子だから、戻ってないんでしょう?
となれば、氷架は心配するはずだ。
氷架は律儀で優しい奴です。心配が募れば探しに出回るかもしれないし、体調にも影響が出るかもしれない。
それは括流先生の望むところじゃない……正直、括流先生がスネて帰ってない現状、誰も何も得しないんですよ。
ただ、だからと言って、このことを氷架に伝えるべきかわからなくて……」
伝えたら、余計迷ってしまうのではないか。心労を重ねるだけになるのではないか。
それが不安で、言い出せないでいるのだ。
■雪城 涼子 > 零の見解を黙って聞いて考える。
現場にいなかったので、すべてが分かるわけではない。
だからこそ、事実のみを引っ張りだしてみる。
『どうしたいかわからない』『二人のことは祝福している』『ひょーかの選択を私は尊重する』
……なるほど、こうして並べてみれば零の見解も納得行くところはある。
しかし……
「そうね。ちょっとこの際、括流の事情は一回置いておきましょう。
あなたには大分迷惑をかけてるみたいだから、そう単純に済ませるわけにいかないのもわかってるけれど、ね。」
そういって、一回横に置いてしまう。
「まずは……そっちね。氷架ちゃんの方。
そうね。どっちにしても今の状態を確認しないといけないから、大なり小なり、話はしないといけないと思う。
ただ、どこまで話すか……だけれど。話すとしたら、事実だけ、かな。」
■霜月 零 > 一瞬瞑目し、括流の事情は自分の意識の中からも一旦横に置く。
この場で優先したいのは、氷架の方だ。
「事実だけ、っつーと……俺の知らない名前と体で接触してきた、何がしたいのかは本人もわかってないようだ……くらい、ですかね?」
確認をする。何も纏めずに伝えようとしたら、自分の感情がノイズになってしまいそうだ。
■雪城 涼子 > 「んー……ちょっと違うかな。
"人の姿"で"ヒュクルールクルケイア"と名乗って"現れた"。
こう、ね。」
おそらく、それだけでも十分に色々なことが伝わるだろう。
十分以上に伝わってしまいそうなところが怖いのだが、全く何も言わないわけにもいかない。
「あと、そうだ。これ大事なことなんだけれど……括流、またくる、みたいな……そんなこと、いってたかな?」
■霜月 零 > 「ん、了解です」
人の姿でヒュクルールクルケイアと名乗って現れた。この一文をしっかりと記憶する。
出来れば……自分の口で伝えたかった。
「またくる、とは……」
少し瞑目し思い出す。
去り際に彼女は……
「一度失礼しますね、とは言いました。ただ、別に再会を示唆する言葉は……」
言っていなかった。そう伝える。
■雪城 涼子 > 「ん……それだけ分かれば十分。
じゃあ、ここだけズルして付け足しね。
"必ずまた現れるから、今は変に探さないこと。"」
あの子のことだから、心配すれば何を始めるかわからない。
打てる釘は打っておかないと……だ。
「あとは……そうね。まだ憶測でしかなくて、困るなあ……」
情報のパーツが足りない。いや、ピースはなんとなくつながりそうなのだが……
決定的な一つが絶望的に足りていない気がする。
「とりあえず……零くんには迷惑かけるかも……ごめんなさいね」
■霜月 零 > 「まあ、ある程度反対があるのは、覚悟してたんで」
溜息。とは言え、こんなややこしい形で来るとは思っていなかったのだが。
「じゃあ……電話します。出なきゃ留守電で。
出来れば直接話したいんですけどね……」
一度顔を見ておきたい。状態を確認しておきたい。
とてもとても、不安で心配だ。
■雪城 涼子 > 「反対……反対、ね……うん。
ただの反対……なら、いいんだけれど……」
溜息を一つ、つく。
心の中で、そんな単純な問題ではない……と、何かが告げている。
そもそも、反対だとして"何"が気に入らないのか。
あの時、あの決定的な時に括流は不満は述べつつも、反対、とは言わなかった。
「うん、よろしくお願いね零くん。私が必要ならその時は言って」
■霜月 零 > 「押忍。その時はお願いします」
深く頭を下げる。この人にも、迷惑をかけっぱなしだ。頭が上がらない。
「……ホント、単に反対してるだけなら、いいんですけどね」
それならまだやり様はある。最悪ゴリ押してもいい。
が……零の「直感」も、また別種のものではないかと言う不安を訴えていた。
もっともっとドス黒い何かではないか、と。
「あークソ……会いてぇ……」
精神的に若干参っているのだろう。本人の母親の前で、ついついそんな事を口にしてしまう。
■雪城 涼子 > 「まあ……だから、その……ごめんなさいね。ちょっと気をつけて。
この先、何がどう転ぶか、私にもわからないの。
あの子、ああみえて……一応、カミサマだったりした子だから……
はかりきれないところもあるのよね。」
こちらもそういって頭を下げる。
真摯な礼は大事なのだ。
「あら……隅に置けないわね。ふふ。
まあ、いちゃいちゃしてもいいけれど……時間と場所はわきまえてね?」
凝り固まった空気を柔らかくするように、くすり、と笑ってみせた。
■霜月 零 > 「あー……成程、そりゃ分からないっすね」
軽く頭を抱える。神格だからと言って所謂人格者である保証はどこにもない。
寧ろ精神的に未熟なところを残したまま生きてきた神だってザラにいるのだ。子供と違い力は十分あるから余計性質が悪いと言える。
最悪……本当の最悪は、霜月家の宝具を引っ張り出さないといけないかもしれない。
「あ、あー……いやまあ、俺が惚れ込んでる感じなんで……今は、氷架は割といっぱいいっぱいでしょうから」
溜息。正直、電話するのも話す、あわよくば会う口実に……なんて邪念がある自分が嘆かわしい。
■雪城 涼子 > 「何事も無く、落ち着いてくれればいいんだけれど……うん。
さっきいった"必ず現れる"っていうのは多分本当。
ただ、それがいい意味か悪い意味か、私にはまだ見えない。」
そう、零に警句めいて告げる。
今はまだ、この程度しか言えない。括流の心の何処にひっかかるものがあるのか、わからないからだ。
「じゃあ、おばさんは邪魔かもしれないから去りましょうかしら。
ああ、でも……私も気をつけるけれど。零くんも、氷架が無茶しないようにだけは気をつけてね。
変に口にすると意固地になるかもしれないから、そこも気をつけて。」
さろうとして……くり、と後ろを向いて後ろ歩きになりながら付け足した。
■霜月 零 > 「はい、そこんところはわかってます」
氷架は意地になるタイプだ。変に突っつくのは下策になりかねない。
その場合を想定して、言う事も考えてある。
「現れるにしても……いろんな可能性は、想定しときます」
最悪の可能性も、その中には含まれている。
神を斬り星を墜とした、親友殺しの大業物。そう呼ばれている刀を抜く必要も、あるかもしれない。
だが、それは本当に最悪の、最後の手段だ。
それは口にせず、頭を下げて見送った。
■雪城 涼子 > 「ん」
返事を聞けば、満足気に頷いて歩き去った。
ご案内:「常世神社」から雪城 涼子さんが去りました。
■霜月 零 > 「……」
涼子を見送り、少し待つ。
完全にいなくなったのを確認してから、スマートフォンを取り出し……電話をした先は、氷架ではない。
「……ああ、親父。悪いな、こんな時間に」
実家の父親である。たまに電話はしていたが、こんな時間に電話をしたのは初めてだ。
「ん?ああ、試験はそこそこ。まあなんとかなるさ。で、本題なんだがな……」
本題。そう、これが一番の肝だ。
「『凍月』。アレの封印、解除しといてくれ。
最悪……抜くかも知れねぇ」
真剣な声に、電話の先の父親も承諾してくれた。こういう時、無言で信頼してくれる父親には頭が上がらない。
「悪い……ま、無駄手間になっちまうかもしれねーけどな。ああ、それじゃ」
通話を切る。
盛大に、溜息を吐いた。
■霜月 零 > 霊剣『凍月』(いてづき)。
数代前の当主の得物であり、その当主が凍月で神を斬った事により霊格を得た、霜月家随一の宝具。
刃渡り五尺を越える大太刀であるため扱いが難しいが……それを想定して稽古しておけば、何とかなるだろう。
文字通り「神殺し」の実績を持つ霊剣……本当に、本当に最悪の場合でも、対処出来るはずだ。
そこまで考えてまた溜息。
勘弁して貰いたい、そんなものを抜く事態にならないのがベストなのだから。
この決意は胸に秘め……今度こそ氷架に電話をする。
ぴぽぱ。とぅるるるるる
取り敢えずコール。
■霜月 零 > とぅるるるるる。出ない。ちょっとしょんぼりである。
とは言え、当然向こうにも用事や都合があるのだ。こういう時もある。
そう思って、素直に留守電にメッセージを残そうとして……。
「……もう少し、もう少しだけ」
もう少し粘ることにした。とても往生際の悪い男である。
■霜月 零 > 「……仕方ねーよな」
溜息。そりゃあまあ、仕方ないのである。
仕方ない、と割り切って留守電を残す。
「もしもし、氷架。先日、括流先生と会った。ただ……人の姿で、ヒュクルールクルケイアと名乗って現れたんだよな。
んで、必ずまた現れる、みたいなことも言ってたから……あまり心配すんな。
ちょっとその時は本当に括流先生かわかんなくてな……確保出来なかった。すまん。
次会ったらとっ捕まえて氷架も呼ぶよ。
で、もしそれでも括流先生を探しに行くってんなら……出来る限り俺も呼んでくれ。
アレなら芙蓉を頼って貰っても構わん、アイツは喜んで協力するだろうからな。
それと、あー……また、話そうな。そんじゃ」
つーつー。
多分これでよかった、はずだ。流石に寝る前には確認してくれるだろうし……折り返してくれると嬉しいなー、とか考えつつ、取り敢えず一息。
……本当に、凍月を抜くような事にならなければいいのだが。
■霜月 零 > 「はぁ……」
またしても溜息。
本当にしんどい状況だ。事が終わったら一発ぶん殴ってやろうか、くらいの事を考えてしまう程度には状況を引っ掻き回されている。
自分に対する嫌がらせ程度なら別にいいのだが……氷架が巻き込まれているであろう事が気に食わない。本末転倒甚だしくないか。
もし、本末転倒にすら気付かず、本当にマズい事を始めるようなら……最悪の手段も考慮しなくてはならない。
神、神格と言うのは、割とそういうものなのだ。
「勘弁してくれよな……」
この二日ほどで、一か月分くらい溜息を吐いている気がする。流石に大袈裟だろうか?
とは言え、精神的にはしっかりと参ってしまっている。嫌がらせが主目的だとすれば、成功していると言わざるを得ない。
■霜月 零 > 文句が、不満があるのなら、変な比喩だが姑みたいに振る舞ってくれてもいいのだ。
チクチク嫌味を言われる程度なら、まあ何とかなる。
やはり問題は、氷架が心配してしまっているであろうという事で……
「ったくよー……」
最早溜息しか出ない。後愚痴。
「どーっすかなぁ……」
もう一度溜息。ただまあ、ここに留まり続けてもあまり意味はないだろう。神社と言う聖域で愚痴ばかり零すのも考え物だ。
■霜月 零 > 「……そういや神社か」
この時間誰もいなさそう、と言う事で待ち合わせ場所に設定したが、ここは神社である。
賽銭と……後願い事をするくらいは許されるだろう。
■霜月 零 > ゆっくりと歩いて、拝殿に向かう。
賽銭の作法は、投げ込まない事。手の届く場所に賽銭箱があるのならば、淵から滑らせるのが正しい作法だ。
その作法に乗っ取り、取り敢えず硬貨1枚を賽銭として奉納する。
……なお、その硬貨には「500」と言う数字が書いてあるのだが。
そして、二礼二拍一礼。
手を合わせて心の中で願いを告げる。
「(今の状態が解決して、氷架とのんびり夏休みを過ごせますように……)」
数分がっつりと念じる。500円を使ったことからしても、かなりガチである。
■霜月 零 > たっぷりと念じた後、また深く一礼をしてそのまま後ろに下がる。
拝殿を辞する時も、即座に尻を向けないのが作法だ。
「……気休めでは、あるんだけどなぁ」
その気休めに500円を使ったのだから、信心深いと言うべきか、相当に参っているというべきか。
ただ……本当に、試験が終わってさあ夏休み、と言うタイミングでこういうことになるのは勘弁して欲しかった。
折角だしデートの頻度、時間も増やせたら……なんておぼろげに考えていたのが、一気にパァである。
「……帰るかぁ」
溜息。本当に、これ以上長居する用事もない。
■霜月 零 > 「早めに決着、つけねぇとな」
溜息交じりに決意して、鳥居を潜って神社を去って行った……
ご案内:「常世神社」から霜月 零さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に阿僧祇 宿禰さんが現れました。
■阿僧祇 宿禰 > (夕刻の神社、ぶらりぶらりと歩を進める。
腰からの水音に思わず口元が緩む。
鳥居の中心をくぐって本殿へ。)
寮より落ち着くのう。まぁ仕方のないことかの。
(くすくすと笑いながら本殿を眺められる地面に胡坐をかいて座る)
■阿僧祇 宿禰 > (ひょうたんを外し栓を開けて軽く掲げる)
邪魔をしておるよ。
(そういって口を付けた。)
■阿僧祇 宿禰 > (懐から紙の包みを取り出し、直垂の上で開く、中からは白い粉末。それを指に着け、舐めながらひょうたんを傾け続ける)
水難が起きねばよいのう、儂、そっち門外漢だし。
(小さく肩を揺らす。)