2015/08/05 のログ
ご案内:「常世神社」にサヤさんが現れました。
■サヤ > 「……うぅ……。」正直気が重い、でもちゃんと話さないと……。
照りつける陽射しの中、サヤは重い足取りで神社に現れた。数日前にここで出会った少女、焔誼迦具楽に会うためだ。
数日前彼女に渡された首輪、サヤの居た地域では『自分のものになれ』という意思表示を表すそれが、昨日の夜に突然灰になって崩れてしまったのである。
元から数日で崩れるように作ってあったのだが、サヤはそれを知らず、自分の管理が悪かったから崩れたのだと考えてた。
だから、首輪に対する返事の前に、一度会って謝ろうと思って、最後に出会ったこの神社にやってきたのだ。
階段を上って境内へ入る。焔誼の匂い、近くに居るか、さっきまでここに居たか。
「…………。」ビニール袋に入れた、首輪の成れの果てを握る。
ちゃんと謝らないといけない。大事な首輪をこんなにしてしまったのだ、怒られて、嫌われるかもしれない。
似た首輪を探そうかと思ったが、それは誠意に欠けた行いだ。罪から逃げるわけには行かない。
まるで判決を待つ被告人のような面持ちで、木陰に佇んでいる。
ご案内:「常世神社」に焔誼迦具楽さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
【特に用事があったわけでもなかったが、散歩の寄り道とやってきた常世神社。
『他人の家』という感覚はあるものの、場所自体は嫌いではないのだ】
「……とはいえ、誰もいないんじゃ詰まらないのよね」
【のんびりと境内の裏手までぐるりと一周し、再び表に戻ってくると、知った気配。
視線を向けてみれば、なにやらずいぶんと沈み込んだ様子で佇んでる知人の姿が】
「あら、サヤじゃない。どうしたの、そんなに暗い顔をして」
【そんな姿を見つければ、まさか自分が原因などとは思うはずもなく。
気安い調子で近づき、声を掛けた】
■サヤ > 煤けた香りに、少しだけ神気。匂いが強くなってきた、近づいてきているのだろう。
「すぅ……はぁ……。」落ち着いて、深呼吸。
そして、声をかけられれば「あ……。」待っていたのに、驚いたような声が出た。
こちらに近寄ってくる相手を、しっかりと見る。もしかしたらこんな風に声をかけられるのも最後かもしれない。
「あの……ええと……ご、ごめんなさい焔誼さん!」謝らないとする気持ちが前に出すぎて、第一声がそれになってしまった。
違う、ちゃんと説明しないと。
「その……首輪…首輪が……ええと……こ、壊れ…壊してしまって……。ごめんなさい……。せっかく頂いた首輪なのに……ごめんなさい。」
黒い灰が入ったビニール袋を見せる。その手は白くなるほど握りしめられている。
■焔誼迦具楽 >
「……へっ?」
【突然謝られれば、間の抜けた声をだしてきょとんとした表情を浮かべる。
それから説明を聞いて、袋が差し出されれば。
ようやくなるほどと、理解できた。
ならばまずは現状、そして目の前のサヤの心情を推測するのが最優先である。
―― ざわ ざわ ――
普段五月蝿い声も、こういうときには役に立つ。
なにせ無数の魂とが無数の経験を元に好き勝手主張するのだから、そこから最適且つ無難な答えを引き出せばいいのだ。
まず、相手は首輪云々と話した際、面白い勘違いをしていた。
それは異邦人故の文化の違いのようなものだろう。
先日はそれを利用してからかったのだ。
けれどどうやら、随分と深刻に落ち込んでいる。
……ならまずは様子見】
「あー、やっぱり壊れちゃったかあ」
【苦笑しつつ、ごめんね、と付け加えながら答える。
もちろんいきなりネタ晴らしなどはしない。
場合によっては、いや、かなりの確立で、からかっていただけの事がばれると怒られる。
それもまた構わないといえば構わないのだが、痛い目に遭いそうな可能性はなるべく回避しておきたいのだ】
■サヤ > 「やっぱりって…ええと……やはり壊れやすいものだったんですか…?…すみません本当に……き、きっと管理が……ただ机に置いてたものですから……あの、正しいやり方を…知らなくて……。」祈るように両手を合わせて握る。
自罰的な性格と、無知の自覚から、自分が管理を間違えたので壊れてしまったと思い込んでいる。その様子はイタズラが見つかった子犬か何かのようだ、叱られるのを怯えながら待っている。
「すみません、本当に……。」肩を縮こませている。
■焔誼迦具楽 >
「あー、ううん。
もともとそんな長持ちする物じゃなかったから、気にしないで。
もっと上手く作れればよかったんだけどね」
【などとまあ、白々しく慰めるように言う。
もちろん、大嘘である。
最初から時間経過で自壊するよう作っておいたし、その気になれば精巧且つ半永久的に壊れない物だって生成可能だ。
しかしそんな事をわざわざ正直に言うのは、完全に自殺行為である。
そんなことよりも、この震えるおもしr――じゃない、可愛い子犬をどうするかが重要である】
「大丈夫、サヤのせいじゃないから謝らないでいいよ。
そんなに自分を責めないで。ほら、私も怒ってないでしょ?」
【ここは本心である。
なぜなら完全に自分が悪いのだから。
などとは表には出さないようにしつつ。
あまつさえ、一等やさしい微笑を浮かべながら、縮こまった肩に触れ、慰めるように頭を撫でようと手を伸ばす始末。
焔誼迦具楽。忘れ勝ちだが、れっきとした怪異であり、人に仇なすナマモノである。一応】
ご案内:「常世神社」に嶋野陽子さんが現れました。
■嶋野陽子 > 昼食を終えて、図書館に戻る途中で、
常世神社前を通りがかると、サヤさんと迦具楽さんが
境内にいるのが見える。今日は迦具楽さんに謝らない
といけないので、境内に入って、二人に声をかける陽
子。
■サヤ > 「ほ、ほんとですか……。」怒ってない、と言われ頭を撫でられれば、少しずつ肩の力が抜けている。
「良かった……あの……首輪…首輪壊すなんて本当に……あの、本当にありえないぐらい失礼だから……怒られて、嫌われるかもって……ぐすっ…怖くて……。」抑えつけていた恐怖がぶり返してきて、少し涙ぐむ。
■焔誼迦具楽 >
「うんうん、大丈夫大丈夫。
怒ってないから安心して、ね?」
【まったくもって白々しく。
頭を撫でながら目じりに浮かんだ涙を指先で拭ってあげる。
しかし、元凶はすべて迦具楽である】
「ごめんね、最初に言っておくべきだったよね。
泣かせちゃってごめんなさい」
【一体どの口が言うのかというような台詞だが、本心でないこともないのが性質が悪い。
一応ちょっとだけ悪いとは思っているのだ。
ほとんど面白がっているだけではあるけれど。
『いやあ、からかっただけ』なんていわなくて良かった。
などと思いつつ、慰め続ける】
「――――んん?」
【そんなタイミングで現れる、またも覚えのある気配。
忘れもしない、けして許すことの出来ぬ怨敵の気配。
サヤを慰めつつ、ゆっくり、ゆっくりとその気配のほうへと振り向けば。
間違うことなどない。その巨躯。
振り向いたその視線には、はっきりと敵意が浮かんでいただろう】
■嶋野陽子 > こちらを振り向いた迦具楽さんの
視線に、敵意を認めた陽子は、その場で立ち止まると
迦具楽さんの方を向いて土下座する。
「迦具楽さん、ごめんなさい。海の家で何があったか
聞きました。激辛メニューが好きな人だと勘違いし
て、超激辛なカレーを薦めてしまいました」と詫びる
陽子。
■サヤ > 「ぐす……えぐっ……。」ぎゅっと袴を握り、涙を止める。もう泣いちゃだめだ、許してもらったんだから。
ぐしぐしと袖で目をこする。
そして、新しくやってきた相手に気付いて、そちらに振り向く。
「あ、嶋野さ……ふぇ?」いきなりの土下座である。
全く事情を知らないサヤはあっけにとられて、二人の顔を交互に見つめるしか出来なかった。
■焔誼迦具楽 >
「うんうん、よしよし」
【泣き止んだ様子を見れば、今度は褒めるように。
うっとうしい聲の内に、子持ちが多くあったのは幸いかもしれない。
しかし。しつこいようだが元凶はこいつである】
「……激辛、激辛ねえ」
【土下座されれば、にっこりと、会心の笑顔を浮かべる。
近くに居たサヤから見れば、さっきまでは本当に怒っていなかったんだなと確信できるレベルの笑顔である】
「ねえ陽子、私ね、辛い食べ物は好きなの。
それに激辛だってキライじゃないわ。
だから顔を上げてもらえる?」
【ゆっくり、一歩ずつ近づきながら声を掛けるが。
顔を上げれば、待っているのは窮極の笑顔である】
■嶋野陽子 > 迦具楽さんの声が近付いて
来るので、恐る恐る顔を上げた陽子が見たものは…
■サヤ > 「あわわわわ……。」なんだかわからないが、大変なことになってしまった。
ハチャメチャが押し寄せてきたので泣いてる場合ではなくなった。
酷く恐ろしい空気だが、部外者が口を出すわけには行かず、そっと後ろに下がって、なりゆきを見守っている。
■焔誼迦具楽 >
【陽子が見たのは、見るだけで狂気に襲われそうな。
笑顔という言葉を冒涜するかのような、おぞましい笑みであった】
「ねえ、知ってる?
辛さって味覚だけでなく痛覚で感知してるの。
だから辛いって痛いって事なの。
そしてね、辛さを辛さをとして認識できるのには限界があるのよ。
ソレを超えれば、ソレはもう辛さでなくてただの痛みなの。
激辛料理というのはね、その限界ギリギリを攻めて、辛さを辛さとして、さらにはそこにきっちりと旨みを感じさせるだけの物を言うのよ?
辛すぎれば痛みとなり、痛みはほかの感覚を麻痺させるわ。
味覚なんてひとたまりもないの。ねえ、わかるかしら?」
【目の前まで行けば、自分も屈み、陽子の顔を覗き込むだろう】
「あの料理は、激辛料理に対する冒涜……いえ、食に対する冒涜よ!
食事というのは味覚を楽しませ、空腹を満たし、幸福を与えるものなの!
アレはその点で、味覚を殺し、胃を痛め、苦痛を与えるという許せないものよ!」
確かに痛覚が痺れて来てからは多少の美味しさを感じもしたわ。けど!
あんな苦痛を与える赤い混沌を食べて幸福になれるのは、度を越したマゾくらいのものよ!」
【――などと。
こぶしを握り締め、月に吼えるかのごとく――月など出ていないが――力説した。
その瞳には自らのこだわりを示すかのように、赤い涙があふれている。
ちなみにただの演出であり、血が流れているわけではない】
■嶋野陽子 > 迦具楽さんの力説を聞いた陽子は、
「判りました。お口直しに、この間のカレーパーティー
で好評だった、夏野菜のチキンカレーを作って差し上
げますので、今夜私の部屋に来ていただけますか?」
と、迦具楽さんに提案する。
■焔誼迦具楽 >
「夏野菜の、チキン、カレー……!」
【なんということでしょう。
あれほど怒り昂ぶっていた表情が、見る間に輝くような笑顔に。
食べ物は正義。美味しいものとなれば、個人的な怒りとか恨みとか割とどうでもいいのである。
だがしかし】
「……でも。部屋、って、寮よね?
私学生じゃないし、あそこには会いたくないヤツも居るからなあ」
【悩ましい。
食べ物のためになら多少のリスクなど知ったことではないのだけれど、だ。
ちなみに、女子寮の三階角部屋には迦具楽と瓜二つの学生が住んでいる。
女子寮に住んでいれば、見かけたことはあるかもしれない】
「……ねえ、サヤ。
どうしたらいいかしら?」
【そして困ったり悩んだりしたら、他人に頼るのが常道である。
そう、人任せ。それは選択の責任も全部押し付ける事ができるのだ。
なんとすばらしい事だろう】
■サヤ > 痛み、苦痛。石蒜が喜んで聞いているのがわかる、きっと食べに行くつもりだろう。
そんなに辛いなら体を共有しているサヤにも影響がありそうだが、止めても聞いてくれそうにない、サヤは心のなかでため息を付いた。
しかし焔誼さんは食べ物にすごいこだわりを持っているんだな、とどこか他人事のように聞いていたが。
いきなり話をふられると「ほぇ?!」驚いて妙な声が出た。
「え、えぇと……よ、容器に入れて寮の外で渡す、とか?あるいは、焔誼さんのお住まいで作ってもらうとか、でしょうか?」とりあえず咄嗟に思いつくのはそれぐらいだ。"かれえ"とやらがどういう料理なのかすら知らないので、効果的な案を出すのは難しいだろう。
ご案内:「常世神社」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「常世神社」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「常世神社」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「常世神社」に嶋野陽子さんが現れました。
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■嶋野陽子 > 『容器に入れて寮の外で渡す』
というサヤさんの提案を聞いて、まだパーティーの時
の残りが冷凍庫にあるのを思い出した陽子。
「冷凍したのでよろしければ、カレーパーティーの時の
残りがありまけれど、それでも良いですか?」
と迦具楽さんに提案する陽子。
迦具楽さんが電子レンジとか使えないのなら、暖め直
してご飯と一緒に別な容器に入れて渡すのもアリだ。
■焔誼迦具楽 >
「なるほど外でもらえば問題ないわね。
さすがサヤ。ありがと」
【提案してもらえれば、お礼を言いつつ笑顔を向ける。
食事が何より優先といえど、そこは忘れてはいけない】
「うーん、欲を言えば出来立てが食べたいけど、仕方ないわね」
【そう少し悩みながらも、首を縦に頷かせた。
本当に美味しいものは、たとえ冷凍したとしても美味しいのだ。
そして食べられないよりは食べられるほうがずっと良い】
「それじゃあ後で、寮の近くまで受け取りに行くわ。
さすがに、落第街まで来い、なんて言えないし」
【なんて冗談を言うように苦笑する。
落第街は普通の学生が来るべき場所ではないし、あまり出入りされる用でも困る。
一般学生の立ち入りが目立てば、風紀だって仕事に精を出さざるを得ないだろうし】
■嶋野陽子 > 『それじゃあ後で、寮の近くまで
受け取りに行くわ』と迦具楽さんに言われた陽子は、
「炊きたてのご飯と一緒に、温かいカレーを渡します
ね。寮のそばの公園で、5時半の待ち合わせでいい
ですか?」と確認する。
途中から陽子が割り込んでしまったサヤさんには、
「サヤさんも、味見してみますか?これはそんなに辛
くないカレーですし」と聞いてみる。
■サヤ > 「ど、どういたしましてっ」笑顔を向けられれば、顔を赤くしてうつむく。
すっかり忘れていたが、私はこの人に告白されたんだ、と改めて思い出してしまった。
返事はまだ決まっていない、壊れた首輪に驚いてそれどころではなかったのだ。
「(ど、どうしましょう、今また返事を求められたら……。『いつまでも決められない悪い子には、お仕置きしなくちゃね。』とか言われて、ええと……ええと、その……すごいことに……。)」思い込み、というより妄想に近いそれが暴走する。赤いままの顔をふったり体をくねらせたり、完全に自分の世界だ。
■サヤ > 「えっ、あ、味見だなんて…そんな、い、今ですか?」妄想と質問が混ざり、ズレた答えを返す。
■嶋野陽子 > サヤさんの方を見た陽子は、流石に
サヤさんのただならぬ様子に気が付く。まるでプロ
ポーズを受けたかのようなサヤさんの様子に、
しばし考え込む陽子。
【2d6で9以上で、何か閃く】 [2d6→3+6=9]
■焔誼迦具楽 >
「……ほほう」
【なんだか おもしろいことに なったぞ
と思いつつ、サヤの様子を眺めながらさて、どう遊ぼうか考えつつ】
「ん、五時半ね。
楽しみにしておくわ」
【そう返事を返す。
まさか怨みを晴らしてやろうと思ったら、予想外の展開で迦具楽得である。
嶋野陽子、怨敵から普通の知人へ格上げして置こう。
などと、勝手なことを考え】
「……そういえばサヤも美味しそうではあるのよね」
【思考が食欲に偏ったからか、味見だなんだと言い出すサヤに対し、思考がぽろりとこぼれた。
実際、某混沌のお手つきではあるものの、美味しそうな魂をしてはいるのだ。
確かに味見の一つくらい、しても良いかもしれないなど、同じ言葉されど違う意味の事を考えながらサヤを眺める】
■嶋野陽子 > (プロポーズ…首輪…指輪代わり!?)
サヤさんは異界人であり、異界の風習は地球とは違う。
サヤさんの方を向いた陽子は、
「サヤさん。 ひょっとして、サヤさんのお国では、
結婚を申し込むときに、首輪を贈るのですか?」
とサヤさんに訊ねる。
■サヤ > 「お、美味しそうって……ああ、やっぱり……。」食べられてしまうんだ。沈黙を肯定ととられて、無理矢理人気のないところで連れて行かれて、壁に手をついて追い詰められて……。そして……。
質問には、もじもじと合わせた手を動かしながら。
「結婚……そう、将来を約束した女性に贈るんですよ……。
お前は自分のものだって……受け入れたら、首にはめてもらうんです……。
そしたらずっと一緒なんです、離れるのは、死別した時だけ……。」
でもなんでそんなこと聞くんだろう、常識なのに。
常識……?この世界の常識は色々違うけど、まさか。
「ま、まさか……ち、違うんですか?こちらでは……違うんですか?」愕然として、よろめくように後ずさりしながら、問い返す。
違うのなら。焔誼さんが首輪をくれた意味も違うことになって、それを一人で勝手に勘違いしていたことになる。
まるで馬鹿みたいに、妄想して、勝手に勘違いして……。
■焔誼迦具楽 >
【あっ、これはよくない気配だな。
なんて思いつつも、どうしたものかと思考をめぐらせ】
「そうね、一般的ではないんじゃないかしら」
【愕然としているサヤに、とりあえず疑問の肯定だけ返す。
自分がどうだったかは一先ず置いて、成り行きを見守る構え。
いざとなったら逃げ出そうとか考えつつ、だが】
■嶋野陽子 > 『ま、まさか……ち、違うんですか?
こちらでは……違うんですか?』愕然と聞き返すサヤ
さんに、陽子はいつぞやの常世公園の時のように、
サヤさんの前にしゃがみこむと、
「サヤさん、落ち着いて聞いて下さいね。この世界で
は、一生を共にする誓いは、首輪ではなく、指輪を
二人で交わして、お互いの左手の薬指に嵌めます」
と、地球における、結婚指輪の風習を説明する。
「指環の意味自体は、『死が二人を分かつまで』一緒に
過ごす誓いですので、サヤさんのお国の首輪に近い物
ですけどね」と補足する陽子。
■サヤ > 「指輪……じゃ首輪に……そんな意味は……でも……だって……焔誼さんは……。私の事好きだって……。」理解できない、首輪にそのような意味が無いのなら、何故あんな台詞を言ったのか。『私、貴女のことは好きよ、サヤ?』と、確かにそう言われたのだ。
「ど、どういう……ことなんですか…?焔誼さん……。」すがるような目で、見つめる。納得のいく説明を、出来れば、あの時の言葉が嘘や気まぐれではないことに繋がる答えが、欲しかった。
■嶋野陽子 > 結婚指輪の意味を理解しても、
陽子が危惧したように気絶したりはしなかったサヤさん
だが、今度は迦具楽さんに詰め寄るのを見て、
(不味いわ。修羅場の引き金引いたかも)
と思いながら、いざとなったらサヤさんを背後から抱き
すくめられる体勢を取る陽子。
■焔誼迦具楽 >
「……そうねえ」
【縋る様な目で見つめられ、問い詰められれば。
さすがに冷や汗の一つもかきそうなものだが。
ここに至って、迦具楽の考えていることは、どうしたら面白くなるか、である】
「貴女の事が好きなのは本当よ。
首輪についても――貴女の様子を見てれば察せられたわね」
【ここまでは本当である。
好きか嫌いかでいえば好きであるし、愛でたいという意味で、好意はかなり抱いていると言って良い。
まあ問題はそこではないのだが】
「首輪を渡した意味だけど――サヤは、どう思ったのかしら。
私に首輪を渡されて、プロポーズだと思って。
私にどうされたいと思ったの?」
【一歩、もう一歩と距離を詰め、赤い瞳でサヤの瞳を覗き込む。
意味深長に微笑みつつ、答えをはぐらかし、反対に問い返す。
はっきり答えを求められれば開き直ってしまおう。
このままたじろぐようなら、このままうやむやに、もしくは相応に可愛がってあげようか。
などと、勝手なことを考えつつ、微笑む】
■サヤ > 全て嘘だと言われたら、どうしようかと思っていたが、良かった、焔誼さんは私を好きでいてくれた。
そして、逆に問い返されれば「うっ……。」ついさっきまで妄想していた内容は、とても口に出せるものではない。口ごもってしまう。
答えをはぐらかされ、論点をすり替えられているのだが、サヤは気付かない。
「その……せ、正式にお付き合いして……こ、恋人とするようなことを……色々……。」両手の指先を合わせ、せわしなく動かしながら、うつむきがちに答える。
■嶋野陽子 > 迦具楽さんの切り返しに、サヤさんが
どう答えるかを、いつの間にか固唾を飲んで見守って
いる陽子は、サヤさんの
『その……せ、正式にお付き合いして……こ、恋人と
するようなことを……色々……』という言葉を聞いて
凍り付く。
(畝傍さんという人がありながら、堂々の二股宣言
ですか!? そ、それともまさか……サヤさんのお国
では、一妻多夫制なのかしら?)と、思考が斜め上に
向かいつつある陽子。
何しろ昨日畝傍さんの避妊具選びを手伝った際に、
サヤさんが主砲装備している事と、畝傍さんがその
主砲を受け入れる心の準備が出来ている事を知った
ばかりの陽子は、サヤさんの秘密を知らないために、
不倫の現場に立ち会っている心境になりつつあるの
だ。
■焔誼迦具楽 >
「ふぅん、恋人とするようなこと、ねえ……」
【あ、思っていたとおりだけど思っていた以上に面白そうだぞ。
などと。そんな俯きがちのいじらしい様子を見れば、ますます嗜虐心を刺激されて。
俯いた隙にさらに距離をつめると耳元に口を近づけ】
「――――――とか?」
【特殊Freeな内容を囁くように耳元で言葉にする。
そして、また別の方向で勘違いしているらしい陽子を見れば、内心で笑いを堪えつつ、サヤの反応を伺い観察するつもりだ】
■サヤ > 「あ、あう………。」囁かれた内容に、顔を真っ赤にして手で覆う。
「そ、それで……●●●を☓☓されて▲▲▲とか……■■■に□□□されちゃったり……とか……。」手の隙間から、蚊の鳴くような声で、続ける。
どれも特殊FreeどころかROM禁部屋案件である。石蒜が鳴鳴とシていたことをサヤも記憶しているので、そういうドギツイものが普通だと思っているのだった。
■焔誼迦具楽 >
「……あっ、ふーん」
【その内容にはさすがの迦具楽も苦笑い。
なにやってやがったあの混沌、である】
「……サヤってそういうのが好きなのね」
【だがしかし、攻め手を緩めるわけには行かない。
若干引きつつも、きっちりリターンは決めていかねばならないのだ】
■嶋野陽子 > せめて二人に落ち着いてもらおう
と、いつもより濃い目にリラクセーション効果のある
ハーバルアロマを放出する陽子だが、もはや手遅れ感
満載である。
好き者だがSM方面には疎く、漏れ聞こえる内容の半分
も理解出来ないのが、せめてもの救いか。
■サヤ > 「シ、石蒜ほどではないですけど……ちょっとは……。」なんで私性癖暴露してるんだろう……。
アロマの効果だろうか、茹で上がったかのように顔を真っ赤にしながら、サヤは現状に疑問を抱いた。
「あ、あの……なんでこんな話に……。」話題を辿ろうと試みる、もっとはっきりさせないといけない話があったような……。
■焔誼迦具楽 >
【どことなく気分のいい香りが流れてくる、が。
もともと落ち着きがなかったわけではないのだ。
しかし内容が理解できていたらとんでもない猥談である。
陽子は幸せなのかもしれない。いや、こんなことに巻き込まれてるあたり不幸なのだろうが】
「なんでって、サヤが私にそういうことをシて欲しいって言ったんでしょう?
もう、サヤってば思ったよりも妄想逞しいし、大胆なのね」
【からかうような調子で言いつつも、わざと頬を赤らめて言って見せる。
どこぞの劇団にでも入れば役者にでもなれるんじゃなかろうかと言う演技た】
■嶋野陽子 > サヤさんが少し落ち着いた所で、
「さ、サヤさんのお国では、一人の妻が二人の夫を迎
えて良いのですか?」とサヤさんに訊ねる陽子。
口に出してから、状況が正反対だと思い出した陽子は、
「あ……いや、サヤさんが夫になるのですか?この場
合?」と混乱してますます墓穴を掘る。
■サヤ > 「えっ、二人の夫…?ええと……そういう人も居るとは聞いたことがありますが、あまり一般的ではないですよ?普通は大体一夫一妻です。」でもなんでいまそんなことを…?と考えて石蒜とサヤの関係を勘違いしているのかもしれない、と思いあたった。
「あ、あのええと……多分畝傍さんのことを考えていらっしゃいますね?説明が難しいんですが……ええと、私と畝傍さんは友人なんです。でも、ええと……多重人格みたいなものでして、体を共有するもう一人の私が居るんです、名前は石蒜と言いまして、そちらが畝傍さんと恋人なんです。」説明が難しいので、石蒜の存在を公言していないのが裏目に出てしまったようだ。一旦思考を妄想から切り離して、説明する。理解してもらえるだろうか。
「あ、うぅ……だって……焔誼さんが……あんなこと言うから……。」一旦冷静になりかけた思考が、また泥沼にハマった。話題を変えられない。
「わ、私だって……誰にでもしてほしいわけじゃなくて……その……ほ、焔誼さんになら……いいかと……。」最後の方は声がすぼまり、ほとんど聞き取れないほど。告白めいた言葉に、相手を見ていられず、目をそらした。
■嶋野陽子 > サヤさんの説明を聞いて、
《一つの身体に人格が二つ》という核心を理解した
瞬間に、すべてを理解した陽子。
何の事は無い。サヤさんも陽子と同じなのだ。違う
のは、陽子の《同居人》は有性生殖と無縁な存在だ
という事だけだ。
「なるほど。それで腑に落ちました。だとすれば、
私の出る幕じゃありませんね。それとも、何か他に
助けが必要ですか?」とサヤさんに言う陽子。
■焔誼迦具楽 >
「あら、私にならいいんだ。
ふふ。そんな可愛いこと言ってると、本当に味見しちゃうわよ?」
【なんてさらに煽るような言葉を付け加えつつ、頬を染めて見せる】
「ああそっか、石蒜には石蒜で相手がいるのよね。
……なるほど、身体は共有だし石蒜がソウイウことしてたら妄想逞しくもなるかあ」
【そして陽子への説明を聞けば、それも活かしてからかう手を止めない……が】
「あっ、陽子、カレー!
そうそう、カレーの話だったわ!」
【一瞬追い詰められそうになったがゆえに、サヤを弄る事に集中していたが、迦具楽にとっての本題はいつの間にかカレーになっているのだ】
■嶋野陽子 > 畝傍さんとカレーの話題が出た所で、
「料理と言えば、昨夜の和風ハンバーグはいかがでした
か?あれは私が畝傍さんに教えた料理なんですよ」と、
昨日の出来映えをまだ聞いていない陽子は、サヤさん
に聞く。
■サヤ > 「ええと……助け……。」助けて欲しい、といえば躊躇なくどこか安全な場所へ連れて行ってくれるだろう、そういう人だ。
でも、自分は本当にこの状況が嫌なのだろうか、そんな考えが浮かんでしまう。
こうやって、恥ずかしい目に遭わされて、翻弄されるのが……少しだけ、ほんの少しだけ、嬉しいような気がする。
それにこんなことで嶋野さんの手を煩わせてはいけない、だから仕方ない、仕方ない。
「あ、あの……だ、大丈夫……です」自分一人で切り抜けられる、だから断ったんだ。
「味見……な、何を……されちゃうんでしょう……。」怯えるように腕を自分の体を守るように交差させるが、瞳にはほんの僅かな、期待が光り……
カレーに話題が移ってずっこけそうになった。
「うぅ……。」私はカレー以下の存在なのだろうか、惨めな気分。
そして、昨夜の夕食の感想を聞かれれば。
「あ、えと……私実はお肉苦手だったんですけど、あんまり抵抗なく食べられました、美味しかったです。ありがとうございました。」と、急な話題転換に苦笑しつつも頭を下げる。
■嶋野陽子 > 取り敢えず、特殊Freeな会話
の流れを一度切るために、
「あのハンバーグは、挽き肉と一緒に椎茸と蓮根のみ
じん切りが混ぜてあるので、お肉の量はそれほど
多くないですし、生姜で肉の臭みを消しましたから」
とコツを披露してみる陽子。こんな所にも料理好き
な一面が顔を出す。
サヤさんがお肉が苦手と聞いて、
(私の筋肉には、あんなに夢中になってくれてたのに)
と一瞬思った陽子。食べるお肉とその肉は全く別物だ
ろうと自分でツッコミを入れる。
■焔誼迦具楽 >
「和風、ハンバーグ……!」
【また新たな名称が出れば、興味をしっかり持っていかれる。
仕方ないのだ。食欲は何よりも優先されるのである】
「陽子!
レシピもいいけど、早くカレー!
ハンバーグカレーッ!」
【なにやらメニューが変わっているが、それも仕方のないことなのである。
とにかく、思い出したら急に食べたくなったのだ。
今は既に頭の中が、1にカレー、2にハンバーグである。
瞳を輝かせて、自分より一回り大きな陽子を見上げる様子は、先ほどとうってかわって子供っぽく見えることだろう】
■嶋野陽子 > サヤさんよりも、迦具楽さんが
食べ物ネタに食い付いて来たので、
「それでは、私はそろそろ寮に戻って、カレーの用意
をしませんと。あとハンバーグも1個ならお付けで
きますので、5時半にお渡ししますね」と迦具楽さんに
答える陽子。
サヤさんには、別れ際に
「何だかいい所で話を切ってしまい、申し訳ありませ
ん。今度ゆっくり私の筋肉を堪能できる機会を設け
ますね。」と小声で囁く陽子だった。
ご案内:「常世神社」から嶋野陽子さんが去りました。
■サヤ > 「そうなんですか、私も料理するんですけど、レパートリーがあまり広くないんですよね。」ファンタジー的江戸時代の日本に暮らしていたサヤが知っている料理は基本的に和食で、尚且つ魚以外の肉はほとんど使わない料理ばかりだ。だからどうしても作れるものは限られてくる。
「料理の本とか読めばいいんですけど、まだ漢字が難しくて……。」
そして、ついさっきまで自分をあれだけ翻弄していたのに、まるで子供のように料理をねだる焔誼に、クスクスと笑った。
「いえ、そんな……私もその、多分助かりましたから……。」あのまま続いていたらどうなっていたのかは気になるが……やはり正式にお付き合いしてるわけでもないのだから、そういうことはすべきではない。「でもまた触らせていただけるなら…是非…。」助けてもらった上に対価をもらうのは気が引けたが、あの筋肉にまた触れるのは断り難い誘惑だった。
■焔誼迦具楽 >
「わかったわ!
それじゃあまた後でね!」
【去っていく陽子を見送ると、くるり、と改めてサヤに振り向き】
「それじゃあサヤ、私もそろそろ帰って公園にいくわね。
あ。もしまた首輪が欲しくなったらいつでも言いなさい?
今度はちゃんと、壊れないように作ってあげるから」
【また子供のような表情から一転し、弄ぶような外見にそぐわない表情を浮かべ。
懲りずにとんでもない事を言い残すと、陽子を追いかけるように境内を飛び出していった】
■サヤ > 「ありがとうございました。」と嶋野の背中に頭を下げる。
「え、あ……あ、はい……。」欲しくなったら、ということは、自分から言い出す必要があるということだ、それを言い出せば……もう言い訳は効かないだろう。自然と自分の首を触る、そこにもう輪がはまっているかのように。
「さようなら……。」片手で手を振る。
「答え……決めなきゃ、いけないな……。」首を触りながら、小さく呟いた。
ご案内:「常世神社」からサヤさんが去りました。
ご案内:「常世神社」から焔誼迦具楽さんが去りました。