2015/09/21 のログ
ご案内:「常世神社」に『ウィザード』さんが現れました。
■『ウィザード』 > 神社という事もあって、商店街や大通りなどよりかは人は多くない。
つまるところ『ウィザード』は、あまり人が多くないが、疎らにはいる場所を選んで、ここに来たのだ。
ここは神の御前である? そんな事、『ウィザード』の知った事ではない。
神が救ってくれる、神が導いてくれる。
そんなものは、思考停止でしかない。
昨日成仏した『プリースト』も、邪神様などという神を信じていたな。
『ウィザード』は、鳥居に凭れかかる男の前に立った。
その男は、いかにも不良といった感じの風貌である。
落第街ではなく学生・教員居住区にいる不良だから、あれより幾分マシな奴だろう。
「貴様は、この世の中に不満をもった事はないか?
例えば、自分の異能に恵まれていないとか。
自分よりも優秀な奴が他にいくらでもいるとかな」
『ウィザード』は、そんな風に不良に語りかけた。
『なんだよ、いきなり!』
訳が分からないといった様子で、不良は『ウィザード』を睨む。
ご案内:「常世神社」に来島さいこさんが現れました。
■来島さいこ > 「……久しぶりに、此処に来たねぇ。」
感慨深そうに、神社を見渡す。
全部はここから始まった――とは言わないが、懐かしいものはある。
「ここでラジオを直したり、したっけ……」
路を歩き、ゆっくりと進む。
ふと、何かもめているような二人を認める。
燻っている姿に、誰かの姿を思い出す――
(川添くん、元気かなぁ。……じゃなくて。)
「……貴方達、何しているの?」
二人の間に、割って入ろうと踏み出した。
■『ウィザード』 > 「この男と語り合っていただけだが?
何か問題でもあるかな?」
平然とした態度で、今の状況を説明する。
語り『合っていた』というより、一方的に『ウィザード』が語っていたの方が正しい。
不良の方も、
『てめぇが一方的に語ってただけだろーが』
と反発している。
「そういう事だ、小娘よ。
貴様が割って入ってくる話ではない」
ご案内:「常世神社」に寄月 秋輝さんが現れました。
■来島さいこ >
「うぅん、そうとも言えないかなぁ。
これでも私、生徒指導教員でねぇ。……ふたりとも、学生証は持ってる?」
くすりと微笑んで、学生証の提示を求める。
何かをなぞらえるように。
■寄月 秋輝 >
神社。
嫌な思い出と幸せな思い出の混ざる場所に、少しだけ顔を出しに来た。
つもりが。
(……居るじゃないか、アレが)
一瞬だけ嫌な顔をする。
オフモードの時に厄介な相手を見かけると、さすがに気が滅入る。
だが、一応は仕事だ。
嘱託の風紀委員腕章をつけ、一応持っていた木刀を振れるように左手に下げる。
「……七英霊か……」
目を細め、少しだけ遠くから観察する。
『三つ』だけ、魔法を構築しながら、魔力を少しずつ高めておく。
■『ウィザード』 > 「学生証はこれから発行してもらう予定だ。
なにせ、私はこれから新入生になるのだからな。
生徒指導というなら、これからお世話になるかもしれないな」
しれっと、だが暴かれにくい嘘をついた。
「編入後はよろしく頼むぞ、生徒指導。
それで、何故学生証の提示を求めるのだ?」
自分は学生証がない、と明示してから疑問を述べる。
その時、勘の鋭い『ウィザード』は近づいてくる何者かの魔力がだんだん増幅していく事を直感する。
「七英霊?
はて、今島を荒らしまわっている奴等の事か。
その七英霊がどうしたというのだ?」
一手目は、ひとまずとぼけて様子を見る。
二手目は、相手の反応次第。
だが、『七英霊の書』には『ウィザード』の姿も描かれているので、知る人にとっては正体もばればれだったりする。
■来島さいこ >
「うふふ。不法滞在者が居る場合、ちょっとお仕事があるからね。その確認。
ん。そっか。そうなると仮の学生証が発行されると思ったけど――、あ、もしかして第三特別留学生かなぁ?
確かにそれなら、学生証の発行は間に合わないはずだし……もしかして、それかな?」
くす、と頬んでから、柔らかく問う。
因みに、胸は大きい。
■寄月 秋輝 >
(しまったな)
感知された気がする。
もともとこっそりと増幅させるのが苦手なのも相まって、失敗を自覚してもなお修正は出来ない。
仕方がないので、二つの魔法を残し、一つの魔法の魔力を超高空で増幅させる。
ミスリードのためと、実際の発動位置の調整のためだ。
「……一応僕も魔法使いだから、そんな軽い逃げ口上が通じると思わないことだ。
例の書を読んで知っているしな」
歩みよる。
学生とは思えないほど落ち着いた様子と静かな歩み。
「……学生ではないと思いますよ、先生……」
多分優しい先生なのだろうなと思いながら、さいこの姿を視界の端に捉えながら呟く。
もっとも、相手の正体を知る者はそう多くないだろう。
それこそ禁書庫にアクセス出来る、この事件に関わるごく少数の人間だけしか。
■『ウィザード』 > 「仮の学生証か。
そんなものは発行されていなかったと思うが……。
いや、もしかすれば私が見落としていただけで探せば自宅にあるかもしれないな。
そうだな、探しておく事にしよう。
もし見つけた場合、後日提示する事にする」
眉一つ動かす事なく、堂々と嘘を言ってのける。
だが、この件に関しての嘘は、策が発動するまでの時間稼ぎという意味合いが強い。
「そうか、それなら仕方がない」
嘘を突き通しても見苦しいだけの状況となった。
なら、自分の正体を堂々と表そう。
「では名乗らせてもらおう。
私は七英霊の一人『ウィザード』だ。
例の書とは、『七英霊の書』の事か。
存在自体は知る事が出来たが、見つける事が叶わなくてな。
大方、禁書庫とやらに保管されていたという事だろう。
普通の図書館に保管されていただけなら、七英霊の情報が出回る前に処分できた可能性もあったが……
あんな何でもない本を禁書庫に保管するとは、図書委員とやらも考えたな」
■来島さいこ > 「ん、了解。待ってるね――」
故にポケットに忍ばせている吹き矢用の毒塗り矢を手早くこっそり――
――狩りの知識を用いて抜き出し、ウィザードに刺し込みにかかる。暗殺者や狩人を彷彿とさせるようなアクション。
相応の技能を以って、ウィザードに麻痺毒塗りの矢を奮う。
――これを、こともあろうが、名乗り口上をあげている道中に仕掛ける。
要するに、戦隊物やヒーロー物のお約束をぶっちぎるアンブッシュ。
尚、端的に言えば"第三特別留学生"などの区分けは『恐らく存在しない』。
ウィザードがこれを察知していた上で話題に応じなかったかどうかは、定かではないが。
■寄月 秋輝 >
(……素早い……)
優しい人だなと思ったが、思った以上にしたたかだ。
これでは騙されたのは自分の方だ。
魔力を全速力で回転させ、一つ目の魔法の構築を完了させる。
もう一つはまだ時間がかかる、上空のものももう少しかかる。
「ウィザードか。
魔術師……それはそれで恐ろしい相手だ」
恐ろしいとはかけらも思っていない口ぶりで呟き。
さいこの動きを感じながら、木刀に手をかける。
神速の踏み込みと雷速の振りは、どんな逃げ方をしようととらえられる。
確実に首を落とす。そんな気迫。
■『ウィザード』 > 聡明であり、尚且つ情報収集を十分に行ってきた『ウィザード』は、第三特別留学生なるものなど存在しない事は既に知っていた。
今となっては、その読みも無意味なものではあるが。
来島さいこから毒塗りの吹き矢が放たれる。
それも、名乗り口上を上げている最中だ。
だが、その矢は『ウィザード』をすり抜けて、飛んで行った。
いや正確に言おう、『ウィザード』に貫通する時、矢が燃えたのだ。
それは、炎系統の大魔術。
自身の体をも火に変えてしまうという魔術師の防御手段。
だがそんな圧倒的な防御力を誇る欠点として、膨大な魔力とながったらしい詠唱を必要とする。
だが『ウィザード』は詠唱を省略して、さらに膨大な魔力を消費する魔術を平然と発動してみせたのだ。
魔術師なら、もしかすればその“異常”さに気付くかもしれない。
そして何事もなかったかのように名乗り口上を終える。
「名乗っている間に攻撃するとは、貴様は不意打ちが好きなのだな。
それも、まだ何も手を出していない相手に攻撃するのか?
常世の教師というのも、野蛮なものだ。
今、私が攻撃を加えても、正当防衛ではないかな?」
つまり、先に仕掛けたのはそちらだと言いたげに述べる。
そして、寄月秋輝を見やる。
「私が七英霊だからと言って、何か勘違いしていないか?
私は別に、暴れる気などないぞ。
他の七英霊と同じにされても困るのだけどな。
それに、私は戦う気などない」
もちろん、真っ赤な嘘である。
裏では、『ウィザード』の策謀がじっくりと動き出そうとしていた。
恐ろしい事に、それは人を大量に虐殺するための策だ。
当然のように、『ウィザード』もまた、悪事に快感を覚える七英霊の一人なのだ。
■来島さいこ >
「その問答に、あんまり意味はないよ。どっちも嘘を付いた以上、残ったのは思惑だけだから無意味だもん。
それに、お姉さんの態度が物語っているからね、うふふ。少しだけリビドーみたい。」
くすりと笑って、視線を寄月に移す。
「――風紀委員のお兄さん、此処は任せた方が良いかな。
それとも、別にわたしがやっちゃっても構わないかなぁ――
――わたしの本来の異能は最悪にしかならないどうしようもないものだから、おにーさんの足を引っ張る。
だから、任せるね。その場合はそっちの荒れてたお兄さんを連れていくよ。
そうじゃない場合は、そっちの荒れたお兄さんをお願いしようかな。」
■寄月 秋輝 >
「悩ましいところですね。
僕としてはアレを殺したいところですが、そのために嘱託員の身で風紀の名を貶めてもいけない。
一応魔法……もとい魔術は準備していますが、先生が慣れているようでしたらお任せしたほうがいいかもしれません。
何せ僕もこちらの事件への『対処』はまだ慣れていないので」
それこそ教師に任せるべきだろうか、と考える。
自分が意地を通していいことなど何一つとして無いのだ。
相応に強力な魔術の発動を見て、目をわずかに細める。
『最悪』という言葉を使った以上、おそらくこの師は驚くほど強いのだろうが……それでも少々心配になる。
どこまで強力な魔術が使えるのか。
この先生に任せて、この先生が無事だろうか。
そんな考えが尽きない。
「全員成仏させるために滅ぼさない限り止まらない、と以前『ナイト』から聞いたからな。
災いの種になる存在を野放しにするのはもうこりごりでね。
お前の戦う気も暴れる気も無いという言葉を信じたところで、お前をこの場で殺すことに変わりはない。
もし暴れるつもりがないなら、優しく成仏させてやるよ」
冷たい目でそう囁く。
同時に、高空で構築した魔法が完成する。
いつでも戦える。
殺せる。
笑みもなければ緊張もない、素の表情のまま一歩だけ下がった。
■『ウィザード』 > 「貴様は嘘をついてしまったな。
だがもし、私が編入する事が嘘ではないとすればどうする?
貴様は、何もしていない未来の生徒に、いきなり手を上げた事になってしまうな。
それでも、問答が無駄だというのなら、貴様は話し合いではなく力のみで解決させたいという事か?
まさしく野蛮の極みだな。
それでは『ハンター』や『モンク』など、他の七英霊と変わらぬぞ」
胸が大きい来島さいこを見ながら、嘲笑う。
ちなみに『ウィザード』の胸はそんなに大きくはない。
「つまり、『ナイト』の言葉を信じて、私が無抵抗でも殺るという事か。
それを貴様は“正義”だと思うのか?
あるいは、正義など関係なく、殺したいから殺すのか?
私は、他の七英霊のような災いの種になる気はないと言ったな?
それでも尚、罪を犯さない私を殺すか?
貴様もやはり、野蛮な奴だな」
もはや無意味と思いながらも、質問し続ける。
赤い魔女帽子で顔を隠しながら、『ウィザード』はニヤリと笑った。
無抵抗であっても、ここで『ウィザード』を殺る。
その対応はまさしく正しい。
正しすぎて、正しすぎて、良策すぎて、笑ってしまいそうだ。
■来島さいこ >
「貴方は入学予定の生徒さんなんだよね。
それなら入学直前から不良と問題を起こしたり、七英霊だと詐称したりするのなら、
入学前からどうにかしなきゃいけないよ。
――何も事件を起こしていないけれど、素行不良なら指導しなきゃ。なんて、うふふ。」
思いっきり自分の行為を棚に上げて、軽く笑う。
生徒の立場を通すなら学校に行けば分かるのだ。
七英霊はよくわからないが、風紀委員の様子を見るに多分危険な集団だろう。7だし。
『学生証は送られたかもしれない』と言っている以上学園が認識している事でなければおかしい。
まだ話を通していないは通じない。
そも、嘘と認識している以上意味もなくもあるが、タテマエだ。
「――だから、わたしは貴方を学校に連れていって事実確認をするよ。うふふ。
仕掛けた事を糾弾するなら、そこでお願いね。新入生徒さん。その時はちゃんと謝るからねぇ――」
軽くかがんで、くねらせるような仕草。
ぷるんと胸が揺れた。――胸部の戦力差では、有利だが……。
《それはそれとして》
閑話休題
かもしれない、と、悩ましげな寄月を見る。
答えが出ていない以上、どうにも動けない。
「うふふ、お兄さんが選択してね。
事件の解決は風紀委員のお仕事でもあるし、わたしはそれに従うよ。」
■寄月 秋輝 >
さらに、目が閉じられそうなほどに細められる。
嫌な感じがする。
『これを捨て置いたら、あの悲劇が起こる』
眉間にしわが寄る。
焦りか、怒りか。
「先生、手伝ってください。
これはこの場で殺さなきゃいけません。
彼は僕の魔法で保護しますので、最悪僕ごと巻き込んで構いません、アレを逃がさず滅ぼしてください」
答えが出た。
二人でなんとかして滅ぼす。
今から救援を待っても遅いかもしれない。
「正義なんて片一方からの言葉を信じて仕事をしていない。
ただ、殺さねばならない相手は殺す。確実に滅ぼす。
僕が野蛮ならばそれでもいい」
木刀を前にかざし、構える。
「お前を殺すことが、僕の為すべきことだ」
一切の迷い無し。
言葉では揺るがない、強い信念がある。
最後の魔法が、完成した。
ここまで必死に女性たちの胸に目線が吸われそうになるのを耐えている。
いかに明鏡止水の境地に立てるとはいえ、女性には弱い。
■『ウィザード』 > 「不良と語り合っていたのが問題と言うのなら、常世学園という場所はあまりにも厳しい場所なのだな。
ちなみに、七英霊というのは事実だ。
それで、指導するというならお手柔らかに頼みたいものだな」
とまあ、さすがに生徒指導相手に、この嘘を通すのも難しい。
退き時も近いだろう。
「私が貴様のその連行要求を拒否し、尚且つ無理やり連れていこうとするならば、拉致という事になるな。
なぜなら、私はまだ生徒ではないからな。
教師に、強制的に連行される立場にはまだない」
実際は、そんな事をいくら言っても無駄かもしれないな。
なにせ向こうは、こちらの嘘を確実に見抜いているのだから。
この教師も、建前で『ウィザード』に対応しているに過ぎない。
「それが貴様の答えか」
それは分かりきっていた答えでもある。
「なら、無駄な問答はこの辺りにしよう。
そちらが私を殺すというならば、こちらは正当防衛しなければいけないのでな」
帽子に隠れた口が、不気味に口を歪ませる。
「これはあくまで、私の防衛戦だ。
貴様達が無駄に命を落とす事もない」
本当は、殺したくて殺したくてたまらない!
だが、今は我慢しよう。
派手に殺害行為を働けば、いかんせん目立つ。
策が発動するまでは、大人しくしているつもりだったのだが、そうもさせてはくれないようだ。
『ウィザード』は風の魔法により、宙を舞った。
そして、地上六メートル程の高さでぴたりと止まる。
宝具『デーモンズ・ロッド』を構えた。
■来島さいこ >
「まだ生徒でなくても、学生証が来るかもしれない程に話が通っている生徒予定ならば連れていく義務はある。
だから生徒なら連れて行く。そうでないなら――だよ、うふふ。」
あるいは――いずれにせよ、不良に近づく。
彼に何かが降りかからない様に、先んじてポジションを取る。
不良に何かが降りかかるならば、それはさいこが割って入るだろう。
「生徒予定を滅ぼすなんてことは出来ないけれど……
……わかった。でも、駄目だと思ったら言ってね。退くから。」
――異能を使う。
遍く"超常"を狂わせるだけの、なるようにならなくしようとするだけの異能。
受けたとしても魔術も異能も特殊能力も霊体化も発動はするし、一応の機能はする。
だがそれらを、正常な機能を果たさないように、狂わせようとする―――
……どう狂うかはさいこにも分からない。ただ、大抵当人が得にならない方向へと狂おうとする傾向にあるらしい。
あくまでもこの異能が成立し・効果を及ぼせた場合での、傾向だが。
が、対象としてはこの場にあるもの・誰も彼もに干渉が掛かる。
嫌な感覚に敏感ならば、それこそ具合が悪くなる程にそれを感じ取れるかもしれない。
――寄月が使おうとする魔法だって、狂い、危険なことになるかもしれない。
「……うぇ、気持ち悪いかも。
多分、おにーさんの方が肉弾戦は強そうだから……お願いね。ちょっとパス。」
最近、この異能を使おうとすると具合が悪くなる。
それでも不良を庇う・対応する素振りは見せている。
最も護らなければならない対象は、彼だ。不良だって、生徒だ。