2016/02/04 のログ
ご案内:「常世神社」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 2月―――新年から1ヶ月が過ぎ、冬は益々厳しさを増しちらほらと振る雪は未だ溶けることなく木陰に残る。

そんな節分も過ぎた4日の日に、ふらりと神社に立ち寄った。
誰かと待ち合わせたわけでもなく、なにか目的があったわけでもないが。

強いて言うなら

(御神籤引いてなかったなー……。)

そんな、俗な理由だった。参拝ですら無い。

遠く鳥居の見える所までたどり着くと、ほうと一息ついて石段を登る。

谷蜂 檻葉 > 1月にも2度ほど立ち寄ったが、年明けはあれだけ人が居たというのにこうしてシーズンが過ぎてみれば程々に空いている。

閑古鳥が鳴くほどではない、といった程度に。


さて御神籤は何処で引けるのだろうか。
キョロキョロと見回しながら社務所を通り過ぎ、ウロウロと神社の中を練り歩く。

谷蜂 檻葉 > (そういえば、学園で神職を始める人っているのかな。)

ふと、社務所で働く巫女服姿の職員たちを見て立ち止まる。
にこり、と営業スマイルを向けられて愛想笑いを返しながら視線を外す。



『神』は居る。

代々伝わる「言い伝え」の中には居ない、【実存の神】が。

多神教のように、様々な神がいる。
一神教のように、絶大な力を持つ他の神が神でないようにも見えるほどの神がいる。

人の想いの中で集まり千々に分かれ、
神という言葉で一括りに表わされる中で様々な神がいる―――


……ならば、それは「神」という字を当てた「ナニカ」ではなかろうか。

谷蜂 檻葉 > (神様、か。)

ただ、そこまで考えてから「今考えることでもないか」と思い再び足を動かす。


やがて順繰りに見て回っていくと賽銭箱の横に【御籤箱】
……ガチャガチャのように、お金をいれるところりと落ちてくる「アレ」が置いてあるのに気づく。


(…………。)


ただ、わざわざ横にあるモノをスルーするのもなんだか心地が悪いので
拝殿に向かい、賽銭を投げ込んで「ガラガラ」―――本坪鈴を鳴らして二礼二拍一礼。

谷蜂 檻葉 > (……ん、御神籤の結果が良いものでありますように)

ふと手を合わせてから、この『神社の神様』がどんなものか忘れている事に気付き
願うに事欠いて酷くどうでもいい事を神様に願を掛ける。


「よし」


何も良くはないが、ともあれこれで当初の目的である御籤に専念できる。
と、財布を開いて―――――


「あ"っ!?」


思わず声が出る。
大したことではないが、今の檻葉には致命的だった。

この御籤には『100円玉』が必要なのだが、


「……え、嘘ほんとに無い……あっ……あ、これ50円玉……!!」


その100円玉が、ないのだ。

谷蜂 檻葉 > (え、えぇ~~~……)

さて、どうしたものか。

お金はある、しかし目的を達するにはただ金を積めば良いというものではないのだ。



―――檻葉が不注意なだけで、社務所で口頭で頼めば御神籤は別に存在するし
   そもそも両替をしてもらえば何の問題もないのだが、
   今此処で御神籤を引きに来た檻葉は、呆然と箱の前で佇む。

谷蜂 檻葉 > 「……まぁ、いっか。」

やがて、悶々としていたが大きく溜息をつくと背を向けて来た時と同じように鳥居に向かって歩を進める。

『御神籤の結果』を神様に祈って、それが引けぬのというのであれば。

(神様のお導き、ってことで。)



きっと、御神籤の内容が悪いのだろう。

ご案内:「常世神社」から谷蜂 檻葉さんが去りました。