2016/05/25 のログ
ご案内:「常世神社」に烏丸秀さんが現れました。
■烏丸秀 > 曇りの空のもと。烏丸はまた神社に来ていた。
生憎の天気のせいで人はまばらだ。しかし、人間とは別に、珍しいものがいた。
烏の、群れ。
不吉の象徴であるそれらの真ん中で、烏丸はぼんやりと石段に座り下を眺めている。
ご案内:「常世神社」に高峰 司さんが現れました。
■高峰 司 > 「あー、クソ……」
溜息を吐きながら神社に現れる。
別に信心深いというわけではないが……神域と言うのは特別だ。
そこでのんびりとしているだけで、ある程度気分が安らぐものである。
近頃、気苦労で睡眠時間も減っていたので、ダメ元の気分転換で顔を出したのだ。
……そして。
「あの馬鹿、どうして……。 !?」
一人の男性。会って話した事などない。実際に見るのは初めてだ。
だが……その顔は脳裏に刻み込んである。
『あの馬鹿』を狂わせた張本人。水面下で自分の■■■■■を堕落させているクソ野郎。
即ち。
「烏丸、秀……!」
殺気を隠す事もしない。
一方的に殺意を見せながら、指差して睨み付ける。
■烏丸秀 > 「ん……?」
石段に座り、ぼんやりと顎を手にのせ下を見ていたら。
なにやら、知らない子がこちらを指差している。
さて、あんな子に覚えは……
「やぁ、ボクの事を知ってるみたいだけど、君は?」
優しく微笑みかけながら尋ねる。
ボーイッシュだが、なんとなく雰囲気的に女の子だろう。
そう見切りながら尋ね
■高峰 司 > 「高峰司……っつっても知らねぇだろうがよ、テメェは」
目深に被った帽子の奥から、殺意の籠った視線を飛ばしつつ静かに言う。
「伊都波凛霞の……知り合いだ。テメェが狂わせてる、な……!」
魔力は励起状態。いついつでもルーンガンドは発射可能。
それをしないのは……この場での烏丸の殺害は、決して状況を好転させないと、知っているからだ。
だが、警戒も兼ねてルーンガンドを突き付けていないと気が収まらないのである。
■烏丸秀 > 「なるほど、司ちゃんだね。はじめまして」
くくっと笑いながら。
どうやら魔術を起動させているらしいが、烏丸は動じない。
なぜならば、分からないのだ。
魔術の素養などとんと無く、魔力の察知などできやしない。
殺意を向けられているのは分かるが、そんなの日常茶飯事である。
「あぁ、凛霞のね……ん、支えてると言って欲しいなぁ」
やれやれ、どこで色々知ったのか。
凛霞との事を知っているのは、そんなに多くないはずだが……
■高峰 司 > 「は」
嘲りを込めた声で笑い飛ばす。
……高峰司は知っている。この男が、自分と同類の外道であることを。
「支えてる、か。笑わせんなよクソ野郎。テメェのは寄りかからせてるっつーんだよ。
あの馬鹿のアイデンティティをひっくり返して、心を打ち砕き、逃避先に自分を置く。ああ、合理的だな。アタシだって合理的だと思う」
なんせ、その手筋は自分が行おうとしたもの。
その点において、高峰司に烏丸秀を糾弾する権利はない。
が。
「だけどな……そりゃあもう、あの馬鹿じゃねーんだよ。
……返してもらうぞ、あの大馬鹿野郎を」
分かっていて。
その権利が無いと分かっていて。
どこまでもエゴイスティックに……自分の要求を突き付けた。
■烏丸秀 > 「ん、何を勘違いしてるのか知らないけどさぁ」
くくっと再び笑う。
あぁ、なるほど、これは……
「なるほど、キミは昔の凛霞こそが彼女のあるべき姿だと言うわけだ。
ではふたつ。
ひとつ。キミの知る『昔の凛霞』とやらは、本当の凛霞の姿なのか。
ふたつ。キミの言う『昔の凛霞』が、本当に彼女にとっての理想の姿なのか」
烏丸は問う。
キミが凛霞の何を知っているのか。
キミの言う凛霞は幸せなのか。
■高峰 司 > 「知るか、ンなモン」
吐き捨てた。
心底どうでもいいかのように、吐き捨てた。
「人間、ハラワタん中開いて覗きゃあ、ドイツもコイツもテメェの事ばかりさ。あの馬鹿の事だ、そう言う色が見えなかった分、取り繕ってたんだろうよ。でもな」
色んな人間を見てきた。
自分の家の為だけに、子どもを寄ってたかって『役割を演ずる機械』になる様に育てようとした大人達がいた。
自分が儲ける為だけに、一人の哀れな男に全てを押し付けてのうのうとしているクズがいた。
自分の腕が気になるからと、何の罪もない人々を虐殺する辻斬りがいた。
世の中大体そんな奴らばっかりだ。
人間とは、他者には完全を求める癖に己の不完全さは許容し、気が向けば善を為すが気が向かなければ巨悪すら見逃し、上に妬いて下を踏みつけ、誰かがミスを犯せばよってたかって「正義」を気取って袋叩きにする。
気に入れば媚び、気に入らなければ侮蔑する。他者の成功を憎み失敗を喜ぶ。外見(りくつ)ばかり立派に積み重ねて中身(せいしん)を置き去りにした醜悪な獣の名だ。
だが。
「アイツはな……どんだけ辛くても、妹のために姉張り続けた大馬鹿野郎だ。必死に、存在するかどーかもわからねぇ『家族愛』なんてモンのために、カンペキなんて幻想に挑み続けたキチガイさ。
……テメェに預けてたら、アイツの『今まで』が全部嘘になる。
テメェはアイツを救っちゃいない。テメェはアイツを自分好みに再調整しただけだ。
アタシはな……ああ、クソ、こんな事言いたくもねぇが」
自分でも考えが纏まらない。理屈より感情が口から迸り、最早理路整然としているかどうかなんてわからない。
それでも、言いたい事をただひたすらに投げ付ける。
「アイツの……凛霞のそんな頑張りは、例え『間違い』でも『嘘』じゃねーと思ってる。だから、テメェみてぇな『嘘しかない』クズに、アイツは渡せねぇ」
自分らしくない、他者の能力以外の良さを認める言葉。
でもまあ……もう合理的な魔術師、高峰司は死んだのだ。
好き勝手言っても、罰は当たるまい。
「ツラァ見て分かったぜ。テメェは臭う……テメェの為なら他の何がどうなろうと、一切構わねぇって言う心底救いようのねぇドブ川の腐ったようなクズの臭いが。
テメェに何かさせて、誰かが幸福になることはねぇ。テメェがそのツラ歪ませて笑うだけがオチだ。
そんな奴に……凛霞は、渡せねぇ!」
■烏丸秀 > 「あっはっはっは!」
立ち上がり、烏丸は笑う。
心底楽しそうに笑う。
「うんうん、司ちゃんだっけ?
素晴らしいよ、ほぼ100点満点の回答だ!」
面白い、本当に面白い。
凛霞にこんな友人が居るとは思わなかった。
もう少し、凛霞に時間が与えられれば、たぶんこの娘が凛霞を『繕って』いただろうに。
「でも残念、ひとつだけ違う」
烏が鳴く。
ただ無意味に。その不吉さを象徴するように。
この男に従うかのように。
「ボクに嘘は無いよ。
ボクはこの身の衝動に従うだけ。
狂おしい愛と欲望に身を任せているだけさ。
凛霞の事だって本気で愛しているよ」
不気味に嗤いながら烏丸は続ける。
その本性を剥き出しにしながら。
「ただまぁ――ボクが一番愛している人は、別に居るけどね」
■高峰 司 > 「は。テメェ、自分の真実のためには幾億の嘘だって何のためらいもねぇタイプだろ?」
嘲り笑う。
と同時に……底知れない嫌悪感を抱いた。
「極上だな、テメェ。テメェは成程、別に悪意があって動いてるわけじゃあねぇんだろうよ。
ただ……ガキが店に並んでる駄菓子を欲しいからと言ってギるように。犬が催したからそこらでクソ垂れるように。テメェが欲しいから手に取る。なお性質が悪ぃのは、それの良し悪しを分かっててなお無視するところだろ。何かするだけで誰かに害をなす根っからの『根源悪』だ」
これなら、まだ利害関係でこちらの都合も聞いてくる悪魔の方がまだ話が分かる。
この男……烏丸に、社会倫理は一切通用しない。
世の中には、烏丸とその他しかないのだろう。烏丸が欲するなら、何をすることも厭わないし、その欲の善悪も、その手段の善悪も一切考慮しない。
『悪性を持った人間』などと言う生易しいものではなく。
『人間の皮を被った欲望の塊』。それが、烏丸秀と言う獣の正体だ。
「アタシも大概クズだがな、テメェはアタシが今まで見た中でも最低のクズだ。
……死んどくか?」
半ば本気になりつつ、殺意と共に魔力を指先に集中させる。
飛び立つ烏を散らすように殺意が場に満ち、心なしか空気を張り詰めさせる。
■烏丸秀 > 「ボクの真実以外に興味はないなぁ。なにせ誠実だからさ、ボク。
他人を騙す事は何とも思わないけど、自分を騙す事だけはしないようにしてるんだよ」
けらけらと笑いながら肯定する。
彼女はどこまでも正しい。烏丸の正体を完全に見破るその聡明さには敬意を表する。
そう、烏丸の正体は餓鬼そのものである。
何かを欲し、何かを奪い、何かを愛で、何かを壊す。
永遠にその繰り返しだ。
「残念だけど、ボクにはまだ生きる目標があるんだよねぇ」
肩を竦めとぼける。
そう、彼の目的は別にある。
「愛する悠薇ちゃんを手に入れるまでは、死んでも死にきれないよ」
ご案内:「常世神社」に”マネキン”さんが現れました。
■高峰 司 > 「……は?」
ぽかん、とする。
コイツ、今なんて言った……?
はる、か……?
「テメェ……本命は、伊都波悠薇か……!」
マズい。
と言うのも……伊都波凛霞は、何より妹を大事に思う少女だ。
それが、このクズに好きにされる……しかも、その時凛霞は捨てられているだろう。
どういう心理状態を導くか、分かったものじゃない。
「コイツ……どこまで……!」
人生で初めて、ガンドで狙う手が震える。
狙いが定まらない。定まれば、即座に「ケン」のルーンガンドをぶち込んでやると言うのに!
■”マネキン” > どうした?争いごとかい?
神域で流血沙汰だけはやめておいたほうがいいんじゃないか。
【フードを目深に被った男が手を二度打ち鳴らす。
その男はずけずけと割り込んできて、怪しげな雰囲気を隠そうともせず、嗤った。
位置関係としては三角になるだろうか。】
まあ、暴力に訴えないのならとめる理由は無い。
続けてくれ。
ではなぜわりこんだかって?仲裁でもしてやろうという老婆心だよ。
【フードの奥の視線が高峰司の突き出した指先に向いている。】
■烏丸秀 > 「キミに分かるかな?
わっかんないだろうなぁ!」
満面の笑みで言う。
あぁそうだ、悠薇のあの魅力。
あの透き通る純粋さと淀んだ感情の混じった瞳!
その魅力が分かるのは己のみ。それに自負心すら抱いており。
「あぁ、悠薇だよ。彼女を手に入れる為なら、ボクはなんだってしよう!
はは、そうだよ。凛霞を手に入れたのもそれが理由さ。
だってそうだろう? 凛霞が凛霞で居る限り、悠薇の一番はいつも凛霞なんだから!」
そう、悠薇の一番はいつだって凛霞だ。
なら、それを覆すにはどうすればいい?
悠薇に告白した男子生徒のように『トモダチ』で我慢する?
冗談ではない!
簡単だ。
引きずりおろせばいい。
悠薇の一番の『お姉ちゃん』が居なくなればいい。
「――ふふ、キミに敬意を表して教えてあげたわけだけど。
で、どうするんだい? なんかいつの間にかボクに援軍が来てるわけだけど」
呼んだわけじゃないけどね、と付け加え
■高峰 司 > 「ち、ぃ……!」
帽子の奥の瞳が動揺と焦燥に揺れる。
この場で烏丸を始末する事は簡単だ。それこそ、ルーンガンドに頼らずとも、切り札を切ればこの『援軍』とやらも諸共始末できるだろう。
だが、それはダメだ。
それをしてしまえば……恐らく、伊都波凛霞は、今度こそ完全に支えを失い、崩壊する。
自分を狂わせた烏丸秀も、そこから引き戻そうとする高峰司も。
あらゆる支えを失い、立っていられなくなるだろう。恐らく既に、妹は……支えとしては、機能しないだろうから。
欠乏・貧窮・束縛の意味を持つニイドのルーンガンドを打ち込み、欲を「束縛」する事で対処する事も考えたが……。
「(ダメだ、このクズの欲は無限。アタシは操作はともかく、魔力量は所詮平均だ……縛り切れるとは思えねぇ)」
つまり……この場で何かすることは出来ない。出来るのは、放置。このクズを見逃すしか、出来ないのだ。
「テメェ……余計なところで出て来やがって」
現れた男に殺意と怒気の籠った視線を向けた後。
「……殺す。今じゃないいつか、テメェが死んでもアイツが壊れなくなった時。
アタシは、テメェを必ず殺す……!」
覚悟を此処に、その怒りは万象を焼く。
その怒りの籠った声だけで気の弱い者なら殺せてしまいそうな……それくらいの殺意を込めて、烏丸に言い放った。
■”マネキン” > 援軍か?
物騒な気配につい口を出してしまった、善意の第三者にすぎんよ。
【どちらにも味方していないと言いたげに、肩をすくめた。
烏の鳴き声に混じり、周囲の蟲がざわめく気配が濃くなる。】
ひどいな。
声をかけずに風紀を呼んできたほうが良かったかい?
どうみても悪者は君だと思うんだが。
(九九九。会話の内容と烏丸という男を知らなければ、だがな。)
【そう思っていない口調でぬけぬけと、吐く。】
■烏丸秀 > 「ボクは平和を愛する男だからね。
争いごとを仲裁してくれるキミはボクの味方さ」
ぬけぬけと言い放つ。
なにせ、烏丸ときたら暴力沙汰にとことん向かない。
ガンドを一発喰らえばノックダウンである。
「いいねぇ、そういう言葉大好きだからさ」
ふふっと笑い、司に視線を向ける。
その強い視線を見つめると、まるで舌なめずりするように微笑み。
「じゃあ、凛霞が壊れてキミが敗北感に打ちのめされた時。
キミの全てを貰いにいくよ、司ちゃん。キミの心が砕ける姿は、きっとこの上なく煽情的で素晴らしいだろうから」
■高峰 司 > 「抜け抜けと……!」
烏丸を睨み、そしてこれまた信用できない風の男をねめつける。
「(コイツも、毛ほども信用できねぇタイプだな……クソ)」
この場で暴れれば、どうなるかが本当に予測不可能。
確かにこの場面だけ見れば悪役は司だが、口調からそう思っていない……つまり、本質を認識していることが伺える。
その上で抜け抜けとそれを口にするのだ。信用できるはずがない。
そこで腕を降ろそうとし……。
「テメ、ェ……!」
向けられた、言葉。
凛霞を壊し、その後は司本人を狙うという宣言。
怒りのままに、エオロー、アンスール、ユル、ソーン、ケンまでのルーンを空中に描き……
「(堪えろ、アタシ……!)」
僅かに残った理性で、それを抑え込む。
今短気を起こしたら全てが破産だ。堪えなくては……!
■”マネキン” > なるほど。では君の愛する平和というもののために気合をいれねばなるまいな。
まずはそこの女子生徒、その指先を下ろすべきじゃないか…。
【烏丸の言葉に頷く。
そしてまずはその物騒な指先を下ろさせようと声をかけたところで、司の様子に気付いた。】
おやおや、物騒だな。
【すり足で二歩、素早く接近し右手で司の振る指先に絡ませる。
左手は肩に当て、そのまま右手を捻らせて背中に回し制圧してその動作を止めようと試みた。
この動作により接近するため、もし顔に目を向ければその顔が異形であると分かる。】
■烏丸秀 > 「ふふ、ははは!」
二人の仕草を見て、笑いながら踵を返し。
神社の境内の中へと。
彼を追っても、その姿は無いだろう。
烏丸が去った後、いつの間にか烏はすべて飛び去っており。
雲の切れ目から太陽が顔を覗かせた。
ご案内:「常世神社」から烏丸秀さんが去りました。
■高峰 司 > 「!? こ、の……!」
ルーンを刻むのは中断していたため、絡め取られそうになった右腕を外して左手で男を指さす。
左でのルーンガンドを撃ち込むか、迷った瞬間に……
「(コイツ、顔……!)」
その異形の貌を覗き込んでしまう。
ゾク、と一瞬怯み、意識が烏丸から途切れる。
……その合間に、烏丸はどこかへと行ってしまった。
「くっ……テメェ、この……!」
僅かに下がりつつ、今度は近寄って来た男に警戒を向ける。
ルーンを刻んでいたとはいえ、一瞬で懐に入られた。
こちらもまた、信用できない上に油断もできない。
■”マネキン” > もう一人には逃げられてしまったな。
ああ、すまない。
だが君が物騒な魔術を使いそうになるから。
【心がこもっているとは思えない謝罪を述べて、拘束を外し身体を離す。】
しかしやはり、そう言う手段はいけないと思うよ。
何か揉めていたようだが、事情を話してはくれないか。
…ああ、こういうものなんだが。もちろん、秘密は守る。
【風紀委員の学生証を見せる。
もちろん、本物であるわけがない。実際に照会されたり風紀に確認されればばれる偽造品だ。】
■高峰 司 > 「断る」
心の籠っていない謝罪は無視。そして、話をしてくれと言うのも即座に却下。
「テメェにわざわざ話す義理はないし、そもそもアタシはテメェを信用できねぇ。
……他人に信用される気があるんならな、ちったぁ言葉に意を込めるくらいはしやがれ」
先程から、あらゆる言葉に真実味が無いのだ。
そんな男を、どうして信用できようか。どう転んでも、悪化する未来しか見えない。
■”マネキン” > そうか。
では先ほど会話に出ていた人物に事情を聞くしかないようだね。
伊都波凛霞、だったか。それとも伊都波悠薇のほうがいいか?
(会話を最初から聞いてたわけじゃねえから、半分あてずっぽうだがな。
ゆさぶりをかけてみるか。)
【その異形の顔で覗き込むように、反応を確かめる。
はっきりとした目は無く、口も無く、鼻の穴も確かではない、のっぺりとしたものだった。】
ではこれで立ち去るが、最後に忠告はしておくよ。
どうやら人間関係で揉め事になっているようだが、当人同士だけで解決しようとしても上手く行くことはほとんどない。
中立的な第三者に相談することだ。
【連絡先のひとつを記した名刺を投げてよこし、背を向けた。】
用があったら連絡するといい。
(さて…烏丸の野郎に用があったが、逃げられちまったな…やれやれ。)
■高峰 司 > 「……ソイツ等に触れるんじゃねぇ」
ぞわ、と殺気を迸らせ警告する。
実際の所、妹はまだいい。
だが、事此処に至って凛霞に更に負荷をかける形は司の望むところではなかった。
「は、間に合ってんだよ。そしてアタシの知る限り……そういうことを言う奴は例外なくうさんくせぇんだ」
具体例がルギウスである。アレも、一切の信用が置けないタイプの化け物だ。
この無貌……そうとしか表現できない……の男も、やはり『中立的な第三者』とは思えなかった。
いや、中立的かもしれないが……その上で、自分の都合を持って接近してきている気がしてならなかった。
「使うこたぁねぇけどな」
だが、名刺は一応受け取る……今後、この男の情報を調べる取っ掛かりになるかもしれないからだ。
……気を置ける相手などいない。だが、そんなの今まで通りだ。
今まで通りのやり方で……今までとは違う、この胸を突き動かす何かに従って行動する。
それが今の、高峰司だった。
■”マネキン” > 尖っているな。
あの姉とは正反対だ。
何かね、友人…は先ほどの調子からしているようには見えないが、
家族と上手く行っていなかったりでもするかな?
【肩をすくめた。
それ以上は踏み込まない。】
ああ、それでいい。
いつか必要になるときが来るだろう。
(正直それで連絡してきたらもちろん使いようはあるがな。
まあ、あの姉の友人が売人の連絡先を受け取った…それだけで別にいまはかまわない。
必要といってもそう言う意味で、だ。)
【そのまま”マネキン”も神社を後にした。
ひとまずはスラムへを帰るだろう。】
■高峰 司 > 「テメェ……!」
家族。
その気があったのか、たまたまか。
だが、高峰司にとっての禁句に触れた。
衝動的に殺意が沸き起こる……が、それを捻じ伏せる。
「……さっさとどっか行け、アタシは今機嫌が悪い」
それだけ言って、自分もその場を後にする。
……何はともあれ、とにかくはあの馬鹿の目を覚まさせなくては始まらない。
次あった時はどうしてやろうか……そんな事ばかり、頭の中を巡っていた。
ご案内:「常世神社」から高峰 司さんが去りました。
ご案内:「常世神社」から”マネキン”さんが去りました。