2017/04/09 のログ
ご案内:「常世神社」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ──風が心地良かったから。
そんな理由で七生は久々に石段を一足飛ばしに駆け上がっていた。
学校の屋上や時計塔の上も捨てがたかったが、今日この日はどうしてかどうしても神社の境内に行きたかった。

「コース変えてから殆ど来なかったもんなー」

鳥居の下で小さく息を吐き、被っていたパーカーのフードを外す。
学園地区より遥かに近く見える海を一望してから、大きく伸びをした。
時折強く吹き抜ける風を受けて、やっぱりここに来てよかった、と強く思う。

東雲七生 > 石段の上で気が済むまで春の風を浴びてから、よし、と小さく呟いて。
少しだけ背筋を伸ばして大鳥居を潜る。

「おじゃましまーす」

とはいえ参拝目的では無いので向かう先は近場のベンチだ。
玉砂利を鳴らしながら歩いて行き、途中でふと足を止める。
時季外れの桃か、梅か、どこからともなく甘い匂いがしたような気がした。

「……もうすっかり春、なんだよなあ。」

ご案内:「常世神社」にクロノさんが現れました。
クロノ > (いつしか季節はすっかり春で、年中変わらない格好の男の子の、鋼鉄の肌を冷やす風も少しずつ暖かみを増してきた。海からの風に混じる湿気と潮の匂いに、春の花だろうか、僅かに甘い香りが乗るのを感じながら登る石積の階段。例によって、重厚な機体が歩行時に鳴らす無機質な駆動音と、胸のエンジンが頑張って吹き上げる音も伴いつつ。)

……。

(長い階段をのんびりと、途中何度かの小休止を挟んではまた登り。そうこうしてようやっと、登り詰めた先の鳥居を見上げてはちょこんと参道の端に寄って静かにその下を通る。)

… … ──── … あ。七生~♪
(視界の中に認識する人影、その特徴を学校のデータベースと照合して、相手の情報をダウンロードしたロボットは相変わらずワンテンポ遅れてその名を呼ぶ。ジージーと腕から駆動音鳴らしながら元気に手を振りつつ、再びヴゥン、とエンジンを吹かしてジーガシャ、ジーガシャ、と歩み寄って。)

東雲七生 > 「あれ、クロノ。」

こんなとこにも来るんだ、と少し驚いた様な顔で現れた姿を見遣る。
微かに風に乗って聞こえてきた機械音から何か来るというのは察していたのだが。

「そろそろ新学期で先生は忙しい時期じゃないの?
 こんなとこまで来てて大丈夫?」

七生自身は持ち前の健脚から、この神社から学校まで小一時間程度で済むのだが。
あまり敏捷性に富んだイメージの無いクロノは移動に時間がかかるのではと小首を傾げる。

クロノ > (鳥居をくぐったところで、生身じゃないから息切れすることはないけど、空冷式の機体である男の子は全身の駆動部に回す送風量を増やすためにしばらくエンジンは高回転のまま。)

… あぁ、うん。まぁね。ただ、僕たち養護教諭は特定のクラスを受け持つ訳ではないし、シフト勤務の交代制だから、今日は僕はお休み。 …それで、せっかくだし学校のみんなの安全祈願?にお参りしておこうと思って。

(久しぶりに来てみたけど、やっぱりちょっと遠いなぁ、なんて言いながら振り返る参道と本殿、そして傍らの社務所。立ち並ぶ木々はまだ枝だけど、花開いているものもあれば、花が終わって若芽が覗いているものもあったり。)

東雲七生 > 「そっか、今日はお休みなんだ?
 良いなー、俺もせめて実技科目の始まるまで休みてーなー」

休む、と言っても七生の場合、それは座学から逃れたいという意味でしかない。
短期だろうと長期だろうと関係なく、休みの日でも身体を動かしていないと落ち着かない性分だからだ。

「春休みの内にやっときたかった事は粗方やったんだけどさー
 ……うーん、でもまだ何かやり残しがある気がする。」

うーん、と考え込みながらぽてん、とベンチに腰を下ろす。
そしてはたと我に返り、顔を上げて。

「あ、お参りに来たんだよね。
 どーぞどーぞ、俺は気にしないで済ませてきなよ!」

クロノ > … っふふふ。体動かすときは動かして、休むときはちゃんと休めないとね。…って言っても、七生の場合はそんな心配要らないかな?
(学校の実技とか体育系科目の他にも、私生活でも色々鍛練を兼ねて動き回っているらしい彼の体躯は極めて健康的に見える。そして真偽の程は差し置いて、なんだかちょっと背丈も伸びたような…とか思いつつ。)

…新学期の準備?それとも、今までの復習?
(探し物と同じで、なんとなく思い出せそうで思い出せないものも、きっと全然関係ないタイミングでポロっと浮かんできたりする。相手が特に焦っている様子でもないので、男の子ものんびりとした口調で尋ねながら…ベンチに腰掛ける相手のとなりで、ロボットは全身の駆動部をギュンギュン鳴らしながら、しかし滑らかな動きで体操を始める。見た目の重厚感&鋼鉄感の割には、人間と同等かそれ以上に関節の可動域は広いらしい。)

…… ぁ、ありがと。じゃあお言葉に甘えて、ちょっと行ってくるね。
(すぐに終わるから、待ってて?と彼の気遣いに応えて駆け出すロボットの足取りは音の割には軽く、意外と俊足な感じで手水舎の前へ。杓子で掬った水で左右の手と口元を律儀にすすいで、拝殿にの前に行く。懐から小銭を出してお賽銭を入れて、御辞儀と拍手。少しの間手を合わせてじっとしてから、またお辞儀をしてガシャンガシャンと駆動音を伴って戻ってくる。)

…… っふふふ、任務完了! …なんてね。
(隣、いい?と彼の腰掛けるベンチ示して、少し傾げる首。)

東雲七生 > 「うーん、思い出せないんだよなあ。
 多分、思い出せないってことは、そんな大した事じゃないとは思うんだけど。」

腕組みをして身体ごと左右に大きく揺れながら考える。
が、思い出せないと結論付くやいなやすぐに腕組みも解いて足を投げ出す様にぶらつかせた。
生憎と身長の方はさっぱり伸びていない。そろそろ伸びても良さそうだと、本人も強く思っているのだが。

「おかーえりー……先生も大変だねえ。
 いいよいいよ、はい、どーぞ!」

よっこいせ、とベンチの上で少し横にずれてクロノが座るスペースを作る。

クロノ > … ん、ありがと。
(相手のとなりに座る時には、いつもと同じようにベンチを心配しつつそーっと、ゆっくりと。ギシィ…とロボットの重量に軋むベンチの音に、男の子は少し恥ずかしそうに苦笑いして。)

… 僕がこの街に来て、もう半年くらいか…。ここの春も、故郷の…とは少し違うけど、昔居た街と似てて、なんか過ごしやすいかな。
(隣同士並んでも、ほとんど同じか少し小柄な隣の相手。けれども相手はいつしか年上になっていて、来年、再来年にはもっともっと大人になっていく。一方のロボットは、ずっと変わらず男の子のまま。)

… 大変かもだけど、仕事があるって言うことはそれだけ僕を必要としてくれる人がいるってことだし、そんなひとたちの希望に応えてあげられるのは、幸せな事だと思うんだ。 …今年は、どんな1年になるのかな。今から色々楽しみだよ。
(七生の目標は?…と、隣に並ぶ相手の赤髪と赤目をどこかぼんやりと眺めながら尋ねてみたり。)