2017/11/06 のログ
ご案内:「常世神社」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 「ひま!!!」
....静謐な神社に似合わぬ快活な叫び声が響く。
あまりにも明るく、あまりにも軽いそれ。
神社の本殿の屋根に大胆に腰掛け、堂々と足を組み。
掴めそうな星空を仰ぎながら、酷く退屈そうに。
■和元月香 > 苦手だと感じたのは神様。神社という場所は割と好き。
それが月香の弁である。
「...へいき、なのになぁ」
どう昇ったのか、本殿の屋根の上で
分厚い包帯がしっかり巻かれた右腕を晒す。
自身でも中々剥がせないほどに厳重に。
しかし、特にやけどが酷い手首あたりは
既に白い包帯にぽつんと染みのようなものができていて。
「まぁ確かにグロかったけど、見た目ほどじゃないし」
真っ青になった皮膚科の看護師の顔を思い出しながら、
本人はごく普通に振る舞う。
魔術の不慣れで発現した損傷で、
見た目はやばいが実はそれほど深くはないらしい。
若いから、傷痕もあまり残らず治ると聞いた。
「左腕が治った矢先か、まぁ右腕は動くしいっか」
そして、本人のノリの軽さである。
ご案内:「常世神社」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > そんな神社の境内のど真ん中。唐突に直径2メートル程度の真っ黒な「穴」が出現した。
中からゆっくりと現れたのは、先客である少女もよく知っているであろう人物。
相変わらずの黒いスーツを初めとした黒ずくめにサングラスというスタイル。
チンピラみたいだが、それとは遥かに隔絶した独特の存在感…が、あるかはまぁ別として。
「…あン?…何か予定外の所に出やがったな……あー何処だっけかここ」
神社に来るのは初めてなのか、周囲を見渡して胡乱げに呟く。
擬似門の魔術で転移をしていたら、何か間違えて座標がどうにもズレてしまったらしい。
「…チッ、もうちょい改良が必要だな…やっぱ転移の系統は座標指定の精密さがネックだな…」
■和元月香 > 「.....怒られるのは仕方ないか...。
自分のこと大切にしてないのは確かだし」
でも致し方なくない?
あれはちょっと反則じゃない?と自問自答しつつ。
丁度星空から眼下に視線を落としたところで、
突如発現した黒い穴に思わず刮目する。
「えっ何じゃありゃ...。
.....って、あ.....」
そしてそこから出てきた人影は、知っている人物。
それもただの知り合いではないため、少し息を飲む。
流石にあからさまにもう狼狽えはしないが、いつも緊張はする。
とりあえず屋根の上から、相手が零した疑問に応えよう。
「ここは常世神社だよー、龍司」
ご案内:「常世神社」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > 「…あぁ?……何だ、月香じゃねーか。つーか、神社?また変な所に間違えて出たもんだな…。むしろオマエは何やってんだよ?」
と、間違えて転移してきたとはいえ、この男の方が滅茶苦茶場違いかもしれないこの神社という空間。
右手を軽くヒラリと振れば、男の背後にまだ展開していた黒い穴が閉じて行き、やがて完全に消失した。
そのまま、スタスタと数歩だけ神社の本殿へと歩み寄れば…無造作に跳躍。一息で少女の佇む屋根に飛び上がり、彼女の隣へと音も立てずに着地するか。
「……んで?その腕の怪我はどーしたよ?」
彼女を一目見た瞬間から目敏く気付いていたらしく、唐突にそんな質問を月香へとするだろう。
ご案内:「常世神社」に黒峰龍司さんが現れました。
■和元月香 > 「えーと、暇だから星見てた」
素直にそう答える。
近い方がいいでしょ、とにこにこしながらまた星空を見上げる。
神社であらねばならないという訳では無い。
「龍司は転移の失敗?私もよくするー」
先程零した相手の言葉を拾い、
ケラケラと笑って隣に現れた相手を見やる。
それから、相手に右腕のことを尋ねられれば
少しだけ苦々しく笑って曖昧に頷いた。
「...んー、まぁちょっとね。
うまく魔術を制御できなかったといいますか」
■黒峰龍司 > 「…へぇ、退屈が嫌いなオマエがこんな所で星を見るくらいに暇してるとはねぇ」
基本、好奇心旺盛というか退屈しない為に動くのがこの少女だ。
その辺り、男も似たような感性だからそこは間違いないと思っている。
まぁ、それはそれとして…。
「あー、そんなモンだな。転移魔術っていうよりも「門」での移動魔術みてーなもんだが」
同じようなモノかもしれないが、自分が消えて違う場所に姿を現すのではなく。
「穴」を開いてそこに飛び込み、任意の場所にまた「穴」を開いて出てくるというプロセスだ。
つまり、穴はそのまんま「門」という事で…まぁ、正確には「疑似門」なのだが。
「…訓練、とかじゃそんなやらかしはしねーわな…と、なると誰かに襲撃されて応戦した代償ってトコか」
その現場を見た訳でもないのに、淡々とした口調でそう推論を述べる。
しかし、こう見ていてもどかしい。さっさと治せよソレ、というサングラス越しの視線。俺様である。
「…んで、ソレ自力で治せねーんなら俺がさっさと治してもいいが?」
■和元月香 > 「暫く学校来んなって言われてんのー。
あと、私星見るの結構好きだしね」
安静にしておけ、という意味だろう。
月香も怪我をした当初はそのつもりだったが
左腕は完治したし街をぶらつくのもあまりいい顔をされないし。
あともう少しで...この島に完全に【飽きて】いたところだ。
「門って...。
よくこの島に出る、異世界に繋がってるのと似たものなの?」
興味を惹かれたのか、ぱっと目を輝かせて。
何となくかっこよさそうという小学生じみた好奇心が湧き上がる。
「そーだよ。
なんか、うん。色々と衝撃だったわ」
つい先日のことなのに、はるか昔に感じる。
そう語る月香の目は、遠かった。
恐怖とかよりもっと衝撃的なものを味合わされ、
おまけにもう少しでいろんな意味で喰われるところだったのだから。
悪い経験ではなかったけど、と複雑な面持ちで独りごちていた
月香は、相手に言われた言葉に思わず沈黙し。
「えっ、あっはいお願いします」
あまりにもあっさりとしていたそれに、何故か敬語で答えていた。
■黒峰龍司 > 「…あーーそれだと、復帰した後に小テストとか山積みだろうな」
と、言ってるこの男もサボり常習犯であるけれど。それでも成績は地味に上位キープである。
そして、小さく「やれやれ、俺がここに居合わせたのもある意味僥倖かね…」と、呟く。
直感的に、ではあるが彼女が完全に「飽きる」寸前の状態まで来ていたのを察したのだ。
「ああ、俺のは疑似的なモンだけどな。繋がってる先は異世界とかじゃなくて何もねぇ虚無空間だ。
まー倉庫代わりとかに便利だし、さっきみてーに座標ズレる場合もあるが移動手段にも使えるしな」
肩を竦めてサラリと答える。そもそも本格的な「門」を形成出来たら、それこそ異世界とこちらを自由に行けてしまう。
そんな手段が確立されたら、周りがおそらく黙っていないだろうし。
「…何で遠い目をして黄昏モード入ってんだオマエは…貞操でも奪われそうになったか?」
と、ジト目で何か遠くを見るような目付きでしみじみと語る月香を見遣る。
自分で口にして、案外的外れにも思えないのがどうかしている。そういう空気が少女にはあった。
「…何でそこで敬語になるんだ気持ち悪ぃ。さっさと治すから袖捲って腕を出せ。あと包帯とか邪魔だから取っておけ」
おら、さっさとしろとばかりに神社の本殿の屋根の上で女の子を捲くし立てて急かすチンピラもどきの図。
■和元月香 > 「...時間は削れるけどしゃあないよね」
月香としては、成績はせめて一般教養系だけでも
ちゃんと上位に食いこんでおきたいし、事実今までもそうしてきた。
小テストもまた退屈だろうが、まぁそれは仕方ない。
...相手の呟きは聞こえず、「なんかいった?」と訝しげに振り返るだろう。
「さりげない万能感すごいね...。
...まぁ、門作れたらとっくに龍司は自分の世界に戻ってるか」
便利そうだね、と軽く答え。
それから呟いた言葉は、異世界に行ってみたかったなぁという響きがありありと混ざっているだろう。
「そうだよ。
しかも女の子にね」
無駄にキメ顔で頷く。力強く。
貞操、と言うと月香自身からしては微妙だが、
この体に関しては間違いないだろう。
...初体験が蜘蛛はちょっとやめてほしいような...。
「いや、龍司との格差を感じて...。
あーはい、剥がします剥がします」
傍から見たオラオラされている感じは、
月香の軽いノリで若干中和されただろうか。
ご案内:「常世神社」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > 「分からない点がありゃ教えてもいいけどな。まぁ駄賃はきっちり貰うが」
と、そこは等価交換だとばかりにのたまう。タダで教える気は勿論無い!
まぁ、やる気とか出せばコイツは普通に上位に食い込むだろう、という変な信頼感があったりするのだが。
「…いんや何でもねぇ。…だな。あっちの世界に戻ってちと打ち殺したいヤツが若干1名居るからな…。
ま、もし俺が元の世界に戻る算段が付いたらオマエも来るか?ロクな世界じゃねーけどな」
と、今度は男の方が遠い目になった。ただしその目には殺意しかなかったけど。
ともあれ、気を取り直せばそんな軽いお誘い。あくまで冗談じみたものだ。
流石に元の世界に戻る手段が現状手がかりすらないから実現の可能性は極小だが。
「ああ、百合とかそういうヤツか…まぁ、確かにオマエ見てくれは悪くねーしなぁ」
個人的にはもうちょい乳を盛って欲しい所だが、そこは敢えて黙っておこう。追求されても黙っておこう。
まぁ、無駄にキメ顔している彼女といい勝負かもしれない。ある意味では。
「格差も何も、総合的に考えたらオマエの方が俺より遥かに上だろ…まぁ、記憶とかしか引き継いでねーんだろうけど」
転生の事を言っているらしい。そもそも、今の彼女から見れば男はチートかもしれないが…。
彼女の前世のどれかは、男より遥かにチートな存在だった時もあっただろう。
なので、彼女の感想には素直にうなずけないものがあるのだ。
ともあれ、彼女が服の袖を巻くって包帯を取れば。まず怪我を一瞥。次いで右手を無造作に振る。
詠唱も無ければ集中する様子も無い。だが、1秒でまず細胞が生まれ代わり、2秒で肌の色も元通りになる。そして3秒で怪我の箇所の神経や皮膚の細胞を安定させる。
計6秒で完全に元の状態の腕を取り戻しているだろう。染み一つすらないレベルで。
ご案内:「常世神社」に黒峰龍司さんが現れました。
■和元月香 > 「いざという時は頼らせてもらうわ!...しかしそんな機会は来ないだろうよ」
何故か自信たっぷりである。
根拠はあるが、無駄に自信たっぷりである。
「へー、因縁の相手ってやつ?
...ここ飽きたらついていかせてもらうかもね」
滅多に聞かない相手の過去話には少し身を乗り出して。
こちらも軽く返すが、冗談か本気かは定かではない。
可能性がほぼないのは別として。
「その女の子、美人だったよ。
おっぱいでかかったし」
そう、さらりと言う。
実に素直に、どうということなしに。
いやらしい笑みひとつ浮かべない所から、ただの感想だろう。
「...うんまぁ、今は今、昔は昔ー」
能力使えなければ意味無い、とばかりに
包帯をするすると外してゆく。
その表情に特に感慨はなく。
そんな月香の目の前で怪我が跡形もなく完治する。
実にあっさりと消えた火傷に、月香は暫し沈黙し。
「.....ありがとう」
(診察代が無駄になったわ)
と、副音声つきで礼を述べた。