2015/08/26 のログ
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > ──日没後の異邦人街大通り。
制服姿のまま、七生は人の流れに乗って歩いていた。
行き交う人々は皆それぞれ普通の人間には無いような特徴を有している。
角を持つ者、獣の耳を持つ者、翼を持つ者、目が3つ以上ある者等、本当に様々だ。
中には学校の敷地内で見かける顔や、七生と同様に制服を着た者も居る。
異邦人──本来この世界に存在しなかった者たち。
しかし、それは過去の話で、現在ではごくごく当たり前の様に存在し、生活している。
「……。」
──此処は、そういうエリアだ。
■東雲七生 > 奇妙な縁から異邦人の知り合いが多い七生にとって、
異邦人を深く知る事はいつの間にか必要事項となっていた。
彼らの事をもっと知り、理解を深める事で友人たちとの余計な軋轢を回避する。
最初は、そんな目的でこのエリアを訪れたのだったが。
すぐにそれは“余計な考え”であったことを知った。
二、三度とランニングついでに足を運んで七生が見たものは。
普段の自分たちと何ら変わらない彼らの営みだった。
起きて、食べて、働いて、飲んで、怒って、笑って、泣いて、眠る。
種族の差はあれど、それらは自分たちと変わらない日常風景。
異邦人だから、元々の世界が違うから、と差異ばかり気にしていた七生は衝撃を受け、直ちに考えを改めた。
「──彼らも俺らと何も変わんない。」
雑踏の中で呟いた言葉はすぐに掻き消えたが、心には確りと刻まれている。
■東雲七生 > そんな七生が今回この場所を訪れた理由は。
そろそろ秋に向けて新しい服の調達をする為だった。
何だか最近は朝晩だけでなく昼間も妙に冷える日が続いており、普段着ている服では心もとない。
だから調達をしよう、と異邦人街の洋服店までやって来た次第である。
尤も。
既に買物は終え、家路につく前に適当にぶらついているのだが。
紙袋を手に、他の通行人の邪魔にならない様に道の端へと歩いて行く。
■東雲七生 > とん、と住宅の壁に背を預けて。
段々と人も減って来た往来を眺める。
確か洋服屋に入る前はもっと大勢の人が行き交っていた。
下校や退勤と重なっただけかもしれないが。
あの時すれ違った人たちは各々の家に着いたのだろうか。
はたまたこれから仕事を始めるのだろうか。
そんな事をぼんやりと考えながら、橙を揺らめかせる街灯を見上げる。
暖かい光の奥、もっと高い所に幾つもの星が見えた。
「やっぱどこで見てもあんま変わんねえな。」
ぽつり。呟いた独り言も雑踏の中に消えていく。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」に唐沢響さんが現れました。
■唐沢響 > 自分の受けていた依頼を終わらせたついでにこの街に寄る
ここは通称異邦人大通りと言われていて自分もその異邦人のカテゴリーに当てはまる
しかし異邦人ではあるもののこの世界に比較的なじめているので典型的な民族衣装などをまとった人が多く通るここではやや浮いた格好かもしれない
「火傷もだいぶ治っているが…まだ全快ではない、か」
この世界ではごく普通の夏服で半袖ではあるがその両腕は包帯をしている
以前の戦い、争いで火傷で負ったものでしばらくは両腕に負担がかからないように行動していたようで
■東雲七生 > ふー、と溜息を溢してそろそろまた歩こうか、と壁から離れる。
夕飯はこの通りに来る途中で軽い軽食で済ませたので不要だった。
しかし、同時に時間も空いてしまっていた。もうしばらく散策をして帰ろうか、などと考えていたところ。
「……あれ?」
いつぞや見かけた姿が視界に入る。
名前は確か──
「唐沢響、サン?」
■唐沢響 > 依頼を終わらせたついでに寄ってみたものの目ぼしいものは特にはないかと思ったそのとき
「君は…七生か。後、私のことは響でいいと前から言っているんだが…」
声がした方を振り向くといつしか顔見知りの少年の姿を見つける
呼び方は前にも名前だけでいいと言ったはずではあるがとっさにフルネームで、さん付けで呼ぶあたりまだ慣れていないのかと悟り、少年の方へと歩いていき
■東雲七生 > 「あ、あはは……」
苦笑を浮かべ近づいてきた唐沢を見上げる。
しかし、その視線は途中で止まり、包帯を巻かれた腕をじっと見つめた。
「響さん、腕どうしたんすか?
……怪我してんじゃないっすか。」
どこで何したんです、と少し咎める様に顔を上げる。
■唐沢響 > 「慣れてないなら別にいいが、せめてフルネーム以外で呼んでくれ…」
相手のぎこちない反応をみるに自分のような年上には慣れていないのかと考える
相手が慣れていないのは仕方ないがフルネームで呼ばれるのは違和感がある
七生の視線に気がつき、七生の質問に答え
「これか?まぁ、ニュースとか見てるかどうかは知らんが通称”白い仮面の男”と少しやりあった」
常世学園でもニュースになった白い仮面の男、その人物と戦った際にできたものでその戦闘のすさまじさが出てくる
それにも関わらずその様な事をさも仕事でちょっとしたトラブルがあったかのような軽い口調で話していて
■東雲七生 > 「はぁい、まあ、努力します。」
バツの悪そうに頭を掻いてから、続く言葉に子供っぽさが顔から消えて軽く俯く。
──白い仮面の男。
何度か学内での噂などで耳にした事はあるが、七生の周囲で遭遇した者は居なかったので話半分に聞いていた。
それが、今目の前にいる女性はその男と交戦したというのだ。
(──ホント、どっからキナ臭い話が出て来るか分かったもんじゃねえや。)
呆れ半分で軽く溜息を溢し、再び顔を上げたときには笑顔。
「それで、その怪我を?
……まあ、怪我で済んで良かったっすね。」
ちゃんと手当もしてあるようだし、心配する事は無いだろうとは思うが。
■唐沢響 > 俯いたその一瞬、この少年の雰囲気が変わったようにも見える
普段はあのような調子なのかは不明だがまた別の顔を持っていそうにも見えるしそうでないのかもしれない
とにかくそれはそれとして続けて相手の問いに答え
「この程度でよかったとは思わなかったな…。なんせ、しばらくの間腕に力が入らなかったのでな…。バイト…も効率はよくなかった」
“仕事”をやる上では武器を振るう腕に力が入らなければ話にならなかった
この少年には裏社会など汚れ仕事には縁がなさそうに見えるのでバイトがうまくいかないとかなりマイルドな表現で言い表して
■東雲七生 > 「……まだ効率が落ちただけで済んで御の字っしょ。
下手すりゃ二度とバイトなんて出来なくなるかも知れなかったんすから。
それを考えたらまあ、逃げなかった罰みたいなもんでしょーよ。
これに懲りたら厄介事に首突っ込まないようにした方が良いっすよ。」
やれやれ、と軽く肩を竦め、首を振る。
そこには年相応の少年としての顔しかない。そもそも二面性を上手く収めていられる器用さなんて持ち合わせていない。
「ま、後でしっかり反省してくださいね。
こんなとこで年下の男に説教されるほどカッコ悪いことしたんすから。」
にしし、と悪戯っ子ぽく歯を見せて笑う。