2016/07/20 のログ
ご案内:「異邦人街」にライラさんが現れました。
ライラ > 目覚めたら、ここに居た。
ここというのは異邦人街ではなく、常世島。
どうやら、故郷ははるか遠くここまで運ばれてきたらしい。
明らかに人が入っている棺おけを商品にするとか、なんとも無礼で罰当たりな商売をしている輩がいたものだ。
幸いにして、空き家を見つけたのでここ(異邦人街)を拠点とするとして。
目下拠点の周囲を確認という名前の散策である。

「わらわが寝ている間に、ずいぶんと人の世も変わったものじゃな。
 夜じゃと言うのに眩しくてかなわぬ。
 ……どうやら、夜の眷属はかなり追いやられていると見えるのぅ」

ライラ > しかし人の世が変わることの早いこと早いこと。
眠りにつく直前には、確か大きい街でガス灯が精一杯だったと記憶しているのだが。

「館の間取りもせせこましかったしのぅ……。
 わらわの仮住まいとはいえ、もっと豪奢にできぬものか。
 炊事場と他に数部屋とか庶民でももう少し広い間取りじゃったぞ」

ライラ > 遠くを見れば、夜だというのにケバケバしい明かりが灯っている区画もあるし。
夜だというのになんとも騒がしい。
どこかの魔女達の祭りでさえ、もう少し趣があったように思える。

「しかし……目覚めたばかりでは、渇きのが辛いのぅ。
 どこぞに、わらわに吸われる栄誉をもつものはおらぬかの?」

いますかね、そんな奇特な人。

ライラ > 「おらぬ」

周囲を睥睨して。

「見目麗しい淑女がおらぬ。
 男はこの際、どうでもよい。切羽詰ってから血を吸うかどうかを検討する程度の存在じゃ」

まぁ、人通りも多くは無いのが原因かもしれません。

「飲めぬとわかれば、より恋しくなるものよな……。
 ああ、口惜しい」

ライラ > あちらをウロウロ、こちらをウロウロ。
地理はなんとなくで把握していく。

「なんじゃ、あの夜間じゃというのに眩しい建物は」

コンビニです。
もちろん、入り方がわかりません。
わかっても招かれないと入れないんですが。

「本当に変わったのぅ。
 わらわの知っている夜はもっと人の気配がせぬものじゃった。
 食事はしやすいのやもしれぬが……情緒が足りぬ」

道端で襲うなんて低級な怪物と同じではないか。
閨で色々やりながらでないと食事としては物足りない。

「まぁよい。
 まだ余裕はある……とにかく必要なのは、従者じゃ」

ライラ > 「そも、従者がいれば。
 わらわが足を動かして散策する等という些事をせんで済んだのじゃ。
 調達なりなんなりは、従者に任せればよいのじゃし」

ナチュラルボーンお貴族様。
もちろん、従者なんていないので一から用意する必要がありますが。

「……ああ、故郷のシュバツルバルトが懐かしいの」

ライラ > もっとも、その故郷の森も開発の魔の手に屈している可能性もあるのだが。

「……まぁ、無い物ねだりしてもしょうがないわ。
 己の目で見るのもまた大事じゃからの」

つきたくもないため息。

「当面は、従者を探すとするかの……先立つものは―――黄金でも与えればよかろう」

ご案内:「異邦人街」に耳かき屋、楢狗香さんが現れました。
耳かき屋、楢狗香 > からん ころん 

    からん ころん

響く下駄の音。
着物姿の異邦の女が向かいから。

その手に布包みを大事そうに抱えて、向かいから歩いてきます。

ライラ > 聞きなれない音がする。
なんだろうと目を懲らし……。

「なんじゃ、お主は?
 なんというか……何じゃ、本当に」

異常はわかるものの、理解は及ばない系。

耳かき屋、楢狗香 > 「…おや。」

人の匂い。鬼の匂い。くん、と鼻をひと鳴らし。

「何でありんしょうね。
とりあえず職業というのであらば…みみかきやをいとなんでおりんす。」

小首を傾げ、ふわり、とした微笑を浮かべた。皮膚の切れ端が伸びて引きつる。
彼女に向いた視線は三つ。

からん ことん。

彼女は立ち止まり、そちらをむいた。そばの戸板が朽ちて捻れる。風が止まる。
異常はいつでも、貴方のそばに。理解はできなくても、構わない。ええ、そうですとも。ねえ?

ライラ > 「みみかきや?」

聞きなれない言葉に首を傾げる。

「今の世はよくわからぬ商売が成り立っておるのじゃな。
 理解に苦しむのぅ」

傾げたまま、首を振る。

「お主が何かはわからぬし、わかりたいとも思わぬが……。
 お痛を考えておるなら他所を当たるんじゃな。
 夜の眷属など喰らっても益はなかろうよ」

視線には気づいているのか気にしてないのか。
堂々としたまま、扇子で口元を隠します。

「人の世が変わった分、闇には新しいモノが息づいておるのやもしれぬなぁ」