2016/10/03 のログ
ご案内:「異邦人街」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > 異邦人街にある風見鶏のある家の屋根。
そこが最近の七生のお気に入りスポットだった。
家主は有翼人種の異邦人で、七生は何度かバイトで配達をした事があり面識があった。
「んー、風が気持ちいーっ。」
以前一度屋根にある風見鶏を褒めたら、大層喜ばれたことがあった。
曰く、此方の世界に来る前、つまり元居た異世界の物らしく、
頭が二つある鶏というよりは駝鳥の様な出で立ちの風見鶏で家主のお気に入り、とのことだった。
その日以来、七生は家主不在の時でも屋根の上に上がらせて貰っていた。
とはいえ、建物の屋根の上をしばしば通路として扱う七生は半ば街の住人達から暗黙の了解の様な形で許可を得ているのだが。
■東雲七生 > 秋の風を受けカラカラ回る風見鶏を横目に、七生は今日は何処へ行こうかと辺りを見回した。
異邦人街は今日も多種多様な種族に溢れ、うっかりすると異世界に迷い込んだような感覚に陥りそうになる。
世界と世界、文化と文化の狭間。実にあやふやな場所であるこの街が、やっぱり七生は好きだった。
「んー、特に思いつかないな。」
時折強く吹く風が、長く伸ばした七生の後ろ髪をはためかせる。
最近では自分一人で三つ編みくらいなら出来るようになったが、大人っぽく見えてるか怪しい所だ。
そも、長髪であれば大人っぽく見えるだろうなんてこと自体、何の確証もないのだから。
ご案内:「異邦人街」にソニアさんが現れました。
■東雲七生 > 風の強い日は、何だか飛べそうな気がする。
もちろん今の七生には翼も無ければ翅も無い。異能で翼を形成したとしても、きっと飛翔は出来ないだろう。
それでも良いとこ滑空くらいなら、時計塔ほど高い所からであれば出来るかもしれない。
そう考えながら、風に乱れる前髪を押さえて学園の、時計塔を振り仰ぐ。
「今から行って試してみようかな。」
今から走って行けば、日が落ちる前までには戻って来れる気がする。
夕陽に向かって飛んでくるのも悪くないな、と考えてから太陽が時計塔の向こう側にある事に気付いた。
夕陽をバックに滑空してくるのも悪くないな、と考え直した。
■ソニア > 異邦人街にさり気無く混じった精霊なのか龍なのか分からない存在が一柱がとある路地からこっそりと紛れた。
キョロキョロと視線を泳がせて 店を探しているのか将又目星はあるが多種多様 文化と文明の坩堝に戸惑ったのか
様々な種族の流れに 戸惑ったのか視線を兎も角狼狽えさせる様に立ち止まったまま 泳がせる。
「………」
気配は精霊というか竜そのものだった。竜が人に化けているかのような錯覚さえ滲ませる位に。
■東雲七生 > 「あれ……?」
飛んできたら着地するのはどのあたりにしようか、と再び街を見下ろしてみると、
人の流れの中、立ち往生している様に見える人影を見つける。
生憎と、七生には気配を詳しく見る力は無い。
気配の有無は大小関係無く察することは可能だが、それがどういった気配なのかとなるとてんで駄目になるのだ。
だから今見つけた人影が何者なのかという事には一切勘付くことは無い。
ただ、自分と同じ様な髪の色に目が引かれた、くらいである。
■ソニア > 異邦人街に絶対あると思って 人づてに聞いたのだ 三味線店を。
蛇の皮たる三線から、犬の皮猫の皮ナニの皮で出来ているか大凡不明な三味線各種に至るまで!
そのありとあらゆる日本で発展極めた弦楽器を探しに来たのに 何故かあるのは 立ち止まった場所が拙いのか、
そこは 雑貨屋が並ぶ場所だった。楽器屋が並ぶ一角ではない。
「…ないな。」
しょぼーんと髪の色が揺らぎ始めた、地の色は深紅だが端色が夕日色だった。
丁度 今の時間が夕日差し掛かる色合いとそっくりな。落ち着いて混ざりあっていたのに徐々にどす黒い色に蠢いてゆく。
普通 髪の色は染めてても髪の表面で色が変容するのは少なかろう。
■東雲七生 > 流石に髪の色が似ているから、という理由で話し掛ける程七生は好奇心が豊か過ぎなかった。
ただ、辺りを見回して何やら探している様子の彼女を眺めていたら、段々と声を掛けた方が良い気になってくる。
「……えっと、どれくらいの距離だろ。屋根伝いに行けばいいかな。」
ひぃふぅみぃ、今居る家から何軒あるか数えてから屋根を蹴って宙を跳ぶ。
相手を見失わないようにしながら屋根の上を駆けていると、みるみる内に目印代わりにしていた髪の色が変わっていくのを見て目を瞠った。
「っと、あ、あのっ。おねーさんっ!」
うっかり目を逸らしたら他の異邦人と混ざってしまいそうだったので、少し早めに屋根の上から声を投げる。
■ソニア > 髪の色が色々と変化中は 顔は無表情でも内心が果てしなく落ち込んでいるか動揺しているか混乱中か それ以外か。
犬が猫が尻尾と耳を見れば大体分かるように、この赤髪の女は髪の色が目まぐるしく変わるという始末。
大体感情が思うままに変化するので―只今 落ち込みというかどう探そうという乱れようで
とぼとぼと歩き始めたら 上の方からこちらに接近してくる気配がありましてな。
「 なに ? 」
凄く間の空いた反応というか無表情だが 未だ髪の色は変化度合いが遅いが代わり中―混ざり中。
屋根の上からこちらへと声をかけてくれる少年を見上げる感じに視線をそちらへと。足は止まって見上げよう。
■東雲七生 > 「えっと、その、こんちは!」
とりあえず挨拶。
にぱっ、と誰に向けるも同じ──最近は微妙にだが違って来た──笑みを浮かべると、
女性の居る最寄りの建物の上まで来てから飛び降りる。
風見鶏のある館を発ってからほんの数十秒で、やはり屋根の上って通路として優秀なのでは、と考えもしたり。
「いや、何か探してるみたいだったから。
ここ……異邦人街にある建物か、知り合いでも探してる?」
小首を傾げながら訊ねる。
またしても自分より上背のある異性か、と内心穏やかでないものを感じつつ。
■ソニア > 「 うむ。こんにちはである。」
何故か間が空く喋り方で尚且つ独特な喋りで とどめは無表情だった。
髪の色が徐々にだが混ざりどす黒状態から、色鮮やかな深紅色と端が夕日色に落ち着いてきた。
大体 落ち着きました 的な気持ちが見て取れるだろう。
つまり笑み兎も角、髪の色を見れば 慣れれば 何を思っているかは割と見て取れるとも。
屋根の上に相変わらずいる少年は 何故屋根の上なのかは解らないが、
別にいいかとー髪の色―端が僅かに揺らいだ位。
「 異邦人街にあるであろう、三味線屋を探して居る。
店の名前は確か 『穴熊一発…??? 何か違う気がする。」
正確には 「楽器の事ならお任せ! 穴熊一家」。店名をいい加減に聞いてしまったらしい。
■東雲七生 > 「三味線屋さん?
……名前は、……穴熊……?」
あー、と屋根から飛び降りて女性の前に立ちつつ辺りを見回す。
屋号のうろ覚えにはすぐに思い至った。そんなに特徴的な店、他に何軒もあるとは思えない。
「穴熊一家、じゃないかな、それ。
それだったらもう一本別の通りだよ、案内しよっか?」
ちょいちょい、と路地の方を指して告げる。
了承を得られれば道案内を先導して行うし、断られれば簡単な説明をして見送るつもりだ。
■ソニア > 「穴熊一発ないな…うむ。手帳に書くのを忘れたからもはやうろ覚えだ」
道筋も地図も書き忘れている、唯一書いたのは 穴熊一発。ほぼ一発でたどり着くよーと言われてそのまま書いたのだその文字を。
色々と屋号というのを間違ったら見つかりもしない。
と、屋根から飛び降りて…怪我良くしないな この少年。
(しかし ちっこいの…魔術師タイプか??)視線を同じにした方がいいかと思って少ししゃがんでみよう。
「穴熊一家だとう!?一発でないのか!
うむ、うぬ すまぬ 案内だけ頼む。」
是非とも案内していただきたい、今日の目的はありていに言えば店がるかないかの下見だったのだ。
■東雲七生 > 「一家と一発ってどういう間違え方だよ……まあいいけど。」
まあ目的地は間違い無さそうなので一安心といったところである。
流石にしゃがまれるほど身長差無えよ、とは思ったものの折角の心遣いに目じりに涙を浮かべつつ。
「わかった、じゃあ案内するよ。ついて来て。」
こっちだよ、と女性に背を向けると路地をとてとてと歩き出した。
そしてそのまま、きちんと、穴熊一家へと案内したのである。
■ソニア > 「漢字似ているじゃろ。 最後だけ違うが」
あわよくばそのまま三味線を予約だけしたいのだ。モノ的にいいものに当りたいものだと弾き手としては選びたいのだ。
いや、だって 我 女子にしてはでかいし。その位の気遣いはしたい。
「うむ! 津軽三味線があるといいが!!」
楽器ならお任せ 穴熊一家へと きちんと案内されるようについていって連れてってもらったのだった。
礼は 後日 学園の生徒ならば ジュースの一本や二本差し上げた事だろう。
ご案内:「異邦人街」からソニアさんが去りました。
■東雲七生 > 「……楽器、かあ。」
無事に道に迷った女性を目的の三味線屋まで送り届け、その場で別れを告げて戻る道すがら。
七生はぼんやりと、さっきちらっと見えた三味線を思い返していた。
「楽器、出来ないもんなー……」
芸術方面の感性はことごとく鈍い。
別に音楽自体は嫌いではないのだが、楽器演奏に関しては酷い、としか言い様のない出来だった。
どれくらい酷いかというと、音楽担当の教員に『必修じゃないから、次週から違う授業を履修したら?』と提案されるほど。