2016/10/30 のログ
真乃 真 > <フフフお褒めに預かり真に光栄!>

どうでもいいけどこっちの頭にも容赦なく言葉が流れてくる指向性はなさそうだ。
…あの、フードの人動かないけど中身はどうなってるんだろう?
そんな禁忌に思いを馳せたりする。

「いいや、違うね!真ブラックが悪のなんちゃらパワーを受けていた状態!
 つまり、今の僕こそが真の真乃真というわけさ!」

悪堕ちとかそういう状態だった。いや、あんまり変わってない感じはあったけれども!
それはともかくカッコいいポーズをとる。前に披露したものよりはヒーローっぽさ9割増しである!

「なるほど!自分へのご褒美!!
 そういう発想もあるのか!」

しかし、真はまだ達成していない感じがある。
ご褒美はそれを達成した時にして今は知的探求心を満たすときだ!

「やめなよ!絶対これが売りなんだよ他にはないオンリーワンなんだよ!
 値段だって頑張ってるじゃないか!!そう言えば穴は幾らなのさ?」

<30円だ!>

穴はずいぶんとリーズナブル。セットで買っても150円。
…いや、そもそも穴は買う必要ないんだけども

デーダイン > 同じような黒フードの中身が謎な人物が二人。
…不審すぎる。

「悪のなんちゃらって何だッッ!!そこ重要だろうッッ!!!
クックック…そうか、貴様は悪から目覚めてしまったのだな…ッ!
真の真乃真…!
感じる…感じるぞッ!!貴様の正義をッ!!
それならばッッ!!このデーダインは完全無欠なる絶対の悪として貴様を討たねばならぬッ!!」

真の真乃真、ノートに書いたら二度見しそうな文字の羅列である。
デーダインは完全無欠の絶対悪らしいので、真乃真より悪の気が抜けた後の、
そのポーズに反応したのやら、正義やヒーローと言う物を感じているようである。

「そうとも!私はこう見えて、食べることが好きなのだよ。

ム、では貴様は逆にどういう発想で来たのだね。」

握った形の手袋が白い仮面の顎の所へ宛がわれる。

「いやしかし、よく考えたまえッ!
このドーナツに穴を開けられ、量を減らされた上にお金を取られるッッ!
これほどに愚かな事があろうか!

―――否ッッッ!!!

ない!そうだろう!?」

店主の前でこんな事を非常に暑苦しく熱弁する暗黒変態。
やめておけと言う真乃真にクルッと仮面が向けば、同意を求める問い。

「何だと!30円ッ?!
その金があれば!んまいスティックが3本買えるッ!
そしてその倍あれば!安い500mlサイズのペットボトル飲料が買えるぞッ!
それでも!それでも貴様は…!

―――穴を買うと、言うのか!」

黒い炎みたいなオーラを背に纏い迸らせながら、
掴みかからんばかりに真乃真を威圧するデーダイン。

店主の前である。

真乃 真 > 「詳しく分かったら説明したいんだけど!
 なんか、妖怪モドキみたいなやつだよ!」

なんか、もどき、みたいな、そんな言葉が続く凄くフワフワしたものであることは確かだ!

「ふふふ、何か勘違いしているようだねダイン先生!
 僕は別に正義ではない!ヒーローでもない!ヒーローに憧れてはいるけども!
 だから、たとえ絶対の悪であっても僕の敵ではないのさ、困っているようなら全力で助けさせてもらう!」

困ってる人に正義も悪も関係ない。
それが真の持論である。風紀委員を辞めた理由の一つでもある。

「僕は面白いものを探しに来た!
 もし、普通に食べて満足するだけなら学生街で十分だからね!」

こんなふうな冒険する必要はない!

「いや、もともと穴はあいてたんじゃないのかな?ドーナツだし。
 それを考えたら真ん中、埋まる分増えてるんじゃない?」

<NO!質量に変化はない!>

減っても増えてもないらしい。魔法って不思議!

「ああ買うさ!ひとつだけ買うとも!
 面白いものが見えたんだ!それに払うお金としては少し足りないぐらいさ!」

真乃真は屈しない!
例え、絶対悪が目の前に立ちはだかろうとも自らの意思を曲げたりしない!

<YES!今ならおまけで3個つける!>

…そうとう余ってるらしい。穴。
…そうだよね、みんな買わないよね。

「あ、ありがとう…。」

始めに渡された穴と合わせて5つになってしまった…。

「…あの、先生、一ついりません?」

店主の前である。

デーダイン > 「なんちゃらとかモドキとか…現時点ではよくわからんようだな!」

比喩でなくなんていうかこう、兎に角ふわふわしている存在であった。

「何…だと。クックック、そうかそうか。そうだな、貴様の言う通り、勘違いしていた様だ。
困っている者を助ける事、それは正義であれ悪であれ関係のない事だなッッ!!
……なれば、私は貴様を討つ事をやめよう。ヒーローへの憧れ、か………。」

仮面の表情は見えない。けれど、真乃真の言葉を聞いて、とても嬉しそうに同意する。
デーダインとしても、困っている者を助ける、と言う事を肯定しているのだ。
けれど、少し複雑でもあるようだ。

「そうだったのか!なるほど。
確かにここはもう、ここだけ本当に異世界の様だからな!
見ていて飽きぬ!色々な文化が、知らないものがあるッッ!!」

大きく頷く様に動く仮面。

店主と真乃真の掛け合いを聞いていて、
むう、と唸るデーダイン。

「つまるところ結局そのドーナツは一体どれだけの質量で穴は開いているのかいないのか。
そして得なのか損なのか…。」

付いていけない様だが…。

「クックック……その意気や良しッ!!
良いだろう、それならば貴様の面白い物を求める心意気に免じて、穴を買う権利をやろう。」

一体何様のつもりだろうか。
暗黒の炎が消え去れば手袋の親指グッ立てして真乃真に権利をあげる。

「………良かったな、おまけだって。」

全然良くないけど。
憐みすら感じられる声で祝福した。

「ひ、一つって何だッ?!穴かッ?!穴なのかッッッ?!!」

貰ったとして、どうすればいいのだ…?!
大袈裟な程に狼狽するデーダイン。

真乃 真 > 「ああ、カッコ良いからね!ヒーローは!」

こうなりたいと思う理想。
こうあるべきだという標。

届かないけど憧れるくらいは良いだろう。

「…大丈夫!ダイン先生もカッコいいと思う!マントが!特にマントが好きだな僕は!」

赤いマントはカッコいい。
悪に憧れるブラック真でなくても正直カッコいいと思う。
…仮面は、まあ人を選ぶよね!!

「意味が分からないよね!
 多分、損でも得でもないと思う!」

いや、穴は間違いなく余計な物だから…どうなんだこれ?
穴は買えるかどうか選べる分お得なのか?

「ああ、ならば僕は!この僕真乃真は!その権利を存分に行使させてもらうとしよう!」

無駄にカッコを付けた動きで30円を『おかねはここに』と書かれた皿に置くと30円は消えて4つの穴が!
点線に囲まれた穴が!

これは、分別上何ゴミなのだろうか?
とりあえずタオルに通したりしてみながら考える。

「ええ!遠慮せずに!おまけでもらった分なので!おまけでもらった分なので!」

そう言いながら渡す。
きっと、ダイン先生なら有効活用できるに違いない!!

「それはともかくドーナツの方もください!」

ちゃっかりとドーナツの方も買う。
ドーナツはこちらがメインである。

<YES、おまけで穴付けようか?>

「あっ大丈夫です。」

思わず真顔で答えた。
どれだけ余ってるんだ穴。
もしかしたらドーナツが無くなっても永遠に残り続けるのかもしれない。

デーダイン > 「クックック…、カッコいい、かぁ…否。これについては私の苦手分野でな。
私がカッコいい物を目指すと、皆が皆して中二病だと宣うのだ。
そういう意味で、そうして貴様に褒められると、嬉しいものだ。このマントも喜んでいるだろう……。」

感傷に浸った様な声。
心なしかマントが風が吹いているかのようにゆらゆらはためいている。

「損でも得でもない…でも30円増えているから結果的に…否、
その分の面白さがあるから、プラマイゼロって事で、良いか。」

思考放棄。

「穴が出てきた……。」

穴って出てくるものなのだろうか。
穴ってなんだろうか。
この、なんというか、ドーナツの穴取り除いてください的なトンチを思い出しかけて、忘れる。

これは点線ではなく、
点線に囲まれた穴である。無であるのだ。

そのくせ、掴める。
渡される。

「あ、ああ…ウム。」

やけに強引に押し付けられた気がするが、何だかんだその穴を一個貰ってしまった。
手袋の上に、穴が乗った。

くるくるまわしたり、手袋の指を通してみたり、ほおり投げてみたり、床に押し付けたり、
色々姿勢を変えアイディアを変え、柔軟に少々考えていたが…。

「おお、そうだッッ!」

何か閃いた様だ。

「この穴を有効活用すれば女子風呂が覗ける所謂伝説スポットとか作れるんじゃないかッッッ?!」

つくづく、ロクでもない有効活用法であった。

「ああ、そうそう、私もこの抹茶っぽいモチモチしてるやつを4つくれ。
穴はいらんぞ!先に言っておくからなッッ!!」

穴は、無である。
0にナニを掛けても0であるから、穴をいくら売ったところで、かの黒フードは何も失わないかもしれない。
それどころか、30円儲けている。
なんと悪徳商法か!完全無欠の絶対悪もオドロキである。

真乃 真 > 「いいじゃないか!
 結局自分がカッコいいと思うものが一番カッコいいんだよ!
 人の評価ばかり気にしてたら動けなくなっちゃうしね!」

真もこの白タオルがダサいとか、ポーズが何か古いとか、喋らなければイケメンとか言われているが特に気にしない!
ホントだよ!どの評価も同じ様に気にしてないよ!

「この面白さを高めるとどんどん得していくんだから凄いよね!」

でも、正直穴が増えても少し困る。
穴の多さに面白さは比例して増えない!

「いや、実際こんなに穴あっても困るよね!」

消費の方法が思いつかない。
気がついたら無くしてたくらいしかないのではないのだろうか?

「流石はダイン先生だ!絶対悪というだけのことはあるね!」

そう言いながら操作するはスマホ。
容赦なく風紀委員の電話番号にかける準備をしておく。
悪人でも助けるは助けるけどそもそも悪いことは駄目だよね!

「ダイン先生!大変だ!普通のドーナツだったら穴が無くても目立たなかったけど!
 このもちもちした独特の形のやつは不自然な形になっている!!」

<ホントに穴いりませんか?ひとつたったの30円ですよ?>

確かにあの抹茶感のあるもちもちしたやつは凄い不自然に穴が埋まっていて少し不安を感じるレベルですらある。
普通に食べるのならば気にならないだろうが…果たして?

デーダイン > 「若さ、というのはそういう物だ。
私はこうだ!こうありたい!!そうして周りの目を気にせず、あるいは周囲に流されず…
自身の存在を固めていける。何にだってなれる。
だが、私はもう、若さなんて、とうに失ってしまったのさ…。」

哀愁を漂わせながら、そんな事を言う不審者である。

「そうだな!損得勘定は気の持ち様だ!
買った者次第で値段は幾等にでも跳ね上がるッ!

―――だが気を付けろ!
こんな事を言って壺を売る奴と宗教は、大体詐欺だッッ!!」

シャキーン!という音魔法の効果音と共に指差しキメポーズの不審者。

「…穴の中に穴を開けたらまとめられるのでは?」

奇想天外な発想を炸裂させるデーダイン。

「ハーッハッハッハ!!!!そんなに褒めるな。
そして冗談だから風紀執行は勘弁してくれたまえ。

―――しかし真乃真よ、正直女子風呂とか興味ないかね?」

流石元風紀委員。行動が早かった。
デーダインの変わり身も早かった。
変わり身したくせに小声で問い掛けるデーダイン。まるで悪魔のささやきの様に。
しかし困った。本気で穴の使い道がない。

「―――何ッ!?」

真乃真に指摘されて気付く。
なんかこう、うねうねもにゃもにゃしている!
普通のドーナツの穴ナシはパンの見た目であるのに対し、
こっちはカオスキューブになっている。

「…むむむむ。」

腕組みして唸るデーダイン。

「クソッ!!!己ェ!!謀ったなッッ!!!

参った!!!!買えばいいのだろうッッ!買えば!ホラ!
4個のドーナツで480円に加えて30円4個分で120円だよ!!
併せて600円だよ!チクショウッッ!!!」

デーダインが掌を『おかねはここに』の御皿に向けると、突如黒い炎から硬貨が沸き出す。
丁度600円出てきた。
デーダインは、結局穴の悪徳商法に負けてしまった…。

「これで満足かッッ!!

―――それでは私は優雅なおやつ捜索タイムに勤しみたいので、これにて失礼しよう。
真乃真よ、貴様には言うまでもないだろうが…楽しいショッピングで、遅くにならないようにな。」

店主から抹茶味のモチモチしたあれの入ったドーナツケースを貰えば、
赤マントの背中を向け、異邦人街の市場の何処かへ普通に歩いて去っていった。

ご案内:「異邦人街」からデーダインさんが去りました。
真乃 真 > 大丈夫!そういう意味ではダイン先生は若い!未だ若いよ!」

普通の人はあの仮面を付けて歩くなんてできないだろう!!
きっと、完全なる永遠の中二病たるダイン先生はそんなメンタルを持ち合わせているはずである!

「な、なるほど!気をつけないと!」

恐らく真は騙されやすい。詐欺とか!気をつけた方がいいだろう!

「…僕だって男子だ!
 それでも、それでも流石にそういうのは良くないと思う!」

ちゃんと許可とか取った上で覗くべきだと!
いや、分かる。分かるよ。理解できるとも!
覗くことへのロマンは分かるとも!だが!だが!駄目だ!

「なんて!なんて!抜け目のない商法だ!
 手間のかかるもちもちリングを他のと同じ値段で売れるのにはこんなからくりがあったなんて!!」

凄い手腕だ!
それはともかく。

「はい!ダイン先生!何か美味しいおやつがあったら教えてください!」

そう言って見送る。その後

「あ、これと、後これもください!穴はいらないです!」

様々商品を試しまくったという。


さて今回の評価は!!

味   ★★★★☆ 有名チェーン店の味に近い文句なし。
見た目 ★★★★★ 凄く面白い。穴はどうしていいか困る。
コスパ ★★☆☆☆ 穴を買わなければ安いがそれなら有名チェーン店に行く方が良い。

おススメ商品 抹茶もちもちリング (穴は別売り)

ご案内:「異邦人街」から真乃 真さんが去りました。