2017/03/12 のログ
■真乃 真 > 「じゃあ、僕もいただこうかな!」
そのクッキーを口に運んで一噛みすればそのサクサクとした食感は消え失せ
溶けのアイスクリームのようなしかも冷たくないその食感がが口の中に広がる。
「なんだコレ!このクッキー独特のサクサク感が消えた瞬間に口の中に広がるクリームの濃厚な味わい!
さては、普通の方法で作ったものじゃあないな!!」
<フフフ、当商店独自のレシピに加えて液状のものを固める特殊な硬化魔法を組み合わせたものになります。
ですからより正確にいえばとろけるクッキーでは無く固まったクリームなのでしょうが
…まあとろけた方がおいしそうでしょう?>
珍しくて、甘くて、美味しい。
これ以上ないくらいに条件は完璧に満たしている商品であった。
初めからこれを教えてくれても良かったの…。
ご案内:「異邦人街」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 「…んっ、クッキーじゃないのにサクサクしてな…んまっ!」
口の中でとろけたそれに、瞳を輝かせてぴょんぴょん跳びはねる月香。
(てか食レポか真乃君)
二人が会話?を交わすのを聞きながら、月香は真乃に無邪気に笑い掛ける。
「これにしたら?美味しいし、妹さんも喜ぶよ。
……ん?どした…」
急に黙り込んだ真乃を、何故かひしひしと嫌な予感を感じながら顔を覗きこ…。
■真乃 真 > 「何か…クリーム多すぎない?」
一口齧っただけなのに口から溢れそうになるクリームを飲み込んでいう。
明らかにクッキーの量に対してクリームが多い。
クッキーの時より質量が増えてるんじゃあないだろうか?
<…試食に出している品は失敗作ですからね。調整が難しい商品なもので。>
「そう?それな…」
一度クリームを飲み込んで。
「それならいいんだけど。本当に大丈部なのかい!?クリームで溺れて死んだりしない!?」
<売り物では絶対にありません。絶対です。>
「なら…なら安心だな!!」
また、口いっぱいになって来たクリームを飲み込んで言う。
店主は試食については何も語らない。そう、何も語らない。
■和元月香 > 「…あみゃい…」
(…ちょっと多すぎ…)
多すぎたクリームの量に、月香の顔がたちまち歪む。
口の端から白いのが溢れて何か卑猥な事になっているが、
不機嫌に眉間に皺が寄っているので色気もクソも無い。
「…で、これ買う事になったん?
」
その苦渋に満ちた顔のまま、月香は売り物の方のクッキーを一瞥する。
パッケージも本当に普通だ。
「…妹さん甘いの好き?
これちょっとあんまり多いと甘すぎ…」
どっちかと言うと和風の控えめな甘さが好きな月香はそう溢す。
ごくん、ごくん、と飲み込むとうげぇ、と舌を出しながら口の端を拭う。
ご案内:「異邦人街」に宵町彼岸さんが現れました。
■真乃 真 > 「ああ、これにするよ!僕も妹も甘いのは大好きだからね!」
それにきっと製品版ではもう少しクリームが抑えめのハズだ!
初めから製品版を試食に置いておきなよという気持ちもあるけど!
「じゃあ、これを一つ、いや…。」
何かを少し考えて。
「じゃあ二つ。…自分のも入れて三つにしておこう!
三つください!!」
そうして手早く会計を済ませて紙袋にその箱を入れてもらう。
「いやあ、和元さんありがとう!お陰で助かったよ!
そうだ!ジュースでも奢るよ!ああ、奢らせて貰おうとも!」
そう言いながらこの店のジュースコーナーに向かう。
まともな物はあるのだろうか…。
■宵町彼岸 > 「はろにゃーっす」
よくわからない声と共にそっと顔を出す。
サイズの合わないカッターシャツとショート丈のスカートの上に
白衣に癖だらけの髪といういかにもちょっとアレな人ないでたちで
頭だけ突っ込んで謎のポーズをとる。
「やーやー。新製品(失敗作)出来たよー。
また適当においてほしいなぁ」
実験中にちょっと冗談でできた物を置いてもらおうと
気が向いてやってきたものの歩くのが既に面倒になりつつあった。
どうせこんな、いなげな店に客なんか居ないだろうし
適当なあいさつでい……
「ってうわ客いるよ明日は雨か」
全力で失礼なコメントを迷う事なく口にする。
逆に初めてこの店に客が来ている場面に遭遇する気がする。
いや、常連ではないのだから偶然自分が客が居ない時に
尋ねてきていたのかもしれないけれど。
■和元月香 > 何故か3つ購入した真乃に、にやりと笑う。
(…マジいい奴だ、真乃君)
「奢ってくれんの?じゃあお言葉に甘えよう」
そう、ニッと笑って親指を立て、真乃に着いていこうとしたその時。
扉が開き、現れた女性。
少し変わったいでたちに、思わず目が行く。
(正直な人…げふんげふん)
月香はつい真顔でこう言った。
「明日降水確率0パーだよ」
■真乃 真 > 「ああ、僕に二言は無いさ!
あっでも待って!あんまり高いのは駄目だよ!手加減してくれよな!」
早速、二言を出しながらジュースコーナーに向かおうとすればそこに新しい客が入って来た。
<失礼な、客なら毎日来ているさ。今日は17人昨日は8人も来ている。>
この店やっぱりやっていけてないのでは?
そんな疑問を持つのも一瞬、手渡された新製品。ガラスの瓶に入ったそれを迷いなくジュースコーナーに陳列した!
「ねえ!それ大丈夫なの!?ジュースコーナーに置いておいていい奴なの!?」
店主と新しく入って来た少女二人を代わる代わる見ながら尋ねる。
…店主は何も答えない。…心を閉ざしている。
■宵町彼岸 > 「え、そうなの?天気予報見なきゃ。
そもそも今日って何年何月何日だっけ。
まいっか。多分きっと明日は雨だね」
数秒前に降水確率が0と言われたことは綺麗さっぱり
話しているうちに頭の中から消え失せていた。
「え?平気平気。
一口で体感-20℃を経験できる炭酸飲料だよ?
味はおしることミネストローネっぽい謎の何か!」
きっと皆思っただろう。夏に売れよと。
しかもその味のラインナップとか罰ゲームだろと。
なぜまだちょっと肌寒い今この時期に置こうと思ったのかは
きっと本人すら忘れている。
「大丈夫だよ?今回は(比較的)安全な(死なない程度の)奴だから。
……多分」
最後まで実にいい笑顔で言い切った。サムズアップまでして見せた。
尚責任はとる気もなかった。
■和元月香 > 「二言あるじゃ~ん。
まぁ紅茶とかで…あっジュースじゃなかった」
真乃の脇腹をおらおらーとふざけながら小突きながらも、
目の前の女性を見て月香はぽけーっと思う。
(…変わった人やなー)
他人事のようだが、所詮そんなもんだ。
ただ。
「それ冷たすぎて口の中凍りません…?しかも味も混ぜちゃ駄目な奴…」
(てか、夏に売れよ)
ずいぶん故意的な失敗作だな、と見下ろして苦笑い。
…何かツッコミ所ありすぎるが、月香はにへらーっと笑って誤魔化す。
月香は大人だ。大人なのだ。
■真乃 真 > 「今のはノーカウント!まだ言い切って無かった!セーフ!セーフです!」
つつかれて少しのけぞりながら自分の二言の無さを主張する。
ぎりぎりイケる!
「いや、ちゃんと天気予報見なよ!!明日は傘いらないからね!!」
天気予報を見れば広がるのは太陽のマーク。傘とか雲とかないよ!
<これは、これで需要があるんですよ。ええ、色々と。
ほら、罰ゲーム用とかでね…。>
何だろう悪用されてる感しかない!
だいたい何だ店主のその黒いフード怪しすぎるだろう!
「…もしかしてここは怪しい店なんじゃあないのかな?」
■宵町彼岸 > 「え?ダメなの?一口で一時間くらいは効果続くよ?」
きょとんと首を傾げる。夏飲んでも涙目になる商品だった。
味に反して一切温まらせる気のない心折仕様。
文字通り生きた心地がしないかもしれない。
けれどまぁ生きているならセーフだと思う。
「モン〇ンしてたらなんかこうクーラードリンク作りたくなって。
まぁ実際体温下がるわけじゃないから玩具みたいな?」
ただちょっと全身の神経に作用して脳に温度を誤認させるだけ。
なおその場合体は体温を維持しようとするためかえって熱中症になる可能性がある。
……効果と体感が真逆な辺りやはり失敗作かもしれない。
「大丈夫。KIAIがあれば何でもできるってあのゲームがボク達に教えてくれた
傘いらないのかぁ……いっそ火でも降ればいいのに。
……空中で高質化する液体ばら撒けば槍になって降るかなぁ」
ぽけーと虚空を眺めながら途中から独り言になっていく。
実際にやったら大惨事では済まないけれど高い所まで登るのも……
「面倒だしやめとこっと。
……うん、怪しい店だよ?」
店主の代わりに肯定しておいてあげようと頷く。
手間を省いてあげるのだから結構親切だと自分では思う。
確実に自分がその一助になっているという自覚は一切無かった。
■和元月香 > 「いやそういう問題じゃなくて………。はぁ、もういーや」
月香は早々にツッコミを放棄した。
…何かもうどう考えても表世界の人間ではない。
表世界の人間はこんな物騒なの作らない。
「気合いは無敵じゃないからね…。
傘で防げないからね…火と槍は…」
…やっぱり無理だった。ツッコんでから、やれやれと深い溜め息をついてしまう。
「真乃君おっそ…。
やっぱりホワイトデーのプレゼント買う場所じゃなかったのかもねぇ…」
(まぁ過ぎた事だからいいけどさ!)
のんびりと言いつつ、ましそうなジュースを手に取った。
■真乃 真 > 「ゲームと現実を一緒にしちゃあ駄目だよ!
確かに気合いがあれば結構な事は出来ると思うけど!
駄目だよ!人に迷惑をかけるようなことしたら!多分火がふってもそんなに楽しくないだろうし!!」
火の雨とか槍の雨とかとても危ない!
それに、そんな風な人に迷惑をかける事は駄目だと思う!
「まあ、確かに変なところだとは思ってたけど異邦人街だしこんなもんかなって…。」
<何を言いますか。当店は生活委員審査済みの優良店舗です。
厳しい基準をクリアしており確認のとれた品しかおいておりません。
試作品にはちゃんと示すシールがはってありますので自己責任でお願いいたします。>
良く見れば店の色々な品に赤いギザギザのシールが貼ってある。
当然さきほど並べられたガラス瓶にも。
「これ、本当にいけるの!?このクッキー!?」
<これは大丈夫です!シール貼ってないでしょう?検査済みです。>
これは安心らしい。
それはともかく…
「…ジュース別の店で買う?」
■宵町彼岸 > 「そもそもここってどこだっけ……」
誰に聞かせるでもなくぼそっと呟く。
だいぶ深刻に忘れてはいけない事まで忘れていたりする。
まぁその内寮まで帰ればいいだろう。多分。
「ほわーとでー?あー……えーっと」
とんとんとこめかみを叩き思い出そうとする。
確かバレンタインが死んだ!くそぅ!ここはヤツに任せて撤退だ!
とか何とかいう日にチョコ送っちゃおうとか言う雰囲気の
逆バージョンだったはずなので……つまり
「バレンタインは先に行け!なぁに奴らは俺たちが足止めする。
終わったら一杯やろうぜ!的なあれだ。うん」
冒涜的な思い出し方をしつつぽんと手を打つ。
これで何のことかわかったら奇跡だろう。多分。
「え、そういう意味あったんだ。
お洒落かと思ってこの前色々張り替えちゃった」
さらっととんでもない事を言いつつ二人を眺める。
先ほどの例から鑑みるにつまりだ。
「なるほど、二人は恋人でバレンタインデートのお返し中と」
経路が見えない謎理論で納得した。
■和元月香 > 「…あの君、マジで大丈夫かい…?記憶喪失か何か?
な、名前分かるー?」
ぼんやりととんでもない事を口走る女性に月香はやや心配そうに声を掛ける。
人並み以上の善意はある。しかも相手は女性だ。
「あとそれは非リアの叫び。私含む。うん、ちゃうからね!」
続いた言葉は、にこやかな笑顔で否定。
そして一気に危険性を帯びたジュースをそっと元に戻してから。
「ゴホッ!?いや、ち が う!!
私と真乃君恋人どころか話すの二回目だから違うから!!」
思いっきりむせながらちゃうちゃうと手を振って断固否定した。どうしてそうなる。
「…うん、せやね」
■真乃 真 > 「店主さんちゃんと面倒みてあげなよ!保護者でしょ!?
多分この子油断してたら歓楽街の方に迷いこんじゃうよ!」
店主に保護者の責任を押し付ける。
そして、この子は家に帰れるのだろうか?
とても、心配である。
<…まあ、見るからに変なモノで無ければ大丈夫でしょう。
最悪、買う時に私が見れば分かりますし。>
生活委員の検査までに戻しておけば問題はないらしい。
「はっはっは!その通り僕たちは恋人じゃあないよ!僕たちは普通に知り合いさ!」
無駄に高笑いをしながらそれを告げる。
真乃真に恋人はいない!そして、当然婚約者もいない!!
居ないよ!!どっちもいない!
「よし、じゃあ別のところに行こう!君も悪戯はほどほどにしときなよ!」
無駄にカッコいいポーズを取ってからそう言うと店を出ようとするだろう。
■宵町彼岸 > 「名前ー……」
たっぷり3秒停止してその後小首を傾げる。
その後何も無かったかのようにふわふわとした笑顔に戻るが
その間が何よりも問いの答えを雄弁に物語っていた。
「え?無しなの?あり得ないの?
将来はわからないよ?好みに該当しないとかそんな感じ?
それとも最近はやりのツンデレかな?人って難しいね!」
若干ズレた違うそうじゃないと頭を抱えそうな言葉を
笑顔のまま返すあたり成立しているように見えて
実は会話は成立していないのかもしれない。
「んぁー…?悪戯……?悪戯?
まいっか。程々にしとくよ?」
何のことかと首を傾げたあととりあえず笑顔で肯定。
謎のポーズを興味深げに見送る。
彼らが贈り物に良い飲み物を見つけられるかはきっと神のみぞ知る。
ご案内:「異邦人街」から真乃 真さんが去りました。
■和元月香 > 「…う、うわマジか~…」
(からかってるだけだと願っておこう…)
答えは無かった。
半ばうんざりしたように息を吐き、何故か諦めたようにハハッと笑う。
「ツンデレじゃないから。うん違うからね!
えーっと、じゃあね。記憶喪失さん」
へらっと笑って、月香は手を振った。
…まず会話が成立していない事に月香は必死に気付かないふりをしていた。
(…真乃君は少なくとも、私を好きになる事は無いだろうしなぁ)
そんな事を思いながら、先程とは違う、大人びた薄い笑みを浮かべて月香は彼の後を追った。
ご案内:「異邦人街」から和元月香さんが去りました。
■宵町彼岸 > 「……あ、思い出した。
まいっか。結局最後まで男女位しか区別付かなかったし」
出ていった二人の方向に笑顔を向けたままぽつりとつぶやく。
仲が良いのは良い事だ。知り合いなら猶更。
学生が歩いているのは平和な証拠。
「さて……」
その顔から笑みが抜ける。
酷く無表情なまま、店主に声をかけた。
「ああ、例のお仕事特に問題なく終わったから手続しておいてね?
このまま風紀に届けておくから後は手はず通りにぃ」
そうして氷のような微笑を浮かべ呟いた。
「ああ、明日は何して遊ぼうかなぁ?」
……そうしていつの間にか夜は静かに更けていった。
ご案内:「異邦人街」から宵町彼岸さんが去りました。