2017/03/31 のログ
ご案内:「異邦人街:公園」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > その日は、昼から雨だった。
一日中家の中に居ると調子が悪くなるタイプの少年こと七生は、レインコートを羽織って散歩に出ていた。

やって来たのは異邦人街にある小さな公園。
雨の中公園まで来る物好きは流石に異邦人街にもあんまり居ないのか、平時よりもだいぶ人の数は少ない。

「……それでもまあ、来るには来るんだよな。」

雨天を気にしない種族というのも、また居るのだろう。
何だか粘液で覆われた、のっぺりした風貌の異邦人とすれ違う際に軽く会釈をして、七生は公園へと入っていく。

東雲七生 > 雨に濡れたベンチに腰を下ろす。
レインコートは通気性が悪く蒸れるので半袖シャツとハーフパンツに、長靴を履いている。
フードはすっぽりとかぶったまま、ベンチで一息ついて園内を見渡せば、相変わらず遊具よりもよく分からないオブジェが立ち並ぶ光景。
常世公園とはまた違った趣のこの公園を七生はそれなりに気に入っていた。

「遊べないとなると、やっぱこっちの方が良いもんな。」

ぶらぶらと足を揺らしながら、雨にけぶる異界情緒溢れる光景を楽しそうに眺めていた。

東雲七生 > 雨粒がレインコートを叩く音に耳を傾け、人型のオブジェをぼーっと眺めていた七生だったが、
ふと雨音が小さくなったことに気付いて我に返る。
フード越しに軽く空を見遣れば、天候は雨と霧の合間の様な様相になっており、

「……あれ、いつの間に。ちょっとぼーっとし過ぎてたかな。」

被っていたフードを脱ぎ、仔犬の様に欠伸をする。
湿気で重くなった髪を振り払う様に頭を振って、もう一度欠伸。