2017/04/10 のログ
ご案内:「異邦人街:大通り」に真淨在処さんが現れました。
■真淨在処 > 息抜き、というのは大抵の者が大なり小なりしたいと思うだろうし、する事もあるだろう。
それはこの人物も例外ではない…と、いうよりこの姿の方がある意味で溶け込み易く自由が利く。
久々にこの姿でこの辺りに出歩いてみるが、相も変わらず異邦人街らしい独特の活気さに満ち溢れている。
「いやはや全く。これだけ多種多様な種族が居るって、一体どれだけの異世界が存在してるんだろうかねぇ」
意図的に独り言を呟くのは、普段の己と今の己を切り離す行為の一環だ。
単なる変装、偽装ではなく「真淨在処」という人物を完璧にこなす。
息抜きとはいえそこは怠らない…が、堅苦しすぎてもボロが出る。
そこらの塩梅…さじ加減は流石に掴んでいる。別にこの姿で出歩くのが初めてではないのだから。
メインストリートを歩きながら、時折り、冷やかし程度に屋台や店先の展示物を眺めたりしてみる。
「さて、な~にか、面白そうなブツは有りますかね~?、と」
冷やかし程度にあちらこちら見て回る。買わないであくまで見るだけ、というのは店側からすれば微妙かもしれない。
が、そんな事は彼はお構い無しだ。息抜きなんだから好きにさせて貰ってもいいだろう。
偶に、異種族の少女や美女とすれ違う時にウインクとかしてみるが、勿論見事に空振りだ。
ナンパって結構難しいんだな…と、内心で冷静に考えているが本来の彼はナンパとは縁遠いから仕方ない。
■真淨在処 > 「まぁ、下手な鉄砲数撃ちゃ当たる的な」
呟いて懲りずにナンパ?をしてみるが、勿論ナンパの極意とか知らないのでオール不発だった。
むしろ、カップルでも構わず色目を使ったので相手の男に睨まれたりもしていた。
だが、それもヘラヘラとした軽薄さでスルーしてしまう。矢張り勝手が分からない。
『兄ちゃん、男連れをナンパするのは流石に駄目だろう?』
と、丁度冷やかしていた店先の親父に窘められるが、そちらに顔を向けて肩を竦めてみせる。
「そうみたいだなぁ。ナンパってやっぱり駆け引きが大事って噂は割りと本当ぽいね」
そう言いながらも、大して堪えていないのかヘラヘラしている若者。
店主である親父も『駄目だこのにーちゃん』的な表情で溜息を吐いている始末だ。
まぁ、正直不発でも何でもいいのだ。その行為そのものが息抜きとなるのだから…と、いうより成功したら奇跡だろう。
『…で、兄ちゃん何時まで眺めてるつもりだ?買う気が無いならとっとと他所行った行った!』
と、邪険にする店主のおっちゃんに「ひでぇ言い方だなぁ」と軽口を返す。実際眺めていただけだし。
「んー…じゃあ、女の子受けしそうな素敵アイテムとかあるかい?」
『ここは食料品店だ見れば分かるだろ!!』
「うん、どう見ても食料しか無いよな」
おっちゃんが地味にイラっと来ている様だが、若者は全く態度が変わらずのんびりとしている。
■真淨在処 > 「…あ!じゃあさ?こう、女の子もイチコロな媚薬成分が満載の食べ物とか――」
『よし、お前さんさっさと出て行け。…むしろ強制的に叩き出すか』
「おーけぃ、落ち着こうぜオッサン。そんなムキムキの筋肉で殴られたら俺死んじゃう」
と、コミカルなやり取りをしつつササーッと退散する。また大通りをブラブラと歩き出し。
そもそも、金そのものは「仕事」に困っていないのでかなりの貯蓄がある。
財布の中身もそれなりだが、ただ買うだけでなく見て回るのが割りと楽しい。
(頭を空にして過ごすのも悪くない…のかもしれないなぁ)
口調、仕草、髪型、瞳の色、体型、その他全てを「あちら」と変えているからこそか。
半ば別人と言ってもいいレベルだからこその「軽さ」というものがある。
「どうせなら、今度本屋でナンパの極意でも調べてみるかなぁ」
「真淨在処」という人間はこうである、と定義付けすれば基点が有る分遣り易い。
あくまで仮の姿、演技だがそこを限りなく薄くすれば本物となるだろう。