2017/04/20 のログ
ご案内:「異邦人街」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 夕暮れ時の異邦人街。その片隅にある公園。
相変わらず遊具らしい遊具は無く、ベンチと花壇と、独特のセンスを滲ませるモニュメントが乱立する。そんな広場のような公園。
西日に照らされ長く影を伸ばすモニュメントを眺めながら、七生はベンチに座っていた。

「はぁー、今日も一日お疲れさん、っと。」

今日の放課後はバイトがあった。
何気に新学期初のバイトで、七生のバイト先である宅配センターにも数人の新入生が、新人バイトとして入っていた。

「もはや逃れられないさだめなのかな……」

そしてその新人バイトたちからも、見事に同期だと思われるまでがデフォ。
先日のプールでの件といい、やっぱりこれがないと新年度じゃないよね!と思えて来さえする。嘘だけど。

東雲七生 > 「そういや、あの子は水着見つけられたのかな。」

流れでプールで知り合った後輩の顔を思い出す。
後天的ラミアだなんて、今までとは勝手が違って当惑するのも無理は無いだろう。
今まで通りの生活が出来ないというのが、どれほどの苦労を伴うのかは七生には理解が及ばないが、
望まない能力をその身に宿した事に対する苦悩は痛いくらい解る。

「もっと相談とか乗ってやれればいいんだろうけどなあ。」

普通の学園生活における相談事より、そちらの方が大いに向いている自覚があった。
何しろ単純に目にする機会なら学内を除けば異邦人の方が多い。
こうしてベンチでだれている間にも、見知った顔が通りを歩いてるのを見掛けるくらいだ。

「新しく島に来た異邦人も、やっぱ増えてるんだろうなあ。」

夕陽に目を眇めながら、ぼんやり呟いて、ほぅ、と息を吐いた。

東雲七生 > 学業以上に新たな島民たちの相談に乗りたい。
七生がそう思う様になったのは2年生になったばかりの、丁度去年の今頃だった。
新入生、特に世界そのものが違う異邦人に対して出来る範囲の学園生活のフォローをしたい。
あくまで出来る範囲は個人が行える範囲で、だが。

「その為にはまずパッと見で先輩だと思って貰わないとか……」

丁度去年の今頃も同じ壁にぶつかっていた気がする。
去年はその後一年間での成長に賭けてみたのだが、満を持した一年後がこちらになります状態だ。
成長しないだろう事は予測できたが、まさか背が縮むとは誰が思えただろうか。

「……体質的な問題なのかなあ。」

身体に脂肪が付きにくいのも、過度な筋肉がつかないのも、そういう体質であるということだった。
だから身長も、と思っているのだが、今のところそれを認めてくれた人はいない。