2017/08/23 のログ
HMT-15 > 「む。あれは何だ?」

中途半端な直立の形のまま
前両足を器用に使ってそのまま左へ移動し
横の店舗へと。その動きは流石に
異邦人街と言えど浮いている。

「これは・・・ニットか?
なるほど獣人の耳を防護するためのものか。」

店先のウィンドウに最早顔面を押し付けるように
して展示されている商品を見ながら
一人で納得していた。

HMT-15 > 「色々あるものだな。」

一通り見終えればロボットはケースから前両足を
放し地面へと戻していつもの四足歩行になれば
そのまま歩みを進める。
すると

『にゃー。』

建物の陰から出てきた一匹の野良猫。
一般的な猫の二回りくらい大きい。
おそらく異世界から流れてきたか
その猫は白いロボットと出会うや否や
声を鳴らしながら挑発する態勢へ。

「む。あれは”ネコ”・・・にしては大きいな。」

挑発してくる猫に反応すると
ロボットもまた身構え
キュイイインとわざとらしくモーター音を鳴らし
威嚇のようなものを。
建物の陰では四足ロボットと猫が
相対するという妙な構図が出来上がっていた。

HMT-15 > しばらくにらみ合う事数十秒
一匹だけだと思っていた猫が続々と集まってきた。
数的に優位になるとやはり攻撃性が増すのか
4匹ほどに増えた猫は次々とロボットに群がる。

「ぬう。」

顔にももたれかかるように乗られているので
視界が確保できずその場をうろたえる。
4匹の猫を載せながら

HMT-15 > 「そろそろ戻らなければ。」

現在時刻を確認すると
帰路へと進路を変える。
顔にもたれている猫もちょっとずれたので
最低限の視界は確保できた。

猫が載っている事は気にせず
ゆっさゆっさと揺らしながら
異邦人街を後にしていく。
今日の彼の好奇心は満たされたようだ

ご案内:「異邦人街」からHMT-15さんが去りました。