2015/06/02 のログ
ご案内:「宗教施設群」にみかんさんが現れました。
■みかん > 【異邦人街は宗教施設群。多種多様な宗教的モニュメントが群れをなして寄り集まる一種の無法地帯である。
その一角に、手入れもなにも行き届いていない小さな石造りの祠とーー罰当たりにもそれに腰掛けるひとりの少女が、あった。】
■みかん > 暇じゃ。
【頬杖をついて人通りのない周囲を見回す。何を隠そう彼女もまた、この宗教施設群にて誰かに奉られるべき神性存在である。のだが。】
■みかん > まあ……暇なうちにやれることをやっておくとするか。
【誰に聞かせるでもなくそうため息混じりに呟くと、細い腕を伸ばして小さな手のひらを天に向ける。そのまま難しい顔でひとしきり唸りーー。】
うむ、むむむむむーー。
■みかん > そりゃ!
【ぼわん、とでも表記すべきか、異様な音が閑散とした境内(彼女はそう呼んで憚らない)に響いた。少女の掌に白い煙が棚引いて、中から現れたのはまさしく蜜柑色の果実である。】
■みかん > はー疲れた。本日の神事は終了である。
【顕現したそれを竹籠に押し込んで、いい汗かいたと言わんばかりに額を拭う。
本格的な無名無能の神であった彼女が、名前という方向性を与えられたことにより使用可能になった、大変限定的な奇跡であった。】
ご案内:「宗教施設群」に志葉恭介さんが現れました。
■志葉恭介 > やあ。
……農家か。蜜柑農家の神だったのか。
やはり。
【黒ずくめのメガネ少年は、粗末な祠の前を訪れるなり神様に対してのものにしては大層失礼な物言いを行う】
■みかん > 違うわ!……と言いたいところじゃがのう。
【思わず切って捨てたものの、本当のところは彼女自身にもわからないのである。門の向こうからこの世界に降り立った彼女は、能力も記憶もほとんどを喪失していた。】
■志葉恭介 > 何だ、違うんだな。
そうだったら俺としては手掛かり発見イコール出自確定イコールおぜぜにならない依頼も目出度く達成で万々歳という所なんだけど。
【本気で言っているのか判別しづらいが冗談である。過日、少年がかの無名の神から依頼として受けたのは――】
「記憶と神性を取り戻す手伝い」ね。
その場の勢いで受けたが早まったかも知れない。
■みかん > 坊が適当な名を寄越したせいで話がややこしくなった気がしないではないが。
……まあ良いわ。そろそろ腹を空かせた貧乏探偵がおやつをたかりに来るじゃろう、と思っておった。
【そういって、先程産み出した(?)大きな柑橘類を投げて渡す】
■みかん > 妾はしばらく寝る。代金だと思って、少しこの辺りの掃除でもしていくがよい。
■志葉恭介 > っと。
【器用に柑橘類をキャッチし、すんすんと鼻に近づけて吸い】
なるほど……どうやら本物だ。あと別にいつだって腹は空かせている訳じゃない。勘違いするなよ。
【皮肉っぽく笑った直後にぐぅと鳴る腹の虫。まこと、肉体とは不如意なものである】
……今は空いてる。頂きます。
■みかん > 素直でよろしい。その調子で妾を信奉するがよいぞ、ほほほ。
【高笑いを残して少女の姿がかき消える。一応、この辺りはさすがに人ならざる存在である。】
■志葉恭介 > おい。一応報告に来たんだが。進展ないぞっていう報告だけど。
……あぁ、もう。本当に寝るやつがあるか!
【ぶちぶちと文句を言いながらも祠の周りを綺麗に整えるべく、近場の掃除用具を物色し始める探偵である】
【『神性を取り戻す』。即ち、彼女を敬い信仰するものを増やすという事でもあろう。そういう意味では】
……信者一号、なの、か。……大層面倒くさい事だな……。
【などなど矢張りぶちぶちと物言いつつ、掃除は確りと行うのであった】
ご案内:「宗教施設群」からみかんさんが去りました。
ご案内:「宗教施設群」から志葉恭介さんが去りました。
ご案内:「破壊神の祭壇・跡地」に蒼穹さんが現れました。
■蒼穹 > (廃墟の隙間から見える空には、丸い綺麗な月が浮かんでいる。仄かに入る隙間風を感じれば、己の青い髪も揺れている…なんて、洒落たことを言うのに、今は似つかわしくない。)
あはは…成程ねぇ…。公安委員会が暴れるやらなんやら。風紀委員ってロクなことがないね。いっそやめてしまおうかな。なーんて、あっはははは…っ。
(人狼は、満月を見て、狂気する。なら、彼女は―――破壊神は、何を見て、狂気するだろうか。答えは…力と、信仰だ。)
あーあー。やっぱり、だぁれも私の事、知らないんだよねぇ。やってらんないね。あっはははは!
(腐っても邪神。「知られていない事」…それは、彼女の力を腐らせる要因の一つでもあった。だけど、彼女は愉快そうに笑う。邪神ゆえに。狂気のある笑顔で。無論、異界の…この地球の者が、己の事を知っていなくて無理はない。無い物ねだりも良い所だ。だが、それでも、憂鬱だ。だからこそ。)
あっはははは!…もっと、力があればいいのかなぁ。
(笑う。否、嗤う。…無力である自身を、だ。そして、この廃墟の在り様こそ、彼女が無力であった、証。誰も来ない。誰も知らない。だから、廃れる。それは、己の力と同じように。自分ではどうしようもない運命、笑うしか、なかった。だが…。)
そんな運命も壊せればいいのになぁ…。
(やっぱり、憂鬱そうだった。矛盾した感情。それもまた、狂気。…すぐにここを立ち去って、明日の用意でもしようか、と落ち着けた腰を上げた。)
■蒼穹 > (だが、このまま…立ち去ってしまうのは、頂けない。どうせなら、強引に他の神への信仰を奪ってしまおうか…?そんな考えを抱くのは、やはり、腐っても邪神だからだ。)
そうだ…奪っちゃえばいいんだよねぇ…壊れちゃえ…。…破壊魔法・第五術式「滅爆」
(ドーン。と、夜の静寂をすっぱ抜く音が、そう遠くない距離で、一つ響いた。破壊の魔力を集積し、爆発を起こす。それはそれは、強大な爆発。だが、それを聞くものは、己を除いて誰一人していない。誰も知らない、いや、若しくは知っているであろうとある一つの神を立てる祭壇を、粉々…否、跡形さえのこさず、「破壊」した。そして、したり顔でそこを踏み拉けば。或いは、己に力が流れてくるのが感じる。だが、まだ足りない。足りないのだ。神であれ、人であれ、「生」を受けている以上、欲望は必須だ。だから、更なる力を渇望する。…だが、今日は十分だ。バレてしまって、公安委員会だのに目を付けられるのもごめん。何事もなかったかのように、己を祀っていたかもしれない、その場所を、後にした。「あっはははは!」と、何処か狂気染みた、笑顔と共に。けれど、それは健全ともいえる。「生きている者が生きることを渇望しないのはおかしい」のだから。生きる喜びを、全身全霊で感じている姿でもあった。)
ご案内:「破壊神の祭壇・跡地」から蒼穹さんが去りました。