2015/09/17 のログ
ご案内:「宗教施設郡の一角」に迦具楽さんが現れました。
■迦具楽 >
「――~♪ ~~♪」
【宗教施設郡のある区画、その隅のほう。
黒い石が鎮座する草だらけの土地から、なにやらエンジン音と金属音。
それに混じって鼻歌が聞こえてくる】
「ん~、案外楽しいわね、これ」
【草刈機を振り回しているのは、小柄な少女。
厚手の長袖長ズボンに、長靴と軍手。
顔にはマスクとゴーグルをつけた完全装備。
ある程度草を切り倒すと、倒れた草をまとめて横に放り投げる。
そこには、漸く半分程度の草を切り倒して出来た空間があり、ゴミとなった草が山と積まれていた。
とはいえ。
そこまで雑草が酷かったわけでもない。
いや、十分に繁ってはいたが、その程度が予想よりはマシだったのだ。
恐らく、話に聞いた一人の信者が、時折草刈なんかしていたのかもしれない。
そのため、比較的快適にエンジン音を響かせて遊べていた】
ご案内:「宗教施設郡の一角」に蒼穹さんが現れました。
■蒼穹 > (やることはあまりない。
暇なのでという理由にて、我が家とも言えぬわが家へ。
眠りにも使わない、ただの空き地―――曰く、錆びれ切った祭壇にでも足を踏み混めば。
工事現場、もしくはそれに準ずるような場所で聞こえて来る。)
………。
雑草刈りの業者なんて呼んだ覚えないんだけどな…。
(不思議そうな表情からの、開口一番がそれである。
長い間、といっても数か月程度の放置だったが。広い土地を何をするでもなく放置していたらこうなっていた。
睡眠、という行為は殆ど全く必要ではない為に、寄り付かぬままであったが。
綺麗な物で。
草刈り機の刃を一薙ぎ二薙ぎすれば、キュイン、と気持ちのいい斬撃音と、ドルルン、という喧しいエンジン音と共に雑草が薙ぎ払われる。
チェーンソーの他にああいうのも欲しいと思うのはさておくが、
おかげさまでもうこの黒い石以外に何もない雑草の生い茂った場所から、
元あった綺麗な更地が出てきた。
地面に何の細工もしていないが、雑草がなくなるとより広く見えるのは…気の所為だろうか。
御丁寧に、斬り散らかすだけでなく、纏めておいてくれているのもポイントが高い。
残念ながらけたたましいエンジン音に阻まれて、彼女の鼻歌こそ聞こえないが。
るんるんと言った風に楽し気に草刈り機を振りかざす様子は、この距離からでもとても楽しそうに見える。
鼻歌の代わりにドルルンドルルンと、草刈り機が陽気な音を立てている。ここに欲しい物が一つ増えた。
それは置いておくとして。
マスクやゴーグル。所謂作業用の長袖長ズボンと言ったスタイルだが、
やはりというか、もう少し寄ってみれば彼女だと分かる。
作業への楽しみからか、音の五月蠅さからか、こちらに気付くかどうかは分からない。
お陰様と言うか、留守中にも草抜きをしてくれたかの少年の働きもあって、
だだっ広い中に生える草もかなり抑えられ気味。
あのまま誰にも知られず放って置いていたら、今頃は草ぼうぼうだったに違いない。
さてどうしよう。労いの為にジュースなりでもあげればいいのだろうか。
…何をあげればいいのだろう。汗をかく仕事の後には、冷たい飲み物だろうが、
彼女の場合、熱をエネルギーにしているし、逆に熱い飲み物の方が良いのだろうか。)
■迦具楽 >
【鼻歌と共に、ガリガリと雑草を切り倒していけば。
見る見るうちに地面が顔を出していく。
とはいえ、切り倒されているのは表面のみ。
残った根の部分は、薬剤を撒くなどして処理する必要があるだろう。
草刈に夢中な迦具楽は、持ち主が帰ったことには気づいていない。
エンジンの発熱、日差しの下厚着でいることもあり、熱を吸収できているためなお更ご機嫌だった】
「……よっし、これで一通り終わったかしら」
【ざっと一周刈り終えて、漸くエンジン音が止まる。
切り倒した草は、背中から生えた腕が伸縮して山の上へと積み上げていた。
傍から見れば正気をやられそうな光景かもしれない。
炎や熱をエネルギーにする迦具楽も、喉は渇く。
人を模した体は、面倒なことに水分を欲しがるのだ】
「……んー、こうなると冷たいものが欲しくなるわね」
【そのまま、草刈機をとりあえず横に放り出すと。
蒼穹には気づかないまま、マスクやゴーグルを外して一息ついた】
■蒼穹 > (暫く、時間が経ったらもう早いことに、更地同然になっていた。
草が生えない様にアスファルトとか塗装した方が良いのだろうか。生憎お金がないのだが。
一通り終わったらしく、フル装備をしていた彼女も暑そうなマスクとかを外している。
あの子、体質的に草とか飛んできても大丈夫だと思うのだが、そうでもないのだろうか。)
やっほー。お疲れ様ー。
(エンジン音が止んだのを見計らって声をかければ、恐らく聞こえる事だろう。
緩くゆらゆら手を振って見せながら、敷地内のそちらへ歩いていく。
ここぞとばかりに冷たいものの方がと言う言葉が聞こえたので、
右手に水色のラベルが貼られたサイダー。無駄に冷え切っている。
どっから持ってきたかは、この際些事である。
もっといえば、彼女の背中からナニカが生えて、先程まで積み上がっていた草を、
一気にリフトアップして山の上へと持って行った事も、些事である…多分。
いや、流石に少々驚きはしたが。便利すぎやしないかあの子の体質。
あの草は日に当てられて枯れて、軈ては腐って山の肥料にでもなろうか。環境に優しい事だ。)
■迦具楽 >
「……あっ、蒼穹!
えーっと、お帰りなさい?」
【声を掛けられれば振り向いて、その姿を見つければ返事をするだろう。
ちなみに多少草が飛んでも、怪我するくらい大した事ではないのだが。
やはり痛いものは痛いので、防御はするのである】
「あ、なにそれ、差し入れかしら?
さっすが神様、気が利くわねー」
【右手のサイダーを目ざとく見つければ、腕をしまって駆け寄っていく】
■蒼穹 > お帰りなさい。にしちゃ利用してない場所だけど…。
こんにちは、でも何でも。
(何か月ぶりだったか、もう数えるのも忘れてしまった。
三か月くらいだとは思うが。特に家も何もないので、お帰りと言われてもあまりしっくりこないらしい。)
ま、一働きしてくれたお礼って所かな。神様じゃなくて邪神様だー。
まぁもうどっちでもいいって言われそうだけど。
ほれ、何か間違って氷水みたいに冷えてるけど問題ないでしょ。
座る場所もないけどゆっくりしてってよ。…って、流石に座る場所ないと不便だよねここ。
(投げ渡そうかと思ったがやめた。中身が炭酸なので振ってしまっては酷だ。
冷え切って、結露した水が滴り落ちているボトルを、手渡せる距離まで来たら普通に手渡そう。
…こういう場合、最初に相手のほっぺたにボトルを押し当てて「暑かったでしょ?」とか言った方が良いのだろうか。分からん。
自宅にお友達を招いたというにしてはいやに御粗末な自宅である。
御粗末すぎて座るところもないなんて。
更地。更地以外にあの黒い祭壇というかぶっちゃけ見た目石しかない。
私有地を買ったはいいが要らなかった。その結果である。)
■迦具楽 >
「はいはい、邪神様。
丁度良かった、たまには冷たいもの飲みたいなーって思ってたところだったし……座るところ?」
【サイダーを受け取れば、その冷たさに少しだけ目を丸くし。
座るところが、といわれれば。
迦具楽の足先からうにょうにょと黒いモノが流れ出て、小さな椅子が二つ。
色は真っ黒だったが、とりあえず座れるものらしい】
「さ、どうぞー」
【先に腰を下ろして見せて、座れることを見せてみる。
そして早速サイダーを一口飲むと、『ぷはぁ』と、おっさんみたいなリアクションをしだした】
■蒼穹 > 知ってる。ってか聞こえてたし。
…うえ、なにこれ。
(人の事言えないが、黒い何か。人目的にはちょっとだけ憚られる。
座る部分を触ってみる。別に瘴気だ暗黒だ混沌だといったおかしなものではないらしい。
足の先っぽから出たって、つまりこれは彼女の一部分なのだろうか。
彼女は普通に座っている。)
こほん、失礼。
(ま、細かい事は良いかと数秒で割り切れば、さっさと背中を椅子の背もたれに預けて、
黒いもので創られたそれにゆったりと腰を掛けた。
それにしても便利すぎないかこの子の体質。邪神様羨ましい。)
■迦具楽 >
「見ての通り椅子よ。
まあ、張りぼてだから、乱暴に座るとカタチを保てないけど」
【表面だけ最低限の強度で覆い、中身は未変換のエネルギーである。
そのため乱暴に座るとぐしゃりと潰れて、得体の知れない黒い液体にまみれるハメになるだろう】
「ふはー……サイダーも美味しいわね。
あ、そうそう。邪神様にちょっと報告があったんだった」
【サイダーを飲んで一息つけば。
ようやく頼まれていた手伝いのことを思い出した】
■蒼穹 > …こんなデザインの椅子はあんまり見たことないな。
いやまぁ、人型が座るには十分だろうけど。張りぼて、なんだ。
(乱暴にする気はない。というか、そんな振りに応じちゃうほどお茶目でもない、心算。)
サイダーってのもいいもんでしょ。人間が飲んでる物も中々いいね。
炭酸飲料っていう、好きだなーって。
んー?どしたの?
(報告と言えば、少々思い当たることもあるが。その事だろうかと大凡勘付いては居る様子。)
■迦具楽 >
「そ、張りぼて。
中身とか色とか材質とか、そういうのに拘ると消費が大きくなるのよ」
【『節約よ、節約』などといっているが、今は非常にエネルギーは充実している状態である。
とはいえ、この後やることを考えれば無駄遣いはさけたいのだが】
「私、人間の飲食物にかける熱意は、心底尊敬できるわ。
……っと、例の『シーフ』に会ったわよ。
残念ながら仕留められなかったけど」
【『逃げられちゃった』と肩を竦めて、さほど残念でもなさそうに言った】
■蒼穹 > …ようわからんけど。
一時的な見せかけって事だね。つまり。中身がスッカラカン。
やりようによっちゃもっと椅子っぽくすることも出来るってわけか。
(黒いだけの塊。色も付けず、材質も最初の液体を固めただけの脆弱なものなのだろう。
カンカン、と叩いたらあまり硬くは出来ていないのが分かる。
まるで、氷を叩くかのような、強く叩いたら溶けだしてしまいそうな質、そんな気がする。)
食物もそうだね。お寿司とか、ああいうの良いかも。
まー、人間は良くやるよ。っていうか、多数の知的生命体のね。
もう何から何まで人間って言うのか分かんなくなっちゃった。音速の斬撃だ何だ散々だよ。
おかしいとは思わんかい?あいつら化け物だよ。
(一人称視点で歪な憂世を呪い悔やむ腐りきった邪神様。
秋とは言え、少々暑い様で。夏っぽい気候な気がする。日差しもそこそこ。)
おお、そう。お疲れ様。
…ま、概ね予想通りかな。多分戦力じゃ負けなかったけど逃げられたってとこでしょ。
あいつらの持ってる能力はおかしいからね。
…次は、まともに一撃必殺でもするしかないのかな。まぁそれはいいか。
どれ、御褒美をあげよう。なにがほしい?
(別に疑ってる風もない。名前も相俟ってただでさえ逃げ回る英霊の連中がさらに鬱陶しく逃げ回ったのだろう。
頼んだ仕事。別段彼女に思い入れもなさそうだし、残念そうでないのもそれゆえか。)
■迦具楽 >
「そ、そんな感じ……あー、人間って極めると何でもやるものね。
私もある程度の技術なら真似できるけど、空を飛ぼうとか音速超えようとか、最初にやりだした人間は間違いなく正気じゃないわよ、うん」
【まあ正気じゃ夢は追えないって事だろうか。
『少し暑い?』なんていいながら、周囲の熱を少し吸収する。
気持ち涼しくなっただろうか】
「まあそんなとこ。
分身したり、姿を消したり、忍者みたいな術使ったりして面倒だったわ。
どうも、逃げたり隠れたり不意打ちしたりが得意みたい。
ああそうそう、手伝ってくれた人が居てね、名前は……バロム・ベルフォーゼ・シイン。
知ってる?」
【『シーフ』を仕留め損ねた協力者の名前を挙げて訊ねた】
■蒼穹 > ライト兄弟、だったかな。最初に飛ぼうとしたのは。ジェット機は誰だっけ。
反応速度が人間じゃなかったり。まー、何処まで行っても、人間は人間なんだろうけど。
じゃあ人間は何処まで人間?人間と化け物の境界ってなんだろうね?
世界変容があってから、人間って何さって思うようにはなったね。
色んな世界の人間見たけど、どうにも頭おかしいとは思う。
そんな狂気じみた生き物がそこらほっつき歩いて惑星支配してるんだから困ったものだよ。破壊神様怖い怖い。
ま、ひょっとしたら人間ってもの自体、化け物なのかもしれないけど。
(ぼんやりと、それとない疑問を述べてみた。もっとも、人間でない彼女に聞いたところで首を傾げられるだけだろうが。
ひんやりとした空気。一息。
相変わらず、便利な体質だ事。)
分身に姿消して忍術ね。じゃあノーラグノータイムで殴ったら勝てるかな。
聞いた通り、めんどくさそうだし、やられる前にやる戦法が良さそうかも。
んでどう?死んでもよさそうな奴だった?そいつは。
(その辺、重要だった。最早英霊というのはどうしようもないクズばかりと分かってはいるが、一応の確認。
殺害する以上は、大義名分も…なんでこんな事する必要があるのやらと内心馬鹿馬鹿しく思っているが。)
ああ、知ってる。
…といっても、名前だけね、てかそれ犯罪者。顛末はどうなったか知らないけど、殺人未遂のヤツだね。
何でも、一般生徒を公共の場で銃撃したんだとさ。
まぁ、そうはいっても、路地裏か落第街あたり、そんな所うろつく人にろくなのはいなさそうだけど。
…言っちゃえば、誰も彼も幾十幾百…下手すりゃ幾千殺ってそうだけど。
(あまり、その名前に良いイメージはなかった様子。
ただ、この学園。風紀に属しているのもあって闇が深いのは不本意ながら知っても居る。
それくらい些細な事だろうが、公共の場で、一般の、というのがどうにも頂けない。
普段働かない身としては、別にそれ以上ではないのだが。)
■迦具楽 >
「人間の理解を超えてるのは何でもバケモノ扱いでしょうよ。
まあ、人間の頭がおかしいのは同感。
ほんと、人間はバケモノよりもバケモノ染みてるものね」
【むしろ人間でないからだろうか。
人間がそれ以外に感じるのと同じように、人間に対して言い知れぬナニカを感じる事は、まま有った】
「蒼穹ならやれるんじゃないかしらね。
まあ、暫くは隠れてそうな気がするけど。
……んー、基準が分からないけど、強盗殺人してたし、殺すこと自体を楽しんでるタイプかしら。
少なくとも、殺して良心が痛む部類のヤツじゃないわね」
【まあ迦具楽としては、殺すことに何の感慨もないわけで。
殺しで良心が云々って事もないのだけれど】
「ああ、やっぱり。
まあ今度会ったら奢ってくれるって言ってたし、そんなに悪いヤツじゃなさそうだったけど……あそこをうろついてるってだけでお察しかしらね」
【とりあえず、お金は持っていそうだし。
今度会ったら根こそぎにしてやろう、と悪だくみ】
■蒼穹 > 人間基準ってのがまぁ、分かんないよ。
どこまで人間何だか。人間の形してれば人間なのか、人間の精神だったら人間なのか。
そもそもの基準が人間だからおかしいんだろうけど。
実際自分は人間って言ったら人間になれそうなもんだよ。この世の中。
(ぼやく様な口調でひとしきり言い終れば、言う程あんまり思い詰めても居ない様子。
収納魔法で自分の分の飲み物でも取り出して、コーラの缶のプルタブを引いた。…冷やし過ぎた様だ。)
ん、まぁ殺す気で行って殺せないヤツは居ないと思う。
ってかね、私もあそこなるべく目的なくうろつきたくないんだよね。面倒だし。
それに、やっぱりっていうか隠れてるみたいだから、尚更面倒なんだよね。
それも、話聞くに落第街から出る気はないみたいだし。
ああ、やっぱり…んじゃもう、殺っちゃっていいかな。
(本を読んだりしたが、英霊と言うやつは救いようのない悪党らしい。
聞くに、殺戮に悦楽しているならその通りなのだろう。改心する見込みもないなら、
大義名分も出来たことだし、積極的に殺害しても構わないと判断した。)
そういう事だね。あんなとこうろつくなんてロクでもない奴だよ。
あっはは、そりゃま、悪い奴に見えないだけで、
割とその辺にも、いい人のふりしてとんでもない悪さしてる奴っていると思うよ。
ま、奢られるならご馳走になってきなよ。
(外野から他人事の様に好き放題言っている。)
■迦具楽 >
「じゃあもう、私も蒼穹も人間でいいんじゃないの。
少なくとも外見は人間だし、ちょっと変わったこと出来るくらいじゃ、目立つ気しないし」
【投げやりに答えれば、大きくあくび。
まったく、人に近づいたとはいえ、怪異としては実に面白くない話だ】
「どうぞどうぞ、やっちゃって。
一応聞くけど、私は別に、手伝う必要もないでしょ?」
【この破壊神が本気になれば、特になにをやる必要もないだろう、とは思いつつ。
雇われている手前、聞かないわけにも行かず】
「そうね、たっぷりご馳走されてくるわ」
【もしあの”バロム”がとんでもないヤツだったとして。
彼我の相性っていう物がある。
こちらは手札もほとんど見せていないし、最悪でも逃げるだけなら何とかなるだろう、と。
少々楽観的ではあったが】
■蒼穹 > そだね。やっぱりそういう結論になりそう。
いやでも、あれじゃない。その気になったら山を二秒で焼き尽くせそう。伝説一個作れるよ。
(目立つ気はないと言われてしまった手前否定されそうだし、山くらい1日いくつも焼けてそうだと思うが。)
ん…話聞いてた?私あそこうろつきたくないんだよね。
だから、代わりに殺っといて。…って言おうと思ってたんだけど。
(積極的に殺害しても良いと判断した。
…但し、主語は自分ではなかったらしい。あまり悪びれる様もなく頼まんとする。
さて、気の所為でもなく食いしん坊な彼女だが、一体何をどれだけ奢られるのやら。
冷え切った黒い炭酸飲料を流し込みながら、一息吐いた。缶は何処へやら消し飛ばして。)
■迦具楽 >
「そんな無駄遣い、やれてもやらないわよ」
【山一つ焼くのにどれだけのエネルギーが要ることか。
まあその分、燃え上がった炎を吸収すればマシではあるだろうけれど】
「……あ、はい」
【拒否権は――きっとないんだろう。
仕方ない、食と住を保障してくれる相手なのだから、やはり労働という対価は支払うべきだろう】
「――さて、と。
じゃあ改めて仕事も頼まれちゃったし、その前にやること済ませちゃわないと。
ああ確認するけど、ここに家建てちゃってもいいのよね?」
【サイダーを飲み干し、黒い椅子から立ち上がると。
また突拍子もないことを言い出した】
■蒼穹 > …どうにも、キミにはエネルギー効率ってもんが問題らしいね。
あれだけ高熱扱えるなら楽勝かと思ったけど…そうでもないんだ。
(人の体質はよく分からないので、意外そうだった。
未だにあの火炎弾?みたいなのの威力が頭の中に残っているらしい。)
素直で宜しい。
ま、私名義でそいつ倒した給料貰うから。
その時は奮発しようじゃん。
(満足そうだった。)
ん?
え。まぁ…いいけど。
…え?…それってー…!
(出来るのか。念願の―――というわけでもないが―――マイホームが。いや、迦具楽の家だろうが。
割と何でも作れる便利体質であることは知っていたが、何という事でしょう。と、思わず口走ってしまいそうだ。
気付けばガタッ、と椅子から己も立ち上がる始末。期待の念がこもった眼差し。)
■迦具楽 >
「そ、ほんっとに燃費は悪いのよ。
あれやった後、なんだろう、飢餓状態?
みたいになって大変だったんだから」
【蒼穹が立ち上がったのを見れば、椅子を回収し、積み上げた草を脇に除け始める】
「じゃあその時は、満腹になるまで食べさせてもらおうかしらねー」
【そうして草を除ければ、黒い石、祭壇が残されるだけ】
「……期待してるところ悪いけど、一部屋くらいしか作れないわよ?
お風呂もトイレもキッチンも付けられないし。
それでもよければ、二人分寝泊りできるくらいの空間は、たぶん用意できるけど?」
【期待のこもった視線には、それでも構わないか、と返し】
■蒼穹 > 燃費悪いったって。…ああ、何か倒れちゃってたけど。
無茶するからダメなんじゃん。自分で制御しきれない反動がある奴は使わない方が良いよ。
って、余計なお世話か。
(だけど、燃費が悪くても便利なものは便利に見えるのだが。)
はいはい、5万円くらいまででねー。
おでんでも食べに行こうか。もうすぐそういうシーズンらしいし。
(そんな約束をしておいた。命のやりとりする手前、多分十数万くらいは入りそうである。)
…え。えー…。
ううん。ちょっとなー。いや、寝る必要はないから良いんだけどさ…。
…エネルギーが足りないんだよね。あー…どうしよ。
折角の機会だしなぁ。…エネルギーがあれば、もっと行ける訳だよね?
(じろー、とエネルギーの当体たる迦具楽を上から下まで見遣りながら。
二階建てのとか想像していたのだが。現実はそう上手くいかない様だった。)
■迦具楽 >
「無茶しなくても燃費が悪い事には変わらないわね。
……おでんかあ。
五万円分のおでんとか、幸せになれそう。
うん、お仕事頑張ってあげるわね!」
【食料であっさり釣られる、それが迦具楽。
どうやら餌付けはしっかりと成功しているようだ】
「ちなみに、一般的な二階建て家屋を作るとしたら、人間換算で五十から八十人くらい。
牛で……百から二百頭くらいかしら。後は、そうねー。
代償なしに炎を出せる異能者でもいれば、話ははやいんだけど」
【『ね、燃費悪いでしょ』と肩を竦めた。
ただ、炎は変換効率が非常に良いため、そんな異能者がいればそれこそなんだって出来るのだが】