2016/06/04 のログ
『幕を引くもの』 > ―――

『苦しい』
『死にたくない』
『生きていたい』

色々なものが叫び続けている世界の中。
足元の土を見れば、ひときわ大きな声が聞こえてくる。
それは緑色の体と大きな後ろ足が特徴的で、半分潰された体で足を引き攣らせていた。

『幕を引くもの』 > ―――

『痛い』『痛い』『痛い』『痛い』『痛い』『痛い』
『まだいたい』『生きていたい』『死にたくない』
『子孫を残さなければ』『卵は潰れてしまった』『全ての価値が失われた』
『悲しい』『苦しい』『死にたくない』

腰を落として、その声にずっと耳を傾けていた。
今までずっと目を背けていた声に、今はこうして向き合っているのだ。

『幕を引くもの』 > 【―――くるしい、か?】

そう、魂に問いかける。
空気を振動させる必要はない。命と向き合えば、それだけで心を通わせられる。


【―――らくに、なりたい、か?】

たとえそれが非効率的な行動だとしても、目の前の命を見放す理由にはならない。
だから、問いかける。
声が聞こえたなら。足を止めたなら。通りすがったなら。

『幕を引くもの』 > ―――
『たすけて』


































『幕を引くもの』 > ああ、よかった。やっと静かになった。
彼は救われたのだ。彼は解放されたのだ。
後は死という刹那の世界で、『天国《カエラム》』の完成を待っていればいい。

今はまだ準備が足りないけれど、必ず送り届けてあげよう。
全ての世界の、あらゆる時代の、もれなく命を、救うのだ。

ご案内:「上と右の欠けた十字架の広場」に水月エニィさんが現れました。
『幕を引くもの』 > 空を見上げれば、たくさんの青白い光が右目に入ってくる。
今日もたくさん、友達が救われた。白金の戦士の手によって。
皆が身を挺して彼の気を引いてくれている

私たちの目的を、誰にも邪魔をさせるつもりはない。

水月エニィ >  
「……変な所に出たわね。」

 帰り道、足を運んだことのない場所を埋めておこうと立ち寄った宗教施設群。
 決して後回しにしていた訳ではない。そうと自分に言い聞かせて、迷った。
 厳密には、適当に歩き過ぎた。

 広場に足音を建てながら歩む。
 そしてふと、一角に視線を遣る。大きな身体の何かが、見えた。
 ……それに、視線を注ぐ。
 

『幕を引くもの』 > 来訪者の存在を感知して大きい身体の何かが立ち上がれば、そこに暗く大きな影が出来る。
少女の方を振り返れば、優しげな金色の瞳と端正な顔立ちが見えるだろう。
大きな体の何かは少女の近くまで歩み寄り、その大きな影で覆いつくす。

大人が子供と視線を合わせるかのように屈み込んで、ようやく口を開いた。

「やあ、こんにちは」

水月エニィ >  
「ええ、こんにちは。
 此処がどこか分からないけれど、これも一つの神殿ね、お祈りかしら。熱心ね。」
 
 描かれるような彼の姿を認め、見上げて視線を合わせる。
 横目に欠けた十字架を見れば、世間話のように話を振った。

(海外からとしての意味での異邦人、って感じね。
 いえ、異世界から、としても、そうなのだけれども。)
  
 

『幕を引くもの』 > 「祈る、とは少し違うね。お話をしていたのさ、私は」

神を騙った覚えはないが、傍目から見れば似たようなものだろう。
腰の武器を見て、もう少し威力のあるものを持ち歩いた方がいいのに、などと考えつつ。

「”君たち”の方は、どうしてここへ?」

重なった少女らの眼を交互に見ながら(目線は動いてないように見えるが)、疑問を口にした。

水月エニィ >  
「いざって時に迷わないように、道に迷っておいたのよ。
 つまるところ散策ね。おかげで変な所に着いちゃったけど……。」

 たち、と、言及されれば訝し気な視線を返し、
 小首を傾げ肩を竦め、一つ息を吐く。
 心当たりはあるが、とぼけてみせた。

「たち? 変なお化けでも拾ってきちゃったかしら。
 宗教施設多いものね。ここ。救いを求めているのかしら。なんて。」
 
 

『幕を引くもの』 > 「なるほど。確かに、ヘンだと言われても返す言葉はないね」

何せ壊れたオブジェクトを飾っているのだから、そういう感想が出てくるのも無理はないと思っている。
あんまり踏み込まれたくないことだったかな、と反省しつつ。

「全てのものが救いを求めているとは限らないけれど、決して少なくはないね。
 むしろ、そういったもの達の方がたくさんいる。きっと皆、報われたくて仕方がないんだ。
 君はどうかな?案外、無意識のうちに救いを求めていたりして……」

だから導かれたのかな、と冗談半分に。

水月エニィ >  
「大丈夫。線の欠けた・歪んだ五芒星よりはヘンじゃないわよ。
 で。その十字架に思い入れでもあるのかしら?」

 ……機嫌を悪そう鼻を鳴らす。
 苦虫を噛み潰しかけた表情、とでもいうべきか。

 無意識ではない、但し、意識するつもりもない。
 正直に言えばそうなるが、それは一度飲み込んでおく。
 但し、ここで真っ赤な嘘はつかない。

「――ふん。救ってくれるならまずはお友達にでもなって頂戴。
 どうせ神の国なんて望めっこないのだから、即物的に妥協するわ。」

『幕を引くもの』 > 「ああ……ああいうのと比べたら、そりゃあね。
 思い入れはないけれど、この形であるという拘りのようなものはあるよ」

丁度例に挙がったシンボルとは縁があった様子だ。

「いいのかい?嬉しいなぁ!今日から私たちは、友達同士だね」

恐らくは少女の二倍ほど大きい手を差し出して、握手を求める。

「楽園というのは、案外すぐ傍にあるものだよ」

だから、即物的に食いつくようでも問題はない。
完成さえすれば、それがこの世の全てになるのだから。

水月エニィ >  
 少々だが、呆気にとられたような表情を見せた。
 その後、息を吐いて調子を戻す。  

「本気で喰いつくとは思わなかったけど――
 ――ま、それならば宜しくするわ。でも。そうね。」
 
 握手を交わし、何事もなければ手を放す。
 求められたものは、基本的に応える。応えられれば。

「"すぐ傍にあるから問題なのよ。"
 人はそれを道徳と言うわ。あるいは、教義ね。
 すぐ傍にあるはずなのに、それは来ていないでしょう。

 ……それとも、そう言うことじゃないのかしら?
 旧い世界の隣に、新しい世界があるとでも。」

『幕を引くもの』 > 手を握られれば、心底嬉しそうな表情を見せる。
うっかりその手を握りつぶしてしまわないように、そっと握手を交わした。

「―――ここも、異世界とよばれる場所も、結局のところは一つの世界でしかない。
 多面体でしかない世界はただ一つ、今まで歩いてきた道と、これから歩いていく道の境界線上に存在しているんだ。
 世界の置かれている場所が変わっていくだけなのさ。楽園とはその果てにある。
 この世界は今、楽園に最も近い場所を歩いているんだ」

『幕を引くもの』 > そうして話している内に、青白い光が巨躯の目の前に降りてくる。
それを見て巨躯は、大きく一回頷いた。

「……ごめんよ。折角できた友達ともう少し話していたかったところだけど……
 少しばかり、用事ができてしまったようだ」

そう言って、名残惜しそうに立ち上がった。

「また、いつでも遊びに来てくれると嬉しいよ。
 それじゃあ、また」

このまま何事もなければ、木々に紛れて消えていくことだろう。

水月エニィ >  
「ご高説ありがと。一つの世界とざっくり語る事には賛同は出来ないけれど。
 だってそんな世界だったら困るもの――貴方の謳う楽園が、天国を謳った地獄への道でないこと祈るわよ。」

 分かりやすく、嫌悪を示した。
 ……口を尖らせ、少し付け加える。

「雑にまとめられてなるものですか。
 私ですらしたくないし、ハルナだって袂を別ったわ。
 だけど友達の考え位、害が無いなら一旦認めるわ。

 ……ええ、また会いましょう。ここは覚えたから。」

 とは言え極端な否定はせず、帰るのならば"また"と、
 再見を前提とした言葉を告げる。

『幕を引くもの』 > 「―――ああ、それは私も同意見だよ。
 ”世界は一つであるべきではない”。それじゃあね」

それだけ言うと、巨躯は踵を返して木々の中へと溶け込んでいく。
そのまま、見えなくなっていった。

ご案内:「上と右の欠けた十字架の広場」から『幕を引くもの』さんが去りました。
水月エニィ >  
 
「……」

 巨躯が立ち去った後、光の残滓を空目する。
 ……少しの間難しそうに眉間に皺を寄せて考え込んだ後、その場を立ち去った。

ご案内:「上と右の欠けた十字架の広場」から水月エニィさんが去りました。
ご案内:「破壊された祠」に石蒜さんが現れました。
石蒜 > 「~~♪」
荒れ果てた、と表現していいほど放置された区画に、黒と血のような赤の巫女装束の少女が鼻歌を歌いながら入ってくる。
膝ほどまで伸びた雑草を踏みしめながら、肩に担いだスコップにビニール袋を下げて、敷地のちょうど真ん中当たりで立ち止まる。

「ここらへんでいいかな。」
とスコップから袋を外して適当に置くと、地面を掘り始めた。最初は草が邪魔で掘りにくそうだが、段々と土が現れてくると、掘るペースもあがる。
鼻歌を歌いながら、どんどん掘っていく。

石蒜 > しかしこのスコップという道具は便利だ。少し突き刺して、足で踏んで更に深く刺して掘り起こす。
前に手で砂浜を掘った時に比べると雲泥の差である。指も傷つかないし、早い。

掘り起こした土が山を作り、穴は広く、深くなっていく。
額から垂れた汗が目に入り、一旦手を止めて袖で拭う。
「ふぃー。もっと涼しい時にやればよかったなー。」
胸元を引っ張って熱を逃がしながら呟く。

数ヶ月前なら丁度良かったかもしれないが、ここに穴を掘ることを思いついたのは今日なのだ、しょうがない。
しばらく休んで、垂れる汗をまた拭うと再び掘り始める。

石蒜 > その後も何度か休憩を挟みながら掘り続けて、穴は太ももほどの深さになった。
「はぁー、あっつーい!もういいやこれで!」
ザクッ、とスコップを穴の底に突き立てて、髪をバサバサと振って熱気を逃がす。
スタミナはまだ保つが、汗と暑さで不快指数が限界だ。

軽くジャンプして穴から出て、先程置いたビニール袋を手にとった。
広げれば中に入っているのはシジミやアサリの貝殻に、クレヨンで四角が沢山書かれた画用紙。
それを穴の底めがけて逆さにして振る。ジャリジャリと貝殻が音を立てて穴の底を埋めた。

どう見てもゴミを捨てているようにしか見えないが、満足気に頷く石蒜の顔は何か違う目的があるように見えるだろう。
そもそも寮に住んでいるのだからゴミはそちらで捨てれば良い。

ご案内:「破壊された祠」に迦具楽さんが現れました。
迦具楽 >  
【異邦人街に越してきて、もう既に半年以上。
 それはつまり、ご近所にある少しばかり因縁があるような、ないような場所を無視し続けて半年以上経つのとイコールである。
 そこにはもう既に何も無く、何も居ない事は知ってはいたけれど、どことなく虫に刺されたみたいにむずがゆく、落ち着かない日があったのも事実。
 だからそう、これは間違いなく偶然。
 昨日ランプを手に入れて、久しぶりに大切な人と会って、根無し草だった頃を思い出して。
 ふと、ある友人たちのことを思い出したついでに連想されたから、なんとなく足を向けた、ただそれだけの事で】

「……えっと、それは、なに?
 なんかの宗教行事?
 暗黒のファラオ万歳☆ とか言った方がいい?」

【もしくはしゅたん、とか、がしゃんな、とか。
 きっと、久しぶりに出会って友人が奇妙な宗教に嵌って奇怪な儀式とかをしていたのを見たらこんな気分になるのだと思う。
 ――いやほんと、なにやってるんだろうこの子。
 少しはなれたところから、屈んで膝に頬杖着いて、まさに久々に出会った友人を少しだけ怪しむように眺めつつ、そのまま眺めていようと思ったのだけど。
 ついつい、思ったままの言葉が口をついて出て行ってしまった】

石蒜 > ゴミにしか見えない物を中に放り込んだ後は、穴を埋めるべくスコップをまた手に取る。
掘り返した土で出来た山にスコップを突き立てたのと、呆れたような困惑したような声が聞こえてきたのはほぼ同時だった。

「ん?」
と声の方向を振り返る。頬杖をついてこちらを見ている赤い瞳の少女が居た。
「んー、と…。あ、カグラ、だっけ。久しぶり。」
名前が出るまで何秒かかかった。片手を振ってご挨拶。

さて、何をしているかという質問には、ニンマリと怪しい笑みを浮かべた。
「えー、知りたい?秘密なんだけどなぁー、どうしても知りたいなら教えてあげようかなー、どうしよっかな~~?」
ぐりぐりとシャベルを回して無意味に土を弄る。
秘密だとはいうが、喋りたくてたまらない、といった様子だ。でも聞かれてすぐしゃべるのは嫌だ、もっとお願いしてほしい。

迦具楽 >  
「どーもー、常世島の路地裏系アイドルの迦具楽ちゃんですよ。
 ……って、あれ、私もしかして忘れられてた?」

【そのぱっとしないリアクションに、僅かながら危機感を覚えた。
 さすがに友達に忘れられるのは寂しいのだ。
 いや、もしかしたら単純に、長いこと遊びにも行かなかったから拗ねられてるのかもしれないけれど。
 しかしまあ、そんな事を思ったのも続く台詞が聞こえるまでで】

「あ、うん、そんなに興味ないからいいや。
 それじゃあ私は帰るね、大事な儀式を邪魔してごめんね石蒜」

【明らかに喋りたそうな様子を見せられたら、むしろ冷めるのが人の心理というもの。
 よっこいしょういち、と昭和なネタを混ぜつつ腰を上げるのだった】

石蒜 > 「なんかねー、最近サヤの記憶を読むのにちょっと時間がかかるんだよね。
石蒜と迦具楽で直接会ったのって結構前だから、ぱっと出てこなかった、ごめんね。」
特に意識せず返した反応は、どうやら好ましいものではなかったようだ。
ポリポリとこめかみをかきながら、言い訳と謝罪。

「えー!何それー!そこは聞くのがスジってもんじゃん!聞いてよー!」
剣術家だけあって素早い身のこなしで後を追い、袖を引っ張って止めようとする。
「石蒜がさー!すごい良い考え思いついてやってるのにさー!友達がそういうことするー!?」
頬を膨らませて、ご立腹だ。手を大きく振り回して自分の考えがどれほど素晴らしいかを表現する。その仕草は酷く子供っぽい。
確か迦具楽が最後に会った時は、サヤと同じように敬語でしゃべっていたはずだが。

迦具楽 >  
「あー、うん、久しぶりだもんね、仕方ないよね」

【別にそんな事で怒ったりはしないから、構わないといえば構わないのだけど。
 その謝罪する口調、そこに違和感を感じる】

「…………」

【そして自分の袖を引いて訴えてくる友人は。
 明らかに『記録』に残っているものと異なっている】

「えっと、うん、ちょっと待ってね?」

【そでを引っ張りながら子供っぽく訴えてくる友人に少し眉間を押さえつつ伝え。
 ――《検査》――《検索》――《石蒜》――《不整合無し》――
 『記録』に異常は無い。
 少なくとも覚えている範囲では、彼女はここまで子供っぽくは無かったはずである】

「……うん、それで、どんな事を思いついたのかしら?」

【だとすれば、あれから何かがあったのだと考える他にない。
 とはいえ行き成り踏み込むにも、今の石蒜の事が分からない。
 もしかしたらこの行動にもなにかあるのかもしれないと、まずは話をあわせる事にした】

石蒜 > 「うん、仕方ない仕方ない。遊んでくれたら覚えてるからさ、今度でいいからさ、また遊ぼうね。」
遊ぶ約束を求めるその顔は、明らかに幼く見える外見よりもさらに幼い、小学校低学年か、その辺り。
少し待つように言われて、相手がこめかみを押さえるのを見れば、袖から手を放し、首を傾げて見守る。

そして、待ちに待った質問に、ぱぁっと顔を輝かせると。こっちこっち、と穴の前まで戻った。

「あのね、貝塚って知ってる?前にサヤが歴史で習ったんだけどさ。昔の人が捨てた貝の殻が集まってるとこなんだって。
それにね、昔の偉い人の家の位置とかがさ、木の札に書かれたのが出てきてわかったりしたんだって。」
指で示すのは恐らく料理に使ったのであろう空の貝殻と、クレヨンで何事か書かれた画用紙。
「だからね、石蒜も真似したんだ。これを埋めて、何十年か何百年かあとにここが掘り返されて、貝殻と石蒜が書いた地図が見つかるの。
そしたらここは石蒜の土地ってことになるから、ここに家を建てて暮らすんだよ。どう、凄いでしょ?」
石蒜としては凄い思いつきだったらしい。賞賛の言葉を期待して、どうだ凄いだろうと胸を張っている。

迦具楽 >  
「あ、うん。
 そうだね、遊ぼうね」

【軽い調子で約束しつつも、はてさて。
 自慢げに語る思い付きには、この子なに言ってるんだろう、と思いつつも何とか思考し。
 つまり、要するに、だ】

「えーっと、意図的に遺跡を作るって事?
 それで、未来にその地図が見つかったら、地図に書かれた土地は昔、石蒜のものだったことになる。
 未来に自分の土地って事になるんだから今も自分の土地だし、家建てちゃってもいいでしょ? ってこと?」

【何でこんなことで思考力総動員してるんだろうと思いつつ、またも眉間を押さえつつ思い付きを何とか理解できる言葉に置き換えてみた。

 ――いや、本当に。なに言ってるんだろうこの子。
 ――いやいや、もしかしたら本当に数百年待って土地を得るつもりなのかもしれない。
 ――長命種族ならそれくらい出来るだろうし、不老不死系の連中なら案外現実的にも思え……思えるわけないって。
 ――というかなんで紙? すぐに分解されちゃって数年も持たないでしょうに。

 さしもの常世島が誇る路地裏系アイドルも、混乱していた】

石蒜 > 「いせき…?えーと、うん、そう、いせきだ!いせきをつくるけどー、今は建てないよ?
見つかるまでに働いてお金を貯めて、この土地もらったらすぐに建てるんだ。ここは別荘にするの。
ホントの家はね、海岸にも埋めておいたから、そっちに建てるつもり、海が見えるとおーしゃんびゅーっていって、良いんだって。
家を建てたらね、畝傍と一緒に暮らすの。迦具楽もその時まで生きてたら遊びに来ていいよ。」
荒唐無稽にも程がある思いつきだ。いとも簡単に迦具楽を混乱させるその手腕、まだ混沌が僅かなりとも残っているのかもしれない。
画用紙を使っているのは、単純に一番手近にあった地図を書けるものというだけで、土中で分解されるということは考えてすら居ない。土に埋めたらなんでも残るものと思っている。

「真似してもいいけど、石蒜が埋めたとこの近くはやらないでね?」
混乱して眉間を押さえるのを、真似する方法探していると勘違いしたのか、全く意味のない釘を刺した。