2018/01/12 のログ
ご案内:「新興宗教施設」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 雑多な人種、雑多な民族、雑多な種族。
多くの多様性を内包した此の島では、様々な宗教も乱立している。
基本的に此の島では宗教を取り締まったり、当局――所謂学園都市――が弾圧することはない。
一般市民に害を及ぼさなければ、ではあるのだが。
「散々祈る時間は与えたと思うのだが…どうかな?奇跡やら神の降臨とやらは起きたかね?」
雑居ビルの一室。半分崩れ落ち、部屋と部屋とを隔てていた壁は吹き飛ばされている。
元は信者達が集まる大広間だったであろうその場所は、無数の金属の異形が蠢き、其処居らに死体が転がる地獄絵図と化していた。
そんな異様な空間で対峙するのは、二人の男。
方や、小綺麗なコートと制服に身を包み、風紀委員の腕章が無ければ学生街のボンボンかと思うような出で立ちの少年。
方や、淡い群青色のローブに身を包み、不可思議な文様が描かれたマフラーを無数に巻きつけた壮年の男。
男は既に息も絶え絶え。肩に刻まれた銃痕からは、真っ赤な血が流れ出している。
それでも、強い意志を持った瞳で男は何かを叫ぼうとしたが―
「時間切れだ。残りの布教は転生してからやり直せ」
少年が投げかけた言葉と共に、金属の異形から数発の弾丸が放たれる。
後に残ったのは、死体と瓦礫の山。其処で退屈そうに溜息を吐き出す少年一人のみであった。
■神代理央 > この新興宗教は、多幸感を与える薬物の原料を栽培し、信者達に配布していた。
尤も、法外な金を取っていた訳でも、中毒者を乱造していた訳でもない。
貧しい人々に少しでも救いを与えようという名目だった…らしい。
今となっては死人に口無し。彼等の罪状は、委員会が決定する事だ。
「…此方神代。目標の殲滅が終了した。薬物と原料は残しているが、押収する様な武器は何もない。早く後処理の人員を寄越してくれれば助かる。以上」
淡々と任務完了の報告を入れると、近くに転がっていた椅子を起こして深く腰掛ける。ぼんやりと部屋を眺めるが、視界に映るのは死体と瓦礫と己の異形のみ。
「…余り愉快な風景では無いな。雅さの欠片もない」
こういう時、大人は煙草でも蒸すのだろうかと思いながら、懐から取り出したのど飴を口に含む。
甘ったるい蜂蜜の味が口内に広がり、硝煙で傷んだ喉を潤した。