2015/06/23 のログ
神崎 聖 > 「ん?知り合い?なら、話は早くすみそうかな?」
どうやら知り合いらしい。なら私単独よりは早くすみそうかな?

「見せ物じゃないよ?簡単に言えば取り調べさ。」
吹雪にはそういう。

そして玲刃にいわれて。
「なるほど。それは嫌うわけね。」


そしてクゥティシスの方を見て
「話は分かった。それで信じられなくなったわけね。
つまり私がおじさんのところへ連れ戻したら
酷いことをされる。そうでしょう?」
多分ありえるかも知れないことを言う。

白崎玲刃 > なるほどな……だったら、人間を信じないなら、いっそ山で獣を狩るって手段もあるんじゃないか?
開拓区に丁度いい山あるしな。
【人間を信じないというクゥティシスに、
ならばいっそ、山で獣を狩るという手段はどうだ?と苦笑いを浮かべながら一応ながら問うてみる。】

ああ、前に商店街で銃を持ってる奴らに追われてるとこを助けてな
知り合いだが…な。人間嫌ってるから、話つけるとなると難しいぞ…?
【聖に、前にクゥティシスと会った時の事を話しながら、
知り合いだけど、話をつけるのは難しいかもしれないと、ばつの悪そうな苦笑いを浮かべて言う。】

クゥティシス > (聖の問いに無言で頷く)
(視線は外さない。気を緩めれば何をされるか分からない―)

「例えアンタがアイツのところにクゥを連れて行かないとしても…クゥはアンタには付いていかないよ」
「アイツじゃなかったとしても…きっとクゥを似たような目に合わせるに決まってる」

(強い敵意をむき出しにして言葉を紡ぐ)
(喉の奥から獣染みた唸り声を漏らしながら)

「話は終わり。クゥはアンタには付いていかない」
「捕まるつもりもない。…そこのアンタにも」

(ちらり、と視線を玲刃と第三の侵入者へと向ける)

「山にこもってたって…ダメだった」
「あいつ等が追っかけてくるから、同じところには居られない」
「わかったらどいてよ。そこのニンゲンも、クゥの邪魔しないでよね」

(第三の侵入者はどうやら玲刃の知り合いのようだ)
(すぐに事を起こすつもりもないだろうが、味方でないことは確かだ)
(喉から漏れる唸り声を大きくし、威嚇する)

岡部 吹雪 > 「取調べ、ね。」

吐き出す息は季節外れに白く、うすらと空へ消えていく。

「生徒会にそんな権限があっただなんて、俺はちょっと聞いてねーけど?」

三者三様の面持ちに、順繰りに視線を移す。
最後に渦中の小汚い少女を見やり、ただ何も言わない。
見るからに異邦人。掻い摘んだ会話の内容だけ聞いても、重度の傷心だろう。
かのような状態で言葉を矢継ぎ早に投げかけても、決まって心の壁に阻まれるものだ。
それは高く、そして厚い。

「大変だなー、お前も。」

携帯灰皿に吸殻を捻じ込む。

神崎 聖 > 「あー…。銃で追われてたのね。
そりゃおじさんに話をつけるのは難しいか。」
銃で追われるビジョンが見えた気がした。

「そうか…。なら、私を噛めばいいわ。」
手を差し出す。無抵抗だ。それは感じるかもしれない。
笑顔であるが、敵意は感じないし。
「人間が憎いなら今、ここで私を殺してもいいんだよ?」
どういうつもりなのか。

「まぁ、私にそんな権限はないさ。雰囲気はにてるけどね。」

白崎玲刃 > なるほどな……
つまりだ、追って来る奴が居なくなれば同じ場所に留まってられるってわけか?
【とは、言いつつも、クゥティシスを捕まえていた奴についていの情報は、
落第街でも収集しようとしているものの、なかなか得られずにいた。】

っと待て、そのまま逃げた所で、今みたいに食い逃げ続けてる様じゃ、またいつか捕まるぞ?
そして、今度はもっと酷い奴らかもしれないぞ…?
【逃げようとするクゥティシスに待てと言った後、
飄々とした苦笑いで、そんな事続けてたらまたきっと捕まるだろうし、もっと酷い事になる可能性もあると言った。】

…………ふむ。
【自分を殺しても良いとクゥティシスに言い張った聖を見て、軽く驚きながらも、
その真意を推し量る様に眉を顰めながら見つめた。】

【そして、後ろに居る岡部については、
知らない様で、一瞥しながら、ただ見物している人物かと推測した。】

クゥティシス > 「別にニンゲンを殺したいわけじゃない」
「…ただ、ニンゲンが嫌いなだけ。クゥはただ…生きていたいだけ」
「でも……でもそれを許してくれなかったのはニンゲンの方じゃないか!!」
「クゥを騙して酷いことして、いつまででも追っかけて!」
「ご飯を食べようとすれば捕まえようとして!!」
「それをやめろって言われたって…勝手過ぎるよ!!だからニンゲンは嫌いなんだ!!」

(聖の、玲刃の言葉に少女の感情が爆発する)
(唸り声と共に漏れ出していた悲哀が叫びとなって路地裏に木霊する)

神崎 聖 > 「……………。」
あえて、殺させるように仕向けたが、
殺したいわけでも無さそうだ…。

嫌いなだけも、理由も
溢れだした悲願も受け止めるように聞く…。

「なるほどね…。君は生きていたかったけど、
愚かな【ヒト】が騙して酷いことをしてか…。」
なるほどな…。と思った。この子は生きたかったのだ。

白崎玲刃 > ………生きたいのはわかる…わかるが…その気持ちがわからないわけではないが…
お前、そのままだと手詰まりだぞ…?
【クゥティシスの言葉を聞きながら、根深い問題だと玲刃は苦笑いを浮かべながら思考する
この少女が人を信じない以上、施しを与える事も不可能な為、助けようとする事も出来ないわけだ、
だからと言って、この少女が人間を信じられない原因もわかる為、それを止めさせる事も難しい
しかし、この少女の食い逃げを黙認しろと言って回るのもまた違うだろう、
故に、難しい問題であると玲刃は考える、
そして、無表情に残酷な現実を告げるのみである、
その気持ちもわからなくないが、そのままだと確実に手詰まりだと。】

お前に、優しく接してくれた人間は居なかったのか?
お前はその人間達さえも、嫌い続けるのか?
【そして、表情を一変させて苦々しい表情を浮かべて問うた、
商店街での、メアを、ドラコを思い出しながら。】

神崎 聖 > 「(どうやら、この子に親切にした子はいたようだね。)」
さて、この子は優しく接してくれた人を
同じ【ヒト】として嫌うのだろうか?

クゥティシス > 「―っ、…っ!!」
(玲刃が突きつける現実に歯噛みする)
(そんなことはわかっている。わかっているけれど―)

「じゃあどうしろっていうの!?クゥにニンゲンを信じろって!?」
「あんなことする奴らをどうやって信じろっていうの!?」
「クゥにニンゲンを信じて…また、また酷い目に会えっていうの!?」
「だったらオマエもあのニンゲンと同じだ!クゥに死ねって言ってると同じじゃないか!!」

(やり場のなかった感情が玲刃にぶつけられる)
(このままではいけないことなど、自分が誰よりもよくわかっている)
(自分がどうあれ、此処は「人間」が作り出した街)
(郷の掟に従わない者に生きていく道などないことは、彼女の世界でも同じことだ)

「っ、それ、は―」
(続く玲刃の言葉に、思わず言葉をなくした)
(自分とて、心からすべてのニンゲンが同じだとは思っていない)
(すべてのニンゲンが悪人でないことは、この街で生きてきて理解している)

(自分に食事を与えてくれた優しい幼い少女も)
(凶弾から身を挺して守ってくれた龍の力を宿す少女も)
(塔で出会った不思議な少年も)
(そして自分に語り掛ける玲刃も)

(皆、自分に敵意など無いことは、わかっている)
(だからこそわからないのだ)

「分かんない…わかんないよ…ニンゲンが」
「クゥはどうすればいいの…?この街で、ニンゲンを信じて生きていくのは怖いの」
「でも…でもメアも、ドラコも…あの子も嫌いじゃないの!」

「ニンゲンが優しいなら、それを信じて生きていたいの!」
「でも…でもそうするには、この街は…クゥには危な過ぎる……」

岡部 吹雪 > 頷くばかりの少女と、感情に訴えかける少年。
そのどちらもシェルターよろしく強固に築かれた心の壁を、突破するには些か不器用に映る。

異邦人がこの世界に紛れ込んだ場合、様々な障害が生活を阻む。
その中で最もストレスとなるのは文化の違いだ。
古来の人類史においても大きな火種となってきた問題なのだ。
それが異世界間ともなれば相当なものだろう。

しかし"この世界"で生きる以上、"この世界での生き方"を学ばねばならない。
岡部は先日新たに行政が認めたいくつかの種族を思い返し、少女の慟哭にその姿を重ねる。

なんだちゃんと―――生きたいんじゃないか。

「そりゃあそうだ。この島に暮らしててもヤバ過ぎる。」
「特に落第街の方なんざ暗黒時代だぜ。」
「けどな、それでもマシに生きてく方法なら幾つあるぜ。」

クゥティシスの目の前に、節くれだった指先が差し出される。
振り払われるか噛み付かれるか。あくまでそれは彼女次第。
少々煙草の残り香が漂うが、それはひとまずご愛嬌。

「来るか? うちのガッコ。」

返答は、如何に。

神崎 聖 > 「ふむ…。」
最初はただの食い逃げ犯かと思ったが
ここまで来ると話が変わってくる。

「謝りたいことがあります。」
そういう。
「私は君の事情を知らずに追いかけ回したりした。
そしてカマをかけるためとはいえ、脅してしまった。」
そう言葉を吐き出す。
「許してほしいとは思わない。
だが、謝らせて欲しい。これは本心だ。」
聖からは純粋に謝罪の気持ちでいっぱいだ。
さっきまで、脅していた少女の面影はなかった。

白崎玲刃 > …………別に人間全部を信じる必要は無いんじゃないか?
【自分に向けられた、クゥティシスの言葉を受け止めながら目を伏せる
その少し後、口を開いて言葉を発する、
人間全部を信じる必要は無いと。】

ようは人間を見極めるて区別するってのがクゥティシスに必要だって事だと思うぞ?
人間を一括りに纏めないで、それぞれ別の存在として見ればまた違うのでは無いか?
ルルフールと人間って分けてたけどな、ルルフールと悪い人間と良い人間って位に分けることはできないか?
いっそ、良い人間と悪い人間を別の生き物って見れば良いだろ?
【人間を区別つれば良いと、
人間とルルフールという区別に、
人間の区別を二つに分ければ良いのではないかと?】

俺だって、気に入る人間と気に入らない人間、守りたいって思うやつと、殺すべきって思う奴が居るさ、
クゥティシスにだってそれ位の区別をつけられる様にだってなれるんじゃないか?
【そして、語りかけながらも、玲刃自身の、異常性も多々露見してはいるようだ。】

クゥティシス > (差し出されたその手はお世辞にも綺麗とは言い難いもの)
(それでも、クゥティシスにはこれ以上無いほどに得難い物に思えた)

(彼女にとって、初めて差し出された救いの手)
(その身体を縛り、自由を奪うために伸ばされる手ではない)
(その場限りの食事を提供するだけのものでもない)
(心に築かれた壁を乱暴にノックするものでもない)

(居場所を、くれると言った)
(居てもいい場所を、用意してやると言ってくれた)

「―ぁ」
「いって、も…いい…の?」

(ぽろりと。一筋の滴が零れ落ちて裏路地の石畳を濡らす)

(聖の謝罪と)
(玲刃の提案と)
(吹雪が差し出した手)

(それら三つは、「人間」という定義を定めかねていたクゥティシスの心に静かに染み入っていく)

(あれだけ黒い気配を漂わせていた聖は、己の境遇を聞き、素直に謝意を示してくれる)
(玲刃は拒絶の意志を向ける己に対し、逃げることなく向き合ってくれている)
(吹雪は己の慟哭を受け止めてなお、手を差し伸べてくれる)

「あ、ぁ…う、ぁぁぁ…っ!!」

(押しとどめていた感情があふれ出した)
(あの時、あの場所から逃げ出して以来押し殺していた涙が、堰を切ったように頬を伝い落ちる)

「―っ、あ、りが…と…う…!」

(嗚咽の中に混じった感謝の言葉)
(それは何に向けられてのものだったか)
(しかしながら、それはニンゲンに対してクゥティシスが初めて零した言葉)

(その意味を彼女が噛み締めるより先に)

(孤独に震える人狼の少女は、差し伸べられた手を握るに至ったのだった)

神崎 聖 > 「どういたしまして。」
これ以上の言葉はいらないかもしれない。

あの子が学校で心が育つことを祈りたい。
過去に私は違法部活に所属していたことがあっはたが
崩壊してからの方が、こう暖かい気持ちになれることが多い。
そう、昔を思い出すのだった。

白崎玲刃 > ははは、良かったな。
【ありがとうと良い、涙を流すクゥティシスを見て、微笑みながら呟く。
本当に良かったなと、この世界に来た事で独りとなり居場所の無かった少女が
やっと、居場所を手に入れる事が出来て良かったなと呟いた。】

ならば、こそだ…俺にもやらなきゃいけない事があるな…
【そして、玲刃は、背を向けながら険呑な表情でこっそり呟く。
クゥティシスがやっと手に入れる事の出来た居場所を守ってやる為にも
未だクゥティシスを追わせているであろう、
クゥティシス捕まえていた者を確実に見つけ出して始末せねばなるまいと、
玲刃は強く決心するであった。】

岡部 吹雪 > 「いいさ。誰だって権利がある。」
「一応法治国家だしな。まあ、一応は。」

さて忙しくなるなと、震える少女の指を引く。

「それじゃこいつは新規入学……いや、時期はずれだし転入扱いか。」
「ま、生徒会の方には後ほど話が届くだろうさ。」
「とりあえずは生活委員預かりってコトで。ヨロシク。」

神崎を一瞥し、彼女の顔を立てる意思を明示する。
異邦人絡みの案件は、彼の言うように生活委員の管轄であった。

「……あ、もしもし。桜井? 今ちょっと話せるか?」

今後に備えての一報。
これにて一件落着とは程遠いが、少なくとも、事態は好転しているといえた。
彼女が一人で歩けるかどうかは、今後の努力次第と言えよう。


余談ではあるが、食い逃げの被害にあった店には後日、本人からの謝罪があった。
こうして少しずつではあるが、彼女はこの世界のルールに慣れ親しんでいくのだろう。
今はまだ戸惑い多く息苦しいかもしれないが、少なくとも今ここに集う三人は
彼女の平穏無事を祈っている。

ご案内:「歓楽街大通り」から岡部 吹雪さんが去りました。
神崎 聖 > 玲刃が後ろを向いたのを見て
彼にしか聞こえないように言う。

「この子の心の傷を追わせたことを後悔しても
遅いとしらしめてやって。」
私はそう言った。ロストサイン時代もこんな感じだったか。

神崎 聖 > 吹雪にそういわれて、
「ええ、その時はよろしくお願いいたしますね。」

そしてクゥティシスの方を見て
「図々しいかも、しれないけど
転入できたら、友達になってくれませんか?」
表裏の無い純粋な笑顔でそう言った。

クゥティシス > (聖の、玲刃の、吹雪の言葉に涙を拭うこともせずただ頷き、涙を流した)

(かくして、クゥティシスは居場所を手に入れた―)
(いや、差し出されたというべきだろうか)
(しかしそれを受け取ったことは彼女にとって大きな大きな一歩と言えるだろう)

(今後はその居場所を守り、そこに居る人たちと歩んでいけるかが彼女の課題となる)
(異世界がまじりあうこの世界で、果たして―)

(ともあれ、孤独に震えるクゥティシスに纏わる物語は此処で一度幕を下ろす)

(次に幕が開くのは―)

(人と歩み寄り、人と共に生きるために日々を暮らす少女の物語であろう)

白崎玲刃 > ああ、わかってるさ。
任せておけ。確実に仕留める。
【玲刃も、聖にしか聞こえないように言葉を返した。
その表情で、悪戯めいた笑みではあったものの、冷酷であった。】

ご案内:「歓楽街大通り」から神崎 聖さんが去りました。
ご案内:「歓楽街大通り」からクゥティシスさんが去りました。
白崎玲刃 > じゃあ、またな。クゥティシス。幸せにな。
【クゥティシスへ向けて笑顔で、別れの挨拶を述べた後、
玲刃は、険呑な雰囲気を纏い、再び落第街へと歩いて行くのであった。】

ご案内:「歓楽街大通り」から白崎玲刃さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏」に虞淵さんが現れました。
虞淵 > 「フー……」

退屈だな
足元に転がるドコかのスジの人間らしき男を蹴る
うめき声を挙げて転がる壮年の男

「賭場にツケが溜まってるからって元締めを襲おうなんざ面白い頭の中してんな。
 踏み潰してどんな色の脳みそが詰まってるか見てやろうか、おう?」

柄にもなく、脅しをいれる
此処は落第街ではない
法の下に存在する街だ

男自身はそんなものは気にしない
が、クライアントは別だろう

そう時間も経たずに何人かの黒服が現れ、男たちを連れて行った

虞淵 > 物好きなあの女
エアリアと契約を結んでいくらか時が経っただろうか

自分のモノにする、と言った手前、
当然のようにこの男はエアリアのボディガードを兼ねている

「(……ま、恨み嫉みも買いやすい役どころだろう)」

賭博組織の役員ともなれば、黒服がSPの如くついているものだが、
此処は異能者の溢れる都市だ
善にしろ悪にしろ、危険な戦力は多い

虞淵 > ぐい、と右腕を上げる
大きな傷跡は残ったが、概ね良好だ。

いい勲章だな、と自らの腕を撫でる
深手ではあったが回復した
人を殴るための力は1ミリも落ちていない

路地裏から裏通りを眺めれば、いくらも人の通りが見える

不夜城とも呼ばれる常世の歓楽街の夜の姿だ
金と本能と男女の街になる

虞淵 > さて、今日はこれからどうするか

落第街に獲物を探しに行ってもいい
組織の系列クラブで飲み食いしてもいい
ホテルにエアリアを呼びつけて抱いてやってもいい

男は自由だ
何をするにも自由

「ま…ケンカが一番だな」

ご案内:「歓楽街路地裏」にウィリーさんが現れました。
ウィリー > 大抵の盛り場において、夜の路地裏というものは近づきがたい雰囲気がある。
最悪の事態をして避けて通る聡明な人間ばかりであればいいが、現実はそうではない。
例えば、暗がりに紛れて違法な薬物を取引している人間。
例えば、人の目がないからこそ成り立つ追い剥ぎの類。

「また騒ぎのあとか……足あとが妙に多い、それに布か……服だろうな、壁に切れ端が引っかかっている」
「勘弁してほしいな、報告書になんて書けばいい」

例えば、警備が生業の自警団員。それも若造の。

虞淵 > 「(あのナリ、自警団か)」
笑みが浮かぶ

だとすれば、まぁ…多少は腕自慢だろう

「よォ、お仕事ゴクローサンだな、大将」

壁に体を寄りかけたまま、視線と言葉をウィリーへと向ける

ウィリー > 「……ああ、こんばんは。あんたもご苦労さん」
『いかにも』という表現が相応しい巨魁、眉間に皺もよろう。

「道迷いか? なんなら表通りまで連れて行くが。
 ついでにサービスで、詰め所まで来て連れてってやろう。この辺りで何があったかをで聞かせてもらう」

虞淵 > くつくつと喉を鳴らして嘲笑う

「折角だか遠慮するぜ。この時間は表は客引きも多くってな」
ゆっくりとした動きで壁から背を離し、大仰に肩を竦めて見せる

「別に何もねェぜ?
 賭場が裏手だ、少々の揉め事や喧嘩ァ日常茶飯事だろう」

ウィリー > 「そうか? 残念だったな、あんたが来たら大賑わいだったろうに。
 なんせ要注意リストの上位だからな、「大哥」虞淵」

鼻であしらうように笑う。度胸が座っているのか、ただの馬鹿なのか。
それともその両方なのか。

「ああ知ってる。この周りでの騒ぎの多さは尋常じゃないこともな。
 その度こっちは出動させられて、なのに自警団への献金は断ってくる。
 それでは面子が立たない」

虞淵 > 「リストねェ…しばらく大人しく他所に行ってたってのに、仕事がはえーな」

笑みを湛えたまま、ウィリーへとようやく男はむきなおる

「クックッ、そりゃお前。
 この歓楽街、その夜の顔。
 そン中でひーこら生きてる連中にとってお前らのやってることは『余計なお世話』以外の何者でもねェからなぁ。
 公安や風紀に金払って見逃してもらうだけでも一杯一杯、
 お前らなんかに払う金なんざねェってことだろう」

ウィリー > 「人の口に戸は立てられない、そうだろう?」
頭を掻いて笑う。口さがない者の前では噂は万里を駆けるものと。

「そうだな、余計なお世話だろう。
 風紀や公安がもらった見返りの分働くでもなく、ただ『見逃してやる』
 だけのコバンザメじゃあなきゃ、その道理は通る」

「……まあ、そんなことをあんたに言ったところで仕方がない。
 ともかく、この「立派」な賭場の周りを穏やかに保ちたい。
 要は互いの面子と面倒のすり合わせだ、先に提示してある額を出すように言ってくれ」

提示された額は非常に低い。相互扶助組織である、という面が強いため、互いが困ることをしないという前提があるようだ。

虞淵 > ポケットから煙草を取り出して口にくわえ、火をつける

「俺ァ賭場組織に雇われ中の身ではあるがよ。
 平穏を保たれた安全な賭場なんて面白くもクソもねェと思わねェか」
嘲笑う

「カジノにしてもそうだが、いわば金が力になる場所だ。
 VIPの連中は自身の安全を金で買い、カジノに来る。
 この周辺を平和に保たれると食いっぱぐれる連中もいるってことだ。

 だから、余計なお世話なんだよ大将。
 大したカネでもねェのに賭場側が出さねェってのはそういうコトだ。諦めな。
 それと───」

ゴツ、と地面を安全靴が叩きつける

「此処で何があったか、って報告が要るよな。
 その手間を省かせてやることならできるぜ…?」

ウィリー > 「スリルのない鉄火場に面白みはない、同意しよう。
 だがそれを敷地の外に持ち出すな、敷地外で巻き添えを喰うのは
 ギャンブルで小金を稼ぎにきてる人間だけとは限らないんだからな」
挑発的な態度に対して、威圧的な態度。

「VIP? 随分と安っぽいVIPもいたもんだ。こんな妙な都市の、それも場末に近い
 歓楽街のカジノを楽しむ? よほど高レートか、それとも『扱いに困る』
 モノを扱ってるのか。いよいよ始末に負えないな」

「丸く収める気がそっちの『頭』にも、あんたにもないのはよくわかった
 もう少しまともに話ができるかと思ったんだが、期待はずれだったな。
 話は終わりだ」

動きによどみはなく、トリガーを引くのにも躊躇いはなく。
大口径のハンドガンが火を噴く。演算し、弾道を予測し、致命傷を狙う。
予感はある。当たらない、もしくは効かない。そういった、理不尽な結果を目の当たりにする予感。

虞淵 > 「ま、この問答に対する俺の答えは明確だぜ」
クスクスと笑いながらウィリーを睨めつける

「弱ェヤツが悪ィ。金も力もない弱者は淘汰されて当然なのさ。
 巻き添え?知ったこっちゃねェよなァ。
 雑魚は雑魚らしくそうなる前にさっさと逃げりゃあいいんだ───」

おっと、いきなり拳銃ときたか
その迷いのなさは実に良い

弾丸は男の胸に命中する
しかしわずかな窪みを作って、地面に落ちた

「公安でも風紀でもねェ自警団が、いつから実弾で武装できるようになったんだ?
 ……まァなんでもいいケドよ、俺様のこと知ってンならHMGでも持って来いよ」

つまらなさそうに、そう吐き捨てる

ウィリー > 「その答えは正しい。だが例外もある、強者が強者でいられなくなった時、
 彼らは徒党を組むものだ」マガジンチェンジを済ませる。

案の定、効果的とはいえない。だがこうしてサンプリングを行うことで
相手の戦力を把握するのは重要だと考える。

「その質問には答えかねる。あんたの雇い主に『こんな物騒な用心棒いつ雇ったんだ?』と聞いて答えが帰ってくれば別だが」

「鉄魔法<ピアース>」目の前の「的」に、弾体を強化し貫通力を増加させる魔術をかけた銃弾を叩き込む。

「あんたの十八番は格闘だろう? 今のこれはサービスタイムなのか?」

虞淵 > 男の姿が一瞬ブレて、弾丸を擦り抜けるように躱す

「器用だな。魔術の習熟度は上等。
 臆せずに引鉄を引ける上に急所狙いへの躊躇もない」

いい戦士だ
そう評価を下す

「そうだな、考えていたのさ。
 俺ァ大抵落第街のほうで遊ぶ人間でな。
 周りを気にしなきゃいけねェエリアだとドコまで力をセーブすりゃあいいモンかと」

言葉とは裏腹に困った様子は見られない、ただただ愉しげな笑みを浮かべている

ウィリー > (速いな)
炎魔法による弾速の底上げが本当の肝なのだが、それをあっさりと躱すとは。

「これしか取り柄がないもんでね、残念ながら」
嘯き、弾倉を変える。摩耗と熱で、もうじき使い物にならなくなるだろう。

「悩む事もない、一般人レベルまで抑えてくれれば――
 あんたが捕まるか、殺されるか。選択肢が2つまで減るさ」

虞淵 > 「成程、オマエどっちかって言うと公安のが向いてんじゃねェか?」

場合によっては殺しに発展しても良い
その覚悟はとうに示してもらった

「んじゃまァ…俺もコイツしか取り柄がねェモンで」

震脚一閃、路地裏全体がビリビリと震動する
心意六合、わかりやすく言えば、中国拳法。

「俺の突きはピストルより早ェぞ?」

音速の踏み込み、荒々しさに始まるモーションは、
その途中から一転して流麗
体全体で空気を切り開いてつき進むような、繊細かつ鋭い動き

箭疾歩───代表的な技だが、この男が使えば、その威力は砲弾が突き刺さるに等しい

ウィリー > 「いいや、あれと一緒にされては困る。俺はそうすべき相手に、
 そう振舞っている。誰も彼もまとめて同じくするのとは、別だ」
つまりは、自らの知る法を蔑ろにする強者。それを倒すためなら、手段は選ばないということか。

(……いきなり手厳しいな、炎の巨人以来か? こんなものを相手にするのは)

言葉を全て吐かせる前に、威力が振るわれる前に、大きく後ろに跳ねる。
相手の動きは達人のもの、躱しきれてはいないが……

「……拳銃よりよっぽど危ないな」

虞淵 > 「クックッ、まぁどっちでも構いやしねェかァ!!」
自ら手を出したことにより男のテンションが見るからに上がる

「いいねェ、"場慣れ"してんなァ!大将ォ!!」
勢いを殺さぬままに、追撃がはじまる

蛇輪雲身掃腿───

しっかりとした型による、上下左右への行き場をなくす連撃
手刀
掌底
蹴脚
そのどれもが、触れれば必殺の威力だろう

ウィリー > 「お前の考えたことだ、好きにしろ」
加減はどうあれ、殺意ある必殺の一撃。
うっすらかすった部分がひり、と痛む。

恐らくは、まともに立ち会っても打ち合いにすらならない。
故に防御ではなく回避をする。あの打ち込みの間合いを測り、
できるだけ攻撃範囲から遠ざかる。

壊れかけのハンドガンで威嚇射撃を加える。
ようやく「お釈迦」になったそれの銃身を逆さに握って、ボクシングの構えをとった。
「避けてりゃつまらなくなって帰ってくれるか?」