2015/06/28 のログ
ご案内:「カジノ『天国の門』」に鬼道椿さんが現れました。
■鬼道椿 > 黒のバイクに跨り人を待つ
携帯電話に映し出された赤いメールをもう一度確認した
≪カジノ「天国の門」にて複数の怪異の反応有、調査しこれを浄化せよ≫
との事だった
何時もは一人での戦いだったが今回はヘルプが来るとの事だった
「さて…どういった奴が来るのかな…?」
ご案内:「カジノ『天国の門』」に日乃杜 梢さんが現れました。
■日乃杜 梢 > 漆黒の馬に跨り、携帯を注視していた彼女が顔を上げれば、雑踏から一つの影が歩み寄ってくるところだった。
丈長の白い外套を羽織り、艶やかな紅髪をネオンの光に晒しながら、それは黒髪の剣士のもとへ近づいて、潜めた声を掛ける。
「すみません、少し遅れてしまったようで…鬼道 椿様、ですね?」
相手を見つめる鳶色の瞳が、僅かに煌いた。
その挙動を疑うかのように、視線が揺れる。
■鬼道椿 > 鋭い視線で日乃杜を見るコイツが今回のヘルプ…か
懐から赤い桔梗印が書かれた黒いプレートを見せる
退魔協会から発行されている許可証だ
「気にするな、今回の依頼はそこまで緊急の物でも無いようだからな」
バイクに跨ったまま会釈をする
「鬼道椿だ。日乃杜 梢だな、今日はよろしく頼む」
そう言ってヘルメットを投げ渡しバイクに乗るように促す
「細かい話は現地に向かいながらにしよう」
■日乃杜 梢 > 桔梗を目に収め、確かに、と頷く。
符丁合わせの意も込めて、自らも赤桔梗の札を懐から取り出し、小さく振った。
「ええ、こちらこそよろしくお願いいたします。
緊急ではないとはいえ、鬼道の家に出されるのであれば、それなりに大きな案件ではないかと思うのですが…」
苦笑を交えつつ、ヘルメットを受け取る。
手落とさずに済んだことに小さく安堵の吐息を落としながら、さらに歩み寄った。
ヘルメットを手間取りつつ装着し、椿の後ろに跨って、その腰に両腕を回した。
僅かに遠慮がちで、あまり力が入っていないあたり、こういうものには不慣れなのだろう。
すこしもぞもぞとしながら、小さな声で、準備ができたことを告げた。
■鬼道椿 > 「そんな事はない、と言いたいところだが…」
「まぁ私に来る依頼は荒々しいものが多いから覚悟はした方が良いかもしれないな」
「遠慮せずもっとしがみつけ、落ちるぞ?」
クックック、と笑い日乃杜が乗ったことを確認してバイクを走らせる
学生街から歓楽街へと向かう。椿の性格か運転は少々荒かった
「今回の依頼はカジノ「天国の門」に居る妖魔の退治だ」
「支部の人間に聞いたがオーナーから直々に依頼が来たそうだ」
「こう言った島だからな、そう言った気配に敏感な奴が気付いたんだろう」
「だが妖魔の正体を掴むことはできなかったらしい」
「カジノ客の中に紛れている敵を倒す事になる。」
「周囲に被害を出さず妖魔を見抜き、倒す…繊細な仕事を回されたものだ…」
「私はもっと大雑把な仕事が向いているんだが」
と余所見をしながらバイクを運転する
中々心臓に悪い思いをさせながら歓楽街へと入っていく
明確な境界があるわけではないが煌びやかな建物が増え
放課後に繰り出しハメを外しはしゃぐ学生たちが増えてきた
「ついた」
そう言って最近注目されているカジノ「天国の門」の前にバイクを止める
入口の前で楽しそうに騒ぐ学生たち
普段の路地裏で影を追う暗い雰囲気とは違い少々呆気にとられる
「なんとまぁ……大丈夫か?」
■日乃杜 梢 > 荒々しい、という椿の評価に、内心で頷く。
鬼道の歴史は旧く、そして剛健だ。
妖と渡り合うにおいて、自分達のような陰陽や神道ではなく、《妖刀》、《魔剣》といったものを手に取ったもの。
己の身を鍛えに鍛え、魔を斬り裁く鬼道の異名は、自分達日乃杜のものにも広く伝わっている。
「わっ、きゃっ…!?」
最初は振り落とされるかと思った暴れ馬の操縦に、しがみつく力を込めることで耐える。
そうしながら、風に消し飛ばされそうな概要の説明に耳を傾け、整理していく。
「そのため、私がヘルプにつけられたのでしょう?
今回の私の役目は、椿様の《目》…妖魔の探知。
最近は大きな事件も多いですし、依頼者も余計な詮索をされたくないのでしょう―って椿様!? 前、前―!!」
何度か心臓を止められそうな事態に遭遇すれば、目的のカジノに着いたころには疲労困憊だった。
ふらつく足を叱咤しつつ地面に下り立ち、深呼吸。
そうしながら、椿の声に視線を巡らせる。
「そうですね…この後巻き込まれるのも問題でしょうし、かといって人払いも怪しまれますか…」
見知った生徒はいないだろうか、と目を配るが、首を振って打ち切った。
「行きましょう、静かに終わらせてしまえば、誰も巻き込まずに済みます」
■鬼道椿 > 「全くだな、私も札術でも使えればこうして助けを呼ぶ必要もないのだが…ウチの家系はそう言ったものがどうしてもなぁ」
やれやれ、と日乃杜と並びスタッフ出入口の前に立つ男に許可証を見せ中へ入った
スタッフに連れられてオーナールームに案内された
煌びやかな内装、格闘大会での優勝トロフィーの数々
そして…
『おーー!おーーー!おーーー!来たか来たか!!』
『ほぅ、ほうほうほうほうほう…ほーーーーーぅ』
『なんだ、なんだ、頼んだ通りベッピンさんが二人!!』
『良いねぇ、良いねぇ、絵になるねぇ…』
両サイドに女を侍らせた大男が待ち構えていた
『おっと、紹介が遅れたなぁ…ここのオーナーのドゥ=ドゥだ』
『そんな怪訝そうな顔するなよ!俺の店に男を呼ぶのなんざカラーじゃねえ!』
『だから嬢ちゃん達みたいなかわいい子を呼んだってわけだ!』
『よろしく頼むよう!』
『ああ、そうそう、仕事の話なんだが・・・』
『ウチのスタッフが最近異常な気配に気づいたんだ、最初は小さなもんだったから気にしてなかったんだが…、ここ最近爆発的に増えてな』
『そこかしこから気配がするらしい・・・』
『店としてもほっとけねえよなぁ・・・しかし店を閉めるってのも良くはねえ』
『そんなことしたら大損害だ』
葉巻を吸い、ふぅとふかす
『そこで嬢ちゃんたちの出番ってわけだ。』
『二人ともかなりの腕利きって聞く』
『妖魔がはびこるのは困る、しかし店を止めることもできない』
『っと、くりゃぁ一つしかねえよな』
ガラス張りの部屋から下の喧騒を見下ろす
『腕利き二人でこの客の中から妖魔だけを倒してほしい』
『報酬は弾むぜ?そりゃもうな、もちろん断ってもいいが…替えの連中が来る間に被害が出ちゃいけねえよなぁ』
『ってことで・・・頼むぜお嬢ちゃん達』
そう言ってオーナーが苦笑いをした
椿はと言えば無遠慮な物言いに眉間に皺を寄せて黙っている
この男は気に入らないが頼まれた仕事はやる、という事らしい
不機嫌そうな顔で日乃杜を見た
■日乃杜 梢 > 椿と並び対面したその相手への第一印象は、《巨人》だった。
なるほど、この部屋を飾り付けているトロフィーを見るに、かつてはそれなりに名を上げていた格闘家だったのだろう、と推し量る。
…それが、「表」か「裏」か、という疑問には、自ら目をつむることにした。
それよりも聞き逃せないのは―
かわいい子を呼んだ、という依頼人のその言。
そういう注文をつけるほうもつけるほうだが、もしかして退魔教会それに対応した人選したっていうんですかバカですか。
これそういう仕事じゃないんですよ人命かかってるんですよ。
内心の文句を、とりあえず支部のあるほうに浴びせながら、椿の方を見る。
よかったあちらも大体似たところを考えているらしい。
赤い瞳がどことなく剣呑なものを湛えているのを見てとってから、前へ向き直る。
「…わかりました、請け負いましょう。必ず、妖魔を討ち取ってみせます。では早速、フロアのほうへ出ても?」
■鬼道椿 > 『っと、やる気が漲ってるのは有難いが…その恰好のままで出るのか?』
おいおい、冗談だろう、と二人を見下ろす
『ウチは多くの学生とファミリー連れも多くってなぁ!』
『そこら辺のガラの悪いカジノと一緒にされると困るぜー』
『二人用の更衣室兼休憩所を用意したからそこのロッカーに制服を入れてある』
『それに着替えてくれ』
『ああ、食い物飲み物甘い物、何でも言ってくれれば準備するぜ?』
『なんせ大事なお客様だからなぁ!』
『部屋にケーキも用意してあるからそれ食べてからでも構わないぜ?ワッハッハッハ!』
そう言って大男がスタッフに指示を出し二人を更衣室兼休憩所に案内させた
そこはちょっとしたホテルよりも豪華な内装の部屋だった
スタッフが会釈して部屋を出た後椿が深いため息をつき…
ガゴッ!!
ロッカーを殴りつけた
紙を潰すように簡単にロッカーが歪む
「気に入らん・・・」
「すまんな日乃杜殿、妙な仕事に巻き込んでしまって…と、言うかこの場合は協会の連中に・・・か」
「色々と資金援助しているとも言っていたが…まさかここまでつまらん融通を効かせるとは!」
「全く持って気に入らんな!!」
そう言って歪んだロッカーをこじ開けて中の制服とやらを引っ張り出し広げて…固まる
「なぁ・・・っ?!」
真っ赤になって日乃杜へと振り向く。
その手には…バニースーツがあった
胸の谷間を強調させ腰をきゅっと絞って魅せてさらにヒップ…
前はハイグレで後ろはほぼTバックだった
■日乃杜 梢 > 「えっ? いえ、その」
そのつもりですが、と言う前に、あれよあれよという間に二人して部屋から部屋へと移動させられた。
高級ホテルの一室かと見間違うだろうそこへ押し込められるその間にも、意識の指をカジノ全体へと伸ばすのは、ひとえに真面目精神の賜物であると言える。
「いえ、依頼を拒否しなかった時点で私の責任でもありますから…椿様が気に病むことはありませんよ。
でも協会に抗議するときは言ってくださいね、流石に私も一言言い添えたいので…」
猛る他人を見ると、自分の方はすう、と落ち着く。
いや、それでもあのオーナーの視線に晒されるのはかなりい忍耐力を要求されたのだが―
「……これは……衣装って、それですか…?」
椿が取り出したそれを見て、疑問詞を放つ。
自分の頬が、熱を帯び始めているのはよくわかった。
それを身に着ける自分の姿を脳裏に思い描き―慌てて首を振って打ち消す。
いけない、ちょっと不埒にすぎる。
「ちょっと待ってください、何かの間違いですって…こっちのほうにちゃんとした衣装が…」
並ぶロッカーのうち、椿が殴り潰したものの一個隣を開く。
果たしてそこから出てきたのは―
「…うわぁ…」
やはり、バニースーツ。
色違いの赤のそれは、椿が持つものより胸元が際どくなっているようにも思える。
■鬼道椿 > 「・・・・・・・・・・・・」
眉をハの字にしてどうしよう…と日乃杜を見る
鬼神が如き戦いぶりで知られる椿であったがこう言ったことにはまだ弱いようだ
前と後ろを確認して、もう一回後ろを確認する
「紐…か、フッ…」
網タイツまであるとは…
ギリッと歯ぎしりする
「やってやろうじゃないか!!」
そう言って服を脱ぎ始める
■日乃杜 梢 > 「いえそんな目で見られても、私も困りますが!」
少なくとも自分よりも冷静沈着に思えた鬼道のものが目に見えて狼狽するのを見るのは、おかしさを覚えなくもないが―むしろ同年代らしさが伺えて好ましい。
いやそうではなく。
「えっ、着るんですか? 流石に差し支えがあるんじゃないですか、椿様!」
なんということだ、本当に仕事熱心だこの人!
あの困り顔や動揺からして、この手の衣装に苦手意識を持っているのは明白だというのに、なんという覚悟だろうか…!
その強さに打ちのめされつつも、助け舟という名の抵抗をみせた。
■鬼道椿 > 「しかしな…着ないと仕事…できないだろう日乃杜殿」
「私としてはさっさと終わらせて帰りたい…」
「こんな…破廉恥な格好なんぞ!」
と叫んだところでバニースーツを着ようとしたところで固まる
「下着も…脱がないと駄目なのか…」
後退った
しかしこの猪侍の頭の中に撤退の二文字はない
「日乃杜殿も腹を括れ、依頼は、コナス」
イントネーションが完全に「殺す」のそれだったが
ふぅと深呼吸をして下着を脱いでいく
■日乃杜 梢 > 「あっはい、そうですね、依頼は迅速にこなしましょうはい」
ダメだ今の鬼道に逆らってはいけない。
本能にも似たものが、それ以上の抵抗を梢の脳裏から消し去った。
…さて、どうしましょう。
何やら下着もうんぬんと不吉なことを呟かれたが…椿の言をおいても、やはりこれ以上まごつくのは問題だ。
ふう、と息を零してから、今まで外してこなかった外套を、手早く外した。
白の外套の下から現れたのは、一瞬の印象で言うのなら、白のレオタードスーツだ。
金や紅のラインが走っているそれは、梢の胸や尻肉を際立たせ、その起伏を余すことなく示している。
椿に言わせれば、やはり破廉恥と言うべき代物だ。
一瞬の停滞の後、それをするりと脱いでいく。
下着は元よりなく、押さえを解かれた胸が柔らかく揺れた。
尚も退魔衣装を脱ぎつつも、横目で侍を盗み見る。
自分よりも整ったプロポーションに思えて、場違いにも羨ましさを覚えた。
■鬼道椿 > 「動き易い…が。これで人前に…」
ぶつぶつと文句を言いながら網タイツを直に履きバニースーツを着る
食い込みを治そうにも引っ張る面積も無く慣れない感触に足をもじもじと動かす
胸は…微妙なサイズだ、カップにしっかりと収まっている
黒く光沢のある生地、胸よりも肉質的な足、腰回りを魅せるデザインだった。
日乃杜を横目に見た
胸の圧倒的な質量差に自分のものと見比べる
こんなにも違うものなのか…と敗北感に苛まれた
確かに鍛錬の影響が強いだろうがこうも差があると…
「才能の差か…」
はぁ、とため息をついて姿見に写る自分の姿を見る
黒いレザーで統一されたバニースーツ、フルカップで胸元は隠れていたが逆に
すらりと伸びたの脚線美、そして網タイツが食い込むヒップ
それらが強調されてボンテージの様な攻撃的なデザインになっていた
「日乃杜殿…か、覚悟はいいかな…」
若干震える声で日乃杜を見る
■日乃杜 梢 > 「え、差がなんですって…?」
耳端に捉えた言葉だけを問い返すが、それが意味のないものであることはわかっている。
全てを取り払った姿のままで、赤いそれを手に取った。
躊躇いがちに、面積の少ないそれを身につけていく。
「…普段より、少し…肌が…胸もきつ…」
直に網タイツを履き、そしてその上から押さえてくるエナメル質のスーツ。すう、とした感覚に股間が頼りなく思えてくる。
羞恥に上気した肌を、さらにスーツに収めていく。
そうして出来上がった姿を姿見で眺めて、しばし無言。
椿が黒なら、梢は赤いエナメルで統一されていた。
まるで身に着けるものの武器を知っていてあつらえたのかというように、その大きな胸を強調する造りになっている。
上乳はもちろん、その少し下には穴が広がっており、下の谷間も曝け出されていた。
尻のほうはそこまできつい鋭角を描いてはいないものの、肉をきゅっと締め上げ、魅力を引き立たせていた。
「しょ、正直…くじけそうですが…い、行きましょう…」
赤い顔をして、涙目で告げる。
こんな恰好で、フロアに出るのかとそう思うと、今更に顔から火が出そうだ。
しかし引き返すわけにもいかない。常備していた札のホルダーを手にして、椿へ頷き返す。
■鬼道椿 > 皮ベルトで短刀を固定し日乃杜から目を逸らす
女の自分から見てもドギマギしてしまうくらいのスタイルに戸惑う
「今日はモデルか何かの仕事をしに来た気がするよ…絶対にハメられている…」
日乃杜を先導するように進む
スタッフ用の通路から出ると欲望渦巻く喧噪の中へ入っていく
二人が大ホールへ出ると歓声が上がった
ホールのスタッフは全員バニー姿だったが客の視線は二人に集中する
ヒールをカツカツと鳴らしながら歩く
椿の大きめのお尻の上で白い尻尾が揺れて周囲の視線を誘導した
唯一の救いがあるとすればそれは殺気を放ち歩く椿のお蔭で人の波が割れて
人ごみの中を歩いても接触がない位だった
雑念が多い、いつもなら気配くらいは察することが出来るのに…
「日乃杜殿、どうだ?」
見つけれそうか?と振り向く
■日乃杜 梢 > 「やはり協会に一言…いえ実力行使…」
ぶつぶつと呟きながら後を追うこちらは、椿程に堂に入った足取りは行えなかった。
胸元を腕で押さえ、少々へっぴり腰でついていく。
それはそれで豊かな尻が大きく弾んで、客、特に下卑た男たちの視線を集めてしまうわけだが、今の梢にそれに気づく余裕はない。
(見られています…ね…)
なにせ、視線の数が多い。自分のどこを見られているのかわからない。
多くは腕で隠した胸のような気もするが、それ以外も舐め回されているようだ。羞恥がさらに熱を上げる。
目の前を往く椿は、この視線を受け止めて、ああも堂々としているのか…尊敬の目を向けていたところに振り返られ、思わず上ずった声を上げた。
「す、すみません。少し、時間を…」
深呼吸。胸元をかばっていた腕を解き、軽く広げた。
精神を集中させ、フロアの気配を探るための所作である。
瞬間、どよめきと、視線の量が増えた。
胸の谷間が露わになった姿をお披露目されたのだから、それもまあ止む無しではある。
熱狂を感じるが、努めてそれを無視。
人の発するものとは違う、異質なものを探り当てようと、意識の網を広げていく。
「…こちら、ですね…。確かに、僅かな気配を…」
他の客に悟られぬように視線で示すのは、フロアの角。
リールの回る音と、派手な光が乱舞する、スロットゾーンだ。
■鬼道椿 > 日乃杜が気配を探る間、男たちの視線を遮るように立ち鋭い眼光を放った
小心者ややましい心を持つものはその威圧的な視線に目を逸らし、離れていく
しかし虐げられることを好む一部の男たちにはご褒美なのか逆にそう言った男たちを集めてしまう
ビキニラインを舐めるような視線に耐えきれず手で隠す
いかにも気の強い女王様が見せる恥じらいのギャップにさらに周囲がどよめいた
清楚だが開放的な仕草をする男好みをする体をしたバニー
鋭い殺気を放つとげとげしい女王様、しかし弱みを見せるバニー
くそっ、今すぐにでも全員切り伏せてやりたい位だ
「いっそここにいる全員斬るか?」
そう言ったところで日乃杜の視線を追う
スロットゾーンに居る客を見た
なるほど…と頷く、確かにあそこは異常だ
経験からくる直観
憑りつかれている者の目だ
周囲の下品な視線を跳ね除けて歩く
一瞬だったが横から誰かの手が伸びてきて椿の尻を撫でた
「ひゃぅっ・・・ッ~~~~~!!!!」
ギロリと、睨んだが犯人が誰かは分からない
この鬱憤を晴らすためにもさっさと斬らなければ…
スロットゾーンへ踏み込む
自分は気配を読むことはできないしかし日乃杜の目にはコインが異様にギラついて見えただろう
■日乃杜 梢 > ぽつりと漏れ聞こえた物騒なつぶやきに、思わず目を剥く。
「お、落ち着きましょう! 穏便に! 穏便に…!」
導火線に火がつく前に事態を終えねば、いろいろと危険が危ない。
椿の背を押して、そのゾーンへ急ぐ。
―すげえよな、あのバニー、どっちも上玉じゃねえか。
―黒いほうの尻、すげえ好みだ。埋めてえ…。
―いや、赤の乳だろ乳。手で揉み切れねえって…。
―相手してもらえんのかな、一晩いくらだろ
途中耳にした言葉に、俯く。
やはり、急いで片付けなければならない…。これ以上ここにいると、羞恥でおかしくなりそうだ。
「は…あっ…」
息を零しつつ、その客へと近づく。
細めた目が、その異質を捉えた。なるほど、魔性は人の形ではなく―
「椿様―あの方は操られているだけのようです。本命は、あの方の持っているもの―コイン…!」
■鬼道椿 > ―鬼道 白百合 狼斬の型
日乃杜が言い切ると同時に短刀を抜いていた
目が眩むほどの複数の閃光、光の軌跡が通り抜ける
一振りで何百枚ものコインが細切れになった
唇から赤い舌が覗く
「ネタが割れればどうという事はないな…虱潰しだ!!!」
「巻き込まないってのは…ケガしなきゃそれでいいよなぁ!!!紅飛沫ッ!!!貪れ!!!!」
妖刀を抜き放つ二振でスロットマシンが全て薙ぎ払われた
正気に戻った人々が蜘蛛の子を散らすようにスロットエリアから逃げ出す
その喧騒にスポットライトが集中した
唐突に始まった余興に人々が熱狂する
恐怖に駆られたコインたちが一斉に蠢き集まっていく
虫に似た異形、人ではなく物に憑りつき使用者から欲を穢れを糧とするタイプの妖魔だ
コインの塊が歪に固まり首のない巨人の姿となり…
虫たちが一斉に目を開いた、そのさまは文献に残る百目のそれだった
「ハッ、分かりやすいじゃないか!!」
妖刀を振るう、しかし切り殺す事は出来ない!!
切断面が即座に結合し元通りになってしまうのだ
「チッ、キリがない!日乃杜殿!私が気を引く、やれるな!!」
百目の動きを封じる斬撃の雨を放ちながら目配せをした