2015/07/02 のログ
ご案内:「歓楽街」に鴎さんが現れました。
■鴎 > 歓楽街の大通りを歩く少女が約一名。
試験期間中の気分転換でもなければ、
現実逃避でもない。
「……んんん……そう都合よくもいかないか……。」
いろいろな道の入り口辺りをちらりと眺めては去る。
探しているのはバイトの張り紙だ。
これだけたくさん店があるのなら手が足りていない場所も
それなりにあるだろうと踏んでいたのだが、
世の中そんなに甘くもないらしい。
■鴎 > 歓楽街の喧騒も少女には関係ない。
大きなヘッドホンから流れる音楽が外部の音を遮断している。
もちろん、そのせいで人にぶつかったりすると困るから
周囲には気を使っているし、音漏れがないようにちょこっと改造してある。
「ったく。この島って小さいくせに人は多いのな……。」
この数の店があるのに、人が足りているとは。
なかなか思うようにいかないものである。
別所からチラシを入手するなり紹介してもらうなり
他にも方法はあるといえばあるのだが。
落第街で暮らしていると、そういったものはどうしても警戒してしまう。
自分の目で確かめないと信じられないのだ。
■鴎 > 試験期間中はバイト探しよりも
勉強を優先するべきなのかもしれないが、勉強は夜寝る前にする派だ。
真偽は知らないが、寝ている間に記憶が整理されるとかなんとか
そんな話を聞いて以来ずっとそうしている。
だからこそ微妙に空いた時間を利用してここにきたのだが。
「こりゃ、無駄足だったかもな……。」
がしがしと頭をかく。
仕事の選り好みをするつもりはない。
とりあえず自分にできる仕事であればなんであれ全力を尽くす。
それでいいと思っていたのだが、まず見つからなければ意味がない。
歓楽街にバイト探しに来た理由は主に2つ。
寝床にしている落第街の近くにあることがそのひとつの理由。
もうひとつの理由は本日の試験である。
科目は家庭科、内容は料理。
頻繁にやるわけではないが、叩き込まれたため料理は苦手ではない。
が、今回はたまたまいつもよりもうまくいって
「料理店のバイトとかいけるんじゃないか?」とか
調子に乗ってみたりしたのだった。
■鴎 > 「さて、どうすっか……。」
途中、休めそうな場所を見つけて休憩。
コンビニで買ったジンジャーエール(2L)のボトルの蓋を開け、
一気に喉に流し込む。それでもあんまり減っていない。
ヘッドホンからは未だに大音響でロックが鳴り続けている。
そろそろ帰って勉強をするべきだろうか。
といっても明日は特に手ごわい科目もないことだし
のんびり休むのもひとつの手ではあるのだが……。
■鴎 > 「……もうちょい歩くか。」
この島に来て初めて気づいたことだが、
自分は慣れてない環境に案外弱い。
半年近く過ぎてようやくこの島の暮らしに慣れたところだ。
ゆっくりする精神的な余裕ができたのもつい最近のこと。
なんだかんだで、歓楽街もほとんど回っていない。
もしかしたら、探せば何かしら面白いものがあるかもしれない。
あとちょっとだけ歩いて、興味を引かれるものがなかったらそのまま帰ろう。
そう考えて再び立ち上がる。
■鴎 > しばらく歩く。
収穫は、さっぱり何もなかった。
「……帰るか。」
とぼとぼと歩いて家に帰る。
今日は走ることもなく。
ご案内:「歓楽街」から鴎さんが去りました。