2015/07/07 のログ
畝傍・クリスタ・ステンデル > 俯いたまま瞳に涙を浮かべ、畝傍はさらに呟く。
「ボクのチカラは……罰なんだ。女神さまがボクにあたえた罰なんだ……きっと。ボクの正気を全部ささげるまで……ボクの罪は……ゆるされないんだ」
『炎鬼変化』<ファイアヴァンパイア>。炎を司る、畝傍の異能。
そして、その異能を発動する代償は――畝傍自身の『正気』。
忘れ得ぬあの日、この異能が発現したことで、畝傍の精神は狂気に陥り、それは現在も持続している。
畝傍は心のどこかで、この代償を自らの罪に対する罰と結論付けようとしていた。
冷たい夜風が、畝傍の肌に吹き付ける。俯いたままの畝傍の瞳からは涙がとめどなく溢れ、頬を伝って流れた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……ごめんなさい。ごめんなさい。ゆるしてくれるなんて、おもってない。ボクは一生ゆるされないって、わかってる。でも。ボクにはこれしかないんだ。これしかできないんだ。ボクには。ボクには……」
しばらく涙し続けた後、畝傍は。
「……もう、かえらなきゃ……」
ゆっくりと立ち上がり、学生街方面へ向け、また重い足取りで歩き出す。
「……ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……」
歩きながら、何度も、何度も――繰り返す。彼女は狂っていた。
そして――狂っていながら、良心を完全に失ってはいなかったが故に、
畝傍は罪の意識に苦しめられ続けているのだった――

ご案内:「歓楽街・路地」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。