2015/08/28 のログ
ご案内:「歓楽街」にエルピスさんが現れました。
エルピス >  
 久々に外の空気を吸いながら、夜の街を歩く。
 ……何でも身体の大幅改修を行う必要があったらしく、此処一週間程 は研究所に缶詰状態。
  今日になってようやく改修も終わったので、財布にお金を詰め込んで夜の街に繰り出してみよう――と云う魂胆だ。

(あんまりこう言う事はしないんだけど、たまにはいいよね。)

 ちょっとした背徳感のような特別感――ハレの日のような気分を味わいつつ、路を歩む。
 途中、"ぶた魂まん"なる肉まんがあったので、食べてみる。美味しい。
 さながら豚肉の塊と評する事が出来る程に肉がどかっとつめ込まれている。ガッツリ系の味わいだ。

「んっ、おいし。でも変な名前だなぁ……」

ご案内:「歓楽街」に寄月 秋輝さんが現れました。
エルピス >  
「けふ……
 ……もしかして、塊と魂をかけているのかな。」

 何気なくひとりごとを零しつつ、暇そうに夜の街を歩く。
 途中の服屋で見かけた、超反撃と達筆で書かれたTシャツが妙に気になった。

(変なTシャツ……)

寄月 秋輝 >  
研究所に拘束された時間が長すぎたためか、街の様子が変わっている。
やはりぐるりと一周見ておくべきだ、と歩き回っているときに。
少女の姿を見かける。
何度か遠目に見た覚えのある彼女。

「……エルピスさん?」

手ぶらの青年が歩いて近寄ってくる。
もしかしたら研究所で姿を見たことがある、かもしれないが。

エルピス > 「あ、えっと、おにーさんは……」

 見た覚えはあるけど、誰だっけと思う。
 名前は知らない……筈、多分。きっと。記憶を辿る限りでは出てこないない。

 いずれにせよ、近寄って来ればそれとなく道の端へと移動する。
 立ち話するにも、邪魔にならない位置だろう。

寄月 秋輝 >  
「こんにちは。
 元気そうでよかった」

うっすら笑顔を浮かべて呟く。
そして道の端へ、同じように移動した。

「あぁ、ごめん。
 僕は寄月、秋輝。アキ。
 ……何度か研究所でエルピスさんのことは見ていたから話しかけたけど……驚かせた?」

それならごめん、と小さく呟いた。

エルピス >  
「あ、ううん。ちょっとびっくりしたけど、大丈夫。」

 軽く指を横に振り、ぺこりと頭を下げた。
 ……ぱっと見、温和そうな青年に見えるなぁとも思いながら、視線をアキへ向けるだろうか。

「そっか。ボクの名前は知っているみたいだから、自己紹介は大丈夫かな……
 ……えっと、宜しくね。アキおにーさん。」

寄月 秋輝 >  
「よろしく。
 といっても、本当に少し見たことがあるだけ……
 名前も、研究員さんが言ってるのを聞いたことがあるだけだからね」

首を横に振る。
そこまで自分も内情を知っているわけでもなし。

「そういえばエルピスさんも、この学園の生徒……だったっけ?
 去年同じクラスに居た覚えはないけれど」

エルピス > 「そっか。」

 くすりと笑みを零す。
 特に自分の開発に関わりがある、と云う訳ではなさそうだと判断した。

「うん、二年生だよ。
 ……あははっ、この学園は大きいからね。クラスが別で、授業もあんまりかぶってなかったんじゃないかな。
 アキおにーさんは、研究所にはよく通うの?」

寄月 秋輝 >  
「あぁ、そうか……単純に会わなかっただけか。
 僕は……そうだね。よく通うかな。
 去年まではずっと研究所暮らしだったしね」

ほぼ拘束された監禁、もしくは軟禁状態だったとまでは言う必要はないだろうと感じて、そう答えた。
研究所で暮らしていたのは事実ではあるのだ。

「エルピスさんも研究所によく出向くってことは……
 何か、プロジェクトに関わって?」

見かけによらずすごい研究者のたまごなのだろうか、と小さな期待すら籠った言葉をかける。

エルピス > 「そっか、去年まで……」

 小さく、思案するように唸る。
 研究所通いであまり登校できていなかったのかな、とも思案した。
 当然、軟禁状態であることは知らないし、だから学校であまり見なかったのかな、なんても思いつつ。

「うーんっ、プロジェクトと言うか、ボクそのものがプロジェクトと言うか……
 ……えっと、これでもボクはサイボーグでね。エルピスって云うのも、
 第e型試作英雄機としての名前と言うか、コードネームと言うか……」

寄月 秋輝 >  
「……え、っと……エルピスさん、が?
 そうなんだ……普通の女の子にしか見えなかった」

驚いた様子で呟き、まじまじと見る。
装備さえなければ普通の少女であるエルピスの体は、この青年の目にはまるで見分けがつかないようだ。
と、あまり女性の体を見るのも失礼かと目を逸らす。

「……失礼。
 そうか、そっちはコードネーム……
 なら本名の方を呼んでおいたほうがいい?」

エルピス > 「……あ、ううん。」
 
 首を横に振る。やんわりと遠慮の意だろうか。

「基本的にこの島ではエルピスで通ってるからね。
 学生証も住居も銀行口座もこれだし……だから、エルピスで大丈夫だよ。」

 本名で呼ばれるのは悪いものではないし、機密事項ではないけれど、
 基本的にボクの存在がエルピスで通っている事を考えると、
 とりあえずはエルピスと呼んで貰っておいた方が、混乱は少ない――そう考えた。

「あはは、ボクはもともと男の子なんだけどねー……でも、すごいよね、この学園には色々な技術が集まっているみたいだし。」

寄月 秋輝 >  
「そう、それならこれからもエルピスさん、でいいね」

安心したように、また笑顔を浮かべる。
しかし『もともと男の子』でまた静止する。

「……もともと、男の子?
 技術の凄さよりも、その事実の方が驚愕なんだけど……
 僕のもといた世界でも性転換までは出来なかったんだけどな……」

こんな可愛い子が、という表情。

エルピス > 「なんかこう、色々あるみたいでねー……
 感情の相転移による生じる感情エネルギーを回収・動力とする時、第二次成長期の少女が一番良いとか、何とか……」

 ぽつりと思い返しながら言葉を継ぐ。
 それが本当かどうかは、知るすべはないけれど

「それに、全身にほとんど手を入れられちゃってるサイボーグみたいなものだからね。
 女の子と言っても、ほとんど機械みたいなものなのかも。」

 やや寂しそうに、笑ってみせつつ。
 ……少ししてから、咄嗟にその空気をごまかそうと口を開く。

「……あ、でも、お胸とかは大分できちゃったけど、外見はあんまりイジられてないみたいだよ。
 自分で最初に見た時、ボクがボクって分かったし……」

 嘘ではないけど、軽い冗句。明るく努めようとしたのだろう。

寄月 秋輝 >  
「……魔導士は女性が多かったのもそんな理屈だった気がするな。
 どこの世界でもそんな感じなんだろうか」

ぶつぶつつぶやく。

「ん、そうなんだ。
 サイボーグで不便なのは困りそうだな……
 特に女の子……の体で、機械のパーツで体重が増えた、なんてことになったら気になるだろうしね」

小さくくすっと笑い、同じように冗談っぽく呟く。
空気が悪いとは思っていないのか、少女に合わせて言葉を選んだのか。

「……つまり、最初から女の子っぽい顔つきだったんだな。
 可愛らしい男の子って言われたことあるよね?
 ……僕もあるから、なんとなく他人の気がしないな」

そんな言葉を、笑顔のまま紡ぐ。

エルピス > 「体重はもう気にしていないけどね。
 ……ん、うん。特に不便はないよ。気遣ってくれてありがとね。」

 人懐っこい笑みを浮かべて返す。
 花を咲かせる様に、くすくすと笑った・

「あはは、それはちょっと否定出来ないねー……。
 アキおにーさんもそうだったんだ。でも、ボクからみたらだけど身長がそれなりに有るから、羨ましかったかも。」

 ……169cmは高いとは言えない方ではあるのかもしれないが、
 もっと小さい男の子だったエルピスから見れば、羨ましかった のかもしれない。

寄月 秋輝 >  
「……やっぱり以前は気にしてたんだな……」

この子は女の子だな、と見下ろした。

「昔は、ね。
 最近は……まぁ、少しは伸びたけど。
 中学くらいの頃に少し鍛えすぎて、背が伸びなくなってしまったんだよ。
 ……エルピスさんは……さすがにもう背は伸びない?」

それなりに見下ろす位置にいる少女の頭のてっぺんを見ながら呟く。
少々小柄過ぎないかな、とも思う。

エルピス > 「……うん、多分伸びないと思う。
 機械化されている部分が多すぎるから、成長も……」

 苦笑しつつも、素直にそう返した。
 少々儚くも見える かもしれない。

「小さい頃から鍛えると逆に伸びないって話は聞くね。ええと、なんでだっけ……
 ……って、どうしたの? ボクの身体に何かツイてる?」

寄月 秋輝 >  
「……女の子の体にするような技術があるなら、背を多少伸ばすくらい簡単そうな気がするけどね……
 エルピスさんから、研究者さんに頼んでみたらどう?
 すらっと長い手足の女の人になりたいです、って」

冗談めかして呟く。
少女の様子に気付いているのかどうかはわからないが、うっすらとした笑顔は変わらない。

「なんか筋肉が付きすぎると……なんだったかな。
 僕も思い出せない。
 ……いや、女の子らしいサイズだな、と思って」

特に隠すこともなく、思った通りのことを囁く。

エルピス > 「うー……ん。装甲とかに高いお金掛かってるみたいだし、
 色々と気乗りしないかも……ボクがあんまりイメージ出来ない、って言うのもあるんだけどね。」

 冗談めかして笑ってみせる。可憐に笑う元少年の少女の笑み。
 確かにすらっとした身長の高い綺麗なお姉さんは合わないんじゃないかと思わせるような、小動物みたいな笑み。

「……って、も、もう。アキおにーさんったらっ。
 なんかちょっと意識しちゃうと、恥ずかしいんだよねー……。」

 恥ずかしそうに眼を泳がせつつも、表情が明るい辺りまんざらでもなさげな無さそうな顔。
 でも、素直に嬉しいと言うのも残った男の子のプライドが。そんな照れと恥じらい具合を見せた。
 

寄月 秋輝 >  
「あぁ……それにプロジェクトの一環、だっけ。
 そうそう自由に体を変えることは出来ないかな。
 ……そうだね、エルピスさんはそのままでいいかな」

うん、と一つ頷いた。

「あぁ、えーと……
 女の子って、背が高いのもいいけど、小柄なのも人気の秘訣だからね。
 エルピスさん、学園でも人気がありそうだね」

女の子らしいなぁ、と再び胸の内で感じながらそう囁いた。

エルピス > 「うん。だからまぁ、ちょっとむずかしいかも。
 人気かぁ。……あはは、それはどうだろう。」

 自分の人気についてはあまり見えてこない。
 公安委員会に所属し、表の顔を担っている、と言うのもあるが。

「……んー……アキさんは研究者、って訳ではないんだよね?
 もといた世界、って聞いたから、異世界の人なのはわかるけれど……。」

寄月 秋輝 >  
「簡単にクラスのアイドルになれそうなのに」

もったいない、と呟いて意地悪く笑った。

「うん、そう。
 元居た世界でちょっと大きな事件があってね。
 その時の余波でこっちに飛ばされたんだ。
 あっちの『魔法』が珍しかったみたいで、しばらく研究に協力してたんだよ。
 もっとも、こっちもあっちも似たような世界観だから助かってるけれどね」

そう答える。
確かに慣れた様子でここらを歩いていたかもしれない。

エルピス > 「そっか。」

 それだけ聞けば、深くは追わず。
 事故について言及するのも気が引けるものではあるし、
 研究の被験体として存在する以上、"研究への協力"も、
 いきなり食いつくと地雷をふむ可能性があることは理解している。

 少し悩んだ素振りを見せて、話題を切る。

「……あっ、立ち話もなんだし、どこかに入ってごはん食べない?
 ずっと立っているのも疲れると思うし……」

寄月 秋輝 > 「ん、あぁ……そうだね。
 気が回らなくてごめん。
 それじゃどこかで休みながら……いい店知ってる?」

話を切られれば、それ以上自分から言うこともなく。

そしてふと思い出したように両手を合わせる。
すっと手を開くと、左手の中に光の玉が生まれている。
それがまるで懐中電灯のように、エルピスの足元のあたりを照らした。

「街灯だけじゃもう暗いからね。
 これなら躓いたりしないよね?」

エルピス > 「ううん、ボクもあんまりこないから、いいお店は知らないんだけど……わっ。」

 ぽわんと足元が光る。
 魔法か異能かな、と、推測しつつも見合わせるようにアキへと視線を移した。

「すごいかも。えっと……これ、アキおにーさんが?」

寄月 秋輝 >  
「……参ったな、僕もあまり外食ってしないから……」

周囲をくるりと見渡す。
明るい看板を視界に入れ、さてどうしよう。
安い店がいいが、あまり安くてもこの子には失礼か、などと葛藤しつつ。

「うん、僕がやってる。
 もともと魔法かと思ってたんだけど、こっちに来て異能のほうが性質が近いらしいってことがわかったんだ。
 光をちょっと操れる程度だけどね」

大したことが無い、という風。
光を扱うことが日常と化しているらしい。

エルピス >   
 
「光を操る異能……みたいな?」

 拠点、と小首をかしげてみせる。
 光が照らした先を見れば――


   【ご休憩 5000円~】


「………。」

 歓楽街だ。
 そういうものも、ある。

寄月 秋輝 >  
「そんなところ。
 家で電気代浮かせられるし、こうやって外を出歩くときに便利だよ」

なんとも庶民的な考え方だ。
そしてエルピスの向けた視線をたどるように、そちらを見る。

「……エルピスさん、入ってみたいの?」

一応、聞いてみる。
まさか、とは思いつつも。

エルピス > 「えっ、ち、ちがうよ!? ぜんぜんちがうよ!?」

 顔を真っ赤にして、あわてふたむき否定する。
 あわわ、とか今にも聞こえてきそうだ。

「……うー、もう。びっくりすること言わないでよぉー……」

 ふうと一息付いて、気を取り直す。
 さて、どうしたものか。

寄月 秋輝 >  
「あぁ、違うなら違うでいいんだけどね。
 入ったことが無いと気になるだろうし」

なんでもないといった様子で、その否定を受け入れる。
そして周囲をくるりと見渡して。

「エルピスさん、蕎麦は好き?
 そこの蕎麦屋でどう?」

足元を照らす光をレーザーポインタのように伸ばし、蕎麦屋の看板を照らして示す。

エルピス > 「えっ、おにーさんあるんだ。」

 かなりびっくり。異世界人且つ、中々この辺りに来ないと聞いた。故にびっくり。
 それとも、異世界に同じような文化があったのだろうか。そんな具合の視線だ。
 
「あ、うん。丁度良いかも。さっぱりしてて食べやすいから夏に良いし……」

寄月 秋輝 >  
「困ったことに何度かあるんだよ……女性関係でのトラブルが多くて……
 そういう意味じゃ、こっちに来れたのは運がよかったのかもしれないな」

あまり思い出したくない記憶なのか、なんともげんなりした顔で呟く。
逃げられたのは幸運だったのかもしれない。

「うん、じゃあそこにしよう」

手の中の光を握りこむように消し、店へと進む。

エルピス >  見かけによらず……なんて思いながら、苦笑する。
 もしかして、異世界に跳んで逃げたのだろうか。

 ……いや、それはさすがに失礼か。そう思えば考えを振り払う。

「うん、それじゃあ行こっか、アキおにーさん。」

 そうして、店へと歩みを進めた。

ご案内:「歓楽街」からエルピスさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から寄月 秋輝さんが去りました。