2015/10/22 のログ
ご案内:「酒場「崑崙」」にヨキさんが現れました。
ヨキ > (平日の夜。客もまばらな『崑崙』奥の四人用テーブル席で、ヨキが独り煙草を吹かしている。
 店を訪れて間もないらしく、テーブルにはモヒートのグラスと、お通しの小鉢がひとつ置かれているだけだ。
 卓上に置いた私物のタブレット端末を、何をするでもなしに弄りながら、ぷかりと紫煙を吐き出す)

ご案内:「酒場「崑崙」」に獅南蒼二さんが現れました。
獅南蒼二 > 店に入った白衣の男は普段通りにカウンター席へ目をやったが、
そこに誰も座っていないことを見れば、店内のテーブル席へと目をやる。
気を利かせた店員が席を案内するのと、白衣の男がヨキの姿を見つけるのは、殆ど同時だった。

「…どこぞの不良教師から呼び出されたんだが、ここで間違いなかったかな?」

洒落たシェードカーテンで区切られたテーブル席を覗き込みつつ、白衣の男は先客に問いかける。

ヨキ > (店の入口に、新たな客の気配。
 常世祭の展示風景の写真が表示されたタッチスクリーンから顔を上げて、その人物がこちらへ向かってくるのを見遣る。
 笑った口の端から煙を吐き出し、短くなった一本目の煙草を灰皿で揉み消す。
 軽く手を挙げて、獅南を迎えた)

「……くはッ。不良の誘いに乗る不良めが」

(にやりと笑う声。
 季節の一品料理だの、冊子にまとめられたお品書きだの、ドリンクの一覧といったメニューの類を、まとめて獅南へ向けて差し向ける)

「久しいな、獅南。来てくれるとは思わなんだ」

獅南蒼二 > 獅南は普段通りの白衣姿であり、特に変わった様子も無い。
とは言え、彼が内ポケットに何を忍ばせているのかまでは、分からないだろうが。

「なに、慈善活動のようなものだ。
 1人で飲んだくれていては、可哀想だと思ってな?」

肩を竦めて楽しげに笑いながらそれを受け取ったが、開くこともしない。
店員にビールと、それからナッツやピクルス等、幾つかのツマミを注文した。
……どうやら、それなりに足を運んでいるようだ。

「あぁ、獣を焼き払うための研究が思うように進んでいなくてな。」
悪びれもせずにそう言って、ヨキと対面する椅子に腰を下ろした。

ヨキ > (相手に対して、警戒というものを一片も抱いていない顔。
 獅南の軽口にはっと吹き出して、頭を掻く)

「ああ、それは失敬したな。
 君の方がよほど善良な教師らしい。お気遣い痛み入る」

(相手の注文を横で聞きながら、それじゃあ、と店員を呼び止める。
 こちらからは、山菜やきのこや根菜といった、季節の献立から数種類を注文した。
 自分の前に置いてあった灰皿を、テーブルの中央へ寄せる)

「さて?君の獲物は随分としぶといらしいな。
 ヨキが果たして、その助けになれるかどうか」

(冗談めかして言い返す。向き合った相手に目を細め、テーブルに肘を突く)

「こちらはお陰さまで。
 華々しく散る前の大仕事とばかり、順調に進んでおるわい。
 ……大人しく散るつもりは毛頭ないがな」

獅南蒼二 > 内ポケットに手を突っ込んだが、取り出したのはペルメルの赤。
普段通りに指先から魔力の炎を生み出して火をつける。
灰皿を寄せてもらえれば、小さく頷いてから灰を落とし、

「だが、どうやらその“善良な教師”は不良教師を酔い潰すつもりらしい。
 一見善良そうな人物には、注意した方が良いかも知れんぞ。」

笑いながらそんな冗談を言う男からも、警戒の色は見て取れない。
まるで親しい友人と対面しているかのように…この場所では、白衣の男も屈託なく笑う。

「“大仕事”か…そう言えば、生徒たちも随分と慌ただしく駆け回っているな。
 学園祭など、私にはあまり関係の無い話だが…何か、面白い出し物でもあるのか?」

ヨキ > (指先で煙草を灯す様子に、便利だなあ、と零す。
 自分もまた慣れた様子で二本目の煙草を取り出して、手ずからライターで火を点ける。
 小洒落た金属製のオイルライターといい、銀のアクセサリといい、
 普段どおりの獅南に反して、ヨキの様相はいかにも軽薄そうに見える)

「ふふん。このヨキとて、伊達に不良をやっておらんわ。
 ……だが見逸れていたな。君、それほどのうわばみであったか」

(くつくつと肩を揺らす。
 ミントの彩り鮮やかなグラスを傾けて、心地よさそうに笑った)

「常世祭といえば……ヨキが教えている生徒らが、作品を飾るのが慣例でな。
 教師のヨキもまた、参考作品と称して出展しているという訳だ。
 ……『あらゆる存在の自由と平等を掲げた祭典』、か。
 聞くだに、君には縁のなさそうな響きだな」

獅南蒼二 > 「魔力操作と術式構成を覚えてしまえば簡単だ…見てみるか?
 もっとも、魔術学に精通していなければ、恐らくライターの方が便利だと感じるだろうが。」

楽しげに笑いつつ指先の炎を弄ぶ。
炎は確かにそこから燃え上がっているが、決して指を焼くことはない。
さて、確かにヨキと比較すればいかにも研究者然とした様相である。
だが、この男が白衣以外のものを着ている姿を見た者など、この島に数えるほどしか居ないのではないだろうか。

「以前体育教師に聞いたのだが、自分は飲まず相手にだけ飲ませるのが“上級者”らしい。
 ……この年で、アンタと飲み比べをするほど愚かではないよ。」

今日のところは一時休戦だ、などと笑いながら学園祭の話を聞く。
……その内容を嫌悪するというほどではないが、出展すべきものなど何もない。

「芸術に興味が無いわけではないが…生憎、それを理解する感性を持ち合わせていないようでな。
 私には頭の固い学会の連中を相手に講義をする方が似合っているだろう。

 …アンタの“教え子”たちにも、見どころのある生徒は何人か居るのか?」