2015/12/18 のログ
ご案内:「歓楽街」に久方 透子さんが現れました。
久方 透子 > (日付が変わる時刻が近づいたとて、この地区は静けさというものとは縁遠い。少女にとって、人に紛れてこの地区を抜け、スラムへと帰宅するにはありがたい事ではあるけれど。
入り組んだ道、出来るだけ周囲を見て、歩幅はゆっくりと、時間をかけて歩くのは何も人にぶつかるのを避ける為だけではない。
知人に帰路につく己を目撃されない為でもあるのだが、しかし)

「……寒い。……あったかいの、恋しいなあ、もう…」

(すっかり冷えきった指先に、吐きかける白い息。
慰めにもならぬ一時しのぎだ)

久方 透子 > (ガラス張りで店内の様子が見える飲食店。
やはり寒さのせいか温かい飲み物を手に取っている人が多く見える。
暖房のきいている店内。赤くなった指先を温めてくれる飲食物。
そういったものを視界に入れてしまうも、目に毒とばかりに頭を振るだけ)

「家についたら、あったかいお茶が、待ってる。…うん。うん」

(飲食店や、酒場。雑貨や服屋。ゲームセンターやカラオケ。
そういった大通りの店から、一本、二本、と入り組んだ道を曲がり、進む。
道が細くなれば、立ち並ぶ店の種類も若干怪しいものとなってこようが、歩みに怯えの色は見られない。
当然だ。
自分が住む場所は、ここより、よほど、性質が悪い)

久方 透子 > (大通りから離れた分、人通りもだんだんと少なく。
時折酔っ払いとすれ違う程度で、通り過ぎて相手の息の酒臭さに顔をしかめる。
すっかり場末のスナックという言葉が似合うような通りに差し掛かれば、自然と隅の街灯や店の明かりに当たらぬ場所を歩いてしまうのは、意識せずの習性じみた行為。
流石にこの場に己の姿が合致していない自覚はある)

「おなかすいた。家になにか食べられるもの、残ってたかな…」

(まだ、数少ない調味料の類は尽きていなかったように思えるけれど、具材のストックは若干怪しかった気がする。
戸棚の中にしまった野菜たちを思い出しながら、また更に、裏通りへと曲がり)