2016/06/22 のログ
ご案内:「歓楽街」に霧依さんが現れました。
霧依 > 「………僕はやめておくよ、賭け事は弱いから。」

バーカウンターで男にゆるりと返事をするのは、青がかった灰色の髪をした長身の女。
すい、とお酒を煽れば、次の機会ね、と微笑み返して、席を立つ。

ぽん、とお金を置いて店を出れば、周囲はすっかり暗くて。
お酒のせいか、少しだけ赤みがかった顔でゆるうり、ゆるりと歩き出す。

足取りはしっかりしたもので、周囲を見回しながら。


なんだかんだで、この近辺には人が集まる。
良いも悪いも、何もかも。
そういうのを眺めるのが好きだった。

霧依 > そんな中、話に聞いたお店に入り。
偶然隣りに座った男が、カジノに出向く話を聞いた所だ。
やけに熱っぽく、カジノが楽しい場所だと語ってくれたのだけれど。

賭け事が出来ないわけではない。
元から結構にポーカーフェイスではあるし、麻雀牌は指で触れれば何か大体わかる。
とはいえ、ここは島である。
一人でふらりとカジノに寄るような存在は、すぐにどこそこの誰ぞと特定されるのが関の山。

勝っても負けても面倒だ。

「………この華やかな街の匂いも、十分僕にとっては刺激的だと思うんだけれどね。」

夜を夜とは思わせない灯りの灯った歓楽街を、ふらりふらりと女が歩く。

ご案内:「歓楽街」に紫刃来十さんが現れました。
紫刃来十 > 夜もなお人でごった返す歓楽街
人が文字通りひしめくその中では、避ける事も難しく

「っと」

図らずも、誰かと肩と肩がぶつかり合う。

「あ…」
反射的に睨む様な視線を送ってきたのは、ぶつかってきた拳法着の男の方。
だが、相手の顔を見れば、そこに悪意はなかったのを感じ取り
「悪いな、大丈夫か」
一言声をかけてきた。

霧依 > ふわりふわりと揺蕩うように道を歩く彼女といえど。
触れることのできる人間であるならば、何かにぶつかる時もある。

「おや。」

じろりと男に睨まれても、目を瞬かせて驚いた様子で。
相手の言葉に目を細めて、小さく笑う。

「勿論。この程度で肩が外れたと言う人もたくさんいるから、貴方が強そうで助かったよ。」

からり、と笑ってウィンク一つ。
女らしい身体のラインと反した、中性的な言葉遣いと格好。

そして、しっとりとした声。

紫刃来十 > 顔を見て男かと思ったが、目線が下に行けばその認識は直ぐに改まる。

「そんなクラゲみたいにひ弱な奴がいるなら見てみたいもんだな。」
霧依の冗談にこちらも冗談で返す。
何となく話しやすい女だ、というのが第一印象だった。

そんな中ふと、霧依の周囲を見てある事に気づき
「…おい、お前もしかして一人か?」
そんな事を口にした。

霧依 > 「それがいるから困ってしまう。
 この前もいたからね。」

そのままゆるりと逃げたことは隠しつつ、さらりと笑って話に答える。
相手の言葉に首を傾げて、その上でころころと笑って。

「そうだよ、一人さ。
 これはあれかな、熱烈なお誘いなのかな。」

なんて、意味ありげに笑う。
相手が何らかの意図を持って声をかけていることを分かった上で、自由な言葉を吐く。

紫刃来十 > 「それだけ騒げりゃ大丈夫だと思うけどな、何なら思い切りぶちかまして
全身の骨砕いてやりゃいい」
物騒な答えを返しつつ、こちらの意図した答えとはまったく違う
むしろこちらをからかうようなそぶりさえある答えに視線が険しくなる。

「この辺りはまだマシな方だがよ、それでも一人ってのは感心しないって言ってんだ。
最近は大人しいが物騒な連中だってここには多いからな。」
自身の事は思い切り棚に上げ、そんな台詞を吐く。

「体には地震があるようだが…だからって見たとこそういう商売ってわけでもなさそうだしな。」
誘う云々はあえて無視したが、言われて再度体つきを見れば
そこらのゴロツキが黙っていないような体つきだ。

霧依 > 「そうかもしれないね。一応身を守る術や、身を守る力はそれなりに。
 それに、僕はずうっと一人だからね。

 旅人なんだ。 今は生徒になっているけど。」

ひらりと手を揺らして、それでも顔色も態度も変わらない。
ゆるうり、ひらり、枯れ葉が舞うかのように。

「でも、気をつけなくちゃあいけないね。
 貴方の言う通りだと思うよ。」

うん、と頷いて、相手の言を素直に肯定してしまう。
反論はしないままに、相手の言葉に首を傾げて。

「まあ多少は。見てみるかい?
 商売にするほど立派なものでもないけれどね。」

ジャケットのボタンを一つ外しながら、ゆるいウィンク一つ。

紫刃来十 > 「へぇ、って事はここに来る前はあちこち見て回ってたわけだ。
ま、俺も似たようなもんだが」

流石にあちこちで傭兵まがいの血生臭いことをしていた、と初対面の相手に言うわけにもいかず
それとなくごまかしたような物言いになる。

ジャケットを外す霧依を、手をかざして制す。

「お誘いはうれしいし興味はあるが…やめとくわ。
女の怖さってやつは何度か見たことも、味わったこともあるからな。」

相手がその辺りが大らかなだけなのは何となくわかるが
それでも初対面の相手に警戒するのは職業柄故だった。

「さて、今度はこっちから提案だが…家に帰るまで、ちょっとしたボディガード代わりはいらねえか?
初回特別割引で安くしとくぜ?勿論あんたの居場所を売ったりはしねえ。どうよ?」

自信満々に持ちかける男の表情は、口だけではないという自信を漂わせる。

霧依 > 「そういうことだね。
 ……ふふ、そうだね。 僕も何度も目にしたから分かるよ。
 女の人はとっても怖い。」

相手の言葉に目を細めて、くすくすと笑う。
男性だろうと女性だろうと、可愛いのであれば手を出す彼女にとっては、その気持ちもよぉくわかる。

「ううん、そうだな。
 もしもボディーガードを雇うならば、もっと危険なところに行く時かな?

 それに、女の人も怖いけれど。
 やっぱり力の強い男の人はもっと怖い。

 貴方の方こそ、わかるんじゃないかな。
 出会ったばかりの人と何かしらのお金の遣り取りをする約束は、するもんじゃあないよね。」

紫刃来十 > 「は、それもそうだ、何も言いかえせねえ。…おいおい、その胸についてる二つのそれはなんだよ。
お前もその怖い女だろうが。」

霧依の返しと冗談なのか本気なのか若干わからない答えに笑いながら、男が答える。

「さて、振られたならしょうがねえ、俺は行くわ。
ああそうだ、俺は柴刃、この辺りで用心棒だのなんだのしている。
見合った金さえ出してくれれば、何でもするぜ。」

そう言うと、背を向けて落第街の側へ歩を進め始める。

「初回ご利用割引は次に持ち越しだな、んじゃあまた」
そう言って、人ごみの中へ消えていった。

ご案内:「歓楽街」から紫刃来十さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から霧依さんが去りました。