2016/07/10 のログ
バラル >  声を掛けられれば、退屈そうな調子のままにゆっくりと振り向き――

「ん……いつかの子ね。
 リベンジでもしに来たのかしら?」

 目を細め、つばめを見据える。
 既に掛けたものも消えている事を把握する。
 時間で消える類の簡単なものだった故に、一週間が過ぎた事を改めて認識した。
 

松渓つばめ > 思った以上に遠かった。が、とりあえず喧騒にも負けず声は届いて、つばめの脚も彼女の元まで届いたらしい。

「ああー、やっぱり誰かと思えば」
しゃくりとアイスキャンデーを齧り取った。
「リベンジ?アンタね、こんな所で大立ち回りしたら風紀だ何だの連中が黙ってないわ」
また一口。頭がキーンとしたので頭を押さえる。

一週間とか色々あろうが、狐耳は果たして出た。
「――アンタが何やってるのか気になっただけ。てかこれ治るの?何かやたらと体質に?しっくり来るんだけど」

魔術を視る能力が高ければ、呪いというか魔力の流れがつばめ本来の魔力や外部から受けている魔術に食い込んで勝手に外れにくくなっている、ことがわかるかもしれない。

バラル >  
「ふぅん、つまらないわねぇ……
 何って 遊びついでの世界征服に決まっているもの。
 私は魔王よ?」

 退屈そうに眉を顰め、文句を受ければ――改めて魔的要素を観察する。

 少なくとも外見からは、特記されるようなものはない。
 耳実も尻尾もない。とは言え、おかしくなっているのも確かな模様だ。

「あら、仕掛けたものは簡単なものだけれど?
 時間で解けない呪いもばらまいていると言っても、貴方のはそうじゃない筈だし……
 ……あー、変なもので解呪を試みて拗らせたのかしら?」
 

松渓つばめ > 「魔王」
軽く引いた。まあでもそういう人種もいるのですねと気を取り直して。フゥン、と相槌のようなそうでもないような。
「マ、本人がわからないなら良いわ。あたしもこれ、困ってるワケじゃない。耳が少し良くなった気もするし」
乾燥した口調で応えると、で、何?と続ける。
「世界征服って、あたしの時みたいにテッキトーに罠バラまいては引っ掛かるの見て笑ってるの?
公園に落とし穴掘るチビっ子みたいなことして」
話しながらすこし軸をずらして近づき、魔王の横、距離を置いて壁に寄りかかった。冷たい。

バラル >  
「あら、煽る? 
 魔王の沽券に関わるから、それは挑戦と取るわよ。
 その負けん気は好ましいけれど――」

 薄く されど 深く。
 過剰にならぬ程度に口元を釣り上げ、冷徹に笑みを剥く(きばをむく)。

「――今度は容赦しないから。」
 
 其処に、魔力に頼るような振る舞いはない。
 純粋な意のみを向け、威圧に掛かるか。
 
   

松渓つばめ > 恐怖よりもおかしさを感じて、同じ方向に視線を投げたままクッと笑っていた。
「そりゃ煽るわ。あたしだって負けっぱなしはヤだし一度くらいは勝っておかないと――まあ打率三割くらいはね?」
長期戦?しかし喧嘩でもなんでも、そういう関係があってもアリだと思うのだ。

「容赦なく、ね。そんな所で会ったら……いや、
むしろアンタそんな所にばっかりいる訳?」
容赦なく戦える所というと落第街の奥のほう、人の手の入っていない場所、転移荒野。
大丈夫なんかい、と思ったが、口には出さなかった。
魔王のコケンってやつだろう。プライドだけは高そうだし。
「――まあいいわ」
「容赦無い勝負なら今ここでもできるけどね。場所のルールに従えば」
親指で背後を指した。自称魔王にとってはつまらない戦いかも知れないが――。フン、と鼻で息。

バラル >  
「ふぅん。
 ……気が乗らないわねぇ。断るわ。」

 ゲーム機を示されれば、珍しく断った。
 意外にも思えるかもしれないが――

「これで勝っても、貴方を畏怖させる事はできないもの。貴方が失うものは何もない。
 初めから私にご褒美のない、貴方の有利にしかならないゲームなど、ゲームじゃないわねぇ。
 だから気が乗らない。BETも供物もなしに、貴方のルールに従う理はないわ。」
 
 故に却下する。
 それでは勝負を受けるに値しない と。
 

松渓つばめ > 「あ、そぉ」
さらっと流す。『へぇ、負けるのが怖い?』と煽り直しても良かったかもしれないが、何せ魔王だ。
魔王なら、彼女の言う通り不利な戦いは――いや対等なのも通常好まない。有利を覆されんのが大好きなんだきっと。
「そしたら、アンタが有利か、さもなきゃ供物でも用意して戦うしかなさそーね。
――アンタ名前は?あたしはつばめ、っていうんだけど」

棒だけになったのをペッと吐き捨てた。木なのでエコ。

バラル >  
「強者が勝ち目を与える為にハンデとしてルールを変えるのならば兎も角、
 負けた側がハンデを要求したとして、それを呑ませるには相応のものが必要よ。
 少なくとも、私を見ていない貴方に掛ける慈悲はないわ。
 
 …………負けるのが怖い、と、煽り直さない所だけは評価しようかしら?」

 冷たく笑い、言い放つ。
 ――敵意も好意も畏怖も怒りも殺意も、強く向けられる念はどれでも好む。
 だからこそ、有象無象と同列に扱われるのは困るし嫌う。

 つまるところ、彼女は正でも負でも"■■"を集める事を欲する。
 世界征服を掲げ魔王を名乗ることも、元を正せばそこに起因する。
 魔王として、バラルとして在りたいがために、それを蒐集する。
 
 去年に行動を起こさなかった事も、そこに起因するのだろう。
 例え真の■だって厭わない。
 但し、それまでには皮を留められるよう、名を色濃く残さねばならない。
 個体としての話に留めてはならない。
 
「――ああ。成る程。
 呪いを魔力として認識しているから解けないのでしょうねぇ。だからなじむ。
 だからこそ貴方はとても強くなるかもしれないけれど、勇者にはなれないタイプ。」

 名前を問われれば――。

「つばめね。……まぁいいわ。なら、魔王バラルよ。
 精々この魔王バラルの恐ろしさをその身に刻んで逃げ帰りなさい って言ったじゃない。忘れたの?」
 

松渓つばめ > 「忘れたわ。あんまり怖くてチビる所だったもの」
腹を冷やしたことの副産物、かもしれないが。
「嘘だと思う?ああもコテンパンにされたのは久しぶりだったんだから。
フフン――やっぱり決めたわ、リベンジさせてもらわないと」
腕を組んで、面白いものがあったことに気づいた、と魔王に顔を向け笑みを。

「まっ、今日はスゴスゴ逃げ帰りますけどねー。イケニエの持ちあわせがなくって」
と、冗談めかした。今度会ったら菓子折り持って自宅にお邪魔しタイマン張ってやろ、と思いながら。

ポン、と手で壁を叩いた反動で前に出て。
「じゃあ勝てたらあたしが勇者?良いわね、勇者――」と、何かを思い出しながら、少しゆっくりとしたステップで歩いていく。「んじゃね、なんていうか、首洗って待ってなさいな」と振り返り手をぴろぴろと振って。

ご案内:「歓楽街」から松渓つばめさんが去りました。
バラル >  
「――いいえ。」

 去り際の彼女へ、声を掛ける。

「勝てても勇者じゃないわ。
 勇者じゃないから、とても強くなるでしょうけれど。
 それでも勇者として勝つつもりなら――そうなれるように呪ってあげる。」

 去り際の彼女へ、確かに届くように声を掛ける。
 振り向く頃には、バラルの姿は消えているだろう。
  
 

ご案内:「歓楽街」からバラルさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ > 「……何をしているのかしらね。私。」

 落第街の前まで来て、引き返す。
 身体と心は兎も角、頭では連日通い詰め過ぎても収穫は乏しいだろうと判断した。
 故に、手持ち無沙汰に歓楽区を歩いている。

(確かに、私より強い奴も無法な奴は無数に居るし、
 それに任せれば良い話なのも、確かよね。
 少なくても、今は敵ではないのだもの。)

 故に何をする必要もない。とは言えそれでも、ざわつくものはある。
 
(とは言え、無力ね。本当)  

 ……結局何も出来やしない。
 何時も通りの無力感に苛まれながら、彷徨いている。 
 

水月エニィ >  
 
 渇きを覚える。
 ……自販機で適応な炭酸飲料を買い、飲む。
 
 路傍に身体を置き、雑踏を眺めた。
 

水月エニィ >  小さく首を振る。
 思う所を振り払うようにそうするえば、人の流れに消えて行った。
 

ご案内:「歓楽街」から水月エニィさんが去りました。