2016/08/15 のログ
水月エニィ > 「あ。    」

 ゲーセンとイカガワシイお店の脇にある路地の前に見覚えのある誰かが立っている。
 そして、その見覚えのある人物Aの立っている位置を確かめる。 丁度間、間だが。

「――……悪いとかじゃないけれど、そう言うお店 行くの?」

 視線をイカガワシイお店の看板に向けつつ、言葉に迷ったような調子で訊く。
 

雨宮 雫 > 「ん?
      ん?」

丁度、相手側も自分を認識したらしい。
軽く挨拶でも  の前に、先手を取られて飛んできた言葉に首を傾げる。

ドコに行くというのか?
その姿勢のまま、相手  まぁ、エニィの視線をなぞるように背後を見た。

店が目に入った。
入り口脇に色々とメニューと金額が書いてあった。
学生でも手の届かなくもない設定だった。

よって、速やかに理解できたのだろう、顔に 成る程 と浮かんだ。

「いやいや、行かないかな、かな。
 ボクそんなに飢えてないから  ここに用事はあったけどだね、だね。」

朗らかに手を振って否定した。

水月エニィ >  
「……そう。」
 
 ひとまずその通りに受け取って頷く。
 用事については追及もしない。

「こんばんわ、雫。」

 そして改めて 軽く挨拶。
 

雨宮 雫 > 「ぁ、これ信じてない顔してるのだね、だね。
 1ビットも信用していない人間の顔だね、だね。

 あーうん、こんばんわかな、かな。
 ちょい久しぶり位?だね。」

不満げに眉を寄せるものの

どうすれば信じるだろう。
財布の中にポイントカードとか割引券とか無ければ信じるだろうか?
いや、自分なら信じないな、と思ってこの路線は諦めた。

「まぁ、仕事終わったんでもういいのだね、それは。
 エニィはゲーセン目当てかな、かな?
 それなら遅くならないようにね、夏休みだから余計に変なのが沸くケース多いからね。」

水月エニィ > 「いえ、わけ隔てなく信じるわよ。
 その方が良いもの。」

 当然の如く言ってみせる。
 ……其処に嘘はない。 
 
「変なのに絡まれるのはいつものことだけど……
 そうしようかどうしようか、少し迷っていた所。
 私の異能は知っての通り負け犬。例えゲームでも勝負であるならろくすっぽ勝てないもの。
 そもそもゲームってものが勝負のようなものだし、クレーンゲームも駄目ね。」

 大きく肩を竦め、首を振る。
 それでも何故、立ち止まっていたかと言えば。

「だけど異能を試すつもりでなら何か分かるかも。
 ……と思っていたけど、どうにも気が乗らないのよね。

 最初から負けるつもりで勝負しに行くのは、必要でないならとても癪だわ。
 ……こんな異能を持っているって意味で言えば何時もの事かもしれないけど、ちょっと違うわ」
 
 

雨宮 雫 > 「…………うーん?
 うん、まぁいっか。」

返答に何か引っかかったのか。
少し考えるような素振りを見せたが、すぐに次の話へと押し流されて消えていった。

「いつものコトってのもどーかと思うけどかな、かな。
 白黒がつかないゲームは中々ゲーセンでは難しいね。

 引き分けとか時間切れ狙いが無くもないけど、勝てない場合の妥協案みたいな感じだし。

 まぁ、ゲーセンでそんなピリピリした空気でもねえ。
 周りも困るし、お金もかかるし、そういうの試すなら携帯ゲームでもいいんじゃないかな、かな、

 エニィの異能って無条件でONになりっぱなのかな?だったら、大分、不便だね。」

最近はスマホでもネット対戦できてタダだよ、と。

「ゲーセンの入り口で長話ってのもアレだけど、中行く?
 行くなら、ボク、帰るからお別れだけども。」

水月エニィ > 「良く分かんないけど、勝てたと思った事はないわね。
 最近だと妥協案を引き出した事はあるけれど、それも向こう側の気分のようなものだもの。
 テストの点数は基本取れるけれど、たまに取れなかったりするわ。」

 大きく肩を竦め、溜息。
 実の所どうにも良く分かっていない。
 少なくとも勝てない事だけは確かだ。
 不運や理不尽な暴力や乱暴に見舞われる事は大分減った。無くなってはいない。

「携帯ゲーム、ねえ……そうね、少しだけ考えてみるわ。」
 
 とは言え、気に掛かる点はあれど試すにはもってこいかもしれない。
 その様に思えば今日の所は此処で興じる気はなくなったのだろう。ゲームセンターから一歩離れた。

雨宮 雫 > 「白黒の場で灰色の妥協で良ければ、まぁ、それも勝ちの一つかも?
 イレギュラーではあるけど……テストはちょっと切実かな、かな。
 そーいう因果に絡むような異能は、調整とか制御し辛いしねぇ……研究のし甲斐はあるみたいだけど、だね、だね。」

色んな異能があるわけだが、中でも

効果の見え辛いもの。
発生から結果が出るまでが把握し辛いもの。

この2点は研究からまず捗らないコトが多いらしい。

「課金しなければタダで遊べるから、試すにはいいんじゃないかな、かな。
 あ、帰り道どっちかな?
 一緒なら、途中まで歩こうだね、だね。

 ボクも後は帰って……今日は寮に帰るから、だね、だね。」

駅の方へ足を向けながら……ふと思い出した。
黒星から受けた "強めな異能持ちを拉致せよ" というお達しに……目の前の相手は該当するのでは?

ん。と、顎に手をやって、少しエニィから視線を外した。

水月エニィ >  
「その時も、『そう言う意味では、この場は汝の勝ちでいいのではないか。』
 確かにそう云われたわね。でも、結局は灰色よ。勝ってはいないわ。
 ……これでいいのか。白を捨てないと、灰色を白には出来ないもの。
 異能に下る事になる。勝つこと諦める事になってしまうわ。」

 貌に皺が寄る。それで妥協するには自分が許さない。
 勝てない身からすれば。負けを知っている身からすれば。
 ただ単に諦めて誤魔化す事にしかならない。

 ……強い口調で言い放つエニィからは、憤怒・怨嗟。
 そのようなものも垣間見えるか。個人に向けている風には見えない。

「ええ、一緒に途中まで行きましょう。
 此処に行かないなら帰るつもりだったもの。」

 一瞬、観察めいた妙な視線を覚える。
 とは言え直ぐにそれは消え失せたし、雫が何かを観察するような事は割とあることだ。
 少なくともエニィは雨宮雫をそう認識している。
 いずれにしても、訝しむ事はない。
 

雨宮 雫 > 「異能をどーにかする、OFFれるようにするか、別の異能にでも目覚めるか……?
 そんな薬でもあればいいけど、そーいうのって昔からロクな結果にならないんだよね、だね。」

例えば、仙人になる薬とか。
超常のものを得ようとするのに対し、不確定効果で支払うものは確定で高いモノしかないのが お約束 であるし。

一時期、能力増強だか増幅だかで出回ってた薬も手に入れたが、大概な代物であった。

よって、ここで薦めるコトはしない、が。

「……ボク的にも努力を遮るような異能とかはどーにかなることを祈って止まないかな、かな。
 どーにせよ、何にせよ、積んだ時間には報われるモノがあっていいハズだと思うしだね、だね。」

エニィの隣を歩きつつ、頭の片隅で 誘拐 について考えながら、言葉を返す。
もう、エニィを見ずに前を向いている。



ひっそりとリスクと手段の検討をしながら、話をしている。

水月エニィ >  
「別の異能があった所で、この異能がなくなる訳ではないわ。
 ある意味、私が居る事がその証明みたいなものだし。」

 誰にも語っていないことではあるが。
 この身が水月エニィそのものかと言えば少々怪しい。

 元より 今現在私自身が居る事が奇蹟のようなものである。
 居る筈なのに居なくなってしまった鏡花ハルナの穴埋めとして存在を許されている。
 だから、多元化が収束する為のご都合に振り回された結果だと認識している。
 今の所、そのようなものだと解釈している。

 だから例えどのような異能を得たとしても、肉体が変わったとしても。
 それだけでは自然消滅することはない――そんな風には思っている。

 封印については出来るものなのか。
 まだ、試した事はない。

 ……歩みを進める 彼がこちらを向いていないのは考え事を投げているからだろう。
 その様に思っている。
 いずれにしてもすいすいと歩いていけば、歓楽街を過ぎ、気が付けば学生街へとたどり着く。
 其処から少し歩けばエニィの女子寮へとたどり着く。

「じゃ、私は此処だから。
 ……それとも泊まる? 雫ならすんなり入れるかもしれないわよ。」

 女の子っぽいから と言う意味です。
 
 

雨宮 雫 > 「異能を封じる異能とか、あるかもしれないじゃないかな、かな。
 強化したり、増幅したりする異能があるんだから、ね。

 エニィが何か、その異能に思い入れがあるのは分かったから、具体的にどーこーって話じゃないんだけども、まぁ、ぼんやりと思いついただけの……
 あれだ、与太話ってヤツだね、だね。」

その与太に乗ってくるようであれば、違った話をしたかもしれないが。
現状で雫の側からプランの提案をするようなトコロではない、という感じ。

異能へのアプローチを試みるとしても、エニィのような異能は中々、難しいものであるし。

「うーん、男子生徒としては惹かれるハナシかもしれないけど。
 ボクは品行方正、優しい保険課の生徒ってイメージで売ってるから遠慮しとくかな、かな。

 あと、ボク、すんなり入れても嬉しくないからねっ。」

好きでこんな顔とナリをしているわけではないのだ、一応わ。

蟲をつけるのもまだ早いだろう、女子寮にだって目端の利くものが一人や二人 いや、十人二十人居ても全く不思議じゃないのだし。

というわけで。

ひーらひーらと手を振って、にこやかに笑って離れていく。

「それじゃおやすみなさーいかな、かな。
 ボクも自分の部屋に帰るのだね、だねー。」

水月エニィ >  
「与太話。ねえ。いずれにしても安定してそれを成せるようなツテはないわ。
 そのようなものが存在して運用されていれば、この島も色々捗っていそうな気がするけれど。」

 大きく溜息をつく。
 思う所はあるが、試すだけ試す事に異存はない。
 不安もあると言えばある為、ある程度の信頼は置蹴るものだと望ましい所でもあるが。

「そう。話し込むのも楽しそうだからちょっと残念ね。
 とは言え、そのイメージで売っているなら仕方がないわ。」

 すんなり入れても嬉しくないとツッコミが入れば苦笑して誤魔化す。
 ともあれ、離れていく彼へは。

「ええ、また会いましょう。
 おやすなさい。雫。」
 

雨宮 雫 > 「夜中に話し込みたいなら、寮じゃなくて外泊かな、かな。

 保険課はイメージも大事だからね、ひひひっ。
 まぁ、おやすみなさーいかな、かな。」

言ってる端から矛盾してるようなことを言ってるが、まぁ、取り止めも無い話なんかそんなもの、だろう。

そのまま、去っていく姿はすぐに見えなくなっていくだろう。

ご案内:「歓楽街」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から水月エニィさんが去りました。