2016/09/15 のログ
ご案内:「歓楽街」に谷蜂檻葉さんが現れました。
■谷蜂檻葉 > 歓楽街。
その大通りには日が落ちてなお明かりが満ち、
むしろ単色の光から様々な色に満ちた其処はより目に煩い輝きを放ち、
雑雑とした、音もまた通りに満ちている。
「―――あ、れ?」
その中を、あまり街の景観に似合わない制服姿の少女が歩いていた。
手にメモを持って、鞄を掛けたまま街を歩くその姿はまさしく
「……あ、ヤバい迷ったかも。 さっきの所右じゃなくて左?
でもメモに書いてあるお店は通ったからそこじゃなくて……んー。」
ご案内:「歓楽街」に加賀見 初さんが現れました。
■加賀見 初 > ひょこり ひょこり と独特の歩き方で街をいく。
治安は学生街に比べるとあまりよろしくない歓楽街だが、まぁ勝手知ったるなんとやらでもある。
当然、その街の風景も見慣れたもので。
……浮いている存在は、目に留まりやすい。
「谷蜂さん、こんなところでどうかしたのかい?
ナンパ待ちならここよりも繁華街のをお勧めするし、一夜の相手にしても同様かな。
ここら辺でこの時間の一人歩きは危ないよ」
備考:今日のTシャツにはデカデカと サラミ王 と書いてある。
■谷蜂檻葉 > ふと、聞き覚えのある声に振り返る。
「あ、えっと―――……加賀見さん。」
顔を、そして衣服を、そこで視線が惑い、やがて彼女の右足に視線が移り
それから少しの間を置いて、脳裏に引っ張り出してきた相手の名を呼ぶ。
「ええ、あまりそのつもりもなかったのだけどね。
今日だけ開いてるって話を聞いて地図を頼りに歩いてたの。
……ま、どうにも作成を頼んだ相手を間違えたみたいだけれど。」
軽口をヒラヒラと撒く加賀見に、苦笑気味に手元のメモ書きをヒラヒラとさせて応える。
「『ペヌエル』っていう呼び名のお店を探しているの。 ご存じないかしら?」
言の葉に慣れた様子を感じた檻葉は、丁度いい相談相手として問を返す。
■加賀見 初 > 「どれ、ちょっと地図を見せてもらっていいかい?」
手を出して地図を貸してくれ と催促。
「それと『ペヌエル』がどんなお店かの情報も。
見知っていても、記憶と一致していないことも間々あるものだからね」
念には念を入れるスタイル。
情報は多いほうがいい。
「後は……この辺りで制服の着用は気をつけた方がいいね。
最悪、勘違いされて補導されるよ」
■谷蜂檻葉 > 「ええ、どうぞ。」
そこには、女性的な丸文字がそこかしこに散らばった、デフォルメした付近の様子が書かれている。
線と点、そして大きないくつかの丸で作られた『地図』は目印の建物の記述、
そして方角からのおおよその予測はできても、近くまで行けばあとは勘に頼るしか無いだろう。
この付近に詳しければ、もう1つ隣の路地だと理解できる。
「雑貨屋さん、って話よ。 色々とごちゃごちゃおいてある『ゴミ屋敷みたいなところ』って。
描いた子も1回行ったきりだからそのぐらいしか――――
あ、そうそう。今もあるかは知らないけど、
『赤いドラム缶』が店の前に置いてあったって言ってたわ。」
曰く、彼女の友人がその店の中で『本も幾つか置いていた』ということで、
彼女はそれを探しに来たらしい。
「勘違いって、『客引き』って事? 少しは顔も効くから大丈夫だと思うけど。」
■加賀見 初 > 「……また個性的な地図だね」
やや半眼になりつつも、書かれているランドマークから場所を照らし合わせていく。
女性的な丸文字は読むのに抵抗はないものの、解読には多少のコツを要するのも事実で。
「これが、あそこだから……多分、現在地はこの辺。
で、件の『ゴミ屋敷みたいな赤いドラム缶がある雑貨屋』は」
指を刺す。
「あちらの方だね、隣の路地だよ」
そのまま地図を持ったまま店に向かってひょこりひょこりと歩き出す。
「『客引き』かもしれないし、『売春』かもしれないし、『薬の売買』かもしれないし……。
まぁ、治安はそれなりだけれど良いわけじゃないからねこの辺りは」
李下に 冠を正さず だっけ? と付け加えて。
■谷蜂檻葉 > 「もう見慣れたものよ。 大体は読めるけど最後は結局虱潰しになるのよね。」
時間短縮は出来るからいいんだけど。 と肩をすくめる。
この「地図」との付き合いの方がどうにも長いらしい。
「あー……なるほど。曲がるタイミングが少し違ったのね。
ここの狸、そこの動物の剥製じゃなくて信楽焼だったのかな。」
パチン、と指を鳴らす。 意味もなく楽しそうだ。
「自衛ならそれこそ心配ないわ。 やるときはやるのよ?私。
そも、声が掛かるとも思わないけどね。」
クスクスと笑いながら、案内に歩き出す加賀見の後ろをゆっくりと着いて行く。
■加賀見 初 > 「当たりをつけるには、なるほど有用だね」
くすりと笑って、路地を曲がる。
「ただ、目印にするなら看板か何かにするのをお勧めしておくよ。
……その狸、今月に入って三代目なんだ」
なぜか頻繁に壊されるらしい悲しき運命を背負った狸の三代目。
なお先月は5代目までいったらしい。
「何も知らない風紀にキミが【売る側】だと認識されないかって話さ。
あと、キミの容姿なら後一時間もいれば確実に声はかかるよ。
『姉ちゃん幾らだ』ってね」
肩を軽く竦めながらも、路地の先には派手な赤いドラム缶。
どうやら看板も兼ねているらしい。
■谷蜂檻葉 > 「聞いてくれればいいんだけどねぇ。 三崎って―――あぁ、描いてくれた子なんだけど。
あの子、『興味を覚えたもの』だけ覚えて目印にするから……。」
以前、加賀見の言うように「看板など目印に描いてくれ」
と言った日には『看板の絵だけ』を覚えているとのたまった。
「ハ。 それ、冗談きついわ。」
色々な含みを持って、そう笑う。
……恐らくこれ以上の”忠告”は彼女を不快にさせるだけだろう。
「お、あったあった。
――――いやよくこれ、三崎はお店だと思ったわね。」
足を止めた先。
そこには確かにドラム缶があった。
間違いなく軒もあった。
けれど、その軒先にまで『ゴミ-中古品-』が散乱しており、文字通りのゴミ屋敷の様相だ。
欠片も商売っけは見当たらないし、むしろ入った所で”原住民”に追い出されても文句は言えない。
それだけ、『店らしさ』はなく。
けれど確かに、『פְּנוּאֵל Peniel』と書かれた看板が軒の頂点に掛かっていた。
だがやはりこれもゴミの一部にしか見えない。
「教えてくれてありがとね、おかげで助かったわ。」
■加賀見 初 > 「……いっそ、写真でも撮ってもらうかGPSで記憶しておくべきかもしれないね。
ピンボケ写真か、そこらじゅうにピンが刺さってる未来が予想できたけど」
ああ、これはあきらめる案件かな と笑って。
「そう、性質の悪い冗談さ。
……それくらい頭の固いヤツと酔っ払いが偶にいるってだけでね」
対するこちらは困り顔。
「不快に思うかもしれないけれど、ボクが自分でどうにもできないからね。
前もって忠告しておくしかできないんだ、すまないね」
謝罪だけはしておく。
「どういたしまして。
さて、これが件のお店らしいけれど……」
思いっきり眉を顰めている。
うん、お店に見えない。
「帰りは一人で大丈夫だろうし、ボクはそろそろ帰宅するよ。
弟がお腹を空かせているだろうからね」
■谷蜂檻葉 > 「今日日化石なアナログ娘に機械を持たせること自体不毛よ。
あの子、ノートパソコンを私が見てる中で、一瞬目を離した隙に原因不明のショートさせたのよ?」
あの機械への相性の悪さは異能に近いわ。 ……そう締めくくった。
謝罪には、理解を含めて首を振った。
「……ええ、弟さんに宜しく。
しかし、見るだけで骨が折れそうで今からワクワクするわね。
それじゃあ、また今度。 次はもう少し落ち着いた場所で会えると良いわね。」
何か軽食でも奢らせてもらうわ。
そういって朗らかに笑って彼女はゴミ屋敷に足を向けた。
―――やがて数分も経たずに何かが崩れ落ちた音と、
今しがた聞いていた声の悲鳴があがったが、さほど重要なことでもないだろう。
ご案内:「歓楽街」から谷蜂檻葉さんが去りました。
■加賀見 初 > 「それはむしろ、異能なんじゃないかな……」
なんの役に立つかはともかくとして。
以前に店を訪れた客の中には5分後の天気がわかる異能者がいた。
意識しないといけないので、夕立を避けることもできないと笑っていたっけ。
「ああ、それは楽しみだね」
と返事を返して、ゴミ屋敷から歩き去……
「……ああ、もう!!」
どうやら帰宅が少し遅くなったみたいです。
ご案内:「歓楽街」から加賀見 初さんが去りました。