2016/10/22 のログ
ご案内:「歓楽街」に因幡幸子さんが現れました。
因幡幸子 > そういえば。
そう、そういえば、なのである。

「……こっちの世界って魔法とかふっつーにあるのよね。」

何せ学校の授業科目にあるくらいだし、先日目の前でも見たばかり。
どうも一口に平行世界と言ってもその間には大分隔たりがあるらしい事に私は今更のように溜息を吐いた。

「ま、うん。それは置いとくとして……そんな事よりこっちのが大事ですよ大事!」

但しその溜息の理由は摩訶不思議でファンタジックな事柄とは程遠い。だって私は普通の女子高生なんですから!
で、溜息の理由はと言うと私の面前に並ぶヘッドホンの数々がその答え。どいつもこいつも私の耳に合いやしないのだ。
だからこうして昼間っから往来もそれなりにある繁華街の店頭で独り喧しく危ない人のように声も出るし
地団駄を踏んで耳が激しく上下に揺れもする。宛らデスメタル系の人がやる動きみたい。

「畜生っなんて私に優しくない世界なんですかね!月まで届くデスヴォイスが出掛かってしま……おや?」

一頻りそんな動きを満喫(?)し満足(?)した私が視界をぐるりと廻らせるとなんということでしょう。
家電量販店らしくジャンルに捉われない品揃えの中にハロウィンの仮装セットがあったりするじゃあないですか。
吸血鬼
狼男
魔女
ミイラ男
フランケンシュタイン
なまはげ
どいつもこいつも見慣れた仮装の数々は私の世界にも馴染み深くて親しみ易い。たぶん。
添えられているのはきっと店員さんが描いたであろうポップで、店内にも多数品揃えが云々と目に喧しくも愉しいカラフルさで記されている。

「ふぅーん……ふぅぅぅーん?」

色鮮やかならばきっと色々で、その色彩は暇つぶしにもなるのだろう。等々私の脳味噌が頑張った結果の結論を拾い上げて私は一先ずお店の中へ。
お金にそう余裕がある訳でも無いけれど、それで気分まで余裕を無くしちゃ面白くないですからね。
私の尾は白いけど。

因幡幸子 > 何処かで聴いた事があるようで聴いた事の無い有線放送に歩調を併せて気分良く店内を闊歩し
かくしてハロウィンコーナーの前に辿り着く私を迎え撃つのは、店頭に並んだ仮装に加わる援軍達っ。

鎧(西洋系)
鎧(和風系)
鎧(なんか特撮系)
鎧(ビキニアーマー)

「はいぃ……?」

ちょっと待てここは防具屋か何かか。
思わず周囲を見回すけれど「防具は装備しないと効果がないんだぜ」とか言う店員は居ないし
何処からどう見ても普通の店内だった。傍らにトゲ付きの鉄球とか剣とか並んでるけど。

「まー流石に金属製ってこたあ無いですけど、それにしてもまあ凄いですね。」

勿論全部本物って訳ではなくてプラスチックやら塩ビやらで玩具めいてはいるのだけど
私の目を奪うには十分が過ぎて暫し感心して関心して呆けたようにその場にぼんやり。

因幡幸子 > トゲ付き鉄球を持った全身鎧がお菓子を迫ってきたら流石に怖いのではなかろうか。
思わず泣いてしまいそうだけど、そうすると今度はなまはげが隙を生じぬ二段構えで攻め込んでくるに違いない。
そう可愛らしい顔を青褪めさせもしてみると、隣にはトゲ付き肩パッドにレザーハーネス、モヒカンカツラの3点セットが
お買い得セール!とやらでワゴンに転がっていた。何でも五つ買うと3割引でご家族で云々とポップに可愛く描かれたモヒカンがウィンクしている。

「………」

見なかった事にしよう。
そう強く決心し私の視線はチープな鎧に戻る。
この武者っぽい鎧なんかは中々ウケ狙い的にも良さそうかな?と首を傾げもしてみるんです。

ご案内:「歓楽街」にルベールさんが現れました。
因幡幸子 > 「あ~でもでもでも、あれですね!いろんな人の印象に残るなら……こっち?」

私の真っ赤なお目目は真紅が鮮やかなことこの上ないビキニアーマーに向きました。
金縁メッキが何処と無く高級感があるようなないような、そういった作りで
御丁寧に胸のサイズ別に幾つかある辺り作ったメーカーの頭の悪さが知れますね!

「もう冬だってのにこんなの着たらきっと皆さん不憫に思ってお菓子が大量ですよこれは……」

うひひひひひひ……おっといけねえ。的に不敵な笑いに零れもしてない涎を拭うジェスチャーをし
お値段が安い事もあって私は武者鎧とビキニアーマーを手に取りました。うーん2個持つと流石にちょっと重みを感じます。

尚、傍から見たらとっても怪しい人かもしれませんが、私は当人なのでそんな事しったこっちゃありません!

ルベール > 「仮装ねぇ。………」

思うところがあるのか、歴戦の戦士は様々な衣装を見上げながら、重みのある言葉を吐く。
というか私の昔の恰好が一番仮装じゃねーか、ということは口にはしない。

鮮やかな金色の髪を揺らしてやってくる長身の女。
左手は包帯まみれだが、気にする素振りも無く。頭の悪そうなじゃらじゃらとしたストラップをつけた携帯電話を手に店を見回す。

「うわっ、懐かし。」

思わず声に出てしまうのは、ファンタジー色満載のビキニアーマー。
素肌に直で金属とか意味が分からないが、確かにこれ着たことがある。
着た時にも同じようなことを向こうの世界で言われた。
自分よくこれ着てたな、なんて思いつつ、ふい、と見回すとそのアーマーを手にする少女を発見。
着るのか買うのか、ちょっと気になって視線を送ってみる。

着るなら写真撮ろう。

因幡幸子 > 私の計画はこうだ。
この冬に似合わない鎧とも言えない鎧を着て防寒用のコートを羽織り!
そして道行く人の前に飛び出し……あれこれ警察の御厄介になりますね?
不敵に笑う私の首がさもわざとらしく困ったように傾いた。

「……あーはん?つまりマントですかね、マント。まあこれはなんか布買って何とかなりますね、うんうん。」

傾いてびよんと戻って意気軒昂。鼻息ふんすと荒げて一先ずはサイズチェックって奴です。
一応試着も出来るようなので遠慮なく更衣室に踏み込みもしましょうか!
尤も流石に買うかどうかまだ判らないものを直にE:するなんてお行儀悪は致しません。
きちんと下着の上から着けますとも。

「ちょっと微妙に肩に来るかも……でもまあ、毎日着るもんでも無いしこんなもんですかね?」

かくしてやたらめったら出っ張る肩アーマーやらどうみても頭守る気ないだろ的な兜やらも装備して
別の意味でファンタジックな赤備えとなったのがこの私!颯爽とカーテンを開けて温度差に豪快にくしゃみを一つ。

「ぶえっくし!」

ルベール > 「はい笑ってー。あ、ちょっと撮らせてね。」

カーテンを開けた先にいる女。無遠慮に写真を取ろうとして、ぱししししししし、と連写モードがうなりを上げる。

「………おー、やべ、自分以外だとめっちゃ可愛い……。
いいよねそれ、買うの? 似合うと思うなぁ……」

自分で着ている時はそんなこと思わなかったけれど、他人が着ているのを見れば目が輝いてきてしまう。
この季節というのにほぼ水着のようなそれを身に纏った少女の写真を見て、わー、わー、と喜ぶ女。

大変迷惑な客なのだが、本人はなんにも気が付いていない。

因幡幸子 > 「いやーこれはか弱い私には厳しいかもわからんね!」

山賊の親分みたいに笑って誤魔化す私に襲い掛かるカメラの撮影音。

「…………おぉん?」

突然の出来事に首をナナメにキメたガンくれスタイルをしてしまうのも無理からぬ事で
だがしかし直ぐに何時もの私に戻ります!
だって目の前の女の人、とっても背が高いし何だかこう、逞しかったので。

「……いやいや勝手に撮ったら犯罪ですよ!まあ私を撮りたくなるのも判りますけどー
それはそうと買うかどうかはまだ未知数って奴です。お菓子一杯貰えそうなら考えるんですけどね。
どう思います?飴ちゃん100個くらい狙えそうですかね。こう…お菓子をくれなきゃイタズラするぞ♡
みたいな感じで!」

しゃなりしゃなりと歩いて見せて取り繕った媚びた声で感想を訊ねもしてみましょうか。

ルベール >  確かにルベールは強そうかもしれない。
 身長差から言えば、ちょっと見下ろすような感じだろうし。
 左手の包帯は何かしらのスポーツの怪我にも見えなくもないだろうし。

「いけるいける、100個くらいすぐじゃない?
 きっといい感じに目立つと思うなぁ……」

 可愛い可愛い、って無邪気に褒めながら、手を伸ばして頭をすり、と撫でて。
 物怖じ・人見知りはあんまりしません。

「これも可愛いよね、ちょっと不思議な感じしたけど。」

なんて言いながら、耳に指を触れさせ、ふわふわもこもこのそれをふにふにと擦る。
おお、暖かいしめっちゃリアルじゃん、なんて当たり前の感想をつけながら。

因幡幸子 > 「お菓子富豪って奴ですねいやあ参りましたね贈収賄で捕まったらどうしましょうかね?。」

当たり前の話なんですが可愛いって言われて大小の差はあれど嬉しく無い訳がないんです。
だからまあ大きな手が頭に乗っかると一寸驚きもするんですけど許してしまう度量の深さを示……

「\ぎょえええっ/」

ダメでした。
示せませんでした。
多分ちょっと、当人的には優しく触れたつもりでもその実強かったりする体育会系のノリが私の耳を特に理由無く襲うッ!!
そして襲われた方の私は悲鳴コンテストがあったら3位入賞は硬いな……とかグラサンかけたコーチが言いそうな声が出てしまいました。

「ち、ちょっと本物!それ本物ぉ!私の耳ですよ耳!」

溺れるものは藁をも掴む。的に私のしなやかなお手手が空中をもがくようにバタついて手を離すように伝えるのです。