2016/11/10 のログ
ご案内:「歓楽街」に濡鼠さんが現れました。
濡鼠 >  
「そら君達。此方へどうぞ」

 歓楽街。その片隅。
 拍子木片手にせむしが笑う。
 目深にフードを被ったせむし。
 その相貌は伺えぬ。
 

濡鼠 >  
 行楽日和の歓楽街。
 右に左に出店が並び、道行く先には人、人、人。
 そんな街の片隅に、並ぶ小さな露店が一つ。
 並んだ品は骨董品。由来も知れぬガラクタばかり。
 だが、時折、胡乱とした目の客が尋ねる。
 
 全く自慢の舶来品、何処、幾らであられるか?
 
 尋ねられればせむしは笑い、袖より小さく答えを渡す。
 
「当方自慢の舶来品。此処ぞ、幾らか聞かぬが華よ」
 

濡鼠 >  
「さぁさ、皆も立ち寄っとくれ。
 物珍しい品ばかり。当方自慢の舶来品。
 どれもこれもが珍品名品。
 眼鏡に叶えば、是非、その手に」
 
 目深にフードを被ったせむし、拍子木叩いてよくも笑う。
 

濡鼠 >  
 せむしは襤褸な椅子に腰かけて、右に拍子木、左に手招き。
 ちょいちょい道行く人へと向ける。
 
「こちら、品々。いずれも売り物。
 さぁ、どうか。どうか御手に」
 

濡鼠 >  
 往来、道行、露店を覗く遍く人。
 ある人はその骨董を手に取り、ある人はタダ冷やかして道行。
 ある人は……せむし店主の袖より受け取る。
 舶来品の道行数多。
 如何者が手を渡り行く。 
 
 せむし店主はただ、笑う。
 

ご案内:「歓楽街」から濡鼠さんが去りました。