2016/11/19 のログ
ご案内:「歓楽街」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > ここは歓楽街。その名の通り、娯楽に溢れた一角だ。そんな場所だから男の姿もここでは目立たない。
…筈だ。だが、黒いサングラスにスーツ、おまけに左腕が無いとくれば。
ヤ○ザかマフィアの類と見られてもおかしくはないだろうか。
本人は、そんな自分の見栄えなどさして気にも留めず、堂々と往来のど真ん中を歩いているが。

「あーークソ、金が尽きた。またどっかのチンピラとかから逆カツアゲして巻上げるしかねぇかなぁ」

主な収入源はそれだ。この異世界に来て1ヶ月近く経過している…一応、島には慣れた。
慣れた…が、元々がアウトローな気質だからか、こういう歓楽街や落第街等が男の性に合っている。

黒龍 > そんな男のコワモテにもめげず、商魂逞しく店への呼び込みに何度も声を掛けられている。
が、金が無いので相手にしない。流石に食い逃げとかでここの治安組織に追っ掛けられるのは面倒極まりない。
スーツの懐をゆっくりと漁り、取り出したのは煙草…ではなく葉巻だった。
それを口に咥え、人差し指に点した小さな火の魔術で点火する。

「…ハッ何処もかしこも商売繁盛で何より。そういや何とか祭ってのがやってるんだったかぁ?」

喧騒の様子や、店のラインナップ、外で売り出し中の臨時屋台等を見て呟く。
酒でも飲み歩くか、風俗店で女を抱くと洒落込みたいが…兎に角金が無い。
咥えてるこの葉巻も、実は落第街で絡んできた羽振りの良さそうな男を逆にぶっ飛ばして頂いた物だ。
その残りの本数も少々心許ない。それなりにヘビースモーカーなので、葉巻の消費スピードも早い。
紫煙を燻らせながら…むしろ、歩き煙草で注意されかねないが男は気にしない。ゴーイング・マイウェイ。

黒龍 > しかし、ニンゲンの姿というのは…いや、今は左腕が無いせいかバランスが悪い。
魔術なり龍の生命力で自己再生すれば…とは行かない。この左腕は再生出来ない。
早い内に義手を何とか確保したいものだが、そうそう安価に出回っているとも思えず。

(落第街辺りにゃ流通してそうだが…安価でも欠陥品掴まされたら意味がねぇしな)

葉巻を蒸かしながら内心でそう一人ごちる。周囲に気を配っていないが何故か往来の誰かにぶつかる気配は無い。
向こうからぶつかってくる輩が居れば、それはそれでこちらの好都合ではあるが。

「つーか、そもそも金がねぇーんだよクソが…」

まともにお仕事出来るような男ではないので、基本的に奪う発想が真っ先に出る。まさに見た目どおり…かは分からないが、そんな感じではある。