2016/12/01 のログ
フィアドラ > 『嬢ちゃんが払えないっていうのなら嬢ちゃんの親に払ってもらおうかのう!のう!』

そんな風な変な喋り方で大きな声で話かけてきますが…。

「あの、私のお父さんは元の世界にいてお母さんは死もういないんですけど…。」

『そ、それは悪い事聞いたな。ごめんよ。じゃあそれ以外のお前の周りの連中に払ってもらおう…かのう!』

一瞬普通の喋り方に戻りました。何でこんな変な喋り方なんでしょうか…。
でも、そんな事より。

「周りの人は巻き込まないでください…お願いです…何でもします…。」

そう言うのを待ってたかのようなタイミングで倒れていた人が立ち上がろうと呻いています。
その様子を見た他の2人に起こさせてもらっていました。

『何も、ワシらやて鬼ではない…嬢ちゃんのその言葉に免じてそれだけは勘弁したる。
 だけど、いや、やけど嬢ちゃんにはきっちり働いて払ってもらう。そう!体を売ってでもなあ!ゴフッ!』
『『兄貴!!』』

そう言いきると同時に兄貴と呼ばれた人は口から血を吐きました。
大分無理して喋ってたみたいです…凄く申し訳ない気分になってしまいます。

フィアドラ > 「えっと、体を売る?お肉屋さんみたいにですか?」

そう言う風なイメージしか思いつきません。
でも、多分私は美味しくないとおもうのです。

『違う!その発想怖いわ!そう、体を売るっていうのはな…
 女の子が男の人に!ちょめちょめなサービスをしてやな!それでお金をもらうんや!』

ちょめちょめって何でしょうか?聞いたことのない言葉でした。

「ちょめちょめって何ですか?どんなサービスをしてあげればいいんです?」

『そりゃあ、お前ちょめちょめ言うたらその…え、エッチな事や!!言わせんな!』

耳まで真っ赤になりながら兄貴さんは教えてくれました。
もしかしたら、恥ずかしい事なのかもしれません。

「エッチな事ってどんな事なんです?私恥ずかしいことはあまりしたくないんですけど!」

『嬢ちゃん!図々しいな!!ワシ嬢ちゃんの事好きになりそうやわ…。
 ま、まあ、ええわ!今からアジトに連れて行ってじっくり教えてやるからな!いや、やるさかいな!』

『兄貴!!いくらなんでもマニアックすぎますぜ!こんな胸も尻も出てないし!ちびっこいし!竜人だし!
 相当なマニアでない限り!選ばれませんぜ!』
『阿呆!そういうマニアに大金を出さすんや!常世祭でこういう相手を目当てに来てる客もおる!
 そう、今がチャンスなんや!!』

ひそひそと目の前で話をしていますがだいたい聞こえています…。
確かにちびっこいですけど…選ばれるかどうかは別だと思います!
何にかはわかりませんけど!

ご案内:「歓楽街」にセシルさんが現れました。
セシル > 「………。」

いつの間にか、ひそひそしている男達の近くにいる、風紀委員の制服を着ているすらりとした人影。
非常に、機嫌の悪そうな顔をしている。

「何が、チャンスなんだ?」

女性歌劇の男役でも、なかなかここまでの凄みは持たないのではないかという低音が、じっくりとその人影…フィアドラにとっては面識のある人物から、男達に向けて発せられた。

ご案内:「歓楽街」からフィアドラさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にフィアドラさんが現れました。
フィアドラ > 『げえ!!風紀委員!!』

兄貴さんたちはセシルさんの顔を見ると凄くびっくりしたような怖がってるような顔をしました。
いえ、明らかに怖がっています。

「セシルさん!久しぶりです!!あの、私がこの兄貴さんの骨を折ってしまって…。
 その治療費を払う為の仕事を紹介してもらってたんですよ!!」

セシルさんです久しぶりに会いました!

「だから、常世祭の今がその治療費を稼ぐチャンスなんですよ!多分!」

『へっへい!そうですよ!風紀委員の旦那!!バイトで稼ぐなら今がチャンスだよ!
 って教えてあげたんですぜ!!』

兄貴さん以外の二人は手をモミモミしながらセシルさんに話しかけています。
凄い不自然な笑顔です!
兄貴さんは…地面に倒れていました。

セシル > 「………。」

フィアドラが男達の説明?を完全に真に受けてしまっている様子なのを見て、沈痛な面持ちで頭を抱えながら溜息を吐いた。
実際に骨まで折れてしまっているように見えるのがややこしいが、それでも問題は問題だ。
改めて、ぎろりと男達の方を見やる。

「…そうかそうか、仕事の紹介か。
彼女は私の個人的な知り合いでな…労働契約などの知識に明るくない印象を持っているんだ。
したがって私も契約の場に立ち会わせてもらおう。

………正当な仕事ならば、何も問題はあるまいな?」

風紀委員らしくない、気持ちねっとりとした低音。
口元は不敵に笑うが、目は相変わらず笑ってないどころか不機嫌まっしぐらだった。

フィアドラ > 『まあ、ほらあれですぜ!えーと、兄貴!!』
『止めろ!傷に響く!!おっと、座ったままで失礼。
 ああ、確かに正当な仕事だともそんなにこの嬢ちゃんが心配ならそうしてもらっても結構だ。』

兄貴さんがさっきまでとは全然違う自信満々のカッコいい感じの顔をしています。
それでもおでこにはこんなに寒いのに汗をかいていました。多分痛いのを我慢しているんだと思います。

『それでは、病院に行かせてもらってもいいかな?いや、いいかいな?』

いちいち変な喋り方にはそれでも直しているようです。

「大丈夫ですか?兄貴さん?あの良かったら病院まで運びましょうか?」

『いや、お嬢さんそれにはおよばんよ、いやおよばんわ。
 それじゃあなお嬢さん方。』

そう言って私の肩を軽く叩くと兄貴さん達三人は去っていきました。
路地を出た辺りで『うわー恐ろしかったわー!』とかそんな声が聞こえました。

「あっ!治療費っていつ払えば…行っちゃいました。」

気がついて声をかけるも少し遅かったみたいです。

セシル > 「病院への同行は必要………ふん、行ってしまったか。
いっそ表の病院まで引っ張っていければ裏が取れたものを」

セシルが病院への同行を申し出るか出ないかのタイミングで、猛然と去った三人組。
不機嫌な目つきは多少緩めながらも、それでもやっぱり不機嫌そうに鼻を鳴らしながら三人組が去った方向を見つめていた。
…が、気配が遠のいたのだろうか、一気に力を抜くような溜息を吐いて、フィアドラの両肩に手を伸ばして掴もうと。

「………無事で良かった」

フィアドラの方を向いてうなだれるセシルの目は疲れたように伏せられており、眉間には悩ましげな皺が寄っている。

「………いいか、フィアドラ。
ああいう風に、『お前が悪いから言う事を聞け』と言われてやらされる仕事は、大体ひどい仕事だ。突っぱねて良い。というか、突っぱねてくれ…」

疲れた声(それでもきちんと地声でなくする辺り、無駄に芸は細かい)でそう言って、深い、長い溜息を吐いた。

フィアドラ > 「えっ、あ、ありがとうございます。でも、私は怪我とかしてませんよ?」

確かに凄い勢いでぶつかりましたが私は頑丈なので怪我とかしていません。
それに、もし怪我をしてもすぐに治ってしまうのです。
だからなんでそんな風に言われたのかが良く分かりませんでした。

「えっでも、実際に私が悪かったので…もし、断ってたら風紀委員に捕まってブタバコに入れられてクサイメシを食べる羽目に…
 あれ、セシルさんは風紀委員さんだったんですか!?じゃあ、突っぱねるのが正解なんですね!!」

前は普通の制服だったので分からなかったのですが服が変わっています!
今は風紀委員の制服です。あと、その制服だからどうかは分かりませんが
…あと匂いも変わってる気がします。石鹸みたいなにおいです!

「分かりました!今度からはそんな風に言われたら突っぱねるようにします!」

風紀委員さんが言うのなら間違いないのです!!

セシル > 「………連れて行かれなくて良かった、という意味だよ。
ひどい仕事をさせられずに済んだわけだからな」

よく分からない様子のフィアドラに、優しい苦笑いを浮かべながら返す。

「…どういう経緯で怪我をさせてしまったかの検証は必要だし、場合によってはお説教くらいは受けるだろうが、少なくとも彼らの言っていた「仕事」で金を稼ぐ必要はないぞ。
それは別の話だし…何より、表のちゃんとした病院にかかれるなら、普通の骨折に多くの治療費はかからん」

「突っぱねるようにする」というフィアドラの決意に、「そうしてくれ」と返して笑う。
実際のところ、過失傷害と言えなくはないだろうが、様子を観察するにどう考えてもあちらが「当たり屋」をやろうとして相手を間違えただけだったので、フィアドラが「ブタバコ」に行くことはないだろうと踏んで。
…そもそも、何かの負債を元に身を拘束するというのは「人身売買」のよくある手口なので、この手の問題への対処のために真っ先に習うのである。

フィアドラ > 「ちょめちょめってひどい仕事だったんですか!
 えっと、もしかして私騙されてたんですか!?」

どんな仕事かは分かりませんが酷い仕事だったみたいです!
ショックです!怪我をさせたのに仕事を紹介してくれるなんて良い人なのかもって思ったのに…。

「そんなにお金がいらないっていうことは…じゃあ、簡単に治るんですね!
 良かったです!」

もしもずっと治らない怪我とかだったらたとえ悪い人だったとしても何となく嫌です。
なので、あんまりひどくない怪我で良かったとおもいます。
口から血を吐いた時は死ぬかもしれないって不安になりましたがいけるというのならいけるのです。

「…いい人と悪い人の区別ってどうやってつければいいんでしょう。
 どんな人のいう事を信じていいんでしょう?…分からなくなっちゃいます。」

もしかしたらあのままセシルさんが来なければどうなっていたでしょう…。多分酷いことになっていたのです!

セシル > 「…やっと理解してくれたか」

はぁ、と安堵やら疲労感やらの溜息を吐くセシル。

「簡単に…かはどうかは彼がどんな治療法を選ぶかにもよるがな。
少なくとも、ちゃんとした医療施設ならそう困ることはないはずだ」

フィアドラの「怪我」への理解が極端な気がして、やんわりと留保をつける。

「…いい人と悪い人の区別、なぁ…
全てを網羅するわけではないが…」

うーん、と腕を組んで眉間に皺をよせ、悩む顔。
しばし、そうしていた後…

「………いい人は、フィアドラが自分の身を守るために役に立つ話をする。
悪い人は、フィアドラが悪い人にとって都合のいい存在であってくれるように話をする。

………というのでどうだろうか?無論これが全部ではないが、これ以外の基準は、もう少し勉強してからでないときっとこんがらがってしまうだろうから」

「単純過ぎる気はするがな」と困ったように笑いながらも、そんな風に話をした。

フィアドラ > 「人間は怪我を治すのも大変なんですね…。」

私は怪我をしてもすぐ治って病気にもかからないので
あんまり分からないのです…。

「私が自分を守るために役に立つ話をするのが良い人…。
 その人の為の話をするのが悪い人…。」

なるほど、私の為になるのが良い人!信じていい人で
自分の為に私を都合よくしようとするのが悪い人!
なるほど、分かりやすいような感じがします!!

「…じゃあ、セシルさんは良い人ですね!!
 今日だけでも凄く良い人ですよ!」

そう、身を守る話を一杯してくれたので凄く良い人なのでしょう。
そんな話をしていたらもう、辺りは真っ暗。すごく夜です
もう帰らないとですが…。

「あの、セシルさんところで…どうやればあの女子寮のほうまで帰れます?
 えーと、道に迷っていたのを思い出しました…。」

きっと、良い人で風紀委員のセシルさんなら道を知っているに違いありません!!

セシル > 「…そうかもしれんな。
だが、必要に駆られてとはいえ手を差し伸べ合う術を洗練させてきたのも人だ。

少なくとも私の故郷はそうだったし…ここも、大差はあるまい」

そう語るセシルは、人の「脆さ」を慈しむような柔らかい表情をしている。

「そう、特に悪い人は隠し事をしたがるから、そこにも注意するんだ」

一応、それなりに真剣な表情で付け加えた。何か、極端に走りそうな気がして。
…が、セシルを「良い人」と讃えるフィアドラのオーバーリアクションに、少し苦笑気味。
フィアドラにとっては些細なことだとは思うのだが…言っていないこともあるし。

「女子寮か…まずは大通りに出て………
路地を出たときの左手側に行って居住区に出たら人通りが落ち着くから、後はいつも通りの道になっているはずだ。

…委員会に引き継ぎ連絡をして、送るか?」

人通りを考えて、比較的混雑していないルートを考えるが…少々心もとない。
というわけで、そんな提案をする。

フィアドラ > 「はい、私も人間のそういうところ好きですよ。
 みんなで力を合わせるのって凄いですよね!」

もしかしたら私のもといたところでも、もっと人間が協力していたらきっと大変だったと思います。
そう考えたら元のところでは程よく人間が協力してなかったのかもしれません。

「隠し事ですか!分かりました!」

隠し事をしたがる人は悪い人。これも覚えました!
これでばっちりです!例え今度同じことがあろうとも騙されないでしょう!

「えっと、大通りに出て路地の左側に行けばいつも通りの道…
 …あの…じゃあ送ってもらっても大丈夫ですか?」

少し不安だったので送ってくれるならとても嬉しいです!
軽く尻尾を振りながらはやくはやくと前を進みます。

「あっ!そういえばこの辺りは見たことないお店が多かったんですけど何のお店か分かりますか!?」

そんな事なんかも尋ねながら女子寮まで帰って行くのでした。

ご案内:「歓楽街」からフィアドラさんが去りました。
セシル > 「そうか…貴殿も好きなら何よりだ」

人の脆さがピンとこない側にいるということは、「脅威」と受け取られる場合が多いだろうことは想像出来た。
それでも、人のそういう特性を寿げるフィアドラの純真さが好ましくて、セシルは柔らかく目を細めた。
…もっとも、危うく騙されるところだったところを見ると、好ましいとばかりも言っていられないのだが。

「ああ…それじゃあ、少しだけ待ってくれるか?」

頷いてから、一旦断りを入れて通信機器を使って連絡を取る。
地点や事情をかいつまんで説明しているのが、聞き取れるかもしれない。
…それが終わると、再びフィアドラの方を向いて。

「…それでは行こうか。女子寮は私の住まいでもあるから、道はばっちりだ」

そう言って、に、と大らかな笑みを浮かべた。
そして

「あのお店は…そうだな…」

そうして、答えられる範囲でフィアドラの質問に答えながら。
セシルは、フィアドラの歩くペースに合わせて女子寮の入り口まで送り届けたのだった。

ご案内:「歓楽街」からセシルさんが去りました。