2017/09/23 のログ
神代 理央 > サンドイッチを完食し、残ったココアを啜りながら再び新聞へと目を通す。
島内で発行されている学生向けの新聞。日本の大手新聞社が発行する全国紙。アジア経済圏の政治・経済を伝える新聞等、数社の新聞をゆっくりと、時間をかけて読み進めていく。

「…取り立てて目をつける様なニュースは無い、か。やはり、この島は兎も角、周辺国家では稼ぎにくくなっているのかもしれんな」

島内では、違反部活群や二級学生が起こす問題等、報道のネタには事欠かない。
それに比べれば、島外の新聞は随分と平和なものである。大変容直後ならば兎も角、少なくとも極東アジアについては概ね平和になっているらしい。
だからこそ、世界各国が此の島の技術や人員を狙っているのだろう。

「…そう考えると、此の島の存在が島外での戦争を止めているとも言えるのか。いやはや、食わせ者だな、常世財団というものは」

小さく苦笑いを浮かべつつ、幾分温くなったココアを流し込んだ。

神代 理央 > 持ち込んだ新聞に一通り目を通し終えた頃には、カップの中身も空になっていた。
新聞を鞄に仕舞い込み、会計の為にカウンターへ向かおうと立ち上がる。

「……そろそろ、本格的に動かねばならんかも知れないな」

支払いを終え、店から出る間際にぽつりと呟く。
その独り言を聞いていたのは、開かれた扉から店に吹き込む秋の夜風だけ――だったのかもしれない。

ご案内:「酒場「崑崙」」から神代 理央さんが去りました。