2018/08/01 のログ
ご案内:「酒場「崑崙」」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 喧騒と欲望が渦巻く歓楽街にあって、乱痴気騒ぎから切り離された数少ない場所である崑崙。
その一角、店の奥に設けられた席で向かい合う少年と男の姿。
少年は軍服紛いの制服に身を包み、男はTシャツにジャケットという有り触れた格好。
既にテーブルの上には空になった皿とグラス。酒瓶と果実水のピッチャーが並んでいる。

「…ふむ、ご苦労。短期間にしては十分な情報量だ。謝礼は弾もう」

『そいつはどうも。ああ、支払いはCの口座で頼みます。何時もの口座はちょっと使えなくなっちまったんで』

男から差し出された記憶媒体をタブレットで閲覧し、満足げに頷く。
それを見て安堵した様に息を吐き出した男は、報酬について短く要望を伝えると席から立ち上がった。

「おや、もう出るのかね?今夜は奢るぞ?」

『タダ程怖いものは無いんでね。それに、一仕事終えた後は遊びたくなるもんでしょう?』

まあ、別に男と長話をするつもりも無かった少年は小さく肩を竦めると了承したと言わんばかりに頷く。
男の方も小さく会釈を返すと、足早に崑崙から立ち去って行くのだろう。

「…情報屋というのも便利なものだな。次の任務で出会う機会があれば、殺さず使ってみるのも良いかもしれんな」

落第街を根城にする情報屋との会談を終えた少年は、テーブルの上に残った果実水を飲み干して喉を潤した。
静かな店内に、氷のぶつかる音が僅かに響く。

神代理央 > タブレットを仕舞い込み、店員にデザートを注文する。
テーブルに並べられた皿は次々と片付けられ、後に残ったのは己が嗜んでいた果実酒のみ。

「…さて、これで次の任務は半ば決まった様なものだろう。穏健派の先輩方には、暫く大人しくしていて貰わねばな」

学業と任務の合間を縫って情報を集め、血気盛んな風紀委員達にその情報を横流し。
後は、勝手に連中が段取りをつけてくれる。己の異能と魔術を試す、格好の練習場を。

「こうして裏方で立ち回るのも勉強の内だが…いやはや、慣れぬうちは金にモノを言わせるしかないか」

とはいえ、自身の人生経験の無さは否定できない。
無理な背伸びをしていることを十二分に実感しているからこそ、僅かに自嘲する様に溜息を吐き出し、果実水を飲み干した。

ご案内:「酒場「崑崙」」に早瀬ハヤトさんが現れました。
早瀬ハヤト > 「こんばんは、綺麗なお嬢さん、おじさんだけど隣いいかな?」

にやにやと笑い顔を浮かべながら、
いつのまにか隣に立っているのは、国語教師だ。

隣いいかな、と人に聞いておきながら、
彼はすでに席についてお酒を注文している。

神代理央 > 最初は、落第街ではありふれた男女の絡みかと思っていた。
しかし、その声が己に投げ掛けられた事。
そして、此方が返答する前に席についた男がその声の主で有ることに思考が繋がれば、心の内に苛立ちが湧き出るのは当然ではあったが―

「今晩は、早瀬先生。残念ながら可憐な女性ではありませんが、むさ苦しい男子生徒と同席で良ければ」

その相手は2年生を担当し、風紀委員に所属する教師。
学年が違えど、流石にその顔と名前くらいは知識として持ち合わせていた。
苛立ちを社交的な笑みで押し隠しつつ、自分に何用だろうかと僅かに怪訝そうな瞳を彼に向けるだろう。

早瀬ハヤト > 彼は神代の返答を聞き、はははと笑い声を漏らす。

「冗談だよ神代くん、改めましてこんばんは。
 むさくるしいなんてとんでもないさ。愛すべき生徒じゃないか。」

からんからんと音をを立てて、酒の入ったグラスを揺らす。

「なんだいその眼、なんで僕に声をかけてきたんだ?とでも思ってるのかい?
 仕事終わりに一杯やろうって立ち寄った酒場に
 見覚えのある顔が居たら声をかけるさ。
 同僚なら寂しいんですぅ~~一緒に飲んでくださぁ~~~いって、
 生徒なら、そう………」

彼は、一旦そこで言葉を切る。

「こんな時間にここで何をしてるんだい?くらいはね?」

神代理央 > 「愛すべき生徒なら、冗談の類は多少考慮して頂きたいものですね。こう見えて、線が細い事は気にしてますので」

口調は慇懃無礼だが、特に怒りや苛立ちといった感情を含んではいない。彼の言葉に応える様に、少し軽口を含ませた様な口調で肩を竦めるだろう。

「おや、せっかくの歓楽街なんですから女の人と飲めば良いでしょうに。風紀委員とて、個人個人の付き合いまでは口出ししませんよ?
……とはいえ、私も人のことは言えませんが。少し知り合いと会っていたもので。残念ながら男ですけどね」

別段隠し立てする様な事でも無いが、根掘り葉掘り聞かれるのも面倒。どうしたものかと僅かに思案した後、取り敢えず無難な返事でお茶を濁す事にした。
話がてら果実水の追加を注文し、球形の氷が浮かぶグラスに軽く口をつけて喉を潤した。

早瀬ハヤト > 「気にしなくていいと思うけどなぁ、せんせぇは結構好きだぞ。
 ま、そういう問題じゃないか、はは、悪かった。
 その追加の果実水はせんせぇの奢りでいいから許してくれ。」

大して悪びれた様子もなくヘラヘラと笑うと、
駆け付け一杯とばかりに飲み干した後、もう一杯お酒を頼む。

「せんせぇなぁ~今月ピンチなんよ~
 生徒に1杯奢るくらいのお金は持ち合わせてても
 きれぇなおねぇさん侍らすお金はありませんわ。」

わざとらしく首を振る。
ただ単に、仕事帰りに寄ったらいの一番に
よく見知った顔が目に入ったから、と、そういうことらしい。

「知り合いねぇ、最近の若い子はネットとかで知り合った人とかとホイホイ会っちゃうんだから。怖いねぇ、まったく。」

そういって肩を竦める、それ以上追及する気は無いようだ。

「風紀での仕事ぶりとか見てるとさ、
 君はちょーっとばっかし危ないトコがあるからねぇ
 あんまりヘンなコトしちゃあダメだよ、親御さんも悲しむでしょうに。

 ま、ヘンなコトをしないように僕がいるんですけどね。ははっ。」