2018/08/02 のログ
神代理央 > 「それじゃあ、遠慮無くご馳走になります。とはいえ、先生も余り財布に無理をさせすぎてはいけませんよ?」

なごやかに進む会話。彼の言葉に相槌を打ちながら、時折此方も喉を潤す。

「私も十分最近の若い子に入る部類だと思うんですが、生憎友人を作るのが苦手な性格でして。ネットの中ででも、会える人を見繕えるというのは尊敬しますね」

別段尊敬はしていないが、そこで会話を締めくくり一息。
だが、次いで投げ掛けられた彼の言葉には僅かに瞳を細めて首を傾げる事になるだろう。

「…まあ、風紀委員としては時に危険を引き受けるのも義務の様なものですから。それに、両親も多忙の身。私が怪我をしたくらいでは、悲しむ余裕も無いでしょう」

憎悪、と言うほどでは無いが、家族の話題になれば僅かに表情に不機嫌さが交じる。
それを隠す様に、幾分大袈裟に肩を竦めてみせるだろう。

早瀬ハヤト > 「へーきへーき、生徒に果実水奢れるくらいは稼いでますんで。
 ご心配ありがとうございます、へへ。」

常世学園の先生の給与がどの程度なのかは分からないが、
神代のような人間が通っている時点で悪くはないのだろう。

「そうかい?君は人と仲良くする感じにせんせぇ見えてたんだけどなぁ
 意外と友達少ない系なの?せんせぇと一緒じゃん。はは。」

 そんじゃあ今日会ったのはネットで知り合ったー
 とかじゃあなくて、ごくごくふつーの知り合いってことかい?

 君みたいな生徒が仲良くするにゃあ、
 また随分と変わったお友達に感じるね、こんな場所で会うってのは。」

にたにたと笑いながら、神代の顔を覗き込む。

「そりゃまた随分と寂しそうじゃあないか、
 人肌恋しかったらせんせぇにいつでも抱き着いていいぜ?……なんちゃって。

 ま、君にもいろいろ思う所はあるんだろうけどさ、
 怪我くらいなら全然いいけど、死んだりしたらまずいからね、
 そこだけは気を付けて欲しいなぁなんてね、せんせぇ思っちゃうんスわ。
 
 ね?オーケイ?」

顔を寄せたまま、自分のあごに指を添えてにたぁと笑う。

「……そろそろいい時間だよね、あー、神代くん、
 どこ住みだっけ、近くまで送ってくよ。」

早瀬ハヤト > 神代の返事を確認することなく、
彼は立ち上がると二人分の会計を済ませ、神代を店の外へ促す。

『……ま、要注意ってトコかねぇ、
 余計な手出しまでは、しなくていいか。』

彼は教師という立場上、生徒のなんとなくの家庭事情くらいは知っている。
もちろん、こみいった事情までは分からないのだが。

家族の話題に見せた不機嫌な表情、大げさな仕草も合わせて考えれば、
何かしら問題を抱えている事は明白だろう。

生徒の健やかな成長を助ける事。

一応それがこの国語教師の仕事で。
彼もそれを目的としている事だけは間違いない。

「ほらほら、さっさと帰るよ~~
 グリコでもやりながら帰ちゃってもいいけど、
 おじさんにゃあ似合わないかな、はは。」

そんな事を言いながら、早瀬ハヤトは酒場「崑崙」をあとにした。

ご案内:「酒場「崑崙」」から早瀬ハヤトさんが去りました。
ご案内:「」に神代理央さんが現れました。