2015/06/03 のログ
ご案内:「落第街大通り」に薄野ツヅラさんが現れました。
薄野ツヅラ > 「────あっは。」

落第街にそぐわない風貌の少女が一人。
赤ジャージにヘッドフォン、小柄な体躯にきちんとはいた制服のプリーツスカート。
おおよそ「落第」とは縁のなさそうな快活そうな姿。
そんな少女が、落第街で笑みを浮かべる。

薄野ツヅラ > 刺激の──ない、と云っては語弊があるが、飼いならされる牧場のような学生街が、少女は嫌いだった。

「こういう薄暗いごちゃごちゃした場所こそ、"五月蝿い"から好きなのよねぇ。薄ぐらぁい感情も、後ろめたい思いも。
全部纏めて食べちゃいたい」

くう、と小さく伸びをする。
一歩間違えば────自分の命すらも危ない。
そんなギリギリの応酬が繰り広げられるこの落第街が、少女は大好きだった。

薄野ツヅラ > 「面白いことがないようならここに長いするメリットもないのだけれど…」

きょろきょろ、と落第街の周囲を見回す。
誰か暇そうで。且つ面白そうな、遊んでくれる人はいないかなァと。

「暫く、ぼけっとしていようかしらねぇ」

薄野ツヅラ > 数刻の沈黙。
少女は退屈だ、と判断したのか落第街を後にする。

「エキストラの中の主役は今日もなし、と」

がっかりするような、はたまた安心するような声。
赤ジャージは、落第街に背を向けた。

ご案内:「落第街大通り」から薄野ツヅラさんが去りました。