2015/06/15 のログ
ご案内:「落第街大通り」に緋依さんが現れました。
■緋依 > 落第街大通りの一角、居並ぶ怪しげな商店のうち、薬屋の中から、ゆったりした足取りで出て来る。
見送りに出てきた店員に掻取をゆると捌いて柔らかに一礼を返し。
「今回は本当に助かりんした……後日改めてご挨拶に向かわせて頂く心算で御座いますが、何卒、基方様の方から御主人様にも吾が感謝していたとお伝え頂けますと……」
一頻り談笑した後、受け取った紙袋を片手にゆったりした足取りで大通りを歩き出す。
店員が店の中に戻ったのを確認すると、くふ、と口元を隠して笑み。
■緋依 > 「やれやれ、危ない処で有りんした。これを切らしては商売になりませぬ」
がさり。
揺らす袋の中には商売道具である怪しげな品物がいくつか。
まるで天国に咲くが如く美しいが猛毒を持った花、一筋酒に垂らせば豪傑をも狂わせる毒。
島の外では大よそ御禁制と考えられる品々を包む紙袋を、大事な赤子でも慈しむような手つきで撫で、ゆるりと息を吐き。
「とは言え、此処に集まった一癖も二癖もある皆々様に、何処まで吾の浅薄な技術が通じる物か……甚だ心配な処では御座んすね」
通じなかった場合、安くはないこれらの品物が無駄になる。
それはそれは勿体ないなあと、商売人は空に向かって一人心地。
■緋依 > 物憂げに溜息をつきながら、紙袋の上に柔らかく頬を置き。
「大旦那様もほんに人がお悪い……吾一人を斯様な秘境に寄越すなんて……」
応援の一人も寄越してくれたらいいのに。
この場にいない主人に恨み言を吐き出したと同時、小さな段差に躓いて。
「あ、っと……!」
いけない、と言う暇もなく、袋から小さな藍色の小瓶が飛び出す。
小さな星の如き金平糖めいた薬をたたえた小瓶は、ころころと道の先へと転がって行って。
■緋依 > 「……全く、先が思いやられる事で」
溜息ひとつ吐き出すと、ころころ転がる瓶を追いかけて小走りに歩き出す。
ぱたぱたと草履の音を鳴らしてゆく男に、通りを行く人々は特に注意を払うことはない。
やがて、行きかう人の群れの中へと、紗の掻取羽織った後ろ姿はしゅるりと消えて行って……。
ご案内:「落第街大通り」から緋依さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にカルマさんが現れました。
■カルマ > 「おはようございます!」
(発言のさわやかさとは裏腹に正面扉を腰の捻りを加えたドロップキックで粉砕しつつ店内に乱入する。床を踏み砕き受身を取り埃を払いつつ飛び上がる。そこは酒場だった。だが垂れ込み情報によりただの酒場ではなく、違法薬物を製造していることは判明していた。名目ばかりの令状を酒場のカウンターに叩きつけると宣言して)
「さぁて! とっととここに書いてあるもん渡してもらいましょうか!?」
(敵意をあらわにするマスターの顔に書類を見せ付ける。腕に光る腕章はすなわち風紀委員。)
■カルマ > (たむろする連中には女一匹が殴りこみをかけてきたことで明らかな嘲りの色が見えたが、風紀委員の腕章が威嚇効果となり女に手を出そうとする人物は見えず)
「それでどうします? 出すのか出さないのか。はっきりしないとこわーい上の人たちにおいしくないご飯食わされますよ!」
(マスターがしぶしぶと頷き降参と手を上げる。ように見せかけて目つきの鋭い男共に包囲されている。出口はふさがれ裏口には鍵がかけられていた。女はため息をはいてメガネをビジネススーツの胸ポケットにねじ込むと、異能や魔術に反応して動く髪飾りに触れる)
「どんぱちはお好き? そう結構。私は大好きですよ。ということでおっぱじめましょう」
(首元を緩めて挑発的にカウンター席に腰掛ける。背中はがら空きだった)
■カルマ > 「こんなこともあろうかと今日はスペシャルゲストを呼んでます。カモーン!」
(外に向かい仲間を呼ぶ。同じ風紀委員か、あるいは別の同行者か。もしかすると通りがかりかも。こないかもしれないし、来てもいい。はったりかもしれない。男共が気を張る)
■カルマ > .. [1d6→3=3]
ご案内:「落第街大通り」に洲崎さんが現れました。
■洲崎 > おろ?
(ひょこ、と中を覗いている優男が一人。
覗いているだけだったがスペシャルゲストと言われ何故か
ここででなければならない!
とよく分からない使命感に駆られ)
やぁやぁどうもみなさん!僕が、この僕が!!
ゲストの洲崎です♪
(両手を広げ、高らかに宣言しながら入口に現れた。)
■カルマ > 「やったぜ!」
(がたっと席を立ち、さりげなくシャンパンを一本拝借して蓋を開けて中身を飲みつつ(9割は床に流れる)通りすがりの知らない人物に駆け寄って抱きつこうとする。成功しようがしまいが叫ぶのだ)
「お前らみんなぼっこだぞ! ほんとですよ!」
(男たちのなにやってんだこいつらという視線が突き刺さる)
■洲崎 > そうだよ~♪
何せこの僕が来たんだからね!
無駄な抵抗をしたら酷い目に遭っちゃうよ♪
(抱きつかれながら上機嫌に宣言する。
そしてこの場に居る者の中では当人同士しか知らない事だが…
この二人、初対面である!)
さぁ皆大人しくしてね。
暴れるとこの扉を見事に粉砕したキックが顔面に直撃するよ!
(そう言って女性が先ほどドロップキックで再起不能
にした扉を指さす)
■カルマ > (当たり前のように抱きついているがこの女と男、初対面である。まさか初対面というより片方は通りすがりの野次馬だったとは露知らず、粉々になった扉を見てビビる男たち。るんるんと歌など歌いつつ男の腕の中で瓶を扉を指す)
「オートミールだけしか食べらんないのいやっしょ? ねホラ悪いこと言わないからさ、捕まってどこかで木を数える仕事しよ! お姉さんうそつかないよ!」
(野郎と殴りかかってきた男一人がいたが、それを文字通り純粋な脚力だけで壁に吹き飛ばしめり込ませる。男に背を預け、右足を高く掲げてみた)
「いやーノリいいですねー君」
(小声で呟いて)
■洲崎 > (大の男が吹き飛びめり込んだのを見て…ハハ……と苦笑いをする)
まぁねぇ♪スペシャルゲストなんて言われたらあぁしないと♪
(小声で返し、男たちの方を見る)
さぁ皆♪
あんな風に愉快なオブジェとして壁に収まるのは嫌だよね?
(ニコニコと狐面の様な笑顔で問う)
■カルマ > 「スペシャルゲストおかわりどうですー? 嫌でしょ? 私はすぐ表で待ってる怖い顔のお兄さんたちに連れて行かれるほうがいいと思うよ!」
(まだまだ追加はいると示唆する。手を出せば包囲殲滅。しなくても女に吹き飛ばされるのがオチ。数人が手を上げて素直に応じ、どやどやと入ってくる風紀委員の実働部隊に連れて行かれる。そうして場の人間は次々姿を消していく)
「どうよ! これぞ異能力、魔術! イルージョン!」
踊るように男の腕から出たならば、胡散臭そうにこちらを見てくるマスターの背中を押して外に放り出す。残ったのは二人だけになるか)
「あれにいさん名前は? トム? タナカ?」
(思い出したように。素で名乗りを聞いていなかったらしい)
ご案内:「落第街大通り」に十三夜 伏さんが現れました。
■洲崎 > ハハ♪確かにこれはイリュージョンだね♪
(二度の暴力の行使のみであの場に居た全員を捕えた。
相手の抵抗の意思を徹底的の削ぐ、意図してかどうかまでは
分からないが、まさに魔術だ。)
僕は洲崎、一応先生やってるんだ♪
なんか面白そうなことになってたから覗いてたんだけど、いやぁ
凄いねお姉さん♪
(トムやタナカはスルーして答える)
■十三夜 伏 > 眼鏡の女と灰色の髪の男、ただ二人だけが残っていたと思われていた店内。
その一角に黒いもやのようなものが生じ――その中から一人の女が姿を見せた。
「やれやれ……騒がしいですね。おちおちカクテルも飲めやしない。ウヒャヒャヒャヒャ」
水色の髪に金色の瞳。巫女風の装束を身に纏った彼女こそ、
この落第街大通りに店を構える非合法義肢工房の主、十三夜伏である。
彼女は先ほどまでこの店でカクテルを飲んでいたが、店内の空気が変わったのを察し、身を潜めていたのだ。
■洲崎 > んん?まだお客さんがぁ…!?
(声に気付きふとそちらを見て驚愕する)
うわぁ…お嬢さん物凄い格好だね?
でも僕的にはそう言うの良いと思う!!
(煽情的な装束の十三夜を見て力強く親指を立てる)
■カルマ > 「…………んー? んー?」
(身を潜め酒を嗜んでいたであろう人物に目を向けると首をかしげる。何かの報告書で目にしたような、と。実働部隊でかちこみがメインの女にとって特徴だけで特定はできないよう。髪飾りがかすかに涼しい音を鳴らす。魔術あるいはそれに類するものの反応。これまた勝手に手付かずでおかれていたビール入りグラスをとると一口)
「ヤバそうな人たちとっちめたしのんびり飲めます!」
(疑問符を浮かべて相手をじっと見つめている)
■十三夜 伏 > 灰色の髪の男のほうを向くと、軽く微笑みを返す。
「ありがとうございます……あいにく流行のファッションには疎いのですがね。殿方にお褒めいただけるのは嬉しいものですよ」
若干前屈みになりながら笑顔。豊満な胸の谷間がよく見える。
「……仰る通り、私はただの客でございます。何やら不穏な空気を感じたものですからね。しばらく身を隠していたのですよ」
黒いもやの正体についてはまだ語らない。
■洲崎 > いやぁいいねぇ♪
貴方みたいな人が居るならここに通おうかと思うよ♪
(ありがたやありがたやと手を合わせて豊満な胸をガン見している)
流行なんて気にしなくてもそう言う格好を着こなせるんなら良いと思うよ♪
まねしたくでもそう簡単にまねできるような恰好じゃないし♪
あぁそう言えば、さっきのモヤモヤってお嬢さんの異能とか魔術?
僕そう言うのにも興味が湧いちゃうんだけど♪
■十三夜 伏 > 「ああ、これですか……あまりこういう場所でお見せしてしまうのも何なのですがね」
やや声のトーンを下げてそう言いつつ、右手で合図をすると、
ぬらぬらと光を放つ羽を持った黒い羽虫の群れがどこからともなく現れ、伏の周囲を漂う。
「……おっと、あまり驚かないでくださいね。彼らは異能や魔術の類ではなく……言うなれば私の協力者です。集まれば先ほどのように私の身を隠してもくれますし、私の代わりに戦ってもくれますよ」
■カルマ > 「はえー魔術? 異能? 身を隠すのに使えそうですね」
(仕事したわーと付け加えるとビールを追加で一口。飲もうとしてやっぱりやめた。カウンター席に座る。風紀の実働部隊の連中が店内に入ってこないことに違和感を覚えつつも、のんびりとカウンターに上半身を投げ出す)
「胸がっつり開いてる服とかめっちゃ凄い! やっぱり男ってそういうの好きなんですかねえ」
(平均的な己の胸板を見つつ、女の胸元をガン見。闇のように見えたそれが虫とわかるや顔が引きつる)
「ノーサンキュー虫嫌い。蝶にしてくれるとうれしいです!!」
■洲崎 > へぇ~虫かぁ♪
(協力者、そして異能や魔術ではないと聞いて…)
なるほど、お嬢さん異界の人だね!
やっぱり異界にも美人さんって多いなぁ♪
(そう結論付ける。
虫と話が出来る、もしくは虫を従える存在…生物の規格としてまず自分達と違う。)
■十三夜 伏 > 「虫はお嫌いですか……ですが蝶はお好きと。残念ですが、私に協力してくれているのはこの虫しかいないのですよ」
羽虫たちに対して露骨に嫌悪感を示した眼鏡の女の様子を見て、再び合図をすると、羽虫たちはまたどこかへ去っていく。
その後、男の言葉にも答えた。
「そうです。私はあなた方の言葉でいうところの『異邦人』でして……異能は使えませんが」
と言って、胸元から呪符を取り出し。
「この通り、魔術は少々」
■洲崎 > ふーん、異邦人で魔術かぁ…
(ちらりと呪符を見る、呪術を始めてすぐ出来る代物ではないね、
と心の中で呟き)
でもまぁそんな事はともかく!
お嬢さんのお名前を貸せてくれない?
あぁ僕は洲崎、よろしくね♪
■カルマ > 「ないんです? ひぇぇぇぇ」
(虫がぞわぞわと群れを成してどこかに消えていくのをみて己の腕で体を抱く。どうやら別の世界や次元などからやってきた人物らしい。取り出した紙切れ。異能や魔術の素質ゼロの女も知ったもの。呪詛を込めた紙切れ。)
「私はカルマといいます。この通りしがない風紀委員でして、やんちゃぼうずをぶん殴る簡単なお仕事やってます」
自己紹介のため席を立つと胸に手を当てて古風な一礼。腕章に風紀委員の文字がきっちり印字されており、身分を示している)
■十三夜 伏 > カルマと名乗った眼鏡の女は風紀委員であると自ら宣言し、腕章もはっきりと見せた。
仮に先日起きた違反生徒の暴走事件のことが風紀委員に知られているならば、
ここで素直に本名を名乗るのは得策ではないだろう。そう考え。
「私は……鮎川千恵子、と申します」
思いつきの偽名を名乗った。
「カルマ様に洲崎様、以後お見知り置きを」
■洲崎 > えぇ、よろしく鮎川さん♪
(笑顔で答える。相手の呼び方がハッキリしたので男は満足だ)
さて…騒動も終わっちゃったし僕は散歩の続きにでも行こうかな♪
■カルマ > 「OK洲崎ちゃん。縁あったらまた会いましょ! お姉さんはここの始末つけないと偉い人に怒られるからさ」
(女は言うと、虫遣いらしき人物の名前をぶつぶつと反芻した。にこにこと屈託の無い笑顔を浮かべて、今度はカウンターの中へと歩いていく。)
「へー鮎川さん。蝶も使えるようになったら教えてちょうだいね。蝶好きなんですよね。蜜吸うし」
(仕事の続きをやろうとしてカウンター内をごそごそしはじめて。もし洲崎がさるならばカウンターから身を乗り出して両手を振ろう)
■洲崎 > うん、今日は楽しかったよ。
それじゃぁ2人とも、またねー♪
(二人にそう挨拶し、男は店を後にする)
ご案内:「落第街大通り」から洲崎さんが去りました。
■十三夜 伏 > 「ええ、またお会いしましょう」
洲崎に軽く手を振って見送る。
「……さて、このカクテルはどうしましょうかね。支払いもまだ済んでおりませんし」
しばらく身を隠していた上、話している間は口を付けていなかったこともあり、
グラスの中の氷がすっかり溶けてしまっていた。
とりあえず残った分を飲み干し、グラスをカウンターに置く。
■カルマ > 「マスターはどこかの牢屋の中でこってり絞られるしツケとけばいいと思いますけど、どう? 払ってもいいけど」
(グラスがカウンターにおかれる乾いた音で顔を上げる。酒場のカウンター内に立っている風紀委員の上着を羽織った姿はシュールさをかもし出していた。女はウーンと唸って十三夜もとい鮎川の顔を見つめる。)
「どっかで見たような気がするんです。デジャブ? どっかでそんな感じの服装の―――あーもういいです。頭使うのめんどくさい」
(ひらひらと手を振ると、カウンター側から席側へ。口でそうは言っているが相変わらず人物の顔と容姿をじっと観察している)
■十三夜 伏 > 「……そうですね。今回はツケということにしておきましょうか」
マスターが捕まっているのであるから、払わずともバレなさそうだ。そう判断し、ツケにすることにした。
「ふむ?私に似た人を見た気がする……?気のせいではありませんか?こちらの世界では『世の中には同じ顔の人間が三人はいる』ともいうようですからね。ウヒャヒャヒャヒャ」
名は偽れど、独特の不気味な笑いまでは隠さない。
■カルマ > 「カルマさんの直感なんですけど、きっとあなた、風紀委員のお世話になってもおかしくないことやってると思うんです」
(女は言うと首を振って伸びをする)
「けど証拠ないしねー。証拠もなしにやっちゃうと怒られるの怖いしなんもしない。ねえ鮎川ちゃん」
(女のスタンスはつまりそういうことだった。頭がおかしい行動こそしても狂犬よろしく殴りかかっていくような性格ではなかった。くっくっくとつられて笑うと、己の頬に手をあてがう)
「同じ顔と言えば鮎川ちゃんも別のところで見たような気がするけどきっと違う人ですよねえ」
(ねー、と語尾をあげてみせる。しまいこんでいたメガネをかけて。いまだに踏み込んでこない実働連中を見ようと外に視線を向けて)
■十三夜 伏 > 「あなた方のお世話に……ですか。いやはや、御冗談を。そのような事、まったく記憶にございませんよ」
さすが相手は風紀委員だけあり、一筋縄ではいかないようだ。
最悪の場合、暗黒魔術による記憶操作を行い強引に忘れさせることも不可能ではない。
だが、それも周囲に目撃者がいればいずれ足がつくだろう。
いつまでシラを切り通せるだろうか――。
「別のところ、と仰いましても……それだけでは私かどうかは判断できかねますね。それこそ具体的な証拠でもなければ。しかし証拠がないのであれば……気のせい、としか言いようがありませんね」
ご案内:「落第街大通り」にライガ・遠来・ゴルバドコールさんが現れました。
■カルマ > 「ほんとそれですよね。疑わしきは罰せずって大昔の人がいってました。とりあえずカチ込んで捕まえてから考えるくらいにしたい」
(ニコニコと人懐こい笑みを浮かべてメガネの埃を拭き始める。相変わらず髪飾り――型探知機が震えており異能に類する力の作動を感知し続けている。女ははーっと大きく伸びをすると店内を見回して、カウンター台に肘をついた)
「うん。証拠あれば金星あたりまで吹き飛ばせるんだけどね、物理で」
(拳を握り締めてすぐに解く。とても残念そうな口調にて)
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > (……どうしてこうなった)
はじめは、ただ情報が欲しかった。
情報を仕入れたければ、定番は酒場である。それは落第街であっても同じこと。
というわけで大通りの一番デカい酒場にやってきたのだが、……なんと正面扉が粉砕されていた。
「なんじゃこりゃあ……」
思わずつぶやきが漏れたのが拙かったのか、あっという間に風紀委員会の実働部隊に囲まれる。
しまったと思ったがもう遅い、関係者かと連行されそうになるが、つかみかかる腕からひょいひょいと逃げる。いつのまにやら乱闘が始まり、その音は店内にも聞こえてくるだろう。
■十三夜 伏 > 乱闘の音が伏の耳にも届く。見ると、褐色の男が生徒会の実働部隊と交戦している。カルマの尋問から逃れる好機だろうか?
しかしここで逃げ出したり、ましてや男の側に加勢しようものならカルマからはますます怪しまれるだろう。
席に座ったまま、しばらくの間傍観に徹することにする。
■カルマ > 「楽しそうな音が聞こえる! OK、鮎川ちゃん。今日はなんもしないです。凄く怪しんでるけど証拠ないから。表のお祭り飛び込んでくるからヨロシク!」
(いくら怪しんでも証拠が無い以上動けない。そこだけは律儀な女だったが、表で乱闘が始まれば飛び出していくだろう。店内はもぬけの殻へ。)
「私も混ぜてよ! ずりぃーぞぉコノヤロー!」
(半壊した扉の外へ。どのような状況か。助太刀するためにスタンナックルの機能をオンへ)
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > 扉の外では、1人の大柄な男が困り顔で最後の一人にカウンターで当身をキメている瞬間であった。
当たりに散らばった連中は、一人残らずのびている。……のびているだけであり、目立った外傷は見当たらない。
「まいったな、風紀と関わる気はなかったんだが。
正当防衛……じゃ、許してくれそうにもないしなー。はーあ。……っ!?」
ため息を吐いたのもつかの間、1人の女性が叫び声をあげながら店内から飛び出してきた。
なんだここは。肉体言語でしか語れない人たちの巣食う場所だったか?
■カルマ > (実働部隊がことごとくへばっているのを見た。残ったのは一人の大柄な男だけだった。証拠はあった。ありました)
「へぇい! 風紀委員会の権限によりボッコにする!」
(腕章を見せ付けて指を指す。片手は腰へ。正当防衛かどうかは見てないのでわからなかったが、同僚が気絶しているのはわかった。現行犯ということで殴りかかるつもりでいる)
「おとなしくついてくる気はないですよね! よし!」
(女は気合を入れて、ふと気がついて店内に声をかけるべく手でメガホンを作った)
「ごめーん証拠あったからこの人なんとかしてくるねー鮎ちゃん!」
(勝手にあだ名を作っておき)
■十三夜 伏 > 「行ってらっしゃいませ」
答え、見送る。
「……さて」
――隙あり。カルマが褐色の男との戦いに臨んでいるうちに、ここから離れておくべきだろう。
そう判断し、先程と同じように右手で合図をする。
羽虫の群れが再び現れ、黒いもやのようになって伏の全身を包み込んだ。
そして黒いもやが消えると、もはや店内に彼女の姿はなかった――
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「ちょっと待て!ストップ、ストーップ!!」
何やら初対面の相手が飛び出してくるなり臨戦態勢に移行している。
これはまずい。ひっじょーーに、ま ず い 。
この推定戦闘民族に言葉が通じるかどうかは分からないが、まずは会話を試みよう。
「僕は酒場で話聞こうと思ってやってきただけなんだって!
そうしたら扉はぶっ壊れてるわ、怖いお兄さん達に絡まれるわで大変でさ!
正当防衛ってことで、大した怪我させてないはずだから、見逃してくれないかなあ!!」
だが大柄で見た目もよろしくない感じの男が喋っているのだ、果たして信用してくれるのやら。
開いた両手をあげて戦意がないことを匂わせながら、さりげなく2本の鎖を背中側から下に伸ばす。
ご案内:「落第街大通り」から十三夜 伏さんが去りました。
■カルマ > 「酒場はさっきぶっ壊したから営業停止です! ねえ鮎川……んー……そう、やっぱり……」
(店内に視線をやると一人頷く。再び視線を戻すと咳払いした。ぽきぽきと関節を鳴らして小ジャンプで体をほぐす。メガネを胸ポケットに収め、姿勢を落とす。もし男に卓越した話術があれば話が違っただろうが、判定はノンだった)
「私組み伏せたら考えてあげても―――いいかな」
(踏み込み。小細工抜きの体重移動から発する瞬間的な身のこなしで瞬時に数mをつめると、凶悪な威力を込めた中段蹴りを腰の捻りを加え、繰り出さん。狙いはみぞへ向けて)