2015/06/24 のログ
スラッシュ > 「あ゛~面白くネーのニャ」
その辺のポリバケツを思いっきり蹴り倒す。

散乱したゴミは、自分の頭の中と一緒でぐっちゃぐちゃ。

まぁここで悩んでいても仕方があるまい。
ふらふらと路地裏の奥へと消えて行った。

ご案内:「落第街大通り」からスラッシュさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に鬼道椿さんが現れました。
鬼道椿 > 落第街特有の気だるげな雰囲気をまとった人の群を毅然と歩む
淀んだ街の空気に引き寄せられる妖魔を狩り続けて随分とこのいかがわしい通りにも歩きなれたものだ

メールで送られてくる退魔の依頼を早々にこなし気晴らしに通りをぶらつく
学生街の小奇麗な街並みの方が好ましいに決まっているが
このごみごみとした街並みにも愛着を持ち始めていた

「あそこの蕎麦屋は…確か店主が先日死んだか」

さて、そうなるとどうしたものか…と考えたところで
自分もこの町にだいぶ毒されてきたなと笑った

鬼道椿 > 世界が変質して以降に生まれた自分としては表舞台で魍魎を切ることに違和感はないが曾祖父の代ではこう言った街の影を駆け回ったと聞く

「小手先の動きに奥義があると言うのも頷けるな…」

腰に下げた鬼包丁に手を伸ばしふむんと頷く
この短刀も随分と手に馴染んででしまった、元の打刀もいいが
こう言った街では短刀の方が何かと小回りが利いて扱いやすい

最も、どんな刀を使おうが壁に引っかかって不覚を取るなどと言う無様なことはありえないのだが

「さてさて…買い物でもするか」

当てもなく街を歩き始める

ご案内:「落第街大通り」にビアトリクスさんが現れました。
ビアトリクス > (たまには普段行かない場所に行こうと歓楽街をブラついていたら
 見事に迷ってしまい、気がついたら明らかに雰囲気の妙な場所
 ここは悪名高い落第街というところなのでは……
 とは気づいたもののすでにどちらが歩いてきた方向かもわからず)

「……鬼道さん?」

(……そんな中見覚えのある帯刀した後ろ姿を見つけたので
 声をかけてみる)

鬼道椿 > 鍔、鍔が欲しいな…この短刀に合ったものを
透かし彫りで鶴を模ったものがあればいいだろうなぁ…
ここは学生街と違って武具を扱っているところも多い
探すにはうってつけ、っと

「ん?」

呼ばれた気がして振り向くと意外な人物に驚いた顔をする

「日恵野殿、こんな物騒なところでどうしたのだ?」

スッ、と日恵野の隣に並ぶ
日恵野に気付かれないよう後をつけていたガラの悪い連中を威圧するように立ち回る

ビアトリクス > (物騒なところ。ああやっぱりここは落第街なのだ。
 知っている顔に出会えたのは地獄に仏と言ったところか)

「ああ、いや……お恥ずかしながら迷いこんじゃいまして。
 そういう鬼道さんは――」

(何故こんなところに、と訊きかけて
 こんな物騒な場所を帯刀して訪れるような人種――
 『辻斬り』という三文字が脳裏に浮かぶ。
 最近落第街でよく出ると噂だ)
(……浮かんだが、すぐさま打ち消す。
 以前会った彼女の様子からはそんなものは想像できない)

「――鬼道さんは詳しいんですか、ここ。
 その……よかったら、出口まで案内してくれませんか。
 ……いえ、方向だけ教えてくれるのでもいいですから」

(たいへん恐縮そうに)

鬼道椿 > 「仕事でね、学生だからアルバイトかな?人に悪さをする怪異を懲らしめて回っているのさ」

そう言って黒字に赤い桔梗印が描かれたプレートを見せる

「そういえば言ってなかったな、こう見えて退魔士なんだよ」
「こう言った淀んだ場所は特に悪さをする怪物が多くてね」
「ここで会ったのも縁だ、一緒に行こう」

「ふふっ、暇をしていたところなんだ」

そう言って笑い日恵野の手を取る

ビアトリクス > 「退魔士!」
(内心の疑問に返答された。なるほど、いかにも似合いの仕事だ。
 思わずキラキラとした憧れの眼差しを向けてしまう。
 そして、納得とともに無礼な想像をしていたことを心中で詫びる)

「あ、ありがとうございます……すみません」
(自然な調子で手を取られると一瞬ドキリとしてしまう。
 どうも身体的コミュニケーションが好きな人物とばかり最近会話する気がする。
 それとも自分に耐性がなさすぎなのだろうか)

(ともに歩き始め……
 ちらりと横目で彼女を見て、ふと違和感を覚える)

「……あれ? あの刀は今日は佩いてないんですね」
(かわりに目についたのは短刀の鞘)

鬼道椿 > 「本職はか弱い乙女だ」
さも当然と言わんばかりに得意げに髪をかき上げる

「あぁ、気にするな・・・そうそう死にたくなければ手を離すなよ。ここは学生街とは違うからな」

そう言って歩調を日恵野に合わせて歩く。

「ん、あの刀は今修理に出していてね。刃こぼれに歪み、私がもっとうまく使ってやれれば良かったんだが」
「まぁ良い刀にも出会えたし捨てる神あれば拾う神ありだな。」

未熟なところ恥ずかしい、と言ったところでその時の戦いが脳裏をよぎる
椿の手がじわりと熱を持ち、瞳は艶めいて熱い吐息をほぅとついた
ああ、いけない…どうも心が乱れる

ビアトリクス > 「ぼくの本職はミジンコでしたっけ?」
(半笑いで)

(かなり物騒なセリフが聞こえてきて『えっそんなに』と
 間抜けな声を出してしまう)
(……が、周囲の雰囲気からしてそう大げさな話でもなさそうだ。
 仮にも男とあろうものが女性に護られ、エスコートされるのは
 いささか情けない気持ちもあるが……いまさらな話だ。)
(ここが落第街でなければ美人とちょっとしたデートだなと
 密かに喜んでもよかったのだけれど)


「修理……ですか」

(なるほど、と頷きかけて――
 手から伝わる熱と、どこか蕩けたような横顔に
 背筋が粟立つような感覚を覚えた)

「……つまりあの刀で――斬り合いを演じた、と?」

(唾を飲み込んで、恐る恐る尋ねる。表情が少し緊張にこわばる。
 訊いてはいけないことに踏み込みかけている気がする)

鬼道椿 > 日恵野の軽口にくっくっく、と笑う
「そんなこと言ってると絵描きになるには千年はかかるぞ?」

無意識に指を絡める、普段はそんな事を絶対にするはずがなかった
それほどに、昂ぶっていた

残った理性で日恵野を刺激するような物言いをするのもどうしたものか、と思い言葉を探した

「―ただのじゃれ合いだよ」

そう答えた横顔は恋い焦がれ、愛を囁かれた少女の様だった
そう、ただのじゃれ合い
あの男の剣にはまだ先がある、そう感じたし自分自身気持ちが高まりすぎて
鬼道流の動きが全くできていなかった
駄目だ、あの男が絡む話はいけない、どうにかなってしまいそうだ

「日恵野殿は絵の方はどうだ?」

ビアトリクス > (どこか上の空で鬼道の言葉を訊く。
 同時に指が絡められていて、息が詰まりそうになる。
 はしゃげるはずもない)
(彼女が情欲を向けている対象は明らかに自分ではないのだから)
(いや)
(落ち着け)
(彼女に会ったのはこれがたった二度目)
(思い上がりもいいところだ)
(やめろ!)

(気がつけば、その感情に呼応して
 二次元情報を書き換える異能《踊るひとがた》が暴走し――
 繋いだ手を伝い、椿の手を黒く染め上げていた。
 すぐに気付けたのは学習と言っていい。
 瞬時にそれは収まったが、手を這いまわるような
 奇妙な感触は覚えたかもしれない)

「……あ、その、すみません」

(問いかけにはだいぶ遅れて)

「……全然ダメですね。
 なにしろ、描きたい絵が思い浮かばなくて」

(ややうつむき気味に)

「……千年かかって立派な絵描きになれるなら
 むしろ大したもんですよ」

鬼道椿 > 「んっ、くすぐったいな、し返しだ」
そう言って目を細めて手をわきわきと動かす
話題を変えて少し心が落ち着くが落ち込んだ様子の日恵野に片眉を吊り上げる

「ふむ…なんだろうな」

日恵野が感じているわだかまりに少し共感を覚える

「絵を描く、剣を振う、不思議な共通点があると私は思う」
「その共通点と言うのが、『上手くなったと言うより当たり前のことが出来るようになっただけでしかない』と言うところだ」
「どれだけ進んでも上手くなった気がしない、そう言う考えに囚われてしまうんだよ」

しゅっ、と手刀を振い空を見上げる

「描きたい絵がないなら私を描いてみてくれないか?」

学生街と落第街、街の境界線が見えてきたところでふとそんなことを呟いた

ビアトリクス > (別に何か彼女に期待していたわけではない)
(そこまで愚かなつもりはない)
(最初から遠い世界にいるのは知っていた)
(武器をまともに振ることすらできない自分では、
 スタートラインに立つことすらできない――)
(その事実が深く重く錨のように心に降りた)

「……」

(どうやら元の様子に戻ったらしいことに安堵して、息を吐く)

「……そうですね」

(どこか生返事。
 椿の言葉はもう半分以上頭に入っていなかった。
 自身に芽生えた毒々しい感情と、《踊るひとがた》の暴走を
 抑えるのに精一杯だったから)

「鬼道さんを……ですか」

(……)
(……しかし、ふと疑問に思う)
(……この人はなぜ自分を気にかけてくれるのだろう)
(……どうして遠くにいるはずの人が、こんなにも)
(わからない)

「……ええ、喜んで」

(なんとか、表情を笑みの形にした)

鬼道椿 >  
 
「 お い 」
 
 

鬼道椿 > 急に塞ぎ込んだ日恵野が気になって顔を覗き込む
大丈夫か?と聞こうとして何か違う気がした
祖父はこう言ったときどう聞いてきたか、大丈夫か?などと必ず聞いてこなかった

「感情をぶつけろ」

言葉足らずたった、しかし自分ではこれ以上の言葉も出てこなかった
兄が殺され、しかしどうすればいいのかわからず泣いていた私に祖父が向けた言葉をそのまま向ける

ビアトリクス > 「 …… え?」

(身体が震える)
(それを最初自分に向けられた声だと認識できなかった)

(感情を?)

(何をぶつけろというんだ)
(都合の良すぎる期待か)
(それとも凝り固まったこの卑屈さか)
(そんなもの口に出すのも穢らわしい)

(だが――まっすぐに覗きこんでくる
 鬼道椿の瞳は逃げることを許してくれない)

「……」

(歯を食いしばり、)

「鬼道さんは、好きなんですか。
 ……“じゃれ合った”相手のことが」

(意を決してそう問うた)

鬼道椿 > 何か悩んでいるのだろう、と思ってはいたが予想外の答えが返ってきた
だが答えは決まっている
少し顔が赤くなった、あの男の顔が思い浮かぶ
そんなの決まっているじゃないか…
そう―

「殺したい」

そう答えて自分の口に手を当てる
まて、今なんて言った
私はあの男の事が好き/憎い、愛している/殺したい
私は…え?
あの男が欲しい…欲しい…首が欲しい

一歩後ずさる

「忘れろ」

「もう、一人で 大丈夫だろう… 行け」

ビアトリクス > 「はあ?」

(剣呑な言葉が出てきた。それはいい)
(しかし何で後ずさる。自分から踏み込んでおいてそれか?)
(半ばムキになってこっちから一歩詰め寄る)
(少し苛立った様子で)

「なんですかそれ。
 殺したいほど恋してるってことですか」

「そういう価値観は理解しかねますけど。
 別にそれならそれでいいじゃないですか。
 いかにも剣士っぽくて。納得もできますよ。
 ――なのになんでそんな戸惑ったような顔をしてるんだ。
 教えてくださいよ!」

(ここまで来たらもはや一歩も退く気などない)
(鬼道の気持ちをハッキリと知るまでは)

鬼道椿 > 戸惑った
好きだから、惚れたから剣を交えて知ろうとした
けどそれは殺す事前提だった
自分の中で整理がつかなくなる

「殺したい」

絞り出すようにそう答えた
違う、そうじゃないだろう、いえ、もう一度

「殺したい」

何故

何故今まで気付かなかった…
殺意と愛欲が同意義になっていることに

ぼろぼろと涙があふれ出す

昂ぶっていない心で、自分を見つめ直した
その異常性を

「殺したいんだ/好きなんだ」
「そんな…」

ビアトリクス > 「…………はあ」
(重いため息。
 言わせてしまったのは自分だが、
 ハッキリと聞きたいことではなかった)

「何がそんなに悲しいんですか。
 ……泣きたいのはこっちですよ」

(その異常性は、一般人であるビアトリクスには
 理解し得ないものだった。
 だからそれについて、深く考えることはしなかった)

(思い出す。返すものがあった。かばんを漁る。
 出てきたのは――白いハンカチ)

「ほら、美人が台無しですよ」

(そのハンカチで彼女の涙を拭おうとする。
 忌々しいことだが、歯の浮くようなセリフを言う余裕ができていた)

鬼道椿 > 無抵抗に涙を拭われて真っ直ぐに見つめる
泣いて吹っ切れたのか、先ほどの様な戸惑いは無かった
ただ今までには感じなかった刃物の様な危うさを纏っていた

「美人ではないさ…」

私はどう見えているのだろうか…

「やっぱり、私を描いてほしい…押し付けるようですまないが…」

「お前から見た私を見てみたい…」

「ちゃんと人の顔をしているのか見てみたいんだ」

ビアトリクス > 「さっき描きたいものがないって言いましたよね。
 アレは厳密には嘘です。
 描きたいものはけっこうあります」

(たとえばそれは目の前にいるような)

「……でも、それを描くと
 もともと手の届かないものが
 より、画用紙の向こうへと遠ざかってしまう……
 その感じが、いやだったんです。ぼくは」

(――こんなものは失恋ですらない。
 恋に至る前におまえは“外側”にいると宣告されたのだから。
 ……けれど、それをよりハッキリと示されたというのに
 最初感じていたようなどす黒く重いわだかまりは
 どういうわけかすっかりと消えている)

「ええ、描いて差し上げますよ。
 涙に腫れた痕がなくなった頃にでも」

(湿ったハンカチを押し付けて、
 落第街の出口へと一人で歩いて行く。振り返りはしない)

(――本当に忌々しいことに、
 ビアトリクスにとって鬼道椿は
 透き通るように美しい女性のままだった)

ご案内:「落第街大通り」からビアトリクスさんが去りました。
鬼道椿 > 「それは…もう少し先になりそうだな…」
 
淡い殺意を胸に秘め落第街へと戻っていった
もう一度あの男に会って、確かめなければならない
日恵野が気付かせてくれたこの思いを

ご案内:「落第街大通り」から鬼道椿さんが去りました。