2015/06/29 のログ
ご案内:「落第街大通り」に道鉄さんが現れました。
■道鉄 > ゆらゆらと、袖を揺らしながら。
表よりは一通りは多くないが、雑多ののかを反対側に歩く。
変に閉じた、場所。
KEEP OUT のテープ。
ここはなかったことにされる場所ではあるが。
それでも立ち入り禁止にする奴らはいる。
公安、風紀……上層部……
その権力を使えば、届かない場所は少ない。
ここは、その一つだった。
なんせ先日の”門が開いた場所”
だれも入ろうとも近寄ろうともしない。
なぜならそれより先は文字通り”死地”だ。
社会的にか、肉体的にか、精神的にかはわからないが。
ゆえに、そのテープのところにくる人間は……
”変わり者”ぐらいだ。
「よぉ、先輩。久しぶり? っつっても最近あったばっかりか」
先日、隙間を見て中には入れたものの。
今では警戒され、ドローンは巻かれ。
中を探索することすら許されない。
まるで”なにかを包み隠すように”
きっと、そういうものなのだろう。
少なくとも、”事情が分かるものには”
■道鉄 > 両腕を探しに来たこの前とは違い
今日の目的はまた別だった。
自己満足、それをしに来た。
十二分に、食欲と同じくらい大切なものだ
なにせ、なにも事情の知らないものが関わったのだ。
それに阻まれたことは、彼女にとって救いだったのか
それとも、罰、だったのか。
知ることは、ない。
「悪いね、先輩。ちょっと話がしたかったからさ
最後だけ、行かせてもらった。別に止めようなんて思ってたわけじゃないぜ?
そんなつもりは鼻からなく、助けるつもりも微塵もなく
ただオレは、同類だと思ったアンタから、少し聞いてみたかっただけなんだよ」
――それは結局、叶うことはなかったが
だから、喰った。それで少しは理解できるかも知れないと
そう思ったゆえに。
■道鉄 > 自分は《ズレ》ている。
おそらく自他ともに。
間違いなく、ずれている。
価値観も倫理観も、味覚も触覚も、視覚も何もかも。
その多々あるズレのなかで一種の”該当”は
気まぐれに、腕を使い物にさせなくなるくらい
興味深い出来事だった。
――食人。
人を食らうこと。
彼女は、《喰うこと―しゅみ―》をやめろと進言した
言葉を、思い出す。
『本物の人喰鬼は、そもそも人間を食べ物と定義しなくとも、
もっと言うのなら、進んで食べなくとも食べますからね。当然のように』
『当然、美味しいとも不味いとも思いません』
そして、自分を狂っていないと、そう告げた。
わざわざ、そう。告げたのだ。
まるで自分は狂っているというように。
「でもさ、アンタも狂ってないよな?」
味覚、それがない。当たり前のように食べる。
あぁ、それはいい。別段、”おかしくない話だ”
どれだけの人間が、なにかを考えてものを食べるという。
ただ与えられて、口を開けて。生きるための行為のひとつ。
味がよければ嬉しいだろうが、それだけだ。
――別段なんら変わりはない
■道鉄 > それに言わせてもらえば
自分だって、趣味ではない。
そこを否定し忘れたのは、迂闊だった。
「……アンタも、変わった、食人鬼、だよなぁ」
確かにいろんな人を殺しただろう。
《殺して―くって―》、《食べた―くった―》のだろう。
だのに、彼女は。あの最期の間際
弱者と、悪を説いた。
弱者を救い、悪を滅したいと。
「ホント、――《優しすぎ―かわりもの―》だよ」
人間は食べ物。その食物に、感情を抱き
守りたいと思い、そして……そのために命を賭ける。
いや、もしかしたら先日あった、あの青年のように
悪人だけが食物、なのかもしれないが。
――弱肉強食の世界にいるのに、手を取り合いたいと、望んでいた。
それを、優しさと言わずなんというだろう。
■道鉄 > 「やれやれ、アンタを喰ったからか余計なことを考えちまえそうだ」
絆された、わけではない。
だが、邪魔をした。
きっと、誰よりもあの不器用なことしかできず
そうとしか表現できなかった存在を止めたかった誰かがいたはずだ。
あんなに魅力的な女性なのだ、ひとりやふたり
心を喰ったに違いない。
きっと、一番厄介なタイプの女だ、あれは。
「おかげで、味も感じられなくなったよ。《美味―まず―》すぎて」
花は、持ってきていない。
腕がないから持ってこれないというのもあったが
手向ける、花を思いつかなかったのが大きい。
「喰ったやつらのことを忘れず、なにかを成そうとする
死を汚さなかったあんたはすげぇよ」
だから――
「おやすみ、先輩。アンタが望んだものに変化はないかもしれないが――」
――着実に、種はまかれ。誰かを変えてるだろうさ
来た道を引き返す。
体の中で、血肉になったなにかが鳴動した気がした。
そう、その変化は――この食人鬼にも……
「げはは、らしくねぇな」
ふと浮かんだ感情を消すように笑い飛ばして
食人鬼は、その場を後にした
ご案内:「落第街大通り」から道鉄さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に加賀背 雄さんが現れました。
■加賀背 雄 > (正直な所、行くのにちょっと迷った。 ただでさえ落第街は危険なところで、
”一般的な”生徒たちからはあまりいい噂は聞かない。 もちろん、
自分だって何もなければ行かないはずだったのだけれど…)
あ、あったあった…ええと、ここだな。
(一応普通の生徒として通しているので、正体がバレないように女装、
しかも落第街の人たちに違和感を抱かれないように、ちょっと
セクシーなホットパンツ姿…太ももがすーすーしてなんとなく不安だ。
もぞっと太もも同士をすりあわせてから、目の前の建物をみる。
トタンと古びた材木で出来た店構えは、 明らかに素人お断りオーラを
出している。だが、怯むわけにはいかないのだ。)
■加賀背 雄 > (薄暗い店内には、所狭しと電子機器が積まれている。 うずたかく積まれたそれらは、
ロボットのように見えたり、電話のように見えたり、ゲーム機のように見えたりするが、
はたして本当にそうなのかすら怪しい。 物珍しげに周囲を見回そうとして…やめた。
ナメられてはいけないのだ。 自分がさもここを知っていて、騙されたり等しない。
そう思われるように振る舞わなければ。 店の奥でタバコをふかしている店主の
ところへずんずんと進み、机に手を載せる。 ちらりと此方をみる店主に笑いかけて。)
ファイアウォールが欲しいんだ。 物理的にも魔術的にも、もちろん電脳的にも遮断できるヤツ。
企業で…いや、政府で使ってるくらいのやつがいいな。あるんでしょ? システムごとならシステムごと出して。
(そう、ここはジャンク屋だ。 それもただの店ではなく、古今東西の電子機器が流れ着く場所である。
思い切った物言いに店主は目を丸くするも、直ぐに店の一角を指差す。 促された方に歩いていくと、
おそらく1つのシステムを成していたのであろう、機器の山が目に入った。)
■加賀背 雄 > ヤヌスのFW装置… それからIDFもあるけど…ここ、IDF作ってたんだな。
序久の魔術侵入遮断機構もある。このメーカー潰れちゃったんだよね。
(機器の山を1台づつ確かめていく。 手がキズつかないようにちゃんと軍手を装備。
FW装置やら、侵入検知装置やら、様々な機器…自分に必要な物を掘り出していく。)
中古品とはいえ、ここまでのものを一度に入手できる店は多くない。
それも政府機関並みのパワーを発揮できるものとあれば、なおさらだ。
宝探しにしばらく熱中した後、いるものといらないものの小山ができる。
必要な方を指さして、店主に示した。)
これ頂戴。 カード…じゃなくて現金。 送り先はここね。
(信頼していないわけではないが、足がつく可能性は極力避けるべきだ。
いざというときのために用意しておいた現金をどんとカウンターに置く。)
■加賀背 雄 > (記した住所はただの倉庫。 あとで取りに行けばよい。それだけだ。
とりあえず目的は果たした。 踵を返して、足早に落第街を後にする。
明日からシステムを<ドリームランド>に組み込まなければ。)
ご案内:「落第街大通り」から加賀背 雄さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に各務 蒼さんが現れました。
■各務 蒼 > 家の近く、なんだかドンパチ騒ぎの予感…。この辺に住んでるからって騒がしいのが好きなわけじゃないのに…。
【小さい体躯で大通りを隠れるように歩く。争い事は苦手だが、表に住めない人間だっているのにと愚痴りながら、出店を覗きこんでは、次の店へと歩く】
■各務 蒼 > 流石に慣れもするけど、危うきに近寄りたくはないよね。
【苦笑。なるほど、恐らく血の気の多い物が集まる中で少年はぼんやりと空を仰ぐ】
家に帰れないんじゃ、暇だ
■各務 蒼 > はぁ、ホント。好きでこんなとこ住んでないっての…。
もっと平和な所に友達でも居れば変われるんだか。
たまには遠出してみようかな
【つば付きの帽子を深く被り直す。後ろ髪が少しだけ帽子から溢れ、その髪が短くない事が伺いしれる】
……友達、ねぇ
【言ってから自分で深い溜息をもう一度ついた】
■各務 蒼 > 【少年は愚痴を零すが、視る通り明るい性格とは言いづらかった。
つばのついた帽子は顔に影を落とすし、ため息の数は多い。薄暗い雰囲気の一角が、更に少年に影を落とす。
しかし、ある意味普通すぎて、この場には異質だった】
もうちょっとだけ、隠れてよっかな
【少年は自身の異能の1つを起動すると、文字通り大通りに溶け込むのだった】
ご案内:「落第街大通り」から各務 蒼さんが去りました。