2015/07/06 のログ
ご案内:「落第街大通り」に朝倉千蔭さんが現れました。
朝倉千蔭 > 夜闇に包まれた落第街の通りを、一人ぼんやりと歩く。
初めてここを歩いたひと月前に比べると、この時間でも幾分明るくなったように感じられた。

「……夏、か……」

常備している紅茶も、少し前からホットでは飲んでいられなくなった。
季節は移り変わるし時間は過ぎる。何を為しても、為さずとも。

「夏、か……」

繰り返す。
時間は過ぎる。テストの対策を全くしていなくても。

朝倉千蔭 > まあ、なんというか、この学園のテストを甘く見ていた節が無いわけではない。
一年生の間は(つまり去年は)対して勉強をせずとも、そこそこの点数は稼げていた。
それは自分の能力があるからではなく、内容がごく初歩的なものだったからで……。

「……夏か」

三度目。夏期講習という言葉があるなとふと思い出した。

朝倉千蔭 > 月明かりを眺めながら、ここ数日のテストとの奮闘記を思い返す。

流石に儀式魔術に関しては今までと変わらない点数が取れた、と思いたい。
それ以外の教科については、完全に勉強不足だった。……赤点は取ってないと良いのだけれど。
特に専門系。あんなものはちゃんと学校に行っていないと無理だ。

私は外から見ると、真面目な優等生タイプに見えるようだ。
だが実際はそこまで勉強が突出してできるわけでもない。
そのリソースを儀式魔術と、夜歩きと、それに必要な事に割けば、他はズタボロになる。

「……ま、なんだ。おばけにゃ学校も試験も何にもないし……」

はあ、とため息を吐いた。

朝倉千蔭 > というか、自分で謀り事を考えておいて、試験の結果を気にする事もないのかもしれない。
そもそも事を為せばこんな小さい事でうだうだ落ち込む必要がそもそも無くなるだろう。
つまるところ今回の試験の結果がどうであれ、それは有意義な未来への投資なのだ。

「よし、明日から頑張ろう」

勉強をではなくて、計画の進行を……だが。
悪だくみは時に妙なポジティブさをもたらすのだという事が分かった。
完全に身の破滅をもたらす方向性だが、気にしてはいけない。

朝倉千蔭 > ……ここ最近は夜に出歩くことも少なくなっていた。
だから、この時間帯にここで吸う冷たい空気も、何となく新鮮に思える。

別にあの死神の公安に脅えていた訳ではない。
本当だ。

朝倉千蔭 > テストが終われば、もう少し動きやすくなるだろう。
……周囲の環境がではなく、自分の時間ができるという意味でだが。
さて、何をどう進めたものだろうか――。

そんな事を考えつつ、道の向こうへと歩みを進めていった。

ご案内:「落第街大通り」から朝倉千蔭さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にサリナさんが現れました。
サリナ > 私は落第街の大通り、露店が並ぶ辺りに来ている。
ここに来たのは呪術に使える道具を探す為だった。

学生街の商店街や、異邦人街の店はお行儀が良いので私が望む物は少なかった。
私がそういう店を知らないだけかもしれないが…落第街ならそういう店もすぐに見つかりそうだなと思ってやってきた。

治安が悪いと聞くし、何か欲しい物があったとしても来たい場所ではないが、仕方ない。
フードを目深に被ってあまり顔を見られないように務めた。

サリナ > 歩きながら眺めているとよくわからない植物、よくわからない食べ物、よくわからない得体の知れないモノを置いてある露店が立ち並ぶ。
よく見るとどの露店も鞄にすぐ仕舞える程度の量を布の上に広げている…。

しばらくすると、雑貨が置いてある露店を見つけた。
呪術に使う道具から魔法のかかった装飾品まで色々と揃っていた。
全て小さいものだけれども、見る価値はありそうなので足を止めた。

(む、これは……)

サリナ > 「すいません、これ見てもいいですか?」

露店の主に一言断りを入れてからその短剣を手に取る。
鞘から引き抜けば、鈍色の刀身が覗く。…おそらく鉄製だけれども、手に持った時、魔法がかかっているのに気付いた。

「これはアサメ、ですね」
儀式、儀礼用で簡易的な法陣を敷く時にも使う短剣だった。
黒い持ち手に神秘的な装飾、手に握れば不思議な感触がある。

さて、いくらだろうかと値札を見ると、5万と書かれていた…。

ご案内:「落第街大通り」にライガさんが現れました。
サリナ > 最近は浪費を控えている、いるのだけれども…そもそも地面に法陣なんて木の棒で十分でもあるし、
なんなら指で書ける。しかし硬いモノ、石や岩にも刻める事を考えると買っておきたいというか…
魔道具作る時にも役に立つというか…

よし、買おう。そうしよう、しかし5万は高いのでなるべく値切ろう。


「これ、よければ3万でどうでしょうか…?」
私は露店の主と交渉を開始した。
[1d20→18=18]
ライガ > 「おおー、色々売ってるなあ。
厄っぽいやつもチラホラ……」

画材か文具のようなも名が並ぶ露店を見て歩く。
別に冷やかしに来たわけではないが、もしあれば、程度の探し物だ。

「おっ、これは自動筆記の羽ペン。
何々、『インクはご自分の血を混ぜた……』
……うわあ。これはやめとこ」

1本5円とかいうのがもう怪しい。

サリナ > 私が値切り交渉に踏み出すと、露店の主はあっさりと承諾した。
…もしかして、呪われているから手放したかったとか?だったらさっき握った時点で手から離れてなかっただろう。
それに呪術を扱う私はそういうものはある程度見抜ける。

礼を言って財布を取り出すと、心ばかりの礼と言う事で他にも呪術に使う道具を購入した。
合計3万2千程で済んだ。今日の私は運がいいのかもしれない…


「魔法の、短剣」
短剣を手に持ち、その刀身を眺めていた。そういえば、これがあればあの呪術が使える。
前に使っていた短剣は普通のものだから壊れてしまったが、これなら大丈夫だろう。

灯りに翳すと、それは鈍く煌いた。

ライガ > 「え?冷やかし以外ならなんか買えって?
そうだなあ、それじゃあこの『アラクネーの糸』ってのを。
あ、買う前にちょっとだけ見せてくれない?」

糸の端を灯りにかざし、じっくり検分する。
一見するとほつれや絡まり等は見当たらないが、よーく観察すると細かい植物の繊維が混じっているのがわかる。

「あのさ、これ混ぜものじゃないかな。
これで1束1万は高いよ」

質の良し悪しを見分けるのも大変だ、下手なものをつかまされてはたまったもんじゃない。
次の店に行こうとして、煌めく短剣を見つめる人影を見つける。
フードをかぶっていて顔はよく見えないが、学生だろうか。

「おーい、そこの君。
抜き身の刃物なんか持ってると誤解されるよ」

とりあえず声をかけてみよう。

サリナ > …ふと、視線を感じた。さり気無い動作をしつつ、軽く横目で左右を見る。隣の露店に居る大男だ。その男が私を見た気がする。
どうするか迷っていると、声までかけられた。なんだか悪い予感がして、その短剣を鞘に納めると、腰に巻いたサッシュに挿す。

「………」
これで別にここで暴れたりしない事はわかってもらえるだろうか。
いや、落第街は治安が悪い場所だ。変な言いがかりをつけて襲ってくる可能性もなくはない。

…いざとなったら覚悟するべきだろう。

ライガ > 「うんうん、しっかり聞いてくれてありがとう。
じゃ、分かってるとは思うけど、気を付けてね。もし戦いを挑まれても助太刀できないからさ」

微笑むと、歩いて来て、フードの人物のすぐ近くを通り過ぎる。
ストレートな視線はむけずに、視界の端だけでぼんやりと、認識できた視覚情報をしばらく覚えておこう。

(肩から三つ編み、肩の形と服装から推測するに女性か。殺気は感じないし、ほっといても大丈夫かな)

サリナ > (助太刀できない?)
その言葉がどういう意味か考えあぐねた。いや、深く考えすぎなだけ?ただの忠告として受け取るのが一番か…?
正直、私から見れば怪しすぎる人物だった。こんな場所で飄々とそんな言葉をかけてくる人は何人も居るのか。

「………」

こちらに近づいてきて、少し強張ったが、何事もなく通り過ぎていった。
しかし、胸に抱いた不安はそれだけで払拭されなかったので、その背が消えるまで見送る事にする。

ライガ > しばらく歩いたところで、立ち止まる。
男の視線の先は、一つの方角。
まっとうな学生は近づくことを推奨されない、路地裏だ。

男は後頭部を掻くとため息をつき、そちらの方向に、足早に歩き去っていく。

ご案内:「落第街大通り」からライガさんが去りました。
サリナ > (…行った)
ようやく心の安寧が取り戻された気がする。気がしただけで、ここはまだ落第街。
帰ろう。目的は十分果たされた。異邦人街はここからそんなに離れていない。

私は足早にこの場を去る事にした。

ご案内:「落第街大通り」からサリナさんが去りました。