2015/07/08 のログ
ご案内:「落第街大通り」に道鉄さんが現れました。
■道鉄 > 白い服……ところどころに咲く、赤い”紋様―はな―”
仕事は無事完遂。ディナータイムはまだ、半分ほど残っているが。
――気がのらねぇなぁ?
そういえば、さっき。商店街を通った時
すごくおいしそうなにおいがした。
仕事でかがない匂いだからか。
甘美な鉄の香り。珍しい。
表で、そんなことが起こるなんて――
――少しずつ、だな
にやりと笑いながら
袖をぶらぶらさせながら。ゆっくりと歩いていく
■道鉄 > 今日のコースは次の通り
恨みを買った、会社員
ちょっと知りすぎたっぽい研究者
チャラい男。多分ギャングか何か。
さっくりと、足蹴にして平らげた。
きっと今頃は、社会的にも闇の中、か
報道という光に照らされて昇天しきっていることだろう。
問題にはならないはず。セットのやつが、へまこいてなければの話だが
■道鉄 > 結局、味は薄かった。
まぁ、どれを食べてもきっと、そんな感想。
心躍る食事は”肥過ぎてしまった”感覚を超える食材は
もはや少ない。だんだん感じなくなってくる。そんな予感もしてる。
地面を足でつかみ、ちょうど頃よいポリバケツに座り込み、はぁっとため息。
両腕がないのは不便、というのがそろそろ目立ってきたからどうするか考える
■道鉄 > 誰か、介護をつける――
却下。担当する人間がいない
そんな物好きは少ないだろうし。対価がない
義手をつける――
考えてはいる、が気が乗らない。
今のままのほうがよいのではないかと、少し思っている。
現状維持――
今の選択。もう少しすればなれるだろうか。
食事は困らないし、勉強と読書くらいだが……
ご案内:「落第街大通り」に詩露 久路さんが現れました。
■詩露 久路 > 「む……」
気楽では無いにせよきょろきょろと辺りを見回す。
道に見覚えが無い。
「迷ったのか」
頭を掻く。
知り合いの頼まれた使いを終わらせてみればこのザマである。
辺りは人も少ない、が。
一人、座っている道鉄に目が行く。
自然、足はそちらゆっくりと向い。
「すまない、今大丈夫だろうか?」
軽く手を上げて道鉄に呼びかけた。
■道鉄 > 「……はいぃ?」
声をかけられれば、思考に俯いていた顔をあげて
翡翠の瞳を細める。
ラフな格好。なにか、ここにしに来るやつには見えない。
それに警戒心も感じないし、追手というわけでもなさそうだ。
「大丈夫だけど、何の用事? 荒事なら30分だけ引き受けてやるよ」
げははなんて、特徴的な笑い声をあげて。
腕の通ってない袖をひらひらと揺らした
■詩露 久路 > 「荒事?君は用心棒か何かか?」
場所が場所である。
そういう事を生業としている奴もいるだろう、と解釈した。
腕が恐らく、無いのだろう、とその袖を見つつ思うがそこは口に出さない。
言う事は考え無しに言うが言わないでいい事の判断は出来ている、つもりだ。
豪快に笑う彼女に少しだけ笑い返し。
「ああ。ちょっと道に迷ったので」
教えてくれるとありがたい―――、と言いかけ。
服の至る所に咲く赤いもの。
鼻に付く鉄臭いにおい。
「……ケガをしているのか?」
まず第一にそう思い、口に出す。
■道鉄 > 「職業言って、立場を明かすのはここじゃ自殺行為だぜ?
まぁ、知られたからといって不利になることはオレにはないが
情報を渡すような愚はしねぇよなぁ?」
あ、用心棒じゃねぇよと付け足して。
げらげらと笑い、首を傾げれば黒髪が揺れて
より、赤が見やすくなる――
「まよったぁ? 方向音痴かよ、げはは」
そして、道鉄にとってとぼけているようなことが
耳朶に響けば
「怪我とかあり得ないっしょ、弱ってるように見える?
俺のじゃねぇよ」
きっぱりと否定した
■詩露 久路 > 「方向音痴、ではないと思うけどな。何せ土地勘が無いと苦労する。次は迷わないよ」
そちらにはそう返し。
「そうか、なるほど」
残りの返答に置いてなるほど、の一言で返し。
「つまり返り血か」
口調から色は消える。
彼女か、それともこの模様となった奴か、先に手を出したなどは些細な問題で。
少なくとも目の前に居る彼女は「無傷で相手を破壊した」という事実に揺るぎは無さそうだ。
ズ、と半歩だけ身体を傾けた。
「―――まあ、なので道を教えてくれるとありがたい。半歩下がったのは念の為だ。気分を害したなら先に謝っておくよ」
そういい、相手の反応を待つだろうか。
■道鉄 >
「あぁ、そうするといい。きっとそのほうがいいぞ
いろいろ迷うと、大変だ。ひっかけ問題がここにゃ山ほどだからな?」
サメのように笑いながら、ころころと。
黒髪を上機嫌に揺らしながら
目の前の男とは、対極に表情豊かに大げさに
「げはははは、そういうことだよ、教えてやってもいいぞ?
気分? 気分なんてかんけぇねぇだろ、他人がどうこうした態度をとろうが
俺には関係ない。ちがうか? なんだ、身体に教えてほしいのか?」
そっと立ち上がり、ふらっとよろけた後
しっかりと大地を踏みしめて
「あぁ、変な意味じゃねぇぞ?
オレはホモじゃねぇからな?
んで? どこに行きたいって?」
ご案内:「落第街大通り」に紅葉 椛さんが現れました。
■詩露 久路 > 「そうみたいだな。少し前にも言われたが、どうにもこっち側はバカ正直だとその通り、バカを見るようだ」
と納得しても結局コイツの性格上、反省の色が見られないようになるんだが。
「全くだったな、これもつい先日同じようなことを言われたよ」
別に気分がどうとかは無い、本人の気持ちは本人しかわからない。
「気持ちいい事なら歓迎だけどね。切った張ったは―――」
ふと考え込む。
「いやいいか。で、多分この辺は落第街だと思うんだが、歓楽区の方に戻りたい」
あ、後、と付けたし。
「オレもホモじゃないのでそう言う変な意味は出来れば異性がいい」
■紅葉 椛 > 黄色いパーカーを着た少女。
大きな楽器ケースを背負った少女が歩いていた。
パッと見ならば、下に何も穿いていないかのように見えるかもしれない。
「今日は仕事来なかったな……こっちなら仕事あるかな……」
そんなことを呟きながら、落第街を闊歩する。
何でも屋を経営している少女は、仕事を欲していた。
仕事がなければご飯を食べることができない。
その深刻な問題に頭を悩ませていたのだった。
よほど真剣に悩んでいるのか、辺りのことは見えていない。
■道鉄 > 「力があれば別だろうがな
勝った負けたとかそういう理屈がない
一切”勝てない”位の暴力があれば、頭は使わなくていい」
くつくつと喉を鳴らして、その様子をおかしそうに見つ。
おもしろそうに、目を細めて。
「歓楽区か……説明すんのめんどいな……ふっとばすでもいい?」
冗談を口にしながら、あーっと呟いて。
「そうかい、そりゃ安心したよ
道順言ってやるから覚えろ。書くにも連れていくにも”腕”がねぇ」
どこからどう見ても女が、そう告げて。
(今日は来客が多いな、おい)
パーカーの女を視界に収めた
■詩露 久路 > 「そこまでの力はあると自信を持って言えるワケもないので、まあ精々無いアタマを働かせるよ」
うん、と頷く。
「ああ。それで十分……、いやぶっとばされるのは流石に勘弁してほしい。色々と邪魔をし―――うん?」
道鉄が少し視線をズラしたのでつられてそちらを見た。
そこには確かに一人の少女。
パーカーに楽器ケースと、彼が言うのも何だが中々特徴的だ。
■紅葉 椛 > 「仕事……ご飯……」
前も見ずにうんうんと唸りながらそう繰り返す。
口元に拳を当て、下を向いて、ただただ歩き続ける。
辺りには全く気を配っていない。
もちろん、目の前に壁が迫っていることなど気付く余地もない。
「やっぱり知名度かな……」
そんなことを呟きつつ、足を早めた。
どんどん迫るその壁に、少女は
「あいたっ!」
ゴツン、といい音を立ててぶつかった。
■道鉄 > (なんだドジっ子か)
心配いらなかったらしい。
これまた追手かと思ったが
奇抜な格好といいおもしろい奴なのかもしれないが。
「んだよ、少しくらい吹っ飛んでも平気だぜくらいの
男気見せろよ、もてねぇぞ?」
げははと豪快に笑えば、ぺらぺらと道筋をしゃべるだろう。
「んで? いきてるーか? 世にも奇妙な死にかたナンバーワンしてないかー?」
壁にぶつかった少女に声をかけながら
■詩露 久路 > 「もてないのは困るな」
年頃の男の子であった。
「いやしかし、ええと君のぶっとばすは恐らく、相当にヤバいだろ?」
名前を知らないのでええとが入り結局君になった。
道を聞いてうん、うんと頷き。
「なるほど、筋が一個ズレてたんだな」
理解出来るあたり確かに方向音痴では無かったらしい。
「で、君(椛)は大丈夫か?」
一応、大丈夫だと思いつつも聞く。
■紅葉 椛 > 「い、いたい……」
ぺたんと尻もちをついて額を撫でる。
楽器ケースからは鋭い金属音が鳴り響いた。
声をかけられ、涙目でそちらを向く。
「痛い……でも痛みよりも仕事がなくて死にそう……」
悲壮感の漂う声でそう応える。
大丈夫かと声をかけられ、少し戸惑いつつ久路の方を見た。
「えっと、大丈夫、それよりも仕事ないかな?」
額を押さえたまま、そんな問いを投げかけた。
■道鉄 > 「さてどうだかな? 受けてみりゃわかんじゃねぇの?
道――タオだよ、名前ぐらいは教えておこうか」
げははっと笑い。戻れそうならよかったなと。
パーカーの少女に話しかけられれば訝しげに
「あぁ? 仕事? どんなだよ。身体うりゃぁいけそうだろうが」
見た感じ悪いようには見えないし、稼げそうだが
多分”選んでいる”のだろうと具体的な内容を尋ねる
■詩露 久路 > 「有事の際はそうしよう。流石に耐えれたとして相当引き摺りそうだ」
苦笑しつつ今は勘弁な、と言うニュアンス込みであった。
「タオ。なるほど。タオと言うんだな。俺は詩露久路(ウタツユヒサミチ)」
漢字だとこう、書くと一応言いつつ。
「改めてタオ、助かったよ。ありがとう」
屈託なく笑い、真っ直ぐと礼を言う。
「いや、流石に通りすがりの道に迷った学生なワケで何か君に頼めるしご……」
道が身体を売ればとかそう言うので思わず身体をちら見し、すぐに逸らす。
「いや無いよ」
努めて冷静さを装った―――。
■紅葉 椛 > 「身売りはNG! 初物なんだから!」
両手で大きなバツを作る。
すぐそこに男子が居る事は気にしていないのか失念しているのか。
割と大きな声でそんなことを言い放った。
「どんな仕事かっていうと……何でも? やりたくないことはやらないけど」
笑顔を見せる。
そして久路には、少し悲しげな表情を見せた。
「ほんと? 私にできることなら……なんでもするよ?」
なんでもとは言っても明言した通り、身売りはしないのだが。
パーカーの裾を引っ張り、ホットパンツを隠す。
健康的な肢体がパーカーから覗く。
■道鉄 > 「シロクロかよ……ウタツユ、な……
まぁ、変なことに名前を使わないように気をつけてやるよ
優しいだろ?」
なんて覗き込むように少し腰を折って前かがみに
覗き込むようなしぐさで。
「――初ものかぁ、なら余計に買ってやってもよかったのになぁ」
くつくつと笑いつつ、お前もそう思うだろ? と近くにいる少年に振りつつ
「なんでも屋か。しかも仕事を選ぶってことは腕に自信があるってとこか」
ふぅんっと、品定めをするように身体の細部を翡翠が眺める
■詩露 久路 > 「なるほど。そこにもひっかけか。名前に関しては親に文句を言いたい」
恐らく、名字がこうだから、名前もこうしてやれ的な付けられ方だったんだろう。
普通に読めば普通な名前だけに。
難しいな、と唸る。
「そうしてくれ、優しさに涙が出る」
冗談ではあるにしろ。いやあって欲しいにしろ。
「―――振るなよ」
お蔭で椛を直視できなっているのに知ってか知らずかこっちを向く椛。
「年頃の男性に何でもするっていうのはいかがかと思う」
お蔭で更に目を逸らすハメになった。
「それにそっちが期待してるほど、実入りもよくないだろ」
一学生が何か依頼するにせよ報酬など雀の涙だろう、と。
■紅葉 椛 > 「え、お姉さんそういう趣味? 否定はしないけどびっくりだなー」
棒読みである。
覗き込まれるように見られると、ゆっくりと立ち上がって両腕を広げた。
「品定めするならちゃんと見ないとね。後ろも見る?」
自信満々といった様子。
四肢は筋肉質ではないが、しっかりと締まっており、健康的な色気を醸し出していた。
目を逸らされ、不思議そうに久路の顔を覗き込む。
「嫌だったら断ればいいだけだよ?」
さも当たり前かのように言う。
なんでもとはなんだったのだろうか。
「それに、お給料はご飯がちゃんと食べられるくらいあればいいしね。
大きな仕事とかもたまにあるからそれで学費は払うし」
■道鉄 > 「振るだろ。好みの話は男同士の花だろうが」
げははっと笑いつつ、まるで好みのアイドルの話をするかのような
そんな軽い感じ。実際そうなのだろう。
身売りなんてそう珍しい話じゃない。
少なくとも、ここ、では。
「そういう趣味ってなんだよ……ノーマルだよノーマル」
首をかしげて、へぇっと目を細めた。
さすが、言うだけのことはあり
やっぱこの島は上玉が多いのかねと思いつつ。
「まぁ、食事くらいならそっち系なら困らないだろうが
他にも探せばあるんじゃね?」
そろそろ赤が乾いて、黒くなったしみが
笑うたび、髪の隙間からちらちらと見えた
■詩露 久路 > くる、と後ろも見せる椛、ちらとだけ見てしまうのが悲しい性である。
「何でもの意味が無い……」
椛の一言に関して、努めてバカ正直にそう呟く。
期待はしていないがちょっとだけ悲しむのもまた性であった。
「というかタオは女の子だろうに」
と、言いつつちらとだけタオを見て。
「だよなあ」
頷く。
「まあ、何にせよ、今俺に何か君にしてもらいたいようなコトは無い、なあ」
悪いけど、と頭を掻きながら言う。
■紅葉 椛 > 「あ、TSした感じ? それとも見た目と中身が違うみたいな? お兄さんって呼んだ方がお仕事くれたりする?」
マシンガンのように怒涛の質問。
少し興味が湧いたが、今は仕事探しが優先だ。
「かなぁ……肉体労働とかもドンと来いなんだけど」
血の染みと思われるものを見ても、微塵も動じない。
少女は"何でも屋"なのだから。
「うーん、残念……朝ご飯はおあずけかなぁ……」
悲しそうに肩を落とす。
■道鉄 > 「げはは、さてな? どれでもいいだろ? 仕事をもらえりゃ
中身なんて関係ない口だろうが、なんでも屋」
喉を大きく震わせて、快活に笑いながら。
まぁでもと付け足して
「さて、どうだろうなぁ? ちょっと《ズレ》てんだよ、オレは」
二人の言葉にこたえるように、呟いて。
「朝飯、ね? どんだけ食うつもりなんだ、お前」
くあああっとあくびをしながら
■詩露 久路 > 少し考え。
「……別にメシぐらいなら奢ってやるけど」
何かの縁だろうし、と続ける。
後は根本的に困っているのを放っておけない性分でもあった。
故に損得勘定は余り出来ない。
「ズレてるねえ。まあ深くは聞くモンでもないし。そう言うのは聞かないお約束だろうしな」
そう、納得する。
「世の中何が起きても不思議じゃないしな」
身を以て知っていることだ。
■紅葉 椛 > 「うん、どうでもいいかな。
でもそういうのを知ってたら、いつか仕事に使えそうじゃない?」
笑顔で淡々と。
報酬が見合っているのならおおよそ中身なんて関係ない。
「えっと、朝昼晩の三食におやつを何回か? 」
指折り数える。何回か?の部分で折る指は左手に突入した。
「ほんと? 嘘はなしだよ?」
パァッと笑顔を浮かべ、そう言った。
パーカーのポケットをゴソゴソと漁り、小さな長方形の紙とペンを取り出し、何かを書き始めた。
「あ、これ、私の電話番号とアドレス。
お仕事あったら連絡してくれると嬉しいな。
安くしとくよ?」
そう言ってその紙を2人に差し出した。
■道鉄 > 「怖い怖い、何に使われるかわかったもんじゃねーな?」
その紙を”口”で受け取り、罠とかそういうのもひっくるめて
受け取った。きっとそういう意図はないだろうが。
「食事はパスだ。食いに行くなら二人で行って来い。そっちのほうが”弾むだろ?」
くすりと微笑んで目を細め。
そっと詩露を流し眼に見て。
ほんの少し、紙を噛んでるからか発音が悪い
「人しかくわねぇからな。他はまず過ぎて吐いちまう」
そういうと。ちょっと身じろぎ。
袖を紅葉のほうに、差し出せば札が2枚。
万札だ。
「後輩か、先輩か、同期かはしらねぇが、二人でたのしんでこいよ」
げははっと笑って
■詩露 久路 > 「それ言っておくと奢るの範疇越えてるからな?そこまで行くと一飯の恩義とかじゃなくてもう何ていうか」
という所まで言って。
「っていうかおやつ入れるなよおやつをよ!」
流石に突っ込んだ。
そしてメモを貰う。
「……」
実際全く依頼する内容なんて思いつかないが。
突っ返す意味もないし一先ずポケットに入れる。
「まあ何か、あれば。何も無い事の方が多いと思うけどなあ」
そう言うしかないのであった。
何せしがない一学生である。
誰かを雇う、と言うのすらピンと来ない。
■紅葉 椛 > 「やだなぁ、知識としてだよ?」
メモを受け取られ、嬉しそうに笑う。
「お姉さんは人喰いかー、久しぶりに見たかも
ってこれいいの? 返さないよ?」
袖から出た諭吉を両手で掴む。
先輩か後輩か同期かは知らないが、ありがたく受け取ることにした。
「む、流石にダメかぁ……」
少し残念そうに。
依頼する内容がないと思うと言われれば、笑顔を浮かべ、
「例えばもう終わっちゃったけど、七夕みたいな行事で彼女代行みたいなのも受け付けてるよ?」
と。
クスクスと笑って、安くないけど、と付け足した。
■詩露 久路 > 「人―――ね」
冗談でも無いのだろうし。
だがここはそういう場所で、そう言う事が溢れている場所、と言うのは分かる。
ただ単純な自分だけの正義感を振り回す場所じゃない。
故にそのヒトが自分の知り合いでは無かった、という幸運を喜ぶべきだと結論付ける。
「余り聞きたくないヒトコトだったなあ」
とても複雑な顔だ。
「とてもとても嬉しい申し出ですがそれをすると何か大切なモノを失うので遠慮します」
彼女代行と言う事に関して。
主に男としての何かを失う。
「んん……。いや俺は」
目にした万札をむう、と唸りながら。
しっかり遠慮する辺りまだまだ常識人というかそんな感じである。
■道鉄 > 「久しぶり、ね……そりゃ、同族に会えたら楽しそうなことで」
その目はどこか、悲しげに。
だが、声は裏腹に楽しそうで。
「いいよ、食ってこいよ。
なんなら”詩露と飯を食う”って依頼にしといてやる。
ちょうど仕事終わったばっかだからな。ついでにお前の連絡先、”買っといてやるよ”。商売上手だな」
それなら遠慮とかじゃないな? と逃げ道をふさぎ
げははっと笑って。歩き出す。
「じゃあな、詩露。せっかくの逢引だ。楽しめよ
それと、《ズレ》に付き合おうとすんなよ。”そういうものだ”
あと、表情。くれぐれも詰まんなそうな顔して女に恥、かかせんなよ?」
なんて言って。静かに奥に奥にと――
ご案内:「落第街大通り」から道鉄さんが去りました。
■詩露 久路 > 苦笑する。
「そう言う事かよ」
つまり椛にとって彼とご飯を食べると言う事が仕事になる。
「ま、ズレと無理に付き合うつもりは無いよ。必要に迫られなきゃ、な」
うん、と頷き。
ただそういう時も出てくるだろう。
その時の立ち位置は―――しっかり決めねばなるまい。
「務めて頑張ろうとは思う」
自信なんぞは無いが。
タオが奥へと行くのを見送った。
■紅葉 椛 > 「彼女代行ダメかー……ご飯食べられるし儲かるしで楽なんだけどなぁ……」
心底残念そうな表情で唸る。
「なるほど、破格で素敵なお仕事だね。すっごくありがたい。
お姉さんこそ最高のお客さんだよ」
笑顔で親指を立てる。
割のいい仕事が手に入ったからか、とても嬉しそうに見送った。
「えっと、それでどうしよっか。
一緒にご飯って依頼されちゃったけど」
■詩露 久路 > 「君がよければそれで」
異性とご飯というのはそれこそ心躍るイベントではあるが。
「ノリ気でなきゃここでお疲れ様。依頼は完了だな」
無理に一緒に食べなきゃならない事は無い。
この依頼は道と椛と久路だけの依頼であって。
他者は何も関わらない。
故にここで依頼が完了となっても椛の何でも屋としての信頼も失われない、とは思う。
「それこそ連絡先のお値段が全額、と捉えてもいいワケだろ?」
と続けて。
■紅葉 椛 > 「依頼はちゃんと完遂しないとだし、どこか食べに行こっか」
上機嫌にそう言う。
美味しい食事を想像すると、自然に頬が緩んだ。
にへら、と笑い、すぐ元の表情に戻る。
「連絡先に諭吉なんてダメだよ。基本無料なんだから。
そういえば自己紹介してなかったっけ。3年の紅葉 椛だよ。よろしくね」
笑顔で右手を差し出した。
■詩露 久路 > 「ああ、先輩だったのか」
失礼しました、と頭を一つ掻き、頭を下げる。
「2年の詩露久路」
少しだけ迷い、こちらも軽く目を細めて笑いながら握手を交わす。
ちょっと目つきが怖くなるが。
「先輩じゃあ行こうか……ファミレスぐらいかな」
どっちにせよ食べるつもりではあったのだ。
そのまま食べれる場所へと行く為、この場所を後にした。
ご案内:「落第街大通り」から詩露 久路さんが去りました。
■紅葉 椛 > 「ファミレスいいね、久しぶりかも」
楽しげに、弾むような歩調。
今から食べる美味を想像しながら、落第街を後にした。
ご案内:「落第街大通り」から紅葉 椛さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に鬼道椿さんが現れました。
■鬼道椿 > 荒い息を上げて男は走っていた、普通の道では逃げ切れない
そう思いビル群の中を駆け回る
百年以上生き延びてきた経験を総動員する
ここを切り抜けて今すぐにでも島を出なければならない
船など待てるものか、泳いで本土逃れよう
何をするにもこの島は狭すぎる
喰い応えのあるガキどもばかりで力を溜めこめると思っていたのに
縦横無尽に飛び跳ねて闇に溶けるように静かに
深く潜行しようとする
男の『力』は透過、壁などないも同然に疾風の如く落第街を駆け抜けて浜辺を目指した
通りを抜けて壁に消えようとした瞬間その壁が吹き飛んだ
男は青ざめる、的確にこちら思考を手に取る様に追撃してくる
男は業魔、人を遊び半分で喰らい嘲笑う怪物
その怪物が怯えていた
血濡れの追跡者に
■鬼道椿 > 「オォオオオオオオオ!!!!!!」
咆哮が空気を振動させる
誰が少女から発せられたものと思うだろうか
獣に似たそれは逃亡を図る業魔に叩き付けられた
落第街、無秩序に建造され改築が続く違法建築群は三次元の迷宮であり
そこに逃れれば追跡をするのは不可能と言われている
現に業魔もそこへ入り込んだ、厄介なことに透過の能力を持っているそれはあっという間に姿を暗ましてしまった
だが椿には関係はない
血で汚れた口元から艶めいた舌を覗かせる
舌が〈空気〉に触れた
そこから拾える情報を集める
相手の口から吐かれた息、血の臭い、感情
おおよそ目に見えないそれらの残滓が舌に触れてその時の相手の思考を読み取る
今どこにいるかすらも
思考が殺意に染まる、まともな策も考えもない
ただ相手を追跡し殺す事しか考えられなくなっていた
蜘蛛の様に違法建築群の中を移動する
先回りをし相手の逃げ道を次々に奪っていった
誘導する先は一つ、この違法建築群の最下層だ
業魔の動きを誘導する
幸い投げる物はいくらでもあるしこの建物の壁は簡単に破壊できる
■鬼道椿 > この個体は兄の仇ではない
だが兄の仇と同じ存在だ、業魔―忌むべき存在、許してはいけない存在、殺さなければならない存在
憎い憎い、憎い憎い憎い
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね
喰い殺してやる、嬲り殺してやる
「ァアアアアァアァアァァ!!!!!」
妖刀『紅飛沫』
業魔が業魔を殺すために鍛えた妖刀、斬るのではなく相手の体をぐちゃぐちゃに引き裂いく鋸刀
それを片手に持ち壁を、床を薙ぎ払い真っ直ぐに標的に突き進む
もし違法建築群を抜けようとするならば即座に建材を投げつけてその行く手を阻む
透過できる相手にそんなものが効くか?と
これは牽制であり宣告である
外に出て無防備な姿を晒せば即座に食い殺すと
地下へ、地下へ敵を追い込む
時に肉薄し相手の体を削り取って、そして自分の体すらも削られながら
地下へ地下へ、地獄の底へ
■鬼道椿 > 透過する能力者とは過去にも戦ったことがある
その時に学んだのだ
物質は通り抜けれても、熱や電流を無効化できるわけではないと
違法建築群の地下深く、そこは火が吹き荒れる焼却所であった
ありとあらゆるものが焼かれ誰も出入りすることのない場所に二つの影があった
片や引き攣った顔で右腕から刀を引き抜いた長身の男
片や満身創痍、血濡れの修羅、狂気を目に宿し憎悪を紡ぐ
お互いの姿を確認した瞬間、椿が飛び掛かった
獣の剣、そこに人間らしさと言うものはなく獰猛で殺意のみに突き動かされていた
相手の剣を払い、小手先の機微で受け流し深く削り取る
妖刀は透過すら許さず体を食いちぎっていく
喰い殺す事に特化するが故に、逃すことはない
例えそれが霞で出来た体であれこの刀は食べてしまうだろう
殺す、その一点のみに集中し技を効率よく引き出していく
超人的な体捌きをしつつも体は刻々と限界に近付いていく
人の身で悪鬼が如く力を引き出し魔を祓う
それが鬼道家の退魔の法であった
終わりが近づいていくにつれ詰将棋の様に一つ一つの攻防に重みが増す