2015/07/23 のログ
■東雲七生 > 「ま、無理もねーか。」
(この街に流れ着く理由は様々だ。
一般学生として平和を甘受して生きてる東雲には到底想像もつかないような、
様々な理由から流れ着き、溜まり、澱む。
ここは、そういう場所なのだと、級友は口を揃えて言う。)
「……けどさ、そんなもん単なる後からの理由づけだよな。」
ご案内:「落第街大通り」に緋群ハバキさんが現れました。
■東雲七生 > (きっと、本質的には此処に居る人らも自分たちも大して差は無いのだろう。
唯一違いがあるとすれば、運が良かったか、悪かったか。
きっとそれだけだ、と東雲は思う。)
「──ま、自分から足突っ込む物好きも居るだろうけどさ。」
(硬いアスファルトの上に仰向けに寝転んで、
見上げる夜空は、時計塔や学校の屋上から見上げるそれと何一つ変わらないように見えた。)
■緋群ハバキ > 喧騒渦巻く落第街。
騒がしくも賑やかな下界を尻目に、夜空を見上げる東雲の視界に不意に赤の色彩が紛れ込んだ。
風になびくそれは恐らく布。根本には、長身にメッセンジャーバッグを肩から掛けた少年。
どうやら通りを挟んだ向かいのビルの屋上からやってきたらしい少年は、体重を感じさせぬ動きで屋上へと地下足袋を接地させ、
「……お?」
寝転んだ人影を視界に捉え、首を傾げる。
こんな暑い日だ。天体観測も悪く無かろう。
勿論それは寝転んでいる人影が生者であるという前提である。
「し、しんでる……!?」
故にボケた。
たまさか訪れたこの出会い。ボケざるを得なかった。
その小柄な人影からのリアクションを、期待せざるを得なかった。
■東雲七生 > 「お?」
(視界に入った色は、普段鏡を見れば嫌でも目にする色だった。
──まさか他にも屋根伝いに移動する奴が居るなんて……。
感心し、同時にに興味が沸いて声を掛けようかと身を起こそうとした刹那。)
「─って誰が死んどるかァーッ!!
生きてる生きてる!ピンっピンしてるっつーの!」
(日頃やや天然気味な友人たちの相手をしていたからか不本意に培われていたツッコミ魂が。
何よりも早く反応してしまっていた。
飛び跳ねる様に身を起こすと、タァン!と足を踏み鳴らす。)
■緋群ハバキ > 「うわあああああ生きてたあああああああ!!!!!」
己に匹敵する程の反応速度で起き上がり足を踏み鳴らす彼に、冗談を通り越して半ば素で驚く。
びくぅっと身体を硬直させた背後には近頃お目にかかる事も少ない「ガビーン」という書き文字が踊っていた。
ような気もする。
「だ、だって落第街……ビルの屋上……倒れた人影……
陰惨な事件……進まぬ捜査の手……闇に葬られた悪事……」
やたら不吉なイメージを連想させる言葉を吐き出しつつ、立ち上がった東雲へと歩みを進める。
つまり、と一本指を立てた真顔で頷き。
「犯人はこの中にいる……!!」
■東雲七生 > 「生きとるわあああああああワレぁぁぁぁあああああ!!!!」
(やたら大仰に驚かれた気がしてついつい熱が入る。
誰がハッピーセットの黄色いチーズみたいな玩具だ、とまで言いかけて流石に踏み止まった。
よく考えてみたら大昔の広告だこれ。)
「なるほど、確かにそう思うのも無理は無い。
つまり犯人は……」
(真顔の男に大きく頷き、十分タメを作って。)
「お前だああああああああああああ!!!」
■緋群ハバキ > どぉぉぉぉぉぉぉん!!!
「お、俺が……?」
人差し指で指された少年は、驚愕に彩られた表情のまま色を失う。
何事かを返そうと言葉を探し、しかし返すべきものが無い。
やがて、反駁する言葉を失ったのが、ガクリと力を失い、膝から崩れ落ちて――
「刑事さん――
――俺、間違ってました……こんな事しても、あいつは戻ってこないって……
刑事さんが言ってくれた言葉、今この時になって……やっと、分かったんです……」
項垂れたまま、力なくそんな言葉を呟く。
哀れな男の奏でる狂騒曲は、これにて幕を閉じた――
「で、こんなトコで何してんの?」
打って変わって。
何事も無かったかのように顔を上げた少年はそれまでのテンションを全て虚空の彼方へと投げ捨て、そう尋ねる。
■東雲七生 > 「何って……んんっ、えっとー、音楽聴いてた。」
(さらりとテンションを乗り換えてきた相手に面食らう事も無く。
一度咳払いこそしたが、こちらも至って普通に返す。
本当は、誰が刑事だ、とか 何を言われたんだ、とか
取り調べ中にカツ丼を頼むのはいけない事らしいからな、とか色々言いたい事はあった。
しかし幕を閉じた戯曲にツッコみ続けるのは無粋というものだろう。)
「そういうアンタこそ、こんな所に何しに──
ああ、待って今当てるから。
えーと、……修行?」
(完全に見た目の印象から尋ねた。)
■緋群ハバキ > 「はー。ま、確かにこんなトコ独り占めして音楽聞くのは気持ちよさそうだね。
残念ながら、俺はそういうの疎いからこんな夜に合いそうな音楽ってのは分かんないんだけど」
そんな東雲の心中を知ってか知らずか。マフラーの少年は近くへと歩み、コンクリの屋上へと腰を下ろす。
夏のビル風が頬を撫で、髪を揺らす。
生暖かいが、不思議と不快ではない空気の流れ。
「俺?
あー俺はほらなんていうか、」
遮って告げられた言葉に、ぴしりと硬直。
浮かべていた人の良さそうな笑みが引き攣る。
「え。ええと。
何の修行だとお考えなんでしょうカネ?」
語尾が裏返る。何故か、少年は明らかな狼狽を見せていた。
■東雲七生 > 「うん、実際気持ち良いよ。
時計塔や委員会街の屋上よりも静か……って程でもないけど。
まあ、なんつーの? そのギャップが良いエッセンスになるって言うかさ。」
(流石に真下の通りで刃傷沙汰レベルの騒ぎが起こればそうも言っていられないが。
精々がチンピラ同士の喧嘩程度だ。その程度なら意に介する事も無い。)
「え?
何ってそりゃあ、」
(改めて狼狽する少年の格好を見る。
マフラー、地下足袋、あと何か身軽そうな身のこなし。)
「──隠密?」
■緋群ハバキ > 隠密。
そのものズバリではないが、殆ど言い表されているようなものである。
引きつった表情にたらりと冷や汗が一筋、流れ――
「――ええとなんだっけギャップ萌え???
あるある、わかるよー。
一人称が男子っぽい娘のふとした時の女の子らしい仕草とかいいよねー」
――会話を思い切り前後させて流した。
どう見ても21世紀後半となって尚米国で人気のアレっぽい風貌の少年は、どうやら本気で隠しているつもりのようである。
■東雲七生 > (フードの下から紅色の瞳が少年の様子を窺う。
事情は分からないが、どうやら自分の姿から連想するものに何か思うところがあるらしい、と察した。
──まあ、こんなとこに来るんだし、隠し事の一つや二つあるわな。
そう都合よく解釈して、話も逸らされたので言及することは止めた。)
「うんうん、そうそう。
ギャップ萌えというか、人と違う視点から物を見る快感というか、
………。」
(口元に笑みを浮かべて同意していたが、ふとその動きが停止する。
同時に、ゆぅらり、と赤っぽいような、黒っぽいような。
有体に言ってしまえば"怒りのオーラ"が小柄な身体から噴き出した。)
「だァれがちっちゃくて声も高いから女の子みてえだオラァァァァ!?」
(──変な埋まり方していた地雷だったらしい。)
■緋群ハバキ > あっ話がいい感じに逸れた。
そんな思考があからさまに漏れ出た安堵の表情。
東雲の紅色の瞳を見つめ返す緋色の色彩は、ほっとしたように再び人懐こい笑みの形に。
「こう、屋上に立って民衆を見下ろしながら『フハハ、見ろ人がゴミのようだ』みたいな事を誰しも呟き――」
自身の危機を脱したが故に、か。
完全に油断し切ったマフラーの少年はその揺らめくオーラに気付く事はなく。
「うううわうあぁああぁぁなにナニ何事!!?
言ってねぇーーーーよ!! ハスキーボイスが素敵でユニセクシャルなファッションの似合う子だなぁなんて言ってねぇーーーーーから!!!」
地雷原大爆走。
そんな勢いの密かなファーストインプレッション大暴露であった。
■東雲七生 > 「何が言ってねーよだ、言ってんじゃねえか!
つーかやっぱり思ってたんじゃねーか!! クソ!性別は身長じゃねえ!!」
(忌々しげに足元のアスファルトに八つ当たりでストンピングしつつ。
立て続けに踏み荒らされる地雷原では往年の特撮ヒーローもかくやと言わんばかりの爆発が起こる。)
「クソッ!
どいつもこいつも上から見下ろしやがって!覚えてろ!!
そのうち跪かせてやるからな人類!!」
(荒く肩で息をしながら、じろり、と少年を見る。
初対面だ。間違いなく初対面だ。間違うのも無理は無いだろう。何せ自分は今顔を隠している。
──隠してはいるが。)
「……名前。
俺は東雲 七生。アンタは。」
■緋群ハバキ > 「大丈夫!! そういう需要も世の中にはある、あるから!!!
え、俺? 俺は女の子の方が好きなんでなんとも……」
悲鳴を上げる地面を恐ろしげに見守りつつなんとか宥めるべく言葉を探す。
が、貧相極まりない少年の語彙には悲しいかな、目の前の少年を落ち着かせるだけの言葉は無いようで。
じろりとした視線を送られ、無意味にがくがくと首を横に振る。
人間何処にコンプレックスを持っているのか分かったものではない。
「跪かされたいという奇特な人類も居るんじゃないかな……
あ、え。俺?
緋群ハバキ、16歳彼女なし!」
要らない情報を織り交ぜつつ、人好きしそうな笑みで自己紹介。
■東雲七生 > 「緋群……ハバキ……。
覚えたぞ……緋群ハバキ……。」
(やおらドスの利かせた声音で喋ろうとするが、如何せん地声が高いので上手くいかず。
それすらも恨めしいと歯噛みしながら名前を記憶に刻み込む。)
「……はぁ。 少し落ち着いた。
それで、結局ハバキは何をしにこんなとこに来たのさ。」
(脱線した話を、うまく迂回させる形で軌道に乗せ直す。
これでもし本当に修行だったらどうしよう、などと一抹の不安もあるにはあるが。)
■緋群ハバキ > 「ひぃ……ナニカサレてしまう……
あ、うん宜しくねー」
逆効果だとかそんな事は全く考えずにビビった後くるりと態度を一変させて笑う。
ふざけた態度ではあるが、人を喰ったというより単に考えなしなようにも見える少年であった。
「お、おう。コーヒー飲む?
まぁ何かっていうと委員会の仕事――おつかい帰りなんだけどさ、下を歩くより早いじゃん? パルクールってやつ」
鞄の中から微糖コーヒーを取り出し、差し出して。
無意味に不敵な笑みなど浮かべながら言う。
ロード
「つまりこの廃ビルなど俺の歩く 道 の通過点にすぎないという事……!」
■東雲七生 > 「何もしないっつの!! ………まだ。
あいあい、よろしくねーっと。」
(ひらひらと手を振ってから、はた、と考える。
一度しっかり顔を見せた方が良いのかもしれない、と。
しかし場所が場所だ、何処で誰に見られてるとも限らない。東雲は逡巡の末、フードは取らなかった。)
「コーヒー? あー、えーと……
コーヒー牛乳なら、貰うけど。」
(暗にコーヒーのみは飲めない事を匂わせながら、窺う様にコーヒーを見つめる。)
「パルクール、そう俺もそれでここまで来たんだよ。
人の多い所とかさ、暑いし怠いもんなー。
……ははっ、何だそれ。カッコいいー!」
(けらけらと、フードに隠れきれなかった口元が半円の形に歪む。)
■緋群ハバキ > 「今まだって言ったね七生くん
あ、ごめん俺の好みで買ったから微糖なんだこれ。マジごめん」
掌を合わせて済まなさそうにする様子。くるくると表情が変わる様は、何処か人懐こい大型犬めいた雰囲気を漂わせている。
フードを取らない彼にも気にした様子はない。
先程、追求されなかった礼のつもりなのかも知れない。
……ただ単に本当に考えなしなだけという可能性も大いにあるが。
「パルクールいいよね……道路事情などという下界の些事を超越したこの移動手段……
かっこいいだろう(ギャキィ)
ま、そんな感じで、お仕事終わりの解放感ってトコ。俺もポータブル音楽プレーヤーとか買おっかなー」
ノリのいい東雲は、マフラーの少年には好ましく映ったらしく。
軽い調子で冗談混じりの会話を重ねていく。
■東雲七生 > 「まだって言ったよハバキくん
あ、そうなのかぁ……ま、いーや。せっかくの厚意を無下にするのも悪いからさ。
帰りに喉乾いた時に飲むよ。サンキューな!」
(表情の変化の多さ、そして忙しなさならお互い様だろう。
しかし今の東雲は表情の大半をフードで覆ってしまっていた。
それでも同じような匂いを感じ取ったのか、親近感を覚える。
──考えなしの部分まで含めて。)
「うんうん。それなりに丈夫な足場さえあればどこにでも行けるもんな!
ひひっ、同じような趣味の持ち主に会うのは初めてかもしれない。
ああ、音楽プレイヤーなら異邦人街の電機街がデザイン利便性ともに良いのが売ってるよ。」
(俺のもそこで買ったんだ、と覗く口元は上機嫌そうに。
きれいな弧を描いている。)
■緋群ハバキ > 「あらマジで。足には自信あるから三分以内に買ってくるけど
……あーでも流石にこの辺の自販機の場所全部は把握してねーなぁ。よくぶっ壊れてるし」
肩を竦めて苦笑する。今、二人が談笑しているその下ではやっぱり落第街らしく何処かで違反学生同士の喧嘩など起こっているのだろうけれど。
この場でたまさか出会い、意気を通わせた二人には関わりの無い事であった。
「ま、趣味ってか、俺の場合は実益兼ねてって感じかなぁ。お陰で委員会のお仕事も任せられたりしてるから。
でも結構珍しいよね、今の御時世、無理に身体使わなくても魔術とかでなんとかしちゃう人も多いし」
もう一本自分用の缶コーヒーを取り出してプルタブを開ける。
フードの影から僅かに覗く口元を見るに、彼もまたこの偶然を楽しんでいるようで。
それがなんだか、訳もなくうれしい。
「異邦人街かー、そういやあんまり行ったことないんだよね。
異世界人も携帯音楽プレイヤー持ち歩いたりする時代か……在留二世の人とか居るのは知ってるけど、やっぱなんかすげーよな」
変容した世界を生まれてより経験した世代である自分たちにとっても、異邦人に対するイメージは掴みづらく。
故に、この学園で見る彼らは新鮮に映る。
■東雲七生 > 「ここの自販機は確かに壊れてる方が多いよなあ。
まあ、いーのいーの、流石にそこまでして貰うわけにもいかねって!」
(通りでの喧騒も耳に届いているが、夜風のそよぐ音よりも気に留めず。
新たな出会いを素直に楽しんでいた。
そもそも同性と学校の外で会話するのもだいぶ久し振りな気がした。)
「そうそう、何でもかんでも異能だ魔術だってみんな楽しちゃってさぁ。
せっかく二本揃ってんだから、もっと自分の足で動けばいいのに。」
(自分は魔術の類は使えず、異能は滅多な事でなければ使わないのを信条としていることは伏せて。
コーヒーを弄びながら口を尖らせて不満を溢す。)
「結構デザインとか斬新でさ。やっぱ世界が違うと感性も違うんだなーって思うよ。
……まあ、俺もそれなりに異邦人のダチが出来てから行くようになったんだけどさ。」
(何人かの顔を目蓋の裏に思い浮かべながら語る。
まだまだ真の意味で彼らを理解しているをは言い難いが、それでも時間の問題だろうと本気で思っている。)
■緋群ハバキ > 「そう? まーでもなんかあったら遠慮なくおいコーラ買ってこいしてくれてもええんやで?
何しろパシリに定評があるハバキくんであるところゆえに……!」
胸を張って言う事ではない気もするが、彼は大真面目であった。
他人の為に動くことを苦に思わない精神性をしているのは、確かのようで。
「便利なものがあれば何でも使う。そりゃ俺らが人間である以上そういうもんだけどね。
携帯音楽プレーヤーなんかもそう、魔術もそう。俺は魔術全然だけど!
……ま、その上で俺はやっぱ自分の身体が一番信用出来るって感じかなぁ」
缶コーヒーを飲み干し、尻を払って立ち上がる。
そろそろいい時間だ。
翌日にも仕事が待っている委員会所属の生徒としては、夜更かししすぎるのも如何なものか。
「可愛い異邦人のダチが居らっしゃるなら是非紹介して下さい。
さって、んじゃ俺はそろそろ行きますかいね。
ま、この辺物騒だし、帰りはお互い気をつけましょうって感じで。またね」
ひらひらと手を振り、マフラーをたなびかせて。
長身の少年は、廃ビルの縁に足を掛けると事も無げに身を宙へと投げ出し――
――下階の窓枠の僅かな出っ張りに足を掛けると、それを取っ掛かりとして壁を走ってその場を後にする。
その姿は、やっぱりなんだか本人が否定したそうな雰囲気を醸し出してた、アレを連想させるのだった。
■東雲七生 > 「はっは、俺もどっちかと言えば人に何かして貰うよりか、
自分で動いちゃう性分だからさー。慣れてねーんだわ、そういうの!」
(とことん親近感が沸く相手だな、と好感を抱きつつ。
しかしさすがにそこまでの奉仕精神は東雲には無かった。)
「ま、確かに便利なのは悪い事じゃねえけどさっ。
俺も自分の身体が一番信用できるわ、何かあった時でもさ。」
(立ち上がった緋群に併せてこちらも軽く肩を回す。
物騒な場所だと思っていたが、案外面白い出会いもあるんだな、と認識を改めていた。
だからと言って、やっぱり足しげく通うというわけにもいかないだろうが。)
「俺だって紹介して貰いてーよ、そんなの!
おう、お互い気を付けようぜ。
またなっ、ハバキ!委員会の仕事、頑張れよなー!」
(軽く手を振って、その場を去っていく姿を見送る。
あのマフラー格好良いな、とか やっぱり忍びなんじゃないか、とか色々思ったが。
総評としては、何だか面白いヤツ、で済ませてしまった。)
ご案内:「落第街大通り」から緋群ハバキさんが去りました。
■東雲七生 > 「さてと、それじゃあ俺も帰りますか。」
(貰った缶コーヒーは道中落さない様にしっかりと仕舞い込んで。
一度通りを見下ろした後、軽く助走を付けてその身を宙へ投げ出した。
眼下に突き出した元・電光看板を足場に着地をすると、
今度は対面する建物の雨樋へと飛び移り、そこから更に別の建物の屋根へと飛び移っていく。
その動きはさながら猿の様だったが、天を仰ぎながら歩いている相手でも居ない限り、気づかれる事は無いだろう。)
ご案内:「落第街大通り」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にアスティアさんが現れました。
■アスティア > 「うむ。」
大通りを歩きながら、
もそもそとケバブを食べている。
いや、何をしているかというと、
美味しそうなものをみつけては、
買い食い、そう買い食いしているのである。
「美味いな!
うむ。いろんなソースがあるが、
オーロラァソースというのが実にいいな。
酸味と辛味が絶妙だ。」
なんて一人騒いでいるというか、
はしゃいでいる。