2015/08/03 のログ
ご案内:「落第街大通り」にニコルズさんが現れました。
■ニコルズ > 男はいつものように落第街を歩いていた。その背には突撃銃を提げ、腰には拳銃。
物々しい一方で洗練された戦闘員を示すその姿は、この場所でも非常によく目立つ。
(・・・・・・数日間の滞在で、分かったことがある。)
男は周囲に気を配りながら、大通りを歩く・・・ここは犯罪の温床どころか、犯罪のデパートだ。
その1つ1つに対応するのは不可能だと、この男もすぐに理解した。
それに、犯罪を摘発する権限やその法的根拠を、この男は有していない。
(・・・・・・ここは、最悪の場所だ。)
■ニコルズ > 町の治安を維持する自警団と言えば聞こえは良い。
だがその実は、ただ目に留まる“犠牲者”を助けるだけの偽善者だ。
そんな偽善者の呼びかけに応じる者など、誰も居なかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
それでも、たったひとりの自警団は、毎日欠かさずに、この通りを巡回していた。
■ニコルズ > 彼にとって幸福だったのは、まだ“異能者”や“魔術師”の絡む犯罪の現場に遭遇していないことだろう。
彼の居た世界にも同様の超常現象は存在するが、それはごく稀なことである。
銃を使えば犯罪者を威圧することも、牽制する事も、殺傷する事もできる。
それが当たり前であり、それが常識だった。
「・・・・・まぁ、この時間なら特に異常は無いか。」
小さく呟き、風雨に曝されてボロボロになったベンチに腰を下す。
■ニコルズ > この男は、自分で自分が何をしているのか、何故そうしているのか分からなかった。
だが、何もしないで居たら気が狂ってしまいそうだ。
空はまだ明るく、しかし、犯罪者達は物陰に潜む。
それでも、好奇心や冒険心、時には正義感によってか、この場所に足を踏み入れる者は後を絶たない。
それらを全て差し止めるわけにはいかず、けれどそれを見捨てることもできず。
「・・・またお前か。暗くならんうちに帰った方が良い。」
などと、道行く者のなかで顔を覚えた相手に声をかけるくらいのことは、しておいた。
ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
■園刃 華霧 > 男からやや離れた場所。
そこをふらふらと女が歩いている。
こんな場所を歩くにしては目立つ、赤い制服。
その女の周りを数人の男……二級学生が取り囲む。
「ァ……?」
見覚えはあるし、なんとなく要件も分かる。
しかしまあ、こんなところで喧嘩を売ってくるなんてなあ……
「あのサ。喧嘩売ってもいーコト、ないヨ多分。お互いにサ?」
相手から送られてくる、怒り、殺意、害意……そういった、様々な負の感情を受けながら、さらりと女はいう。
さて、どうするかな……
■ニコルズ > それはもはや、この場所では見慣れた風景の一部だった。
悪意を持つ者の手引きで、もしくは単に好奇心で足を踏み入れた少女や少年が、暴行を受ける。
勿論、少女を取り囲む者たちは犯罪者であり、少女は保護すべき被害者である。しかし、
(・・・・・・・・・どうも、危機意識が足らないな。)
こう連日、それも複数回では内心にそう感じてしまっても仕方が無いだろう。
静かに立ち上がって、足音を隠す事もなく集団に近付き、背中に提げていた突撃銃を構えた。
「…そこまでだ、クソ野郎共。
死にたくなければ手を頭の後ろで組んで…そのまま向こうを向け。」
どう見ても軍人な男が、どう見てもマシンガンな武器を構えて、映画の中のようなベタな台詞を吐いている。
■園刃 華霧 > ――は?てめえ、喧嘩売って……
やがるのか。男たちの一人、如何にも下っ端らしき男は最後まで言葉を発する前に、あんぐりと開いた口が塞がらなくなった。
無理もない。
いきなり軍人らしい男に、いかにもな武装をつきつけられているのだ。
――なんだ、どうしたよ?
仲間が凍りついたことに不審に思った男たちは一斉に同じ方を向き……
同様に固まる。
「……へェ?」
一方、当の脅されていたと思しき女は、というと。
其の成り行きを面白そうに眺めていた。
「ニーサンたち、言われたとおり二した方がいいンじゃナイ?」
そうして、余裕綽々といった風で男たちに声をかけると……
弾かれたかのように男たちは一斉に手を頭の後ろに組んで、あらぬ方を向く。
■ニコルズ > 現代的な感覚であればコスプレイヤーともサバゲー帰りとも解釈できる。
が、銃を構える動きも数人の男全員を射線に捉える位置取りも、訓練された者の動きにしか見えないだろう。
「素直なクソ共で有り難い。
下手に動けば…驚いて引き金を引いてしまうかも知れん。」
銃を向けたままに数人の男に近付けば、ボディチェックをして武器を没収し、手早く彼らを縛り上げてしまうだろう。
この状況で抵抗するとも思えないが、もし抵抗されれば銃床で殴り付けるくらいのことはするかもしれない。
しばらくすれば、地面に転がる犯罪者達という、漫画じみた光景が完成する。
「…そっちの迂闊な御嬢さん、怪我は無いか?」
それから、貴女へと語りかけた。
■園刃 華霧 > 「いヤ、お見事サン。アタシはヘーキだヨ。
にしても……なかなカ物々しいネ、ニーサン。」
へらへらと笑いながら、答える。
答えながら、ざっと男の姿を眺めてみる。
ただの軍事マニア……なら笑い話だが、多分違うんだろうな。
どうみても色々と手慣れすぎている。
とりあえず分かることは、血に飢えた戦争の犬、というわけではなさそうだ、ということか。
「ハハ、迂闊って言われりゃ、マー、なんともはヤ……
でも、ニーサンこそ。そんなゴツイ装備しながら、一人でこんなトコで何してるのサ。」
だからあえて無遠慮に聞いてみる。
まあ、遠慮しないのはいつものことだけれど。
■ニコルズ > 「分かってるなら、行動を顧みて改めることだ。死んでしまうか、強姦される前にな。」
こちらの発言も無遠慮というか、無配慮である。
逆に言えばそれだけ直球で分かりやすいとも、言えるかもしれないが。
「私は、まぁ、見ての通りの自警団だ。つい最近、ここに住み着いたたのだが・・・
・・・見ての通り、素晴らしい治安状況だったからな。」
軍人らしい身なりをしているが、上官の命令を受けているのではないらしい。
いや、もし本当に軍人なのだとしたら、自分の任務を話したりはしないだろうから、命令を受けている可能性もある。
■園刃 華霧 > 「ソイツはドーモ、ご親切に。」
なるほど、ホントに軍属なら如何にもな反応かもしれない。
もっとも、ご親切はありがたいが、こっちも仕事だし……なによりどうせこれくらいはいつものことだ。
「……て、自警団? ソンナもん、あったっけカ?
噂の総括をするヨーなのとカはあった気がしたケド……
……ひょっとシて、自主活動ってヤツか? 今、最近此処に住み着いたって言ったよナ?」
なにやらイマイチ正体が不明であるが、色々と推測を立てられる中身もある。
一応、此処は仕事をしておこう。
まあ曲がりなりにも"助けて"くれたらしい相手だから、便宜くらいは図れるといいだろうし。
■ニコルズ > 「冗談ではないんだがな・・・。」
少女の反応がまるで聞き流すようだったので、小さく溜息をつく。
この場所のことも、この島のことも、委員会のことも、何も知らない。
だからこそ、こんな反応になるのだろう。
「噂の総括?
よく分からないが、自警団とは本来そういうものだろう。
この町で暮らすのなら・・・まぁ、せめて死体が上がらないくらいには住みやすい場所になってほしいからな。」
問題は団員が1人だけである点だ。
自警団ひとりを地で行く軍人さんである・・・顔にはまったく出さないが。
■園刃 華霧 > 「ァー………………」
がりがり、と頭をかく。
どうも目の前のこの人物は、此処を知らなさすぎることが分かった。
ということは、"お客さん"って可能性がある。
案件としては生活委員とかになりそうなモンだが、しかしなんで落第街の方に居るんだろうな……
コッチの方に"門"が開いたってことなんだろうか。
「ニーサン、此処は初めてカイ? まあ、力を抜きなヨ。」
けたけたけた、と笑ってみせる。
青い……というか、色々なことを知らなさすぎる。
ご高説も結構だが、自分こそ物を知らないって分かってるのかね。
ちょっかいかけたら、色々と掘れそうで面白くはあるな。
「ココロザシはヨーく分かるけれどネ。 ケド、この街を知らなすぎル。
だから、聞くヨ。 ニーサン、何処の誰だネ?
さっきも言ったけれど……此処は初めてカイ? 何を知っているのサ」
■ニコルズ > 勿論、分かっていない。しかし異世界に紛れ込んだなどと、信じられるはずもない。
努めて普段通りに考え、行動しなければ気がふれてしまいそうだった。
が、少女が笑いながら、何処かで聞いたような台詞を吐けば、銃を持ったまま肩をすくめた。
そのまま、すぐ横のベンチに、腰を下す。
「・・・ここに来たのは4日前だ。目覚めたらあの石段の上にぶっ倒れてた。それ以上のことは分からん。
ここの治安が最悪なことと、それからこの町にはワケの分からん制度があること・・・
・・・あとは、そこの建物が麻薬取引の真っ最中だって事くらいしか知らん。」
そうとだけ言って、銃の安全装置を弄り、背に提げる。
「それと、名前ならカール・ニコルズだ・・・この町に詳しい、御嬢さん。」
■園刃 華霧 > 「へーへ―、カールね……お嬢さん、とか言われるとムズ痒いからアタシも名乗るけれど。
アタシは、園刃華霧……サ。」
名乗られれば……うん、名乗っておこう。
建前でなく本音で、お嬢さん呼びはむず痒いというか気持ち悪い。
「はーン、なるほド……地球人、なのかネ。違ったナラ面倒そうだケド。
んじゃ、その辺基本情報くらいは教えてあげるヨ……って。
……オイオイ、サラッと嫌な情報言ったナ。
ニーサン、ひょっとして現行犯逮捕、とか、乗り込んでって全員成敗、トカ考えてる?」
麻薬取引、と聞いて、ウエー、と面倒そうな顔をする。
知らないふりをしておけばいいが、後でバレたら問題になるよなあ……
うーん、バックれられるか……いやいや……うーん。
■ニコルズ > 「アンタが名乗らんのが悪いんだ。」
ムズ痒いなんていわれれば楽しげに笑って、名前を聞けば小さく頷く。
「ここが地球だという確証が無いが、私が生まれたのは確かに地球という星だ。
あぁ、それは助かるな・・・ここの住人は恥ずかしがりやなのか、話をしてくれないからな。」
情報は素直に欲しいようで、そんな風に返す。
だが、相手が露骨に面倒そうな顔をすれば、小さく首を横に振って…
「多勢に無勢、それに私には連中を逮捕する権限が無い。
さらに言えば、いま乗り込めば、アンタを巻き込んでしまうかも知れんだろう?」
さすがに、考える事は現実的だった。
■園刃 華霧 > 「ああ、地球人かネ。てーコトは、運悪く何かに引っ掛かっテ此処まで飛んでキタってオチかナ。
とりあえず此処も地球上の日本近くだから安心しナ……まあ、本当にカールの居た地球と同じかハわからんケド。」
ふーむ、と腕組して考えつつ答える。
平行?並行?世界、とかいうのがあるらしいしなあ、面倒だなあ。
でも流石にそんな難しいことはわからないから保留する。
「いやいや、要は此処はスラム街みたいなモンだし。見りゃなんとなく分かるでショ。
恥ずかしがり屋もナニも、ヨソモノは敵、みたいなトコだゾ
しかも、カールみたいな武装したヤツなンて余計……近づきタイ相手じゃないだロ。違ウ?」
本気じゃないだろうけれど、もし本気だったら正気を疑うかよほど世間ずれした相手だと分かるわけだ。
そこは貴重な情報かもしれないし、ちょっと様子を伺ってみたりする。
「権限、カ……ふーン。一応、その辺気にするのネ。
其の割に……見事な捕縛もしてるじゃナイ?」
ちらり、と丁寧に縛り上げられた男たちを見る。
これは逮捕と言わないのだろうか?
まあただ拘束しただけだ、ということなのかもしれないが……
そんなのは最早誤差の範疇だろう。
実際は多勢に無勢って方がメインだろうか。
軍人ならそういう冷静な判断も下すだろうし。
「アタシ?あっはっはっ、気を使われルの久しぶりだナー。
そっちがドンパチするつもりナラ、上手いコト逃げるか、どーにかするヨ。
まあ、だからってヤレ、とまで言えないけどサ?」
■ニコルズ > 「運が良かったのか、悪かったのか。
…あぁ、ここは日本の近くなのか。どうりで東洋人が多いと思った。
しかし、日本と言う国は治安が良いと聞いていたのだがなぁ?」
恐らく並行世界の出身なのだろう、この男はこの島や、世界事情に無知である。
続けられた少女の言葉には、肩を竦めて笑った。
「あぁ、そんな敵だらけの場所じゃ、銃を突きつけて話を聞くくらいしかできん。
しかも相手があんな連中では信憑性がなくてな・・・情報提供は歓迎だ。
・・・まぁ、そんな敵陣の真っ只中で武器を手放せん歩兵の心境くらいは理解してくれるだろう?」
それから男は、少女につられるように縛られた不憫な男たちを見る。
「・・・あぁ、習ったからな。」
見事な捕縛、と言われればさらりと返した。
「ああしておけば、誰かが助けるか裁くかするだろうさ。」
恐らく後者になってしまうだろうが、この男は被害者を出さないために悪人を無力化するだけなのだろう。
「・・・久し振り? ここの男は随分と薄情なんだな。
さて、私が突っ込んだとして、ここを殲滅、占拠したとしよう。
その結果何が得られるかと言えば、マフィアの報復くらいのものじゃないか?」
視線を少女の方へと向けて、
「摘発するなら一斉にやらなければ、何の意味も無いよ。」
■園刃 華霧 > 「ンー……はは、その認識はまあ、概ね間違っチャ、いない……ん、だよネ。
此処は常世島って言うンだけど、聞き覚え、あるカイ? もしないンなら、残念ながら此処はカールの知ってる地球じゃナイかもネ。
そうなると、此処じゃ異邦人って扱いダ。
異邦人には異邦人の過ごし方ってモノが此処には有るゾ?」
ふむ、状況を整理する必要が出てきたな、と思う。
異邦人ケッテーイ、なら生活委員に丸投げすればいいだろうけれど、残念ながら此処にはいない。
とすれば、まあ自分でやってもらうしか無いだろう。
「とりあえズ、カールが軍人で結構な訓練を受けてルってコトくらいは理解したかネ。
んで、よく分からんママに、変なトコロに来てトホーに暮れてる、ってのモ……まあ、だいたい察しタ。
ただ微妙に察しが悪イのも察した気がするケド……アイツラあのまま放置したラ、多分身ぐるみ剥がされてバイバイ、が一番の選択肢だと思うナ。」
哀れな男たちに向かって、ニタリ、と人の悪い笑みを浮かべてみせる。
男たちは、哀れっぽくうめいた。
「さて置き。
そうさネ。確かに、ニーサンのご説ごもっとモ、か。
末端のお掃除しても、そうイイことはないかもナ。
なら、アタシがサボる言い訳にはなるカ。」
■ニコルズ > 「常世島・・・知らないな、映画か何かで見た覚えがあるような気もするが。」
喋り方はともかく、丁寧に説明してくれる少女の話は真剣に聞いているようだ。
異邦人、と呼ばれてもまったくイメージはわかないが、
「郷に入れば郷に従え、というやつか?
まぁ、それに従う義務があるというのなら、別段それを拒否するでもないが。」
そうとだけ答えて・・・・・・哀れな男たちへ視線を向け、苦笑を浮かべる。
「襲われていたのはアンタだ。私はアンタに手が出せんよう無力化しただけ・・・
・・・その後の処分は、アンタが決めてやれば良いんじゃないか?」
少女の笑みが黒い。そして、続けられた言葉から推測するのなら、
「アンタはどうやら、自警団よりかは、犯罪行為に対して権限を持っているようだからな。」
恐らく、あれらの処分を丸投げすべき相手だ。
■園刃 華霧 > 「ァー……異邦人決定、か、ナー……ちなみに、異能、とか、魔術って馴染み有ル?
見たところ、フツーに軍人サンって感じだし、縁もなさそーだけド。
ああ、別に詮索ッてーワケでもナイからゆるゆる答えてくれれバ良いヨ。
ただ、あとの説明内容がちょっと変わるってくらイ?
ちなみに、此処での過ごし方は別に義務じゃナイけどネ。」
あちゃ、ビンゴかー……と思いながら。
なるほど、この異邦人のニーサンは常世島の、よりによって落第街に紛れ込んだせいで持ち前の正義感で自警団、とか言いだしちゃったワケだ。
……あ、アイタタタタ。ああいや、うん。真面目な人間を笑ってはいけませんね?
「エー……面倒くさいナー……放置でいいんジャないかネ……
それよカ、うん。流石にそういう嗅覚はしっかりしてンのネ。
ソコも、説明の時に補足するヨ。しょうがナイな」
やれやれ、と肩をすくめてみせる。
権限があるにしては、実にやる気のない態度だった。
■ニコルズ > 「異能…というのはよく分からんが、魔術師はよく聞くよ。
尤も、殆ど御伽噺や映画の中だけの話だが。」
どうやら縁は殆ど無い様子。けれどこの男は“殆ど”がフィクションの話、と言った。
まったくなじみが無いわけでは、ないようだ。
「彼らの末路を予見したのはアンタだが、放置で良いのか…?
まぁ、アンタがそう言うなら、それでもかまわないが。」
微妙に不快な表情を浮かべたのも、この男が生真面目な人間だからだろうか。
いや、この島の感覚がおかしいのであって、本来なら人間をそう軽く扱って良いはずはない。
恐らく彼らも、死をもって償うほどの罪は侵していない。・・・きっとこの男は彼らを、後で解放するだろう。
きっとこの男は、いつでも大真面目なのである。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
■園刃 華霧 > 「なーるホド、ネ。OKOK、だいたい分かっタ。」
ふむふむ、と頷く。
これで基本的な情報は揃った。
とはいっても、流石に全部一から説明するのは長いしとても面倒くさい。
だから、端折って説明することにする。
折角なので、少しカッコつけてみようとしてまるで演説をぶつように話し始める。
「一人で此処で説明するのは時間もかかるシ、アレだから後で気になったら然るべきトコで聞いておくレ。
ざっと説明するト……いわゆる、超能力、みたいなのが異能ってヤツ。
ンで、この世界は異能やら魔術やらがあってネ。他にも異邦人……つまり、カールみたいな、この世界以外の存在。
それも、中には人間じゃないヨーなのまで混ざって色々いるトコなのヨ。
で、色々問題が起きまくって大変ダーってンで、全部ひっくるめてまとめて存在できる研究用の島を作ったのサ。」
さて、ここまでわかる?と、カールの様子を伺う。
「それが、此処。常世島ってワケ。
んで、此処は学校形式も取ってるんでネ。身分証とかあるのヨ。
異邦人なら異邦人の身分とかもあるから、それがあるとナイとじゃ便利さは大分違う、かナ。」
そういって主要な話をざっくりとまとめる。
「アー……ちなみに、此処はそんな身分がナイ連中が居る、闇の部分ってヤツな。
アタシは、そういうのとか普通の連中の喧嘩とか、を取り締まる風紀委員ってヤツなのサ。
いわゆるケーサツ、だネ。」
わかったかな?と、改めて様子を見る。
……ちょっと不快そうな様子を見せてたなぁ。
まあ口だけなんだけど、これ。
少しは脅さないと効果ないでしょう。
真面目な連中はこういう融通が利かないのよなー。
などと思う。
■嶋野陽子 > 昨夜手当した知人が、自室からも
本人の部屋からも姿を消したため、昨夜怪我をした場所
に、完全装備で捜索に出た陽子。流石の落第街の無法者
達も、虹色に輝くアーマーを装着した、2mを軽く超え
る筋骨隆々の大女に手を出す者はいない。
捜索中に、風紀委員の腕章を着けた女子を見付け、探し
人を見かけたか聞いてみようと近付く陽子。
良く見ればアーマーの上腕に、保健委員のマークが描い
てあるが、果たして相手が気づくかどうか。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に嶋野陽子さんが現れました。
■ニコルズ > 少女は少しだけ得意げな表情で、語り始めた。
半ば大人の対応、そして半ば必要に駆られて、ついでに若干の興味も混ざり、男は真剣にその話を聞く。
「・・・まるでファンタジー童話の世界だ。
それが第一印象だが、その認識で、どうやら間違ってないな。」
肩をすくめて、そうとだけ呟き・・・納得したように頷いた。
そして、この町に存在していた奇妙な身分制度にも、身分証、という言葉で納得する。
理解を拒んでいただけで、理解力は決して劣っている訳では無いようだ・・・
「なるほど・・・理解したよ。
残念ながらこの様子では、風紀は守れていないようだが。」
そんな皮肉を言う余裕も生まれたらしい。
相手の内心の計算まではさすがに読めず、風紀委員・・・警察なのであればあの連中を連行し、留置所で面倒を見るのが仕事ではないのか?
と、こちらは内心にその勤務態度に疑問を感じたようだ。
■ニコルズ > 「・・・で、そちらの大きな御嬢さんは、何か用かな?」
声も表情も笑っているが、背に提げた突撃銃をいつでも構えられるよう、位置を調節する。
相手に見えないように安全装置を解除しながら、近付いてくる大女にそうとだけ告げた。
■嶋野陽子 > 風紀委員にだけ注意が行って
いたため、今始めて気付いたが、その向こうには見覚
えのある風体の兵士がいて、陽子を誰何した。
(何故ここに転移前の世界の米兵がいるの!?)
混乱しかけた頭を強引に現実に引き戻し。
「行方が解らなくなった知人を探していて、この風紀
委員さんに、見掛けなかったか聞こうと思いました」
と答える陽子。
■園刃 華霧 > 「はは、知らない人間にとっちゃ、御伽話みたいナもんだろーネ。
此処の人間にとっちゃ、既に日常、なんだけどサ。」
けたけた、と笑いながら答える。
まあ大体のところを理解してもらったようだ。
それなら、話は楽だ。
「ま、そらネ。そこは、言った通り、闇の部分でサ。
いろんな事情で"身分"がナイってコトは……いわば、居ない、のと同じって扱いなのサ。此処ではネ。
いや、中には金で嘘っぱちのやっすい身分を買ったセーで苦労してるのも居ル。
残念ながら、それ全部をドーニカする方法はないナ」
肩をすくめてみせた。
実際、それはこの島の闇であり、此処はそもそも無いことになっている場所だ。
「まさか、カールさんヨ。此処を全部焼いちまエーなんて言わないよナ。
現状、ソレしか完全解決の手段はないゼ?
コレでも頑張ってるのヨ。身分の無い連中に身分あげる活動トカ……
ま、ソコで転がってるのは、犯罪歴とかで引っ掛かって、その審査に弾かれちゃっタやつなんだけどサ?
まあ、ある意味アワレなコたちだヨ」
皮肉にはそう答える。
そして、カールの言葉で気がついて見る……と。
うぉ、でかい。
「……と、ウン? 保健課?
なにやってンのサ。こんなトコで」
■嶋野陽子 > 『保健課?何やってんのサ?』
と聞かれると、
「昨夜この辺で怪我をした女子生徒を手当したのです
が、今日一杯は安静にするように言っておいたのに、
私の部屋にも自分の部屋にもいなくて、まさかここ
に戻って来たのかと探しに来たのです。160cm位で、
緑がかった銀髪と緑の眼、そして爆乳の女の子です」
と、ここまで来た理由を説明する陽子。
自分がまだ名乗っていない事に気付き、
「あ、あと、私は保健課一年生の嶋野陽子と言います」
と名乗る。
■ニコルズ > 「ははは、これが日常になれば楽しく暮らせそうだ。
…もしくは、気が狂うかのどちらかだな。」
男は話の大方を理解したが、納得するには至らない部分も多い。
「なるほど、人権もクソも無いってことだな。
郷に入れば郷に従え、とは言うが・・・なるほど、こりゃちょっとばかり刺激が強すぎるなぁ。」
まるで市民権が無いローマ人の如く、身分証が無ければ奴隷同然。
文明社会にあるまじき、あまりにも未熟な社会ではないか。
完全解決の手段が無いと告げれば、明らかに不快な表情を見せただろう。
「・・・ここでは犯罪歴がある人間は殺されても構わんのか。」
どうにかする方法は無い。
恐らくこの世界の住人である少女が言うのだから、そうなのだろう。
だが、この男には、この状況が異常だと感じていないこと、それそのものが、異常であるように思えた。
体格のいい女は何かに気付いたような表情を見せた。
だが、用事があるのは自分にではなく、この風紀委員にだったようだ。
「なら、私は邪魔だな・・・お2人で存分にどうぞ?
なんなら私は去ってもいいんだが。」
少しだけ安堵の表情を浮かべつつ、銃を元に戻した。
■嶋野陽子 > 米兵の格好をした男が去ろうと
したので、思わず、
「待って。あなたは紀元何年の記憶があるの?」
と男に問いかける陽子。返答によっては、陽子と同じ
世界の住人かも知れない。
■園刃 華霧 > 「ァー……残念ながら、見てないねェ……
カールは? 緑がかった銀髪だとか緑の眼だとカ、バクニューだって爆乳。
見てないノ?」
陽子に聞かれれば、其のように答え……
そして、カールにも振る。
■ニコルズ > 「・・・アンタも不思議なことを聞く御嬢さんだな。私の記憶にあるのは西暦2015年までだ。
ついでに、そんな目立つ奴が居れば気付くだろうが・・・見た記憶は無いな。」
振られればそう答える。嘘をつく必要は無い。
■園刃 華霧 > 「ソ。ご理解いただいてナニヨリだヨ。
だから、出来れば身分証を取得していたダケると、アタシ的にも助かるっちゃ助かル。
不法滞在は法的にはご法度だしネ。異邦人なら、異邦人向けのケアもある、ハズだナ」
肩をすくめてみせる。
「ま……中身にもよるナ。殺人、その他愉快な犯罪をしてレば、死刑だって已む無しッテ……場合もあるだロ?
カールが不満に思うのモ、まー、無理はナイけどサ。」
やはりまた、肩をすくめてみせる。
容赦なく、そのようなカテゴリに埋める人間が居るのも事実だ。
「……理不尽なんテのハ、お互い百も承知サ。
其の上で、生きたい人間は必死で生きる術を探すシ……死ぬヤツはゴミのよーに死ぬンだヨ。
勿論、そんなコトも知らないで幸せに生きてる人間も、居る。
さっきも言っただロ。此処は、闇の部分。
カールのいた世界にハ、なかったのかネ。どうしようもなく、泥をすすって生きなきゃいけナイ人間たちはサ。
なら、幸せなこっタ。」
へらへら、へらへら、と。
ひどく、ひどい笑いとともにそうやって答える。
■嶋野陽子 > 風紀委員から、迅鯨さんを見かけていない
と聞いて、肩を落とす陽子。
男が2015年から来たと聞いて、
「今は西暦にすると何年でしたっけ?」と風紀委員に
確認する陽子。確か2070年代だったはずだ。
■園刃 華霧 > 「ァん? 少なくとモ、2015年じゃナイことだけは確かだネ」
陽子に聞かれれば、つまらなさそうに、そう答える。
■嶋野陽子 > そうすると、眼の前の男は、
異界からの来訪者であることが確定だ。つまり、生活
委員会による保護対象・・・って、この場合は私って
事!?
恐る恐る風紀委員さんに確認してみる。
「……あのー、この人は生活委員会による保護を受け
ているのでしょうか?」と、目の前の男について聞い
てみる陽子。万が一墓穴を掘った場合は、このまま
生活委員会に直行だ。
■ニコルズ > 「なるほど・・・有益な情報と助言に感謝しよう。
不法入国については、自発的意思ではないから不問にしていただきたい所だな。」
冗談じみた言葉でそうとだけ答えるが、目は笑っていない。
「勿論、掃き溜めでクソみたいな生き方をしている奴は居たさ。
闇を見て目を逸らす奴も居た・・・それは変わらん。」
だが、納得する事はできない。
犯罪で人が死ぬのは仕方が無い、だが、死ぬにせよ人らしい死に方がある。
身分証があるか、無いか・・・・・・人権とは、人間の自由とは、
そんなもので左右されるものではないはずだ。
・・・・・・尤も、こんな考えはこの世界の常識には、まったくと言っていいほど合致しないのだろうが。
■嶋野陽子 > 『人権とは、人間の自由とは、
そんなもので左右されるものではないはずだ。』
という男の発言に、
「確かにグアンタナモには学生証は無かったですね」
と、陽子がいた世界にあった非合法収容所の名前を出
す陽子。これで反応があれば、男は陽子の世界と近い
所から来ている。
■ニコルズ > この大女は、どうやら故郷のことをよく知っているようだ。
「…グアンタナモも褒められたものでは無いが、国際社会の平和と安全の為に存在している。
それに、これほど野放しにはなっていないだろう?」
逆に、嶋野にそう問い返してみた。
相手の知識量がどれほどのものかは分からないが、2015年時点で閉鎖に向かって動き出しているのは確かだ。
■園刃 華霧 > 「受けてナイみたいだネ。ただ、このニーサン、素直に保護を受けるかはわかんないヨ?」
陽子には其のように答える。
そして、カールに向き直り。
「ま、別にアンタを捕まえヨー、とかは思わナイよ。
助けてもらった分……とかは抜きにしてもネ。
仕事的には保護対象ってのが実際だシ?」
やれやれ、と肩をすくめてみせる。
「ンー、ンー……カールの、そういう正義の気持ちは、マー、分からナイではナイよ。
ま、ちょっと挑発っぽクなったかネ。だとしたラ、悪かったヨ。
ちっとその辺の件では、最近アタシも思うトコがあってナ。」
あー、らしくないよなー……と、頭をかく。
そのまま少し歩いて、転がっている男たちの拘束を解くと
「二度と悪さするなヨ。次は簀巻きで放置だ」といって、蹴りだした。
男たちは一目散に消えていく。
「さて……コッからはアレな話。
よくも悪くも……ソレを完全に改善したいってナラ……
この島、そのものを変革しないとダメ、だゼ?
なにしろ、この島の神といえる一等上の連中サマが……"この街はない"って宣言してやがるからナ。」
ヘッと。へらへらしているこの少女にしては珍しく……吐き捨てるように言った。
「……ま、でもおかげ様で脛に傷のある連中が潜り込みやすいのも事実なんだワ。
逃げ場として、ネ。
そう。無法だからコソ、此処は誰でも受け入れてくレルのサ。
だから、この街は尊くもある……とは、アタシは思うヨ。
さて、この無秩序がなくなったラ……難かしいトコロだネ」
はあ……と、ため息をつく。
何もかもうまく行くには、世の中は難しいものだ。
「まあ、だからアタシとしては……カールがなにをするにしても、身分は持っててくれると嬉しいンだが……
強要もできはしないシ、する気はナイ。」
■嶋野陽子 > 男のいた世界が、自分の故郷と近
いと知った陽子は、逆に彼を確実に保護しなければ
と考え、
「あなたの世界からここにたどり着いたのは、あなた
が最初ではないわ。断片的だけど、私がこうした話が
出来る位の情報は伝わっています」と男に答える陽子。
「私は、部署は違えど異界からの来訪者を保護する生
活委員会に所属します。あなたが希望するならば、
このまま生活委員会にお連れして、この世界での生
活を始める手助けも出来ます。どうされますか?」
と男に説明する。
彼に判る例えを探して、
「あなたが出現したこの場所は、ISISに占領されたば
かりのイラクのような無法地帯です。まずは法の支
配の及ぶ場所に移動して、それから未来について考
えませんか?」と男に提案する陽子。
それから風紀委員の方に向かい。
「今から彼を生活委員会に連れて行こうと思いますが、
現時点で問題となる事はありますか?」と確認する。