2015/09/08 のログ
ご案内:「落第街大通り」に平岡ユキヱさんが現れました。
■平岡ユキヱ > 学園からは存在そのものが否定されている落第街の大通り。
そこを堂々と歩く風紀の制服。
金髪に青く蛍のように光る毛先、木刀を入れた竹刀袋。
学園風紀委員が一人、平岡ユキヱである。
「巡回、異常なし。以前と比べれば随分この辺も落ち着いたようだ」
スマートフォンに定時連絡を入れると、少し歩みを止めて辺りをよく見まわしてみる。
警戒は…そされて当然か。ひとり苦笑いして頭をかく。
■平岡ユキヱ > 「…」
見回して気が付く。こちらへの警戒とは別種の視線。
見たところ3人程の一般学生と思しきグループがこちらを見て助かったとでも言いたそうな、
安堵の表情を浮かべている。
「ほら、アンタたちもっと賑やかなほうへ行きなよ
この辺は危ないんだから」
あっちなら人通りが多めだから、速足で行けば安全に歓楽街まで出られる。
と道を示したり。
「やれやれ…劇団だか何だか知らんが。
乱痴気騒ぎのあとにも面倒事を残してくれる」
ご案内:「落第街大通り」にリビドーさんが現れました。
■リビドー > (迷……ってはないが。)
大通り。経路も調べたし今日こそを目的の場所へ――と思い向かっていたものの、
ふと視線を遣ってみれば一目で風紀委員と分かる着込んだ少女の姿。
公的か私的かは兎も角巡回中だろうか。この先に用事が有ったが、ウカツに進むのは宜しく無さそうだ。
(ふむ、どうしたものかな。)
■平岡ユキヱ > 「…?」
見られた視線に気が付いたのか。ふいにリビドーの方向を見る。
はてな、あの姿学園のどこかで…。のしのしと歩み寄ると、風紀式の敬礼をして。
「失礼。もしかしてリビドー先生ですか?
何故このようなところに?」
ぱん、とド直球の職務的質問を投げかける。
■リビドー >
ユキヱの敬礼を見れば軽い会釈を返す。確かなもので、板についている。
名前を覚えていた事に感心を覚えながらも、直球な質問に苦笑を浮かべた。
「そうともリビドー先生だよ。名前を覚えてくれて嬉しいね。
ん、ああ。理由か。道に迷ったとも云いたいが……ふむ。」
真っ直ぐに問うた以上、変に誤魔化すのも挟持に反する。
とは言え言葉を選ばず正直に答えてしまうのも、双方に角が立つ
「少々個人的な用事でさ。確かこの辺だと思ってたんだが……
どうにも歓楽街は広くてね。特に一部の地域は地図通りでないから、よく迷う。
もっと質の良い地図が必要かもしれないな……」
通称"落第街"。
公式には存在を否定され、歓楽街の一部と見做されている区間。
故に此処に足を踏み入れると言う事は歓楽街に踏み入れている――
――とも何とか言えるだろう。
歓楽街の一部と見做されるが故に、
落第街で起こった事は歓楽街で起こった事と言い換えられてしまうのかもしれない。
とは言え結局は……などと考えながらも、いかにも落とし所な言い訳を立てた答えを返す。
■平岡ユキヱ > 「それはまあ…公にできない私用か、そうでないかによって対応が変わりそうですね。
ここは名目上、歓楽街の一部ではありますが。実情がどうかなんて現場にいれば嫌でもわかる」
ところで、我々風紀が教師をも取り締まりの対象にできることをお忘れなく、とニヤリと笑い。
チクリと針のような忠告を刺した。
「…目的までは深くは問いませんが、お酒なり娯楽なりなら
もっと賑やかなところでも十分楽しめるのでは?」
あ、もちろん私は飲みませんよ風紀ですから、と冗談交じりに世間話。
…しつつ、探りが続く。意外としつこいユキヱさん。
■リビドー > 「さもありなん。まぁなぁ……
……キミみたいに可愛くて有望な子に取り締まられるのはちょっと気になってしまうな。」
肩を竦めて、ちょっと大げさな溜息をついてみせる。
「賑やかなのは良いんだが、どうも友達の居ない教師が連日通うにはまぶしすぎてね。
……これも建前だけど、割りと本音も入ってるぜ。キミが付き合ってくれないと、一人酒だな。」
表向きには話を流した風に見せながらもしれっと次手を打って来る彼女には感心を覚えた。
……苦笑のように見えつつも、"ちょっとコイツからかってんな"と伺えるような楽しげなものが混じった笑みを返すだろう。
丁寧に扱われるのは心地の好い事であるし、
巧く探りを入れて来る強かさは好ましいものだ。
内心でユキヱを高く評するリビドーの態度や表情は、明るいものだ。
「……まぁボクが買うものは違法ではない筈だよ。
それを取り扱う資格があれば誰だって使っていいものさ。ボクだって当然持ってるとも。」
■平岡ユキヱ > 「わはは! 風紀の生徒を酒の席に連れ出したら大事ですよ。
私も大変です」
スキャンダルです! と快活に笑い飛ばす。
落第街には似つかわしくない程の明るい声で。
相手の…というよりも、その教師の言葉に耳を傾けつつ。
ほうと頷く。
「『扱う資格』ですか…。まあそれなら違法じゃないですね。
なんです、それ? 医薬品?」
せんせー質問でーす。と授業のようなノリで質問する。
そのなごやかな空気はまだ軽い。空気は。
■リビドー >
「ははっ、焼肉屋とかなら平気じゃないかい。
別に酒だけが全てでもあるまい。」
快活な笑い声は心地が好い。
とは言え、気を引き締める所は引き締めると言うべきか。
扱う資格に言及し、軽い調子で質問が飛んでくる。
それはもう、ぽろっと零してしまうかもしれない程の軽い空気だ。
一応、気をつけるとしよう。
「ん、一つは薬品……と言うかレアな植物だよ。
魔法が世界に開示された今、その分野の材料を手に入れる事は以前よりも容易くはなっている。
とは言え、それでも大手の流通に乗らないようなものは多くてね。
探しものの一つ日食の時にだけ花を咲かせるレアな植物があってね。
入手時期も限られれば栽培出来るものではない。そういうものを手に入れようとすると、どうしても此方になってくる。
後は、そうだな。古書や魔導書だな。」
真面目に語るその素振りは、真面目過ぎる故に態とらしくも映るような素振りだ。
漫画で見るような、"大まじめにボケている"に似通るそれではあるものの、内容自体はまともではある。
「最近はやけに落第……歓楽街もおとなしくなった気がしてね。
今のうちにと精力的に歩かさせて貰っているよ。これも風紀の尽力の賜物かな?」
――少し退屈だが、の言葉は飲み込む。
■平岡ユキヱ > 「肉ならば他の風紀も是非、ご相伴に与らせていただきたいものです」
死ぬほど食べる気だ。 殺気。 主に上カルビへの。
「魔術…。ああ、そういやリビドー先生は魔術の方面がご専門でしたっけ?」
こっちは素人のズブもいいところで。素養が全くないせいで
学園からは無理に受講しなくていいとご親切に言われる程の体たらくである。
魔術に詳しい風紀が相棒にでも一緒にいればまた違ったかもしれないが、この場ではじめて
ムムッと踏み込みが止まる。
「とんでもない。地道な活動はしましたが…。
どうにも凶悪な処に限って自然消滅なり、有耶無耶になったクチがある。」
そこが不気味、と気を引き締めるように改めて周囲を見渡していた。
■リビドー > 「ははっ、差し入れの形で振る舞うのは考えておくよ。」
ユキヱから発される野性の殺気。
人間火力発電所に成りそうな程食いそうだなと思えば自然と苦笑が溢れる。
「一応、主な分野は哲学だけどね。
魔術は副分野だな。受講の条件に古代ギリシア概論の履修か終了置いている事もあってか、受講者は殆ど居ないぜ。」
わざとらしく気落ちした素振りを作ってみせた。
真面目な話になればすぐに戻す。
「ああ、凶悪な奴程引き際と出るタイミングは嗅ぎ取るからなぁ。
戦闘にしろ駆け引きにしろ慣れた奴程上手くやる。
……それでも引っ張り出したければ、落第街宝町だったか。手を出すしかないかもな。
『風紀委員が入ったら命はない』とまで言われるようになった危険区域でもあるし、目当てが居るとは限らないが……」
時折話として聞き及ぶ落第街宝町。
目当ての場所に辿る為にもそこを通らなければならない故に最近調べたので、ある程度は知っている。
故にただの乱暴者以外が集う、光も差さぬ深部――と認識している。
■平岡ユキヱ > 「落第街宝町…」
はじめて耳にする名前だ。この学園の、いや、この島の闇。
一体どこまで深いというのだろうか。…歯痒そうに、眉をひそめた。
「命はない、か…。なかなか探り甲斐がありそうです。
もう少し調べて…万が一ことに至るようであれば、特攻装備にてケリをつけますよ。
…敵が引いている時は、攻め時です」
とことんやる! と言い張ったところで、タイミング良く(あるいは悪く)鳴る携帯。
「平岡です…」
こういう時は決まっている。ほかの班の応援要請である。
「呼び出しがあったので、これにて失敬!
貴重な情報提供、ありがとうございます!」
今度は敬礼でなく、伸ばした背で綺麗に一礼してから、踵を返して立ち去っただろう。
■リビドー > 「とは言えボクもよく知らない。
ネットで調べた程度のゴシップで蛮勇を呈すなら兎も角、確かにするのならば現地での情報収集は要るかもしれないな。
あるいは、風紀委員に詳しい物が居ればいいのだが――おや、またね。」
電話を受けて立ち去る素振りを見せれば、そのまま見送った。
綺麗な一礼にも、人の良さそうな笑みを浮かべてみせただろう。
ご案内:「落第街大通り」から平岡ユキヱさんが去りました。
■リビドー > 「……さて、ボクも行くかな。
用件は……歩きながら考えるか。」
気まぐれにこのまま帰っても良いか。
あるいは一応言っておくか。
……歩きながら考える事にすれば、歩みを進めた。
ご案内:「落第街大通り」からリビドーさんが去りました。