2015/10/13 のログ
■阿多福ウズメ(自称) > 「ずいぶん…頑丈ダな」
切り抜けた後、残心のまま少女Xに木刀を向けていたウズメが膝をつく。
面の奥で喀血しているのか、ぽたぽたと、赤い液体が漏れ始めている。
「あとは…絡め手モ…上手い…そして」
レフェリーに合図すると、咳込みながらも降参すると述べる。
試合終了のゴングが鳴った。喜ぶもの、賭けに負けてブーイングするもの。
そして。
「ああ、参っタ。ゴホッ…ッ…相性も悪かっタ…」
激しく膝をついたまま咳き込む姿に、あれ大丈夫なの? とちょっとどよめく者。
かの少女Xの魔術による直接の効果ではないだろうが、何やら不穏な弱り方をしている。
■不良少女X > ま、人間じゃ、ないからね。頑丈にできてる。
壊れない様に、死なない様に。…つっても、皮は普通に切れて出血はするんだけど。
(肩にクレバスか何かの様な砕けた部分が出来た。赤色肌色黄色と、衣服がめり込んで、
人間らしい肩は大分とグロテスクだ。
それにしたって、やりすぎじゃないだろうか。一応呪詛は仕掛けたが、
血が漏れるくらいに強い反動で動いていたらしいのが見える。)
搦め手…。いや、あれ一撃必殺の心算でやったんだけどな。
正直一瞬で終わるって思ってた。…何をやったの?
(ううん、と頭をひねりながら訝しがった視線。)
…おっかしーな。まぁいっか、賞金は貰うよ。
いやその…大丈夫かい?
んー…。
(ちゃっかりお金はもらっておく宣言。
この場で名を馳せる彼女の事だから、賭けた数は、恐らくお多福仮面の方が多かったのだろう。
それにしても、なーんか既視感、あるんだが。試合の時、少し不自然な青色が見えた気がするし。
何となく、上からフード付きレインコートを暫し眺める。)
■阿多福ウズメ(自称) > 「炉ガ…。暴れすぎタか」
胸元を抑えながら、自身の力を制御しようとする。が、できない。
少女Xの魔術が体に効けば効く程、自身の異能がそれを自身の力に変換しようと猛烈に抵抗と暴走を始めるのだ。
命を代償に。
なまじ向けられた呪いさえも変換し、軽減し、抵抗できる故に、さらに攻撃を受ける。
結果、さらにダメージの蓄積が進んでいく。今回はそうやって己の力が大きく裏目にでてしまった。
「私の異能…。詳細ハ、『秘』ナり」
相手に何をしたかと問われれば、秘密だと返す。
せき込みながらも面の奥で笑ったか。
ゆらりと立ち上がり、観客席の方へ。
「…涼しい顔をシテいるが、Xとやラ、見た目重傷ダぞ。自力で治せないのであれば、病院ニ」
お大事に! といいながら、よろよろと弱ったおかめのお面は去っていったか。
■不良少女X > …はあ?
(最後の最後までようわからん奴だ。
愉快そうに語っているが、つまりそれはどういう事やら。
まぁ、何かしらの超常対策なんだろう。嫌な奴と当たったものだ。
茶封筒を寄越すように例の人物にアイコンタクト。)
んなもん重症の内に入んないっての。
ほっときゃ治る。一応自分専用の回復魔法も持ってるしー。
…はいはい、そうね。
(何か、興が醒めたというか。もっと楽に勝てるものだと思っていたが、そうもいかないらしい。
スイカ割みたいに潰れた右の肩から、血液に似たものが流れるのを手で拭って、
さっさと転移して逃げ帰ろう。
そういえば、知り合いが木刀のお多福仮面に負けたとか言っていたっけ。
かたき討ち、ではないけれど、話のタネが一つ増えた。)
ご案内:「地下闘技場」から阿多福ウズメ(自称)さんが去りました。
ご案内:「地下闘技場」から不良少女Xさんが去りました。
ご案内:「地下闘技場」にダナエさんが現れました。
ご案内:「地下闘技場」に不良少女Xさんが現れました。
■ダナエ > 【PL:再開します】
■不良少女X > ロボット。或いはそうかもしれない。
それを構成している物質が、たんぱく質であるか、鉄分であるかの違い。
心、なんていうけどさ?発展に発展を重ねて化学が作り出した人工知能は、
心と何が違うんだろうね。魔法機械、なんて言葉もあったっけな。
(古い知り合いの事を思い起こす。
さて、結局あれと私はどういう関係だったか、
そんな事は、既に忘れてしまって思い出せないけれど。
人の形で、人の心を持っていた。確かそんな覚えがある。)
さーね。
私が人に気を使わなくなったら、…って思ったけど。
実際そこまで気は使ってないよ?話してる時はいいけど、
邪神も神様も俯瞰的で気紛れなんだ。
時に人に優しく接して恩恵を与えて、時に人に仇名して惨禍を齎す。
昔の人々は、天気や自然を神に見立てたんだって。
だから、こうして何かを具現化させた邪神ってのは、往々にして気紛れなんだ。
気分が変われば、態度も変わって。明日には悪役演じてるかも、なーんてね。
ま、兎も角そう言ってくれるなら、楽しい話をしようじゃん。
(気まぐれそのものと言った態度で、饒舌に語った後にそう完結させる。
悠長に長々と舌を回すあたり、遊び心と余裕ぶるのは忘れない慢心的な様子が伺えよう。)
カッタいもんだよ。盾って。
もうちょっと拳固めといた方が良かったかな。
ま、弁償ぐらいするさ。
―――う、うん?
(きつくなる磯の匂い。潮風の様な空気。
何処となく暗さが落ちる闘技場。
違和感。異常事態。「…うげ。」と、半笑い、半困りな表情で溢れた薄暗い水に一言。
だってこう見えて泳げないのだから。
まぁ、その泳げない理由は概ね物理的法則に起因している。
馬鹿みたいな密度の石を水に浮かべようとしたらどうなるか?答えは一つ。沈む。
己の体は、なんというか、この水という物に浮かべるのに一苦労するのである。
こうして慢心は実を結んで、己の所謂動きやすい普段着は水浸しになる。
スカートに飽き足らず、服まで濡れるくらいに。)
んんっ―――!?
(一発で終わると思っていたのもあって、油断していた。
そうでなくともこの水の量だ。どんなに早く動いたって避けられない。
そして、水の中では必然的に動くスピードが遅くなる。水の密集の所為で。
渦巻く水飛沫が音を立てる。去れどそれに足を取られたり攫われたりすることはなく。
ただ、巻き起こる渦巻きを叩きつけられると言う図面が、暗い水面に浮かび上がる。
衣服に髪も足もびしょびしょだ。靴下や靴が濡れると言う感覚は好きではない。
まぁ、感覚など容易にオンオフ出来るのだが、人間という物の被り物と感覚に慣れてしまったので、必然的に湿ってぬめぬめした感触を感じた。
窒息死はしないけれど、空気中の魔力を取り込むために呼吸はする。
思わず、口と鼻を抑えて目を閉じたのは、これも人間の感覚に慣れ過ぎたからだ。
実際、目を閉じていても見えるのだが…それはさておこう。
人間の様な、化学的な「脳味噌」という思考中枢より、もっと複雑怪奇で、魔学的な中央演算処理装置。
渦巻く水の中で首を左右に振って、頬を叩いて目を開く。)
――――。
(水中なので、宣告しようにも出来ない。ので、それっぽくのろっと水の中で手を動かし、
漸く魔術の行使を始めた。
破壊魔法・第五十八術式「白星」
力という物の物理法則が捻じ曲がる。
一時限的な点の力場を、あくまでも作るのではなく、法則を壊すことによって生み出す。
己を起点として、降りかかる水圧を弾き飛ばさんと反重力的な空間が、
文字通り白い星《ホワイトホール》として生み出された。)
■ダナエ > 鉄ではなく、肉でできたロボット。
脳はなくとも、考えることのできる頭。
「それは、生命ではないのかもしれないが……
人と呼んでいいのではないだろうか。
だが誰が何故、そんなものを創ったのだ?」
神は気まぐれ。
確かに、主神以外の神々はそうなのかもしれないと思う。
「なるほど。
今日のソラ殿と明日のソラ殿では、
まったく別の顔をしているかもしれないわけか。
──破壊神の楽しい話か。なかなか興味深い」
とは言いつつ、凄惨な破壊活動の話をされたらどう
対応しようかと思っている。
暗い海水の量はもはや一番水位の低い渦の中心、
すなわち騎士の位置でも2m近い深さになる。
渦は勢いを増し波は荒れ──巻き込まれて溺れかけ、
悲鳴を上げて逃げていく観客もちらほら。
ここでの観戦に慣れた客は動じず、飲み物や荷物を
手にしてやれやれと高い位置の席に移動していく。
水中で魔力が動くのが感じられる。
直後、光魔法と見紛うほどの白い光──
「!?」
渦の水流が、突如強い力に押されて逆になる。
元の流れとぶつかって波は荒れ、水中の視界を乱す。
先ほどの攻撃で腹に力を込められず、
また大盾がないことで自重の感覚も狂い、
水圧に押されて水中で転がる。
「くっ!」
だがすぐに大剣を柱に打ちつけて体勢を戻す。
白い光に、赤く色を変えた目を凝らす。
一体どういう魔法なのか、検討も付かない。
とりあえず水中で大剣を床に突き刺す。
ひびが一直線に白い光の元へ進み、
白い光の真下から土が突き上げようとする──
■不良少女X > …誰が作ったか、じゃあなくて。あー、なんだろう。勝手にそうなってたんだよ。
誰が作ったわけでもない。…確かそうだった気がする。
元々は、人間だったらしいけど。さぁ、何だったっけなぁ。
…忘れちゃったよ。ともあれ、キミはあれを化け物じゃなくて人って思うんだね。
あったことないだろうけど。
(やっぱり、思い出せない。本人と会ったら、思い出すのには違いないのだろうけれど。
さて、何となく憎たらしい奴だった気がする。だが、結局思い出せない。)
トリックスター?っていうんだっけ?
二面的なんだって。特に、邪神っていうのは正義と悪の両面を持つんだってねー。
面白いでしょ。
ま、大分と昔の事は忘れているけど、聞きたい事があったら聞いてよ。
割と魔法関係は知っているんでね。神話大戦から賢者の石、インフィニティブーストまでなんでもござれ。
…あんまり覚えてないけど。
(年を取ると言う事はなかなかどうして嬉しくない事である。
危なげな破壊活動秘話も沢山あるにはある。)
…ヅラシックパークかな、こりゃ。
(水飛沫が舞う。斥力の嵐が巻き起こる。
目障りな、淡い、とはとてもいいがたい目に悪い光エネルギーが散乱する。
観客席にまで水が飛び散り、呆れ加減に避難したり、苦笑いしたり、
若しくは叫んだり。どこぞのアトラクションではないか。)
うっひゃあ…ビッショビショ。つーかやっちゃったよ…。
(変装?の為に身につけていたサングラスが水に攫われていった。
そして、馬鹿げたことに自分で作った斥力でそのサングラスをふっ飛ばしたのだから笑えない。
顔を顰めながら濡れたこの身にうへえ、と声を漏らす。
幾等破壊神でも乙女である。ピトピトと水が滴る音を鳴らしながら、やっと、
渦から自由になった身を二三度振る。)
うう、お、と。
(己が、見た目通り、普通の少女だったら、多分土の塊に吹っ飛ばされていただろう。
己は、普通ではなかった。
強いて言うなら、体重と密度が、おかしかった。
その見た目精々四十前後だろう華奢な身だけれど、
当たり前だが、それを構成する物質は、この世界のものではない。
そして、この世界の法則に反している。質量保存やエネルギー保存を冒涜する身体。
時に、普通の女の子に突き飛ばされるくらいにひ弱だったりするけれど、
今は、先程あの渦の中で直立していたように、非常に重い。
肉の密度も、おかしい事になっている。
故に、土の塊に吹っ飛ばされることもなく、
隆起した闘技場、急速に盛り上がる土の上に、よろけはすれど直立したままだった。)
■ダナエ > 「造られた訳ではないのか、
では自分で自分を造り変えたのか?
肉と、人工知能という科学的なものが自然に
結びつくイメージが私にはないが……
まあそういう世界もあるのかもしれんな」
人工知能と聞くと、狭いイメージしか浮かばない。
「さて……実際に“それ”と会ったら、
人ではないと思うかもしれんがな。
どういうものか想像がつかん」
全身鎧の中で首を傾げるが、傍目には分かりにくい。
「ほう。邪神は悪だけでなく、正義も行うのか?」
意外だと、興味深げに。
「貴公に一番聞きたいのは世界を移動する方法だが……
まだ思い出せてはいないのだろう?
対戦相手にこんなことを言うのもなんだが、
『門』を開く方法や、それに繋がる知識は是非とも
ご教授いただきたいものだ」
面甲の下でフフッと笑う。
海水の供給を止める。
現在は突き上げた土の小山よりは水位は下、
騎士の腹あたりまで。
「うむむ……思った以上に捉えにくいな。
人間ではないが故、だろうか」
戦闘的な意味以上に、破壊神の心が読めない。
ひらひらとかわしていたと思えば、
圧倒的な攻撃力を見せつけ、
今はこうしてびしょ濡れになったことと
サングラスを無くしたことを小山の上で嘆いている。
要は遊んでいるのだろうということは、何となく分かるが。
ぼたぼたと兜や面甲から水を滴らせ、
大剣の切っ先を天に掲げる。
まあここでは天井も地の下ではあるのだが。
「神よ。力をお貸しください」
頭を垂れ、そのまま切っ先を静かに床のタイルに這わせる。
形は自分を中心とした円、描く軌跡は光る白。
描き終えた光の円は中心へと収束し、
天に向かってより強い光を放ち──
それが消えた時、重騎士は聖なるオーラを纏っていた。
暗い海水も引いている。
全身鎧も大剣もフジツボも、
漂白したように真っ白くなっている。
「……おえっ!」
聖なるオーラで自分にもダメージ。
「行くぞソラ殿……これが最後だ!」
本名を口走ってしまう。
半身に構えてグッと屈むと、全身から漏れるまばゆい光。
また自分にもダメージ、止まっていた鼻血が流れる。
次の瞬間、勢い良く大ジャンプ。
ジャンプが最高点に達して速度が落ちる前に、
光の魔法剣で土の小山ごと下から邪神を切り払おうとする──
■不良少女X > 霊的なもの、なんだよね。人工知能って言うけど、潜在意識っていうか…。
ううん、何だろう。ほら、幽霊のあれがくっついて、みたいな。
私にも、原理は分からないんだよね。
その辺は聞いてないってか覚えてない。ただ、まぁ…人型の何か。
それだけは確かだよ。
(不思議な生き物にはよく会っているけれど、ああいうのはインパクトが強かったので、
断片的にだけ覚えている。名前すら、忘れてしまっているが。)
悪神は悪行しかなさないらしいけど。
邪神はそうでもないんだってね。
人間と同じだよ。私だって、人間的感性と感情を持っているんだ。
どこぞの高尚な神様とは違って、高次的感情は持ち合わせてないんでね。
だから、気紛れに生きてる…ま、生きてるって言うのが正しいかも分かんないけどね?
(一応説明しておく。己の中では、神、邪神に悪神はそれぞれ別物の扱いだ。
その上で、自分が一口にありがたい神の類ではないと認識している。
そして、自分が邪神であると語る。)
…そうだね。
ま、だけどそれっぽくて面白そうな話は見聞きした。
ワープ理論って言うんだけどね。…まぁいいか。今度、この話が終わったらにしよう。
(一時期、世界変容前でも地球の人間文明で注目されていた理論だ。
魔法でも異能でもない、物理学。だけれど、禁術として扱われているもの。
馬鹿でかい樹木を別世界に送り込もうとした逸話があった気がする。)
さて、と。ま、最後の一撃くらい、真正面から受けて立ちましょうか。
(対峙するは足。靴と靴下を弾指の間に脱ぐ。…濡れている。闘技場は満潮から干潮に。
盛り上がった土の上に、陽光の如く白色の光。真っ白な物体。
見えないわけではない、見切れないわけでもない。
このままバック転して土山から逃げる事も、或いは土山を殴り伏せながら逃れることも、
考えたけれど。
物理的法則を捻じ曲げる様な加速運動。
ma=Fとするなら、どれくらいに力を掛けた事になるのやら。
ダンプトラックの衝突の様な重圧を初速に持つ左足を、飛び上がってくる真っ白な弾丸と、その白刃に振りおろす。
薄ら暗い破壊的で退廃的で冒涜的な、そんな魔力を伴った烈蹴。
だが、神聖属性はどうにも相性が悪い。相手が真っ当に信仰しているのが善的な神であればなおさらだ。
光と闇が互いに弱点なのは昔からで。
神聖なる破邪の力は、邪神たる己の身には、応えるものがある。
相性が悪い勝負に打って出るのは愚策だけれど、折角の遊戯《エンターテインメント》なんだから、面白くなければならない。
しみったれた観客共に見せてやるのは癪だけれど。
滲んで形のない、色と気配だけの破壊の魔力。それを伴った左足を下ろした。
「うえぇー…。」と言っている辺り、本能的に拒絶したいダメージが入っている。
誰しも苦手なものの一つ二つはあるのだ。一体何の神を信仰しているのかは知らないけれど。
今度聞いてみようか。)
ご案内:「地下闘技場」にダナエさんが現れました。
■ダナエ > 「幽霊か…………それは好かんな。
幽霊、亡者、その類にはうんざりだ」
面甲の下で渋い顔。
「悪しか行わない悪神、どちらも行う邪神。
人間として、どちらが扱いづらいかと言うと……
間違いなく後者だな」
悪いことしかしない人より、
どちらもする人の方が周りが右往左往する分、性質が悪い。
「それは助かる。
次の機会に、ゆっくり聞かせてもらおう」
ワープに興味を持った様子。
一時的な聖騎士に対峙するは少女の、足一本。
屈辱を感じる間もなく、衝突し──
──ゴガォォンッ!!!!
寺院の鐘が割れたような、大きな鈍い音。
少女の細い足によって、分厚い兜と鎧が砕け散る。
鎧の下の女騎士が一瞬姿を晒し──
「…………!!!!」
悲鳴を上げることさえ叶わず、すぐに消えた。
あたりに散らばる鎧に、どよめく観客。
石灰に覆われた鉄靴の下から、白銀色のヤドカリが
這いだしたことに気づく者はいるだろうか。
怪我を負ったらしいヤドカリはカサ、カサ、とゆっくり
体と貝殻を引きずるようにして移動し、
タイルのめくれた床に溜まっていた海水の中へ。
鎧の破片がずるずるとヤドカリの元へと移動する。
黒い霧がヤドカリからか鎧からか放出されて視界を塞ぎ、
それが晴れた時にはヤドカリは消え失せ──
異形の重騎士が横たわっていた。
鎧は異形再生の結果、少しだけデザインが凶悪になっている。
移動で力尽きたか、元ヤドカリはぴくりとも動けない。
医師免許はないが腕は良さそうな白衣の男と
その助手らしき少女が、騎士の元へ向かう。
今日はもう、意識は戻らないだろう。
間もなくレフェリーが少女の元へ近づき、
勝利宣告するはずだ。
ご案内:「地下闘技場」からダナエさんが去りました。