2015/10/14 のログ
■不良少女X > 人は二度死ぬ、生命として死滅したときと、
全ての人から忘れられたとき。
幽霊が幽霊として在れるのは、その人の記憶を持っている人が居るから。
その人がその人だと、曖昧ながら認識できる何か…魂があるから。
だ、そうだよ。これは受け売りだけど。
(得意気に他人の受け売りを語るけれど、彼女からすれば災難に違いなかろう。)
悪しか行わないのは機械とキチガイだよ。
人であれ何であれ、善も悪も程よくこなすのが当然ってね。
(右往左往に縦横無尽。気紛れさは尽きるところを知らない。
180度と言わず、最早異次元の方向さえ向いていそうだ。)
はいはい、んじゃま、過去の事例を思い出して調べておくさ。
…多分失敗してたけど。
(頼りない言葉だった。)
―――あーあ。
靴脱いどいて、後体重増やしといて正解だったわね。
(真っ白な光に当てられて、黒色の魔力が水飛沫のように飛んだ。
独特の虚脱感。そして、十二分に足に伝わる彼女の斬撃。
素足じゃなければ、靴も靴下もバラバラだっただろう。
足は、斬れる事はなかったが、鋭利な魔法剣で切りつけられたのだから、跡形くらい残る。
別の発生源から白が沸く。
石灰を砕いた煙。兜の下にあった、切羽詰まった口と、
夕色と赤色の間の様な色合いの目、そして、外国人らしい色合いの金髪。
一瞬それが見えたかと思えば、地面に落ちて、鎧がガラスビンの様に砕け散った。
中から、何という生き物かは忘れてしまったけれど、海の生き物が見えた気がした。
プラチナのような輝きが、軈て暗雲に呑まれて。
何となく、また雰囲気が変わった鎧を纏っている、元の重騎士が気絶しているのが見えた。
靴を履き直して、びしょ濡れの破壊神が土の山を下りる。
一応知り合いだし、悪い仲でもないのだから、最低限責任は持っておこうと、その始末を確認。
白衣の闇医者らしき人物と適当な問答をしておく。
明日明後日には良くなってるだろうとか言っていた気がする。)
はぁーい。
(観客の歓声と罵声は、大凡半々。
誰に向けるでもなく観客席の方へ適当にピースサインを掲げた後、
くるっと回ってひらりと軽く手を振った。覇気はない適当な緩々の声は、闘技場に響き渡らず消える。)
ご案内:「地下闘技場」から不良少女Xさんが去りました。
ご案内:「地下闘技場」にレーサーさんが現れました。
■レーサー > 薄暗い照明で足元の覚束ない場所を歩く
男の顔はフルフェイスで、丁寧に中にバイザーまでされていたが
特に足を踏み外したりなどはしないようだった
それでも、時折外から飛来する空き缶や
乱雑に捨てられたポルノ雑誌等がブーツに当たり辟易させられる
「ここは来た事がないな…募集なんかはしているのか…」
カウンターのようなものを見つけ、そこで眠そうにタブロイド誌の切抜きをしている受付に話しかける
冷やかしだと思われたのだろう、うるさそうに手を振り払う仕草をされると
肩をすくめた、ここは酷い所だ
過去にもここに来た事はなかった、新鮮さを求めて降りてきた
だが
「どうにも退廃趣味的で…俺の入っていけるスペースはないな…」
完全なアウェー感を感じる、今は誰も戦ってはいないのか
ラム酒を飲みながらイチャつく退廃カップル等のほかは閑散としている観客席や
或いはリングを見下ろしながら
退屈そうにカウンターを離れる、さて、どうしたものか…
都合よく試合でもしていれば、飛び込んでいけるのかもしれないが…
■レーサー > 良く見るとここは完全にどこかの廃線になった駅だった
いや、良く見なくてもそうなのだが…ここに来るまでの事はよく覚えていない
つまらない事は、気にしない主義だ
とはいえ、ペンキの剥がれた壁に立ちションの跡がクッキリと浮かんでいる光景を見ると
眉間に皺も寄るもの、そんな顔、見えないけど。
「出直すべきか……」
そもそも舞台と呼べるようなものも見当たらない
闘技場と言うよりは、喧嘩のしやすい路地裏のような場所だ、と思う
本当に日本なのかと疑ってしまうが、風紀について何か物申せる人間でもない
一先ずは自分の欲望を満たしたい
壁の花となって、ただ会場に佇んでいた
きっと面白そうな奴の一人や二人、通ったりもするだろう
そうしたら、喧嘩してくださいとでも頼めば良いさ
■レーサー > 「帰るか…」
ここでは何も得られる物は無さそうだ
そう踏ん切りをつけると、少し後ろ髪を引かれながらも
背にしていた壁を蹴り、歩き出した
「次はどこに繰り出すか…」
当てもなく、ぽつりとそう零すと
その姿はフッ……と幻影のように黒い帯となってかき消えていった。
ご案内:「地下闘技場」からレーサーさんが去りました。