2016/02/26 のログ
ご案内:「落第街大通り」に風間理音さんが現れました。
■風間理音 > 真昼間の落第街。
本来であれば授業中の時間帯にも拘らず、学生と思しき者の姿もちらほらと見受けられる。
そんな中の一人、濃紺のブレザーを着た少女は、とある屋台の前にいた。
「なにこれ、超うまいんだけど」
手にしているのは、串に刺された焼いた肉。
塩コショウのシンプルな味付けではあったが、焼きたてということもあり、
非常に食欲をそそる匂いを立てている。
それを一口食べるなり、目を見開きながら、一言感想を漏らして。
「えー、もう一本食べちゃおうかな…。ってか買って帰ろうかな…。
これ、温め直してもおいしいの?」
すっかり気に入ったようで、むしゃむしゃと肉を頬張りご機嫌。
屋台の主に話しかけながら、飲食スペースとして用意された椅子に腰掛け、
くつろぎモードに入る。
ご案内:「落第街大通り」に白椿さんが現れました。
■白椿 > 「……ふむ」
その辺の屋台から良い香りがする
もっとも、昨今は良い揚げの入手には苦労しておらぬので、そういったところでは困っておらぬ
とはいえ、それはそれとして面白そうな人や出来事があればその限りでもない
特に食べ物のこととなれば、いろいろあるというものだ
そして、邪魔しても悪い気もするが、その一方で邪魔してみたい気もする
そも、学生がこの時間いるというのは確実に不良のたぐいでもある故にどうなっても構わぬであろ、と
考えても良いところであるが……さて
向こうの出方次第であるかの?
などと思えば、適当に近づいていく
気がつけば良し、気が付かなければ、気付かせるだけのことであろ
■風間理音 > 串に刺さった最後の一枚を食べ終え、少し思案する。
もう一本食べようか、と。
一瞬、太る、という言葉が頭をよぎるが、すぐに食欲で上書きされた。
席を立つと、足早に再び屋台の前に立ち、今度は2本同時に串焼きを購入していて。
「いや、やっばいねこれ。太るっての」
一人そんなことを口にするが、食欲は止まらない。
出来上がった串を手に取り、早速一口頬張ろうとしたところで、ふと気付く。
―――なんか、ちょっとやらしい格好をした女がいる。
ああいうのには、関わらない方が良さそうだ。
直感的にそう感じると、向けていた視線をつい、と逸らした。
■白椿 > 「……む」
気付きながら無視しおったえ
まあ、他人ではあるから、当然といえば当然ではあるが
……邪魔決定であるの
「うまそうに食べておるの、嬢。ひとつ寄越してはくれぬかえ?」
別に金がないわけではない、単に、反応と対応を見たいだけだ
■風間理音 > 関わらない方が良い、関わりたくないのに。
どうして向こうから話しかけてくるのか。
顔を手で覆いながら俯き、一つ溜息をついて、
「…?」
わざとらしく、周囲を見回す。
改めて誰もいないことを確認すると、そっと席を立ち、その場を立ち去ろうとして。
■白椿 > そして席を立とうとするのであれば……
地面が歪む感覚があるだろうか
斜め上に落ちる感覚だ
実際に感覚も空間も歪んでいるのだから、正常な普通の感覚なら歪むのが当たり前なのだが
何も対処法がなければ、普通であるがゆえに普通に転ぶことになるだろう
感覚を理解し、吐きそうになるような酔いを感じてもいいから無理に立て直せばなんとなならなくはないかもだが、
まあ、体幹や感覚を完璧に理解していればその時点で普通では無いとも言える
「挨拶も無しとは、随分であるの、嬢」
■風間理音 > そそくさとその場から立ち去ろうと、一歩踏み出した時。
不意に、視界が歪むような感覚に見舞われ、足が地面を踏みしめる感覚が失われる。
それを正そうと必死にもがくうち、気付いた頃には地面に横たわっていて。
自分が転んだのだと気付くも、何が起きたのか理解出来ず、困惑の表情を浮かべ。
次いで、頭上からの言葉に、女が何かしたのだと思い当たり、
「…失礼しましたね。…ン」
服についた砂を払いながら立ち上がり、先ほど食べようとしていた串焼きを
唐突に彼女に差し出す。
むき出しになっていたそれは、転んだ拍子に砂塗れとなっており。
自分はと言えば、耐油紙に包まれていたために無事だったもう一本を取り出し、それを口にして。
「欲しかったんでしょ、あげるよ。自分から寄越せと言っておいて、食べないわけないよね?」
軽く怒りを露わにしながら、挑発的な口調でそう告げた。
■白椿 > 「ふふ、良い顔であるの、嬢」
ああ、これは……【可愛い】娘だ
コレは少々失礼をしたようだの、まだ先が見たくもある
そして、その串を受け取ると、堂々と、砂も払わずに口にする
ゆっくりと味わうように咀嚼し、砂の味を噛みしめる
「……筋は悪くないがの、失礼をした客人には良い方を渡すのが礼儀ではないかえ?」
つまり、あえて「食べれるモノ」と強調した上で交換しよう、というわけだ
この娘はどうするのだろう、楽しみだ
■白椿 > 「ふむ、ま……無理はせずとも良い、すげなくされたのでの、少々からかっただけであるからの」
少々、と言うには多少意地悪だったかもしれぬが
「嬢のそのやり取りと顔がの、随分と粋で魅力的だったが故に、興が乗ってしまった、許せよ
代わりと言うては何であるが、せめてここのお代ぐらいは持とうぞ」
そう言うと、主人に串焼きを更に注文し、お代とともに土産として持たせてやる
アレだけ美味そうにしていたのだ、冷えても食えるだろう
「……そんなわけでの、縁があればまた遊んでもらうとしようかえ? よろしくしてくりゃれ」
一方的に来て話しかけた挙句、転ばしておいて遊ぶも何もないかもだが
ともあれ、狐は微笑を残すと白い和服を翻してその場をあとにした
ご案内:「落第街大通り」から白椿さんが去りました。